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アークフリードからの手紙を読んだコンウォールは、手紙を読んだらすぐに伝書鳩でオクトにあるコンウォール商会の出張所に連絡を取った。どんなに優れた馬の乗り手であっても、1000キロの距離を飛び、全速力で飛べは200キロ近くのスピードで飛ぶことができる伝書鳩には敵わない。
ーアークフリード様、早くペンダントをエリザベス様に…お願いします。
アークフリード達が、オクトに着いたのは夜明けだった。
そのままコンウォール商会の出張所に向かったら、もうすでに多くの商会の者は、町にマールを捜しに出ていた。だが何の情報もないまま、6時間近く経とうとしていた。
ライドは、居ても立っても居られくて、自分も捜しに行こうとしたが、
「闇雲に動くより、オクトの町を知り尽くしている人たちに任せよう。」と言うアークフリードに止められていた。
自分より、逸る気持ちがあるはずのアークフリードが言うのだから、頷くしかなかった…。
だが気持ちがどんどん暗くなっていく。
昼頃だった。海沿いの倉庫近くで、金色のような髪の少女が柄の悪い男と一緒にいるという、情報が入ってきて、ふたりは海沿いの倉庫街へと急いだ。倉庫街は、町の賑やかさと一線を引くように静まり返っていた。
「ここです…」とコンウォール商会で働く少年が、指差した扉に手をかけようとした時だ…少女の叫び声が聞こえた。アークフリードは鬼神の様な形相で扉を蹴破ると、一気に男達に走りより、問答無用で、ふたりの男の首を刎ねたのだ。いつもアークフリードではない行動にライドは、一瞬…出遅れてしまった。
コンウォール商会の者からの情報で、おおよその人数はわかってはいたが…先程 焦って町に飛び出そうとした自分を諌めた、あの冷静なアークフリードではなかった。ライドは、まさか突入して、ふたりの男の首を刎ねるという、荒業をアークフ リードがやったとは信じられなくて…思わす名前を呼んだ「アーク…フ…リード」
男の血を浴びたアークフリードは、腰を抜かした少女を見ていた、少女は…
「ぁアークフリード様?」と言って、抱きつこうとした…だが アークフリードは、抱きつこうとした少女に剣先を向けた。
「エリザベスから取った、ペンダントを返してもらおう。」と冷たい声が倉庫内に響いた。
「ペンダン…ト…。それだけの為に、ここに…?」そう言ってマールは呆然とした。
黒髪に、青い瞳の少年が、草むらからひょっこり顔を出し、「ごめんね、驚いたんだね。」とそう言っ て、両手を掴んで立ち上がらせてくれて、優しく微笑んだ少年はいなかった…。
そこにいたのは、ふたりの男の血を浴び、青い瞳が殺気で鈍く光っている男だった。
ー私を助ける為に、ふたりの首を刎ねたのではなくて、エリザベス様に渡したペンダントを取り戻したい為に、ふたりの首を刎ねた…たかがペンダントのために…。
あの穏やかで美しい時間は、アークフリード様とエリザベス様だからなのだとわかっていた…だが、マールの顔が悔しくて歪んだ。…そして心が寂しくて歪んだ。
「エリザベス様から、言われたのですか。ペンダントを取り返してと。そのために私を追って…悪人とはいえ人まで殺して!いい加減に気が付かれたらどうですか!魅了魔法にかかっていることに!!」
アークフリードは、走りよろうとしたライドを手を広げ止め、マールに言った。
「俺のほうが先にエリザベスに惚れたんだ…そのペンダントは、俺が命をかけて守ると言う証で送った。おまえが持つべき物ではない! 返してもらおう…返さねば…切る。」
マールは座り込んだ…この人は…アークフリード様は、それほどまでにエリザベス様を…と思うと…もう、力が抜けた…。
その様子を見てライドは、マールに近寄り彼女の前に座わり、
「マール嬢…13年前に傷つき、寂しい思いをしたのは君だけじゃない。アークもエリザベス様も傷つき、大切な人達を失い、離れ離れになった。そんな状況でも13年の間お互いを想いあっていた。そんなふたりの絆は、誰にも邪魔することはできない。」
ライドは、上着を脱いで、マールの乱れた服を隠すように肩にかけ…優しく微笑み
「君の叫び声が聞こえた時、アークフリードは躊躇せず、飛び込んだ…どういう意味かわかるだろう。こいつは、ペンダントを盗んだ君に怒ってはいるが、君のことも心配していたんだよ。」
マールの眼は大きく揺らぎ…しゃくりあげるように泣いた。
「ごめんなさい、ご…めんなさい…」と大きな声で泣いた。
そんなマールを…辛そうに唇をかみ締め、視線をマールから離したアークフリードに…ライドは苦笑しながら、アークフリードに近づき…小さな声で
「アークフリード…おまえはマール嬢の気持ちを知っていたんだろう、だから引導を渡すつもりで、あんな恐いことを言ったって、俺はお見通しだぜ。」
「ライド…。」
ライドは振り返り
「返してくれるよね。」そう言ってライドはマールの前に手を出した。
マールは、泣きながら自分の首から、ペンダントを外しライドに渡そうとした…だがライドはその手を下ろした。マールは、ライドの意図がわかり立ち上がって、アークフリードにペンダントを差し出した。
「アークフリード様、ごめんなさい。エリザベス様にも…フランシス様にも…私は大変なことをしてしまい、本当にごめんなさい。」
アークフリードは黙って、差し出されたペンダントを受け取り、マールの頭に手を置いた。
言葉はなかったが、マールは頷き泣いていた。
アークフリードは、マールの身柄をコンウォール商会の者に預けた。
マールは泣いてはいたが、憑き物が落ちたように穏やかな顔で倉庫を出て行った。その背を見送りながら…。
アークフリードは13年前のあの日に、思いが飛んだ。
アークフリードの脳裏に浮かぶのは…。
マールバラ王国の花が咲き乱れる中庭と…エリザベスとリリス様、キース王の笑い顔。
『エリザベス、私にはその…そのお茶をいれてはくれないのかい?』
『はい、アークだけです。お父様はお母様から入れてもらってください。』
『もう…あなたたら、何をアークと張り合っているのです。』
『エリザベスは…まだエリザベスは私の娘で…まだアークのところに…嫁にはやっていない。』
拗ねたようなキース王に、リリス様がエリザベスが笑っている。
あれはマールバラ王国にバクルー王国が攻め込む、3時間前。
その後すぐだったという…。
エリザベスはダンスのレッスンに、俺はノーフォークに帰還する準備をするために席を立った後、数人の兵士と、短剣を手に現れたパメラがリリス様を人質にして、キース王に結界を解除するように迫り…リリス様は「私がいなければ、結界を解除する必要はないですね。」と言ってパメラ様から短剣を奪うと自ら…胸に短剣を差したという。
キース王はリリス様に治癒魔法をかけたが…ほぼ即死だったそうだ。いくら魔法が不思議な力と言っても、亡くなった人を蘇らせることはできない。キース王はリリス様を抱きかかえると、襲い掛かる兵士らの剣を受けながら、歩いて行かれたという。
愛する人を目の前で失ったキース様はどんなにお辛かっただったろう。
膨大な魔力を使うと言う治癒魔法を何回も掛け続け、そして身に受けた傷で、結界に綻びが生じ…バクルー国の兵士らの侵入を許してしまった。
コンウォール男爵が言っていた。エリザベス様は今でもよく言われます、自分は化け物だと…。
あの日、泣き叫び、コンウォール男爵の手を振りほどいたエリザベスが、王宮へ、炎の中へ、と足を進めれば進めるほど、火の手はあがり、断末魔の声が聞こえたと言う。
キース様をリリス様を死に追いやり、エリザベスの心を傷つけた。
その首謀者の一人と、決着をつけるときがきたんだ。
アークフリードの眼が、青い眼が鋭く光った。
だが声は、言いづらい言葉だったせいか…震える声で
「13年前の決着を付けに行く、ライド…すまない…俺に、命を預けてくれ…」
「俺の命は、めちゃめちゃ高いぞ。だが、ついて行ってやる!」とライドは笑った。
アークフリードは、ライドの返答に苦笑し
「では未来の弟…マールバラに行くぞ!」と踵を返した。
ライドは呆けたように、ポカンと口を開けたまま固まってしまった…が、慌てて…アークフリードを追って叫んだ。
「ちょ、ちょっと待て、おい!そんなに簡単にいいのか!フランシス殿を嫁にしていいのか!!俺は本気にとったぞ!!」
嵐の前は…、静けさではなく…
ライドの賑やかの声と、アークフリードのからかう笑い声だった。
ーアークフリード様、早くペンダントをエリザベス様に…お願いします。
アークフリード達が、オクトに着いたのは夜明けだった。
そのままコンウォール商会の出張所に向かったら、もうすでに多くの商会の者は、町にマールを捜しに出ていた。だが何の情報もないまま、6時間近く経とうとしていた。
ライドは、居ても立っても居られくて、自分も捜しに行こうとしたが、
「闇雲に動くより、オクトの町を知り尽くしている人たちに任せよう。」と言うアークフリードに止められていた。
自分より、逸る気持ちがあるはずのアークフリードが言うのだから、頷くしかなかった…。
だが気持ちがどんどん暗くなっていく。
昼頃だった。海沿いの倉庫近くで、金色のような髪の少女が柄の悪い男と一緒にいるという、情報が入ってきて、ふたりは海沿いの倉庫街へと急いだ。倉庫街は、町の賑やかさと一線を引くように静まり返っていた。
「ここです…」とコンウォール商会で働く少年が、指差した扉に手をかけようとした時だ…少女の叫び声が聞こえた。アークフリードは鬼神の様な形相で扉を蹴破ると、一気に男達に走りより、問答無用で、ふたりの男の首を刎ねたのだ。いつもアークフリードではない行動にライドは、一瞬…出遅れてしまった。
コンウォール商会の者からの情報で、おおよその人数はわかってはいたが…先程 焦って町に飛び出そうとした自分を諌めた、あの冷静なアークフリードではなかった。ライドは、まさか突入して、ふたりの男の首を刎ねるという、荒業をアークフ リードがやったとは信じられなくて…思わす名前を呼んだ「アーク…フ…リード」
男の血を浴びたアークフリードは、腰を抜かした少女を見ていた、少女は…
「ぁアークフリード様?」と言って、抱きつこうとした…だが アークフリードは、抱きつこうとした少女に剣先を向けた。
「エリザベスから取った、ペンダントを返してもらおう。」と冷たい声が倉庫内に響いた。
「ペンダン…ト…。それだけの為に、ここに…?」そう言ってマールは呆然とした。
黒髪に、青い瞳の少年が、草むらからひょっこり顔を出し、「ごめんね、驚いたんだね。」とそう言っ て、両手を掴んで立ち上がらせてくれて、優しく微笑んだ少年はいなかった…。
そこにいたのは、ふたりの男の血を浴び、青い瞳が殺気で鈍く光っている男だった。
ー私を助ける為に、ふたりの首を刎ねたのではなくて、エリザベス様に渡したペンダントを取り戻したい為に、ふたりの首を刎ねた…たかがペンダントのために…。
あの穏やかで美しい時間は、アークフリード様とエリザベス様だからなのだとわかっていた…だが、マールの顔が悔しくて歪んだ。…そして心が寂しくて歪んだ。
「エリザベス様から、言われたのですか。ペンダントを取り返してと。そのために私を追って…悪人とはいえ人まで殺して!いい加減に気が付かれたらどうですか!魅了魔法にかかっていることに!!」
アークフリードは、走りよろうとしたライドを手を広げ止め、マールに言った。
「俺のほうが先にエリザベスに惚れたんだ…そのペンダントは、俺が命をかけて守ると言う証で送った。おまえが持つべき物ではない! 返してもらおう…返さねば…切る。」
マールは座り込んだ…この人は…アークフリード様は、それほどまでにエリザベス様を…と思うと…もう、力が抜けた…。
その様子を見てライドは、マールに近寄り彼女の前に座わり、
「マール嬢…13年前に傷つき、寂しい思いをしたのは君だけじゃない。アークもエリザベス様も傷つき、大切な人達を失い、離れ離れになった。そんな状況でも13年の間お互いを想いあっていた。そんなふたりの絆は、誰にも邪魔することはできない。」
ライドは、上着を脱いで、マールの乱れた服を隠すように肩にかけ…優しく微笑み
「君の叫び声が聞こえた時、アークフリードは躊躇せず、飛び込んだ…どういう意味かわかるだろう。こいつは、ペンダントを盗んだ君に怒ってはいるが、君のことも心配していたんだよ。」
マールの眼は大きく揺らぎ…しゃくりあげるように泣いた。
「ごめんなさい、ご…めんなさい…」と大きな声で泣いた。
そんなマールを…辛そうに唇をかみ締め、視線をマールから離したアークフリードに…ライドは苦笑しながら、アークフリードに近づき…小さな声で
「アークフリード…おまえはマール嬢の気持ちを知っていたんだろう、だから引導を渡すつもりで、あんな恐いことを言ったって、俺はお見通しだぜ。」
「ライド…。」
ライドは振り返り
「返してくれるよね。」そう言ってライドはマールの前に手を出した。
マールは、泣きながら自分の首から、ペンダントを外しライドに渡そうとした…だがライドはその手を下ろした。マールは、ライドの意図がわかり立ち上がって、アークフリードにペンダントを差し出した。
「アークフリード様、ごめんなさい。エリザベス様にも…フランシス様にも…私は大変なことをしてしまい、本当にごめんなさい。」
アークフリードは黙って、差し出されたペンダントを受け取り、マールの頭に手を置いた。
言葉はなかったが、マールは頷き泣いていた。
アークフリードは、マールの身柄をコンウォール商会の者に預けた。
マールは泣いてはいたが、憑き物が落ちたように穏やかな顔で倉庫を出て行った。その背を見送りながら…。
アークフリードは13年前のあの日に、思いが飛んだ。
アークフリードの脳裏に浮かぶのは…。
マールバラ王国の花が咲き乱れる中庭と…エリザベスとリリス様、キース王の笑い顔。
『エリザベス、私にはその…そのお茶をいれてはくれないのかい?』
『はい、アークだけです。お父様はお母様から入れてもらってください。』
『もう…あなたたら、何をアークと張り合っているのです。』
『エリザベスは…まだエリザベスは私の娘で…まだアークのところに…嫁にはやっていない。』
拗ねたようなキース王に、リリス様がエリザベスが笑っている。
あれはマールバラ王国にバクルー王国が攻め込む、3時間前。
その後すぐだったという…。
エリザベスはダンスのレッスンに、俺はノーフォークに帰還する準備をするために席を立った後、数人の兵士と、短剣を手に現れたパメラがリリス様を人質にして、キース王に結界を解除するように迫り…リリス様は「私がいなければ、結界を解除する必要はないですね。」と言ってパメラ様から短剣を奪うと自ら…胸に短剣を差したという。
キース王はリリス様に治癒魔法をかけたが…ほぼ即死だったそうだ。いくら魔法が不思議な力と言っても、亡くなった人を蘇らせることはできない。キース王はリリス様を抱きかかえると、襲い掛かる兵士らの剣を受けながら、歩いて行かれたという。
愛する人を目の前で失ったキース様はどんなにお辛かっただったろう。
膨大な魔力を使うと言う治癒魔法を何回も掛け続け、そして身に受けた傷で、結界に綻びが生じ…バクルー国の兵士らの侵入を許してしまった。
コンウォール男爵が言っていた。エリザベス様は今でもよく言われます、自分は化け物だと…。
あの日、泣き叫び、コンウォール男爵の手を振りほどいたエリザベスが、王宮へ、炎の中へ、と足を進めれば進めるほど、火の手はあがり、断末魔の声が聞こえたと言う。
キース様をリリス様を死に追いやり、エリザベスの心を傷つけた。
その首謀者の一人と、決着をつけるときがきたんだ。
アークフリードの眼が、青い眼が鋭く光った。
だが声は、言いづらい言葉だったせいか…震える声で
「13年前の決着を付けに行く、ライド…すまない…俺に、命を預けてくれ…」
「俺の命は、めちゃめちゃ高いぞ。だが、ついて行ってやる!」とライドは笑った。
アークフリードは、ライドの返答に苦笑し
「では未来の弟…マールバラに行くぞ!」と踵を返した。
ライドは呆けたように、ポカンと口を開けたまま固まってしまった…が、慌てて…アークフリードを追って叫んだ。
「ちょ、ちょっと待て、おい!そんなに簡単にいいのか!フランシス殿を嫁にしていいのか!!俺は本気にとったぞ!!」
嵐の前は…、静けさではなく…
ライドの賑やかの声と、アークフリードのからかう笑い声だった。
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