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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
6日目⑥ 前日の夜…バウマン公爵
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「首尾はうまくいっているのか?」
バウマンはビロードの赤い椅子から身を乗り出し、ローラン国の近衛師団の副隊長に言った。
「はい、手紙を送ったナダルとロイには、つなぎをつけているところでございます。」
「手紙…。」
そう、口にしてバウマンはクスクスと笑うと
「ナダルはどんな顔でそれを読んだであろうな。」
「相当動揺していたようで、フラフラと町の酒場を梯子していると報告が入っております。」
「ロイはどうだ?」
「ジャスミンがどうなってもいいのなら、好きにすればいいと書かれた閣下のお手紙に、彼奴の考えは決まったのでしょう。人の心を読むと噂のブラチフォードのチビ姫を避けているとの事。」
「ほぉ~そうか。で、肝心のジャスミンは攫ったのか?リドリーが自分の配下の凄腕に任せると言っていたが、王宮内にいるジャスミンを攫う事は、かなりの至難の業だと思ったが…。」
「もうすでに、ジャスミンの身柄を確保したと連絡が入っております。」
「もう?!ジャスミンの身柄を確保したというのか?騒ぎひとつ起こさず…よくあの城に侵入できたものだ。」
「誠にそうでございます。最初に会った時は、この男があの最強剣士トーナメント戦で優勝した男だと聞いて、唖然としましたが…さすがリドリー伯爵が見込んだ男です。」
「唖然…とは?」
「はい。それはもう…開いた口がふさがらないと言う感じだったのでざいます。爺さんのくせに髑髏や獅子の頭の紋様の指輪、蛇の形のネックレス、おまけ頭には緑のバンダナを巻き、その上にツバ広の羽根付き帽子の姿に…こんな爺さんを凄腕だと言った、リドリー伯爵の頭は大丈夫かと疑ったぐらいでしたが、さすがリドリー伯爵、人を見る目は一流でございました。」
そう言って、満面の笑みをうかべ
「そんなリドリー伯爵を口説かれ、陣営に引き入れることができたのは、閣下が強運の持ち主だからこそできた事。そして今、閣下に幸運の風に吹いております。」
バウマンは笑みを浮かべ
「その幸運はローラン国の近衛師団の副団長のおまえや、リドリーがもたらせたものだと思っているぞ。」
「あぁ、身に余るお言葉…。」
「そう遜るな。おまえは私の血縁ではないか。」
「とんでもない。確かに母は閣下の従兄妹ではありますが、父はたかが伯爵。」
そう言って、頭を下げると
「恐れ多くも閣下のお父上は先々代のローラン王。血縁などと言えるものではありません。」
「相変わらずだな。だがその忠義、私は忘れんぞ。必ずおまえを私の右腕にするからな副団長。いや、ヒューゴ。」
ヒューゴと呼ばれたローラン国の副団長は、大きな傷のある顔に笑みをうかべ、2m以上ある背丈と厚い胸板を強調するかのように胸を張ると
「お任せください。ルシアンに勝るとも劣らない剣の腕で、閣下の先触れとして、王への道を切り開いて見せましょう。」
バウマンはビロードの赤い椅子から身を乗り出し、ローラン国の近衛師団の副隊長に言った。
「はい、手紙を送ったナダルとロイには、つなぎをつけているところでございます。」
「手紙…。」
そう、口にしてバウマンはクスクスと笑うと
「ナダルはどんな顔でそれを読んだであろうな。」
「相当動揺していたようで、フラフラと町の酒場を梯子していると報告が入っております。」
「ロイはどうだ?」
「ジャスミンがどうなってもいいのなら、好きにすればいいと書かれた閣下のお手紙に、彼奴の考えは決まったのでしょう。人の心を読むと噂のブラチフォードのチビ姫を避けているとの事。」
「ほぉ~そうか。で、肝心のジャスミンは攫ったのか?リドリーが自分の配下の凄腕に任せると言っていたが、王宮内にいるジャスミンを攫う事は、かなりの至難の業だと思ったが…。」
「もうすでに、ジャスミンの身柄を確保したと連絡が入っております。」
「もう?!ジャスミンの身柄を確保したというのか?騒ぎひとつ起こさず…よくあの城に侵入できたものだ。」
「誠にそうでございます。最初に会った時は、この男があの最強剣士トーナメント戦で優勝した男だと聞いて、唖然としましたが…さすがリドリー伯爵が見込んだ男です。」
「唖然…とは?」
「はい。それはもう…開いた口がふさがらないと言う感じだったのでざいます。爺さんのくせに髑髏や獅子の頭の紋様の指輪、蛇の形のネックレス、おまけ頭には緑のバンダナを巻き、その上にツバ広の羽根付き帽子の姿に…こんな爺さんを凄腕だと言った、リドリー伯爵の頭は大丈夫かと疑ったぐらいでしたが、さすがリドリー伯爵、人を見る目は一流でございました。」
そう言って、満面の笑みをうかべ
「そんなリドリー伯爵を口説かれ、陣営に引き入れることができたのは、閣下が強運の持ち主だからこそできた事。そして今、閣下に幸運の風に吹いております。」
バウマンは笑みを浮かべ
「その幸運はローラン国の近衛師団の副団長のおまえや、リドリーがもたらせたものだと思っているぞ。」
「あぁ、身に余るお言葉…。」
「そう遜るな。おまえは私の血縁ではないか。」
「とんでもない。確かに母は閣下の従兄妹ではありますが、父はたかが伯爵。」
そう言って、頭を下げると
「恐れ多くも閣下のお父上は先々代のローラン王。血縁などと言えるものではありません。」
「相変わらずだな。だがその忠義、私は忘れんぞ。必ずおまえを私の右腕にするからな副団長。いや、ヒューゴ。」
ヒューゴと呼ばれたローラン国の副団長は、大きな傷のある顔に笑みをうかべ、2m以上ある背丈と厚い胸板を強調するかのように胸を張ると
「お任せください。ルシアンに勝るとも劣らない剣の腕で、閣下の先触れとして、王への道を切り開いて見せましょう。」
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