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豚も煽てりゃ木に登る…な~んてわけない!
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「よぉ!シリル。」
「よぉ……エイブ。」
いろいろ考える事があるのに…ルシアン王子の部屋はすぐそこなのに…まったく…ついていない。
目の前にいる、従兄のエイブ、そしてエイブの金魚の糞1号、2号に向かって大きな溜め息をついた。
あの後、急いで屋敷に戻り、胸に晒を巻いて、よしっ!!と気合を入れて来たのに、一気に力…抜けそう。なんでこんなところに従兄のエイブがいるの…。
あぁ…中庭を通らなきゃ良かった。遠回りでも…北の塔の台所を回って…
なんて、考えていたら…
エイブを入れた3人に、言いたいことを言いたいだけ遠慮なく言われていた。
…まぁ言いたい放題だったわけで…
「ほんとに、こいつがルシアン王子の警護をするのか?」
「見ろよ。あの細い腕、剣だって持てないんじゃないか?」
「おいおい…俺の従弟殿を、そうバカにするなよ。」
あぁ…エイブが顔を赤くして、ますます得意げになってるよ。
「伯父上に無理やりに、ルシアン王子の警護に付かされた…気の毒なやつなんだからよ。」
「しかし、従兄弟同士でも、お前たちってずいぶん違うよな。」
「エイブは体も大きくて、いかにも騎士って感じだけど…こいつは体だってエイブの半分しかないんじゃないか?」
豚も煽てりゃ木に登るっていうけど…
エイブが…ほらほら…やっぱり…
袖をまくり、力瘤を見せようとしてる。だけど、あれ筋肉じゃないから…
お見せできないけど、私だってシックスパックなんだから。フン!
それにしても、どうして…王宮のど真ん中の中庭なんかに?それもこんな早い時間に?
その疑問をエイブは、得意げに話しだした。
「どうせお前なんかが、騎士としてやって行けないだろうから、俺がお前と変わってやろうと思って待っていたんだ。」
「変わる?」
「そうだ。俺が、ルシアン王子を警護する騎士になってやろうって言っているんだ。」
「はぁ~?」
「なんだよ。その《はぁ~?》は!」
いや、ほんと…《はぁ~?》という気持ちなの。
あれは…私が7歳、エイブが11歳、剣の練習を始めた頃。
あの頃はまだエイブは頑張っていた。泣きべそをかきながらも、どうにか剣の練習には来ていたが、だがだんだんと厳しくなる剣の練習に、とうとうエイブは、剣の練習に来なくなってしまった。まだ幼かった私は、厳しい剣の練習を一緒にやる同士だと思っていたから、励まそうと、エイブの屋敷を訪ねた時があったのだ。
『そう簡単には、剣は上達はしないさ、落ち込まないでお互いがんばろう。』と言った私に…
『おいおい、何言ってるだよ。あまりにも俺が優秀だったから、先生がエイブには練習など必要ないと言ったから、行かないんだぜ。』
と、袖をまくり、脂肪の塊の太い腕を自慢げに見せたんだった。
もちろん、その時も私は言いました。大きな声で
『はぁ~?』とね。
何言ってるのと思ったけど…だんだんと付き合いも長くなるとわかってきた。
辛いことがあると、どうやらエイブの脳細胞は妄想するらしい…と言うことを…。
あっ…そう言えば、馬もだ。
エイブは13歳までひとりで馬に乗れなかったなぁ。
「なんだよ…。」
「お前…馬に乗れるようになったのか?」
「シリル!!」
「お前、太りすぎで馬にまたがろうにも、腹が邪魔をして足が上がらなかったじゃないか…あれから体型も変わっていないし…できるのか?」
「それは子供の頃だろう!」
「俺が9歳で、エイブお前が13歳の時だったよな。」
「…子供だ。」
「うん、俺はな。だけど…13歳は微妙だよな。騎士の学校に入学した頃だ。大変だったろう。乗馬は出来て当たり前の世界だったもんな。」
「う、うるさい!なんだよ、今まで一度だって、言い返したことなんかなかったくせに、ルシアン王子付きになったら、急に偉そうになりやがって!」
今までは、面倒だったから…言い返さなかっただけ。
でも…私は今日からはルシアン王子を守るために騎士になるんだ。私がバカにされるのは、騎士と認めてくださった、ルシアン王子をバカにするのと一緒だもの。ルシアン王子の名誉の為にも、言うべき事は言う。
真っ赤な顔で、憤慨していたエイブだったが、突然、猫なで声で不気味な事を言った。
「いつまでたっても子供のような体つきのお前の代わりに、俺があのロザリーを嫁にして、侯爵家をついでやってもいいかと、思っているのに…。その為には騎士にならなくてはならないだろう。だからお前は、俺にルシアン王子の騎士を譲れ。」
「お前…何言ってんだ?」
「だ・か・ら、ロザリーはあんなんじゃ嫁に行けないだろう。」
「…どうしてだよ。」
「あいつはがりがりで胸もなくて、おまけにブスだしな。あはは…」
マジ、切れた。
「エイブ、教えてやれよ。そのチビに、騎士なんかお前に務まるはずはないことを!」
「そうだよ。ガツンと一発かましてやれ。」
「おおっ、そうだな。教えてやる、どっちが騎士にふさわしいかな。」
豚も煽てりゃ木に登る…っていうけど、そんなわけないってことを…
さぁて、教えてやりますか!
「よぉ……エイブ。」
いろいろ考える事があるのに…ルシアン王子の部屋はすぐそこなのに…まったく…ついていない。
目の前にいる、従兄のエイブ、そしてエイブの金魚の糞1号、2号に向かって大きな溜め息をついた。
あの後、急いで屋敷に戻り、胸に晒を巻いて、よしっ!!と気合を入れて来たのに、一気に力…抜けそう。なんでこんなところに従兄のエイブがいるの…。
あぁ…中庭を通らなきゃ良かった。遠回りでも…北の塔の台所を回って…
なんて、考えていたら…
エイブを入れた3人に、言いたいことを言いたいだけ遠慮なく言われていた。
…まぁ言いたい放題だったわけで…
「ほんとに、こいつがルシアン王子の警護をするのか?」
「見ろよ。あの細い腕、剣だって持てないんじゃないか?」
「おいおい…俺の従弟殿を、そうバカにするなよ。」
あぁ…エイブが顔を赤くして、ますます得意げになってるよ。
「伯父上に無理やりに、ルシアン王子の警護に付かされた…気の毒なやつなんだからよ。」
「しかし、従兄弟同士でも、お前たちってずいぶん違うよな。」
「エイブは体も大きくて、いかにも騎士って感じだけど…こいつは体だってエイブの半分しかないんじゃないか?」
豚も煽てりゃ木に登るっていうけど…
エイブが…ほらほら…やっぱり…
袖をまくり、力瘤を見せようとしてる。だけど、あれ筋肉じゃないから…
お見せできないけど、私だってシックスパックなんだから。フン!
それにしても、どうして…王宮のど真ん中の中庭なんかに?それもこんな早い時間に?
その疑問をエイブは、得意げに話しだした。
「どうせお前なんかが、騎士としてやって行けないだろうから、俺がお前と変わってやろうと思って待っていたんだ。」
「変わる?」
「そうだ。俺が、ルシアン王子を警護する騎士になってやろうって言っているんだ。」
「はぁ~?」
「なんだよ。その《はぁ~?》は!」
いや、ほんと…《はぁ~?》という気持ちなの。
あれは…私が7歳、エイブが11歳、剣の練習を始めた頃。
あの頃はまだエイブは頑張っていた。泣きべそをかきながらも、どうにか剣の練習には来ていたが、だがだんだんと厳しくなる剣の練習に、とうとうエイブは、剣の練習に来なくなってしまった。まだ幼かった私は、厳しい剣の練習を一緒にやる同士だと思っていたから、励まそうと、エイブの屋敷を訪ねた時があったのだ。
『そう簡単には、剣は上達はしないさ、落ち込まないでお互いがんばろう。』と言った私に…
『おいおい、何言ってるだよ。あまりにも俺が優秀だったから、先生がエイブには練習など必要ないと言ったから、行かないんだぜ。』
と、袖をまくり、脂肪の塊の太い腕を自慢げに見せたんだった。
もちろん、その時も私は言いました。大きな声で
『はぁ~?』とね。
何言ってるのと思ったけど…だんだんと付き合いも長くなるとわかってきた。
辛いことがあると、どうやらエイブの脳細胞は妄想するらしい…と言うことを…。
あっ…そう言えば、馬もだ。
エイブは13歳までひとりで馬に乗れなかったなぁ。
「なんだよ…。」
「お前…馬に乗れるようになったのか?」
「シリル!!」
「お前、太りすぎで馬にまたがろうにも、腹が邪魔をして足が上がらなかったじゃないか…あれから体型も変わっていないし…できるのか?」
「それは子供の頃だろう!」
「俺が9歳で、エイブお前が13歳の時だったよな。」
「…子供だ。」
「うん、俺はな。だけど…13歳は微妙だよな。騎士の学校に入学した頃だ。大変だったろう。乗馬は出来て当たり前の世界だったもんな。」
「う、うるさい!なんだよ、今まで一度だって、言い返したことなんかなかったくせに、ルシアン王子付きになったら、急に偉そうになりやがって!」
今までは、面倒だったから…言い返さなかっただけ。
でも…私は今日からはルシアン王子を守るために騎士になるんだ。私がバカにされるのは、騎士と認めてくださった、ルシアン王子をバカにするのと一緒だもの。ルシアン王子の名誉の為にも、言うべき事は言う。
真っ赤な顔で、憤慨していたエイブだったが、突然、猫なで声で不気味な事を言った。
「いつまでたっても子供のような体つきのお前の代わりに、俺があのロザリーを嫁にして、侯爵家をついでやってもいいかと、思っているのに…。その為には騎士にならなくてはならないだろう。だからお前は、俺にルシアン王子の騎士を譲れ。」
「お前…何言ってんだ?」
「だ・か・ら、ロザリーはあんなんじゃ嫁に行けないだろう。」
「…どうしてだよ。」
「あいつはがりがりで胸もなくて、おまけにブスだしな。あはは…」
マジ、切れた。
「エイブ、教えてやれよ。そのチビに、騎士なんかお前に務まるはずはないことを!」
「そうだよ。ガツンと一発かましてやれ。」
「おおっ、そうだな。教えてやる、どっちが騎士にふさわしいかな。」
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さぁて、教えてやりますか!
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