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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
4日目③
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「なに?」
いやいや…それは私が言いたいことです。
朝一に部屋に飛び込んできて、ひとこと
「朝食は、スクランブルエッグがいいわ。あっ、それからここで頂くからお願いね。」
明け方聞いた、お父様との話はなんだったのだろう…。心が打ち震えるような感動は…なんだったのだろう?
『幸せ者だぞ。おまえは…世界一幸せ者だ。』
『おまえはミランダ姫に愛されている。』
これも…愛?愛なんだろうか?
明け方までお父様と話し込み、殿下のお側で横になったが、なかなか眠れず、このままだと殿下を起こしてしまうと、部屋を出ようとした寸前の奇襲だった。
慌てて、隣の部屋にミランダ姫をお連れしたら…あのお言葉。
可愛い顔で、私を見られるミランダ姫。
はぁ~スクランブルエッグか。私も食べたいですよ。
でも、ここはまだあの隠れ里なので、朝食をあれこれとは言えない、出されたものを頂くしかない。
ハッ?!まさか、私に作れと?
剣を握る私なら、きっと切るのはうまく言うと思う。
でも…煮る、焼く、炒めるなどそんな難しいことは無理だ。絶対に無理だ。
「どうしたの?百面相なんかして」
「あ、あの、ここでは出されたものを食べるしか…」
「あっ?!そうなの…ごめんなさい。」
「いや…自分で作ればいいのですが…あ、あの私には無理かなぁ…と思うんです。」
「…私達って…女子力…低いわね。」
「…御意。」
私の返答にクスリと笑われて
「あぁ~。アストンがまた作ってくれないかしら?」
「アストンが?またって?アストンが作ったのですか?ミランダ姫の為にスクランブルエッグを!」
ミランダ姫はクスクスと笑われると
「今や、私の臣下よ。」
「はぁ?!」
「今回も主君である私の命で、アストンはここに来たの。」
「…あれ以来…アストンは…」
「うん、あの前ローラン王の事があって、アストンも色々考えたのよ。特に、叔父様とロザリーを見てね。もっとも、騎士としてブラチフォード国には、さすがに私も入れることはできないけど、まぁ本人もそうなりたいと思っていないようだし…各地をブラブラして情報を集めてきてくれるわ。」
あの冷めた目のアストンが変わったとは、ここで会った時に思ったが…まさかそこまで…
すっかり、ミランダ姫に牙を抜かれたか。
「可笑しい?」
「ちょっと…。」
「…そうよね。」
そう言って、ケラケラと笑いだしたミランダ姫だったが、
「今回の件では、ひとりでも腕の立つ人が欲しかったの。だから声を掛けたら、(あの前ローラン王を黙らせたお姫様なら、臣下になっても面白いかも。それに前ローラン王は、いつかお姫様の前に現れそうだし。)なんて、アストンは偉そうに私に言ったのよ。だから、ちょっとムカついて、一番最初の仕事はご飯を作ってもらうことにしたの。顰め面でろくに返事もしないで作ったんだけど…これがおいしくて…ますますムカついたけどね。」
そう言って、遠くに視線をやり
「ねぇ、ロザリー。前ローラン王は、人ではないものになってしまった方だから、いつまでもあの容姿なんでしょうね。ならきっと何十年経っても、あの御仁だとわかるわね。」
ミランダ姫は視線を私に移して
「ローラン国を、民が幸せに暮らせる国にしてね。前ローラン王にこの国は…あなたが人として生まれ育った国は、こんなに皆が豊かに、幸せに暮らせる国になったと言いたいの。」
「…はい。」
「急がないとね。結婚式や戴冠式前に…あのバウマンを押さえなきゃ。」
あと…今日を入れて4日で、結婚式と戴冠式。
私はミランダ姫の言葉に、(はい)と言いながら、正直難しいと思っている。
だから、私は考えていた。
結婚式と戴冠式の時に、やっぱり罠を張るべきだと。
夢ではあった。白いドレスに身を包むことも、愛する方と神の前で誓うことも…夢だった。
だから、そんな私の気持ちを大事してくださる、ルシアン殿下やミランダ姫のお気持ちは嬉しい。
堪らなく嬉しいけど…。
幸せのゴールはそこではない。
私の幸せはそこから始まる日々にあると思うから。
ルシアン殿下と一緒に生きて行く日々の中にあると思うから。
だから…通過点だ。
結婚式と戴冠式は通過点……。
だから…
「ミランダ姫。朝食は…もう少し待って頂けますか?ミランダ姫とルシアン殿下にお話があります。」
いやいや…それは私が言いたいことです。
朝一に部屋に飛び込んできて、ひとこと
「朝食は、スクランブルエッグがいいわ。あっ、それからここで頂くからお願いね。」
明け方聞いた、お父様との話はなんだったのだろう…。心が打ち震えるような感動は…なんだったのだろう?
『幸せ者だぞ。おまえは…世界一幸せ者だ。』
『おまえはミランダ姫に愛されている。』
これも…愛?愛なんだろうか?
明け方までお父様と話し込み、殿下のお側で横になったが、なかなか眠れず、このままだと殿下を起こしてしまうと、部屋を出ようとした寸前の奇襲だった。
慌てて、隣の部屋にミランダ姫をお連れしたら…あのお言葉。
可愛い顔で、私を見られるミランダ姫。
はぁ~スクランブルエッグか。私も食べたいですよ。
でも、ここはまだあの隠れ里なので、朝食をあれこれとは言えない、出されたものを頂くしかない。
ハッ?!まさか、私に作れと?
剣を握る私なら、きっと切るのはうまく言うと思う。
でも…煮る、焼く、炒めるなどそんな難しいことは無理だ。絶対に無理だ。
「どうしたの?百面相なんかして」
「あ、あの、ここでは出されたものを食べるしか…」
「あっ?!そうなの…ごめんなさい。」
「いや…自分で作ればいいのですが…あ、あの私には無理かなぁ…と思うんです。」
「…私達って…女子力…低いわね。」
「…御意。」
私の返答にクスリと笑われて
「あぁ~。アストンがまた作ってくれないかしら?」
「アストンが?またって?アストンが作ったのですか?ミランダ姫の為にスクランブルエッグを!」
ミランダ姫はクスクスと笑われると
「今や、私の臣下よ。」
「はぁ?!」
「今回も主君である私の命で、アストンはここに来たの。」
「…あれ以来…アストンは…」
「うん、あの前ローラン王の事があって、アストンも色々考えたのよ。特に、叔父様とロザリーを見てね。もっとも、騎士としてブラチフォード国には、さすがに私も入れることはできないけど、まぁ本人もそうなりたいと思っていないようだし…各地をブラブラして情報を集めてきてくれるわ。」
あの冷めた目のアストンが変わったとは、ここで会った時に思ったが…まさかそこまで…
すっかり、ミランダ姫に牙を抜かれたか。
「可笑しい?」
「ちょっと…。」
「…そうよね。」
そう言って、ケラケラと笑いだしたミランダ姫だったが、
「今回の件では、ひとりでも腕の立つ人が欲しかったの。だから声を掛けたら、(あの前ローラン王を黙らせたお姫様なら、臣下になっても面白いかも。それに前ローラン王は、いつかお姫様の前に現れそうだし。)なんて、アストンは偉そうに私に言ったのよ。だから、ちょっとムカついて、一番最初の仕事はご飯を作ってもらうことにしたの。顰め面でろくに返事もしないで作ったんだけど…これがおいしくて…ますますムカついたけどね。」
そう言って、遠くに視線をやり
「ねぇ、ロザリー。前ローラン王は、人ではないものになってしまった方だから、いつまでもあの容姿なんでしょうね。ならきっと何十年経っても、あの御仁だとわかるわね。」
ミランダ姫は視線を私に移して
「ローラン国を、民が幸せに暮らせる国にしてね。前ローラン王にこの国は…あなたが人として生まれ育った国は、こんなに皆が豊かに、幸せに暮らせる国になったと言いたいの。」
「…はい。」
「急がないとね。結婚式や戴冠式前に…あのバウマンを押さえなきゃ。」
あと…今日を入れて4日で、結婚式と戴冠式。
私はミランダ姫の言葉に、(はい)と言いながら、正直難しいと思っている。
だから、私は考えていた。
結婚式と戴冠式の時に、やっぱり罠を張るべきだと。
夢ではあった。白いドレスに身を包むことも、愛する方と神の前で誓うことも…夢だった。
だから、そんな私の気持ちを大事してくださる、ルシアン殿下やミランダ姫のお気持ちは嬉しい。
堪らなく嬉しいけど…。
幸せのゴールはそこではない。
私の幸せはそこから始まる日々にあると思うから。
ルシアン殿下と一緒に生きて行く日々の中にあると思うから。
だから…通過点だ。
結婚式と戴冠式は通過点……。
だから…
「ミランダ姫。朝食は…もう少し待って頂けますか?ミランダ姫とルシアン殿下にお話があります。」
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