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王子様の心とロザリーの心。
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何度も侯爵家を訪ねたが、黙って平伏すロザリーに、俺はかける言葉は見つからず、ロザリーとは…あれから進展がないまま、今日を迎えてしまった。
そっと後ろを見ると、淡いピンクのドレスを着たロザリーに、こんなときなのに…胸が大きな音をたてる。
ロザリー…
お前はどうして…そう頑ななんだ。
だが…必ず、あの閉ざした心を開かせる。
ローラン国へ行こうと思ったのは、お前がいるからなんだ。お前となら一緒に、戦えると思ったからなんだ。
お前を手放すつもりはない。
俺はお前と一緒に生きて行きたいんだ。
「叔父様?!」
ミランダの笑いを含んだ声に、俺は無理に笑顔を作って振り返った。
「見てた?」
「なにをだ?」
「えへへ…いいの、いいの。」
からかうようなミランダの視線に目を逸らすと、今度はこの国の重要人物が並んでいるのが目に入り、俺は溜め息をついた。
どうして、こんなに大げさなんだ。
ローラン国へ出立の日…と言っても、半月程でまた戻ってくるのに、俺やロザリー他、20名足らずの前に、この国の重要人物の父上、兄上夫婦、そして…ウィンスレット侯爵夫妻他、やはり20名ほどが見送りに来てくれている。
はぁ~これじゃぁ、どちらがローラン国に行くのかわからないな。
「幸運を祈っている。」
そう言って、父上はクスクスと笑われた。
「…父上?」
「まぁ…あせらずに頑張ってこい。」
そう言って、兄上はニヤリと笑われ、俺の肩を叩かれた。
「叔父様!えっと、あのね。絶対うまく行くから!」
そう言って、ミランダは興奮気味に叫んだ。
そして…感激屋の侯爵はなぜだが俯き、できれば話しかけないでくださいと、体全体で言っている。
はぁ~これでは、なにか企んでいます。と言っているようなものだ。
おそらく俺とロザリーの事だろうな。ミランダが自分に仕える侍女のキャロルも、連れて行けと言って来た時から、何やら不穏な動きを感じていたが…。
おそらく、俺とロザリーの縺れた糸を解こうとしてくれているのだろう。
縺れた糸か…縺れたのなら解く事も可能なはず、だが時間に限りがあるから、それまでに俺とロザリーの縺れた糸は…本当に解けるのだろうかと、不安に駆られるときがある。
しっかりしろ!
一度は、ロザリーと俺の心の糸は繋がったんだ、間違いなく繋がったんだ。だから…
だから…焦るな。
俺は見送る人達へと笑顔を向けた。
焦るな!と心に言い聞かせ、また笑顔を作った。
「では、ローラン国に行ってまいります。」
明るく言ったつもりだった。だが…俺の声は…少し震えていた。
あぁ…馬だったら風を感じ、自然の醍醐味を肌で感じられるのになぁ…。
あぁ…馬車はつまらない。
流れてゆく美しい景色を目に映しながら、そんなことを考えていると、キャロルさんの溜め息交じりの声が、聞こえてきた。
「結婚って、家と家の繋がりも重要だと、わかってはいるんですが。ひとり片付いたら、次の娘に縁談を持ってくるのは…参ります。親って勝手ですよね。」
と言って、慌てて口を両手で押さえ
「も、申し訳ありません。ロザリー様はもうミランダ様の侍女ではなくて…あ、ああの…ルシアン様のご婚約者なのに…気安く…ミランダ様からお聞きしていたのに私ったら…」
顔がひきつりそうだった。
ミランダ姫から、キャロルさんは言われたそうだ。
『ロザリーは叔父様と結婚するの。でもね、まだ秘密なの。だから、ロザリーの身の回りの世話をする侍女を選べなくて、困っているのよ。キャロル、お願いできないかしら。』
なぜ?キャロルさんが一緒?と思っていたが…やっぱり、そういうことか…見張りだ。
キャロルさんには自覚はないだろうが、私が逃げ出さないように、ミランダ姫に派遣されたんだ。
ミランダ姫~~。
とにかくなにか言わなくては…
「ぁ、ぁ、まだ、婚約ってわけではないんです。あはは…」
慌てて言った言葉は、中途半端ないい訳。
そう思ったら、笑ったはずの顔が歪んだ。
わかっている……それだけじゃない。私の行動も中途半端だ。
ローラン王になられるのなら、私は寧ろ邪魔。でも政情不安定なローラン国に、危険が待ち受けているであろうローラン国に、おひとりで行かせたくなかった。婚約者と紹介されることは予想できていたけれど…もしルシアン王子に、なにかあったらと思うと…ついて行きたかった。
だけど、その先はどうしたらいいのか、まだわからない。
だからルシアン王子が私を婚約者だと、ローラン国の貴族達に紹介されたら……否定はできない。
否定をすれば…ルシアン王子は笑いものだ。
女に振り回される王に、国をまとめられるのか…と、声高に叫ぶ輩が出てくるはず。
あいまいな私の行動は、ルシアン王子を惑わせている。わかっている、わかっているんだけど…
俯く私の心の内を知らず、キャロルさんは
「実は、私のすぐ上の姉が結婚したんです。」
「えっ?」
「それで、次はお前の番だと言われて、少しナーバスになっているんでしょうね。」
そう言って、頬を膨らませたキャロルさんだったけれど、その顔が苦笑に変わり
「伯爵家の娘ですから、家のために婚姻をすることもしょうがないとは思っているんです、でも一度でいいから…恋をしたい。誰かに求められ、そして私もその人を求めるような恋をしてみたい…なんて思っているからでしょうか、なかなか親が勧める結婚に頷けなくて…でもいつかはどこかに嫁ぐんでしょうね。」
キャロルさんはそう言って、薄く笑っていた。
恋をしたら…一度でいいから恋をしたら…その人を忘れて誰かに…嫁ぐ。
そんなに簡単に忘れられる?
そんなに簡単に他の人に、心やこの体を委ねことができるの?
そんなに簡単に…簡単に…できる?
で…できない。私は…できない、できそうもない。
でも、だからと言って、私のせいで好きな人が苦労することがわかっていて…側にいることは…
「…キャロルさん、私は…」
私の震える声に、キャロルさんは
「ロザリー様はすごく…ルシアン殿下がお好きなんですね。」
「キャ、キャ、キャロルさん!!!」
「もう、真っ赤になっちゃって~」
「わ、私は!」
「好きだからルシアン殿下の重荷になりたくない。そう思っていらっしゃるから、どうしたらいいのかわからない。だから、悩む…って感じですか?!」
「…ぁ…あ…えっ?わ…わかるの?」
「わかりますよ、それぐらい。だって私も年頃の女ですから」
「どうしたら!どうしたらいいんでしょうか?!ルシアン殿下がローラン国の王になるのなら、この国の女性と結婚するほうが良いに決まっている…それはわかっているのに…」
誰にも言えずにいた不安が爆発したように、言葉が溢れていった。そんな私をキャロルさんは微笑むと
「ルシアン殿下もローラン国の女性と結婚して、その女性の家の力を利用したほうが、国をまとめるのには一番だとわかっていらっしゃるはずです、それでもロザリー様を妻にと望まれるのなら、いいんじゃないんですか?」
「えっ?」
「だって、ルシアン殿下はそんなことをしなくても、ローラン国を掌握できると思っていらっしゃるんですもの。」
「で、でも…」
「ウィンスレット侯爵家は、侯爵様はもちろん、シリル様、そしてロザリー様は剣の使い手。寧ろ政情不安定なローラン国に於いて、ルシアン殿下をお助けできると思うのですが。」
ぁ…そういう考えもあるんだ。
「今の世は、女も強くなくては…結婚がすべてではないわ!!あぁ、私も剣術を習いたかったな。ストレスも発散できたかも…」
ブツブツ言い出したキャロルさんに、私の心の中で出来ていた、まるで底なし沼のような思いが、だんだんと透き通って底が見えてきたように感じた。
まだ深いけど、底があることがわかるだけ…いいかな。
もしかして、ミランダ姫がキャロルさんを私につけてくださったのは…こうなることを考えていらしたのだろうか?
頭の中で、ミランダ姫のしてやったり顔が浮かび…思わず
クスッ
私の口元が緩んだ。
「ああ~!!!」
「な、な、なんですか?!!」
突然叫んだキャロルさんに、びっくりして釣られて叫んだ私は、キャロルさんの顔がジワジワと赤くなってゆくのに、唖然としてしまった。
「…髪の色は違っても、あのクスリと口元を緩ませる、あの抑えたような微笑は…ロザリー様と…ぁ…ぁ…シリル様は似ていらっしゃって…ぁ…ドキドキしてしまいました。」
ぁ…そうか、キャロルさんはそこまではしらないんだ。
「え~っと、あのですね。」
と、口を開いたキャロルさんだったが…なぜだか、より顔を赤くし俯かれてしまった。
え~っと、まさかと思いますが、キャロルさんは…あの…シリルがお好き…なのかなぁ?
ゴクンと息を呑み、どうしていいものかと、私も俯いたときだ。
聞こえる。
50、いや60だ。
マズイ…来る。
キャロルさんの腕を引っ張り、腕の中に囲った瞬間、馬車が横転した。
そっと後ろを見ると、淡いピンクのドレスを着たロザリーに、こんなときなのに…胸が大きな音をたてる。
ロザリー…
お前はどうして…そう頑ななんだ。
だが…必ず、あの閉ざした心を開かせる。
ローラン国へ行こうと思ったのは、お前がいるからなんだ。お前となら一緒に、戦えると思ったからなんだ。
お前を手放すつもりはない。
俺はお前と一緒に生きて行きたいんだ。
「叔父様?!」
ミランダの笑いを含んだ声に、俺は無理に笑顔を作って振り返った。
「見てた?」
「なにをだ?」
「えへへ…いいの、いいの。」
からかうようなミランダの視線に目を逸らすと、今度はこの国の重要人物が並んでいるのが目に入り、俺は溜め息をついた。
どうして、こんなに大げさなんだ。
ローラン国へ出立の日…と言っても、半月程でまた戻ってくるのに、俺やロザリー他、20名足らずの前に、この国の重要人物の父上、兄上夫婦、そして…ウィンスレット侯爵夫妻他、やはり20名ほどが見送りに来てくれている。
はぁ~これじゃぁ、どちらがローラン国に行くのかわからないな。
「幸運を祈っている。」
そう言って、父上はクスクスと笑われた。
「…父上?」
「まぁ…あせらずに頑張ってこい。」
そう言って、兄上はニヤリと笑われ、俺の肩を叩かれた。
「叔父様!えっと、あのね。絶対うまく行くから!」
そう言って、ミランダは興奮気味に叫んだ。
そして…感激屋の侯爵はなぜだが俯き、できれば話しかけないでくださいと、体全体で言っている。
はぁ~これでは、なにか企んでいます。と言っているようなものだ。
おそらく俺とロザリーの事だろうな。ミランダが自分に仕える侍女のキャロルも、連れて行けと言って来た時から、何やら不穏な動きを感じていたが…。
おそらく、俺とロザリーの縺れた糸を解こうとしてくれているのだろう。
縺れた糸か…縺れたのなら解く事も可能なはず、だが時間に限りがあるから、それまでに俺とロザリーの縺れた糸は…本当に解けるのだろうかと、不安に駆られるときがある。
しっかりしろ!
一度は、ロザリーと俺の心の糸は繋がったんだ、間違いなく繋がったんだ。だから…
だから…焦るな。
俺は見送る人達へと笑顔を向けた。
焦るな!と心に言い聞かせ、また笑顔を作った。
「では、ローラン国に行ってまいります。」
明るく言ったつもりだった。だが…俺の声は…少し震えていた。
あぁ…馬だったら風を感じ、自然の醍醐味を肌で感じられるのになぁ…。
あぁ…馬車はつまらない。
流れてゆく美しい景色を目に映しながら、そんなことを考えていると、キャロルさんの溜め息交じりの声が、聞こえてきた。
「結婚って、家と家の繋がりも重要だと、わかってはいるんですが。ひとり片付いたら、次の娘に縁談を持ってくるのは…参ります。親って勝手ですよね。」
と言って、慌てて口を両手で押さえ
「も、申し訳ありません。ロザリー様はもうミランダ様の侍女ではなくて…あ、ああの…ルシアン様のご婚約者なのに…気安く…ミランダ様からお聞きしていたのに私ったら…」
顔がひきつりそうだった。
ミランダ姫から、キャロルさんは言われたそうだ。
『ロザリーは叔父様と結婚するの。でもね、まだ秘密なの。だから、ロザリーの身の回りの世話をする侍女を選べなくて、困っているのよ。キャロル、お願いできないかしら。』
なぜ?キャロルさんが一緒?と思っていたが…やっぱり、そういうことか…見張りだ。
キャロルさんには自覚はないだろうが、私が逃げ出さないように、ミランダ姫に派遣されたんだ。
ミランダ姫~~。
とにかくなにか言わなくては…
「ぁ、ぁ、まだ、婚約ってわけではないんです。あはは…」
慌てて言った言葉は、中途半端ないい訳。
そう思ったら、笑ったはずの顔が歪んだ。
わかっている……それだけじゃない。私の行動も中途半端だ。
ローラン王になられるのなら、私は寧ろ邪魔。でも政情不安定なローラン国に、危険が待ち受けているであろうローラン国に、おひとりで行かせたくなかった。婚約者と紹介されることは予想できていたけれど…もしルシアン王子に、なにかあったらと思うと…ついて行きたかった。
だけど、その先はどうしたらいいのか、まだわからない。
だからルシアン王子が私を婚約者だと、ローラン国の貴族達に紹介されたら……否定はできない。
否定をすれば…ルシアン王子は笑いものだ。
女に振り回される王に、国をまとめられるのか…と、声高に叫ぶ輩が出てくるはず。
あいまいな私の行動は、ルシアン王子を惑わせている。わかっている、わかっているんだけど…
俯く私の心の内を知らず、キャロルさんは
「実は、私のすぐ上の姉が結婚したんです。」
「えっ?」
「それで、次はお前の番だと言われて、少しナーバスになっているんでしょうね。」
そう言って、頬を膨らませたキャロルさんだったけれど、その顔が苦笑に変わり
「伯爵家の娘ですから、家のために婚姻をすることもしょうがないとは思っているんです、でも一度でいいから…恋をしたい。誰かに求められ、そして私もその人を求めるような恋をしてみたい…なんて思っているからでしょうか、なかなか親が勧める結婚に頷けなくて…でもいつかはどこかに嫁ぐんでしょうね。」
キャロルさんはそう言って、薄く笑っていた。
恋をしたら…一度でいいから恋をしたら…その人を忘れて誰かに…嫁ぐ。
そんなに簡単に忘れられる?
そんなに簡単に他の人に、心やこの体を委ねことができるの?
そんなに簡単に…簡単に…できる?
で…できない。私は…できない、できそうもない。
でも、だからと言って、私のせいで好きな人が苦労することがわかっていて…側にいることは…
「…キャロルさん、私は…」
私の震える声に、キャロルさんは
「ロザリー様はすごく…ルシアン殿下がお好きなんですね。」
「キャ、キャ、キャロルさん!!!」
「もう、真っ赤になっちゃって~」
「わ、私は!」
「好きだからルシアン殿下の重荷になりたくない。そう思っていらっしゃるから、どうしたらいいのかわからない。だから、悩む…って感じですか?!」
「…ぁ…あ…えっ?わ…わかるの?」
「わかりますよ、それぐらい。だって私も年頃の女ですから」
「どうしたら!どうしたらいいんでしょうか?!ルシアン殿下がローラン国の王になるのなら、この国の女性と結婚するほうが良いに決まっている…それはわかっているのに…」
誰にも言えずにいた不安が爆発したように、言葉が溢れていった。そんな私をキャロルさんは微笑むと
「ルシアン殿下もローラン国の女性と結婚して、その女性の家の力を利用したほうが、国をまとめるのには一番だとわかっていらっしゃるはずです、それでもロザリー様を妻にと望まれるのなら、いいんじゃないんですか?」
「えっ?」
「だって、ルシアン殿下はそんなことをしなくても、ローラン国を掌握できると思っていらっしゃるんですもの。」
「で、でも…」
「ウィンスレット侯爵家は、侯爵様はもちろん、シリル様、そしてロザリー様は剣の使い手。寧ろ政情不安定なローラン国に於いて、ルシアン殿下をお助けできると思うのですが。」
ぁ…そういう考えもあるんだ。
「今の世は、女も強くなくては…結婚がすべてではないわ!!あぁ、私も剣術を習いたかったな。ストレスも発散できたかも…」
ブツブツ言い出したキャロルさんに、私の心の中で出来ていた、まるで底なし沼のような思いが、だんだんと透き通って底が見えてきたように感じた。
まだ深いけど、底があることがわかるだけ…いいかな。
もしかして、ミランダ姫がキャロルさんを私につけてくださったのは…こうなることを考えていらしたのだろうか?
頭の中で、ミランダ姫のしてやったり顔が浮かび…思わず
クスッ
私の口元が緩んだ。
「ああ~!!!」
「な、な、なんですか?!!」
突然叫んだキャロルさんに、びっくりして釣られて叫んだ私は、キャロルさんの顔がジワジワと赤くなってゆくのに、唖然としてしまった。
「…髪の色は違っても、あのクスリと口元を緩ませる、あの抑えたような微笑は…ロザリー様と…ぁ…ぁ…シリル様は似ていらっしゃって…ぁ…ドキドキしてしまいました。」
ぁ…そうか、キャロルさんはそこまではしらないんだ。
「え~っと、あのですね。」
と、口を開いたキャロルさんだったが…なぜだか、より顔を赤くし俯かれてしまった。
え~っと、まさかと思いますが、キャロルさんは…あの…シリルがお好き…なのかなぁ?
ゴクンと息を呑み、どうしていいものかと、私も俯いたときだ。
聞こえる。
50、いや60だ。
マズイ…来る。
キャロルさんの腕を引っ張り、腕の中に囲った瞬間、馬車が横転した。
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