165 / 233
第四話 闇の在処(ありか)
六章:四 闇の地:兆し
しおりを挟む
定例の参堂のために黄帝から贈られる華やかな衣装。麟華は綺麗だと褒めてくれるが、朱桜は気後れがしていまだに慣れない。慈悲深い黄帝の意志なのか、華艶の気遣いなのか。参堂は拠りどころのない自分にはありがたい配慮だったのかもしれない。けれど、いまとなってはその配慮が自分の弱さを映しているようで、黄帝に言葉を賜るたびに恥じ入りたくなることがあった。
だからといって自分から辞退することも許されない。勅命に背く理由などないのだ。
朱桜は着飾った自分に息苦しさを覚えながら、使者の到着を待っていた。
「朱桜の姫君。我が君がおいでになられました」
訊き慣れた麒一の声を訊いたとき、朱桜は聞き間違えたのかと思った。あるいは麒一が伝え間違えたのかと。
けれど、その思い込みは麟華の反応ですぐに覆された。
「きゃー! 主上、主上! ぜひご覧になって下さい。いつか着飾った姫君を見て頂きたいと思っていたけれど、ついに私の念願が叶うのね。麒一、よくやったわ」
「私は我が君に何も申し上げていない。こちらにおいでになったのは我が君のご意志だ」
朱桜が唖然としている前で、麒一は耳を塞ぐ真似をして麟華の甲高い声に顔をしかめている。
さらりと衣擦れの音がして闇呪が正面に立った。どこか違う世界が覗いているのはないかと錯覚するくらい美しい眼差しがこちらを見つめている。
「姫君」
声を聞いた瞬間、朱桜ははっと我に返った。闇呪を仰いでうっとりと呆けている場合ではない。かっと赤面するのを感じながら、あたふたとその場に平伏した。
「も、申し訳ございません」
あまりの失態に逃げ出したくなりながら声を振り絞る。
「君が詫びる必要はない。姫君、面を上げなさい」
穏やかなのによく通る声。朱桜はゆっくりと顔を上げた。
艶やかな闇。数えるほどしか見たことがない闇呪の姿。静寂と孤独を閉じこめて結晶化したような、圧倒的な美しさがあった。やはり恐れは感じない。
ゆっくりと闇呪がその場に座す。はじめてきちんと向かい合った気がして、朱桜は更に鼓動が早くなるのを感じた。
「朱桜の姫君」
とくりと鼓動が止まりそうになった。急激に体温が上がるのを感じる。いつか麟華が教えてくれた。闇呪が朱桜の名を与えてくれたのだと。けれど、どこかで信じられずにいたのだ。そんなふうに呼んでもらえる日が訪れるとは思ってもいなかった。
朱桜――故郷を飾るあの美しい花の名を、彼が与えてくれた。
美しい愛称を許されなかった自分に。
いっきに胸がいっぱいになって、つんと込み上げてくるものがあった。朱桜が思わず俯いてしまうと、闇呪はその様子をどんなふうに受け止めたのか、すぐに麟華を振り返った。
「麟華、ここに御簾を。――姫君、この姿が恐ろしいのなら無理をすることはない」
「ち、違いますっ」
朱桜は思わず身を乗り出すようにして叫んでしまう。
「私は恐ろしくなんてありません。――恐ろしいのではなくて、その……、闇呪の君はとてもお綺麗だし、そんな方に朱桜なんてもったいない愛称を頂いたのだと思うと、胸がいっぱいになって――」
誤解を全力で否定した処までは良かったが、既に何を伝えるべきなのかわからない。素直に胸の内を語ってみようとするが、ただ恥ずかしい失態を塗り重ねているような気がする。
「だから――、その、私はただ闇呪の君とお話できることが嬉しくて、恥ずかしかっただけです」
体内が沸騰しそうなくらいに恥じ入っていると、ふいにどしんと衝撃があった。
「姫君ったら愛らしい」
麟華に押し潰されそうな勢いで抱きつかれていた。きっと闇呪《あんじゅ》にも幼いのだと呆れられたに違いない。もしかすると朱桜と名を与えたことを後悔しているかもしれない。
「朱桜の姫君」
恥ずかしさで頬を染めていると、闇呪が再び美しい愛称を繰り返した。
誰でもない自分を呼んでくれている。その美しい花の名で。
そっと視線を移すと、彼は微笑んでいた。
「私は君の纏う緋色を美しいと感じる。君は故郷で緋色を見慣れているのかもしれないが、私にとっては朱桜の花でも足りないくらい鮮烈に映る。だから、これからも君を朱桜と呼ぶことを許してもらえるだろうか」
「も、もちろんです」
はりきって返事をしてから、朱桜はまたしてもはっと我に返る。
「あの、――こ、光栄です。闇呪の君、ありがとうございます。それに、あの時も言いつけに背いた私を救っていただいて、本当にありがとうございました」
思わずがばっと勢い良く平伏する。彼の綺麗な眼差しや微笑みを正視することができない。熱に浮かされているように全身が火照っていた。苦しいくらい鼓動が早い。
「朱桜、君が気に病むことはない。このような呪われた地に迎えながら、君を独りにした私に非がある。このとおり私は快復したのだし、むしろ礼を言うのは私の方だ。ありがとう」
金域で黄帝に言葉を賜るよりも、朱桜にとっては彼と交わした言葉の方が輝いているように感じられた。いつか麒一が云っていたように、闇呪は決して自分を厭っていたわけではなかった。彼は彼なりに自分を気遣ってくれていたのだ。見守ってくれていたのかもしれない。それなのに、どうして今までそんなふうに考えることができなかったのだろう。
自分で築いた狭い箱庭で、周りに目を向けることもなく内ばかりを見ていた。
居場所は、――心の拠りどころは、与えられるものではなかったのに。
自分で手を伸ばして、手に入れるものなのに。
朱桜は顔を上げた。
同時に麒一の声が響く。
「我が君、金域の使者が参りました」
闇呪は頷いてその場から立ち上がる。まっすぐ朱桜を見つめた。
「姫君、気をつけて」
それが取ってつけた台詞ではないのだと素直に受け止められる。そのまま踵を返そうとした闇呪に、朱桜は思わず声をかけた。
「闇呪の君。私がこちらに戻ってきたら、またこんなふうにお話していただけますか」
「私と――?」
闇呪は突然の申し出が信じられないように問い返してきた。朱桜は早鐘のような鼓動を感じながら深く頷いた。
「はい。私はもっとこの地のことも、闇呪の君のことも知りたいです。……いけませんか?」
一呼吸の間があった。闇呪はふっと自嘲的に笑う。何かに降参したような、あるいは安堵したような、言いようのない戸惑いのようなものが滲んでいる。
朱桜は彼を困らせたのだと思ったが、闇呪は意外なことを口にした。
「君がそう望んでくれるのなら、私に断るような理由はない。――朱桜の姫君、ありがとう。君が戻るのを待つのも、悪くない」
トクリと、胸の内で何かが変わっていく音がする。
朱桜は胸を占めた気持ちを隠すこともせず表した、――最高の笑顔で。
「私、できるだけ早く戻ります。だから、――」
朱桜の云いたいことを理解したように、闇呪は小さく頷いた。もう一度「気をつけて」と声がする。
「行ってまいります」
朱桜はそれだけを伝えるのが精一杯だった。
だからといって自分から辞退することも許されない。勅命に背く理由などないのだ。
朱桜は着飾った自分に息苦しさを覚えながら、使者の到着を待っていた。
「朱桜の姫君。我が君がおいでになられました」
訊き慣れた麒一の声を訊いたとき、朱桜は聞き間違えたのかと思った。あるいは麒一が伝え間違えたのかと。
けれど、その思い込みは麟華の反応ですぐに覆された。
「きゃー! 主上、主上! ぜひご覧になって下さい。いつか着飾った姫君を見て頂きたいと思っていたけれど、ついに私の念願が叶うのね。麒一、よくやったわ」
「私は我が君に何も申し上げていない。こちらにおいでになったのは我が君のご意志だ」
朱桜が唖然としている前で、麒一は耳を塞ぐ真似をして麟華の甲高い声に顔をしかめている。
さらりと衣擦れの音がして闇呪が正面に立った。どこか違う世界が覗いているのはないかと錯覚するくらい美しい眼差しがこちらを見つめている。
「姫君」
声を聞いた瞬間、朱桜ははっと我に返った。闇呪を仰いでうっとりと呆けている場合ではない。かっと赤面するのを感じながら、あたふたとその場に平伏した。
「も、申し訳ございません」
あまりの失態に逃げ出したくなりながら声を振り絞る。
「君が詫びる必要はない。姫君、面を上げなさい」
穏やかなのによく通る声。朱桜はゆっくりと顔を上げた。
艶やかな闇。数えるほどしか見たことがない闇呪の姿。静寂と孤独を閉じこめて結晶化したような、圧倒的な美しさがあった。やはり恐れは感じない。
ゆっくりと闇呪がその場に座す。はじめてきちんと向かい合った気がして、朱桜は更に鼓動が早くなるのを感じた。
「朱桜の姫君」
とくりと鼓動が止まりそうになった。急激に体温が上がるのを感じる。いつか麟華が教えてくれた。闇呪が朱桜の名を与えてくれたのだと。けれど、どこかで信じられずにいたのだ。そんなふうに呼んでもらえる日が訪れるとは思ってもいなかった。
朱桜――故郷を飾るあの美しい花の名を、彼が与えてくれた。
美しい愛称を許されなかった自分に。
いっきに胸がいっぱいになって、つんと込み上げてくるものがあった。朱桜が思わず俯いてしまうと、闇呪はその様子をどんなふうに受け止めたのか、すぐに麟華を振り返った。
「麟華、ここに御簾を。――姫君、この姿が恐ろしいのなら無理をすることはない」
「ち、違いますっ」
朱桜は思わず身を乗り出すようにして叫んでしまう。
「私は恐ろしくなんてありません。――恐ろしいのではなくて、その……、闇呪の君はとてもお綺麗だし、そんな方に朱桜なんてもったいない愛称を頂いたのだと思うと、胸がいっぱいになって――」
誤解を全力で否定した処までは良かったが、既に何を伝えるべきなのかわからない。素直に胸の内を語ってみようとするが、ただ恥ずかしい失態を塗り重ねているような気がする。
「だから――、その、私はただ闇呪の君とお話できることが嬉しくて、恥ずかしかっただけです」
体内が沸騰しそうなくらいに恥じ入っていると、ふいにどしんと衝撃があった。
「姫君ったら愛らしい」
麟華に押し潰されそうな勢いで抱きつかれていた。きっと闇呪《あんじゅ》にも幼いのだと呆れられたに違いない。もしかすると朱桜と名を与えたことを後悔しているかもしれない。
「朱桜の姫君」
恥ずかしさで頬を染めていると、闇呪が再び美しい愛称を繰り返した。
誰でもない自分を呼んでくれている。その美しい花の名で。
そっと視線を移すと、彼は微笑んでいた。
「私は君の纏う緋色を美しいと感じる。君は故郷で緋色を見慣れているのかもしれないが、私にとっては朱桜の花でも足りないくらい鮮烈に映る。だから、これからも君を朱桜と呼ぶことを許してもらえるだろうか」
「も、もちろんです」
はりきって返事をしてから、朱桜はまたしてもはっと我に返る。
「あの、――こ、光栄です。闇呪の君、ありがとうございます。それに、あの時も言いつけに背いた私を救っていただいて、本当にありがとうございました」
思わずがばっと勢い良く平伏する。彼の綺麗な眼差しや微笑みを正視することができない。熱に浮かされているように全身が火照っていた。苦しいくらい鼓動が早い。
「朱桜、君が気に病むことはない。このような呪われた地に迎えながら、君を独りにした私に非がある。このとおり私は快復したのだし、むしろ礼を言うのは私の方だ。ありがとう」
金域で黄帝に言葉を賜るよりも、朱桜にとっては彼と交わした言葉の方が輝いているように感じられた。いつか麒一が云っていたように、闇呪は決して自分を厭っていたわけではなかった。彼は彼なりに自分を気遣ってくれていたのだ。見守ってくれていたのかもしれない。それなのに、どうして今までそんなふうに考えることができなかったのだろう。
自分で築いた狭い箱庭で、周りに目を向けることもなく内ばかりを見ていた。
居場所は、――心の拠りどころは、与えられるものではなかったのに。
自分で手を伸ばして、手に入れるものなのに。
朱桜は顔を上げた。
同時に麒一の声が響く。
「我が君、金域の使者が参りました」
闇呪は頷いてその場から立ち上がる。まっすぐ朱桜を見つめた。
「姫君、気をつけて」
それが取ってつけた台詞ではないのだと素直に受け止められる。そのまま踵を返そうとした闇呪に、朱桜は思わず声をかけた。
「闇呪の君。私がこちらに戻ってきたら、またこんなふうにお話していただけますか」
「私と――?」
闇呪は突然の申し出が信じられないように問い返してきた。朱桜は早鐘のような鼓動を感じながら深く頷いた。
「はい。私はもっとこの地のことも、闇呪の君のことも知りたいです。……いけませんか?」
一呼吸の間があった。闇呪はふっと自嘲的に笑う。何かに降参したような、あるいは安堵したような、言いようのない戸惑いのようなものが滲んでいる。
朱桜は彼を困らせたのだと思ったが、闇呪は意外なことを口にした。
「君がそう望んでくれるのなら、私に断るような理由はない。――朱桜の姫君、ありがとう。君が戻るのを待つのも、悪くない」
トクリと、胸の内で何かが変わっていく音がする。
朱桜は胸を占めた気持ちを隠すこともせず表した、――最高の笑顔で。
「私、できるだけ早く戻ります。だから、――」
朱桜の云いたいことを理解したように、闇呪は小さく頷いた。もう一度「気をつけて」と声がする。
「行ってまいります」
朱桜はそれだけを伝えるのが精一杯だった。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる