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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
7日目㊶
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祭壇に向かって歩き出したバウマンに、アストンが斬りかかろうとした。だがその切っ先は、バウマンには届かなかった。それはアストンの動きにいち早く気が付いたヒューゴが、腰から短剣を出しアストンに向かって投げたからだった。
いつものアストンなら、避けきれた。だがこの状況に頭に血が上り冷静になれなかったのだろう。避けきれなかった短剣はアストンの太ももに刺さり、アストンはその場に崩れ落ちた。
「アストン!」
ルシアンの叫びに、ヒューゴはフンと鼻で笑い
「公爵様、虫を一匹を殺しそこないました。ですが、歩くことは叶いませんので、どうぞお許しを」
「よいよい、私があの男もウィンスレット侯爵のように縛っておけばよかったのに…すまぬのう。」
上機嫌のバウマンに、ヒューゴは笑みを浮かべ
「とんでもございません。」
―イロボケ。女を抱けると思ったら、なんでも許せるんだな。日頃とは大違いだ。それにしても、アストンと言う男は…邪魔だ。
舌打ちをしたヒューゴは、憎々し気に地面に倒れたアストンに目をやり、
―脇役は脇役らしく隅でじっとしてればよかったものを、舞台に上がろうとするとは…大バカだ。脇役はひっこんでろ!あとは主役に任せればいいんだ。
そう思いながら、自分を睨むルシアンを見た。
「ヒューゴ!」
ルシアンの声に、ヒューゴはニンマリ笑い
―そう、主役はおまえだ。面白い芝居にしろよ。
「ヒューゴ!俺と一対一で戦え!関係ない者を巻き込むな!ましてや…女子供まで巻き込むなんて…恥ずかしくないのか?!おまえも騎士なら恥だとは思わないのか?!」
「関係ない者を巻き込むな‥か、あぁそんな事を言う輩もいるよな。だが関係ない者を巻き込むことで、自分の命が助かるならどうだ?そんな大義なんぞ糞も同然だ。」
「…ヒューゴ。」
「じゃぁ、ルシアン。バウマンがロザリーとお楽しみの間に、おまえを逃がしてやると言ったら、おまえならどうする?」
「…おまえ…何を考えている?バウマンの臣下だろう…一体何を…」
ルシアンの戸惑う顔に、ヒューゴは面白そうに
「おまえだけには教えてやる。バウマンは嫌いなんだ。」
「えっ?」
「殺したいほど嫌いだ。」
「ヒューゴおまえ…」
「だが、ルシアンおまえも嫌いだ。」
「・・・」
「バウマンもおまえも欲望にまみれた血を引く者だから…嫌いだ。そう言ったら、自分の事も嫌いだということになるんだがな。フッフフ。」
「ヒューゴ、おまえはローラン王家の血を引く者なのか?!」
ヒューゴは笑って答えず
「それは…この後のおまえの動き次第で教えてやる。」
「…一体おまえは誰なんだ?!」
「フッフフ、そんなことに心を奪われていたら、バウマンにロザリーを汚されるぞ。」
ルシアンは顔を歪めたが、小さく息を吐き
「おまえが何を求めているのかは見当もつかない。だがおまえの思い通りにはさせない。ロザリーは必ず助ける。」
「いいね、その顔。それが愛する女を守る男の顔か?」
クスリと笑うと、また小さな声で(いいね)と呟き、ヒューゴはバウマンに向かって
「公爵様、ブラチフォードの姫はその辺に置いて、どうぞこちらに。」
―バウマン、舞台に上がってこい。さぁ、ルシアンどうする?
いつものアストンなら、避けきれた。だがこの状況に頭に血が上り冷静になれなかったのだろう。避けきれなかった短剣はアストンの太ももに刺さり、アストンはその場に崩れ落ちた。
「アストン!」
ルシアンの叫びに、ヒューゴはフンと鼻で笑い
「公爵様、虫を一匹を殺しそこないました。ですが、歩くことは叶いませんので、どうぞお許しを」
「よいよい、私があの男もウィンスレット侯爵のように縛っておけばよかったのに…すまぬのう。」
上機嫌のバウマンに、ヒューゴは笑みを浮かべ
「とんでもございません。」
―イロボケ。女を抱けると思ったら、なんでも許せるんだな。日頃とは大違いだ。それにしても、アストンと言う男は…邪魔だ。
舌打ちをしたヒューゴは、憎々し気に地面に倒れたアストンに目をやり、
―脇役は脇役らしく隅でじっとしてればよかったものを、舞台に上がろうとするとは…大バカだ。脇役はひっこんでろ!あとは主役に任せればいいんだ。
そう思いながら、自分を睨むルシアンを見た。
「ヒューゴ!」
ルシアンの声に、ヒューゴはニンマリ笑い
―そう、主役はおまえだ。面白い芝居にしろよ。
「ヒューゴ!俺と一対一で戦え!関係ない者を巻き込むな!ましてや…女子供まで巻き込むなんて…恥ずかしくないのか?!おまえも騎士なら恥だとは思わないのか?!」
「関係ない者を巻き込むな‥か、あぁそんな事を言う輩もいるよな。だが関係ない者を巻き込むことで、自分の命が助かるならどうだ?そんな大義なんぞ糞も同然だ。」
「…ヒューゴ。」
「じゃぁ、ルシアン。バウマンがロザリーとお楽しみの間に、おまえを逃がしてやると言ったら、おまえならどうする?」
「…おまえ…何を考えている?バウマンの臣下だろう…一体何を…」
ルシアンの戸惑う顔に、ヒューゴは面白そうに
「おまえだけには教えてやる。バウマンは嫌いなんだ。」
「えっ?」
「殺したいほど嫌いだ。」
「ヒューゴおまえ…」
「だが、ルシアンおまえも嫌いだ。」
「・・・」
「バウマンもおまえも欲望にまみれた血を引く者だから…嫌いだ。そう言ったら、自分の事も嫌いだということになるんだがな。フッフフ。」
「ヒューゴ、おまえはローラン王家の血を引く者なのか?!」
ヒューゴは笑って答えず
「それは…この後のおまえの動き次第で教えてやる。」
「…一体おまえは誰なんだ?!」
「フッフフ、そんなことに心を奪われていたら、バウマンにロザリーを汚されるぞ。」
ルシアンは顔を歪めたが、小さく息を吐き
「おまえが何を求めているのかは見当もつかない。だがおまえの思い通りにはさせない。ロザリーは必ず助ける。」
「いいね、その顔。それが愛する女を守る男の顔か?」
クスリと笑うと、また小さな声で(いいね)と呟き、ヒューゴはバウマンに向かって
「公爵様、ブラチフォードの姫はその辺に置いて、どうぞこちらに。」
―バウマン、舞台に上がってこい。さぁ、ルシアンどうする?
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