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第三話 失われた真実
第十二章:6 禁術「天落の法」の真実
しおりを挟む「相称の翼となるために、黄帝である父親と実の御子が男女の契りを交わした事実は記されていませんでした。御子の母である地界の女性が変わらず黄后として在り、黄帝の寵愛を受けていたようです。黄帝と御子の間には親子の絆だけが在り、御子の真名が黄帝には捧げられることはなったと。――おそらく、黄帝の真名を受け入れることが出来れば、それだけで相称の翼は誕生するのでしょう。親子で築かれた天帝の御世が示すように、相称の翼が必ず黄后であるとは限りません」
彼方が「へぇ」と吐息のような声を漏らす。心の底から感嘆しているようだった。
「そんな史実があったなんて、初耳」
「そうでしょうね。簡単に手に入るものには、天帝の御世について詳しく描かれた記述がほとんどありません。――まるで故意に隠されているかのようです」
どこか皮肉をこめた口調が朱里には引っ掛かったが、奏はすぐに自身の思惑を隠すかのように付け加えた。
「古い記録が残っていることが稀なのでしょうね。失われた真実は数多くあるのかもしれません。手に入れることのできた私は、運が良かったのでしょう」
「兄様の文献漁りは、本当に狂気じみていました」
雪はしみじみと兄の動向を思い出しているようだ。彼方がその様子に声をたてて笑いながら、奏に話の筋道をたしかめる。
「でも、その史実を信じると、僕達の認識は誤っているということだよね。相称の翼が黄后でないのなら、互いに真名を交わす必要はないってことだもん」
「ええ。人々が語るとき、それは同一の物として捉えられていることが多いですが、決してそうではありません。たしかに、天帝の御世が築かれるとき、黄帝と相称の翼は互いに真名を交わします。それが天帝の御世を築くための不可欠の条件だと信じられているためでしょう。けれど、私は公の儀式として執り行うための形式が、いつのまにか不可欠な条件であると錯覚されてしまったのではないかと、そう考えています」
「互いに真名を交わすことが、単なる儀式に過ぎないなんて。じゃあ、相称の翼が誕生するために不可欠な、本当の条件とは何なのですか」
困惑気味に問いかける雪に、奏は穏やかに続ける。
「私の考えでは、黄帝が真名を与えた者、ようするにそれを受け入れ授かった者が相称の翼と成る。そう思います」
「じゃあ、最悪の場合、黄帝の片想いでも、相手を相称の翼にすることができるかもしれないと、そういうこと?」
彼方の何気ない言葉に、奏は一瞬目を伏せた。何かを憂慮しているかのように、一筋の翳りが見え隠れしている。
「――不可能、ではないと思います。ただ、それが確かな推論であるとは言い切れません。もしかすると、何か他の要素があるのかもしれない。……天帝の御世が築かれる時は、常に盛大な儀式が執り行われ、人々の祝福に迎えられて始まるのが慣例です。同時に相称の翼が黄后となるのも、今では疑いようのない真実です。そう考えると私の推測は全てが現実的ではありません。それでも人々が忘れ去った過去を顧みると、不可能ではないと感じます」
朱里は新たに形にされた異世界の掟を聞きながら、再び指先が震えるのを感じた。
奏の語ることは、朱里にとっては何の齟齬もない。
あれほど闇呪を想いながら、相称の翼となった朱桜。
何か理由があるのではないかと思い続けていたが、単に無理矢理その役割を負わされたのかもしれない。闇呪への想いを踏みにじられるようにして、朱桜は相称の翼に仕立て上げられた。
だとすれば。
「相称の翼が、その立場を放棄する方法はないんですか。もし黄帝に無理矢理真名を授けられて、強引に相称の翼にされてしまったら、取り返しがつかないんですか」
思わず聞いてしまうと、奏は浅く微笑む。
「私の知る限りではありません。きっと、取り返しがつかないのでしょう」
「兄様。では、もし愛し合っている二人に、黄帝が横恋慕した場合――」
雪の声が強張っている。朱里には消息を絶った相称の翼について、彼女も同じ結論に辿りついたのだと判る。奏が暗い眼差しで妹である雪を見た。
「愛し合う二人にとっては、最悪の形で天帝の御世が始まるでしょうね」
「最悪の形で……、それは今のように、ですか。兄様は、ずっとそんなふうに考えていたのですね。相称の翼は奪われたのではなく、黄帝が闇呪の君の后を奪ったのかもしれないと」
奏は正しく思惑を言い当てられたのか、降参したように頷いた。
「そうです。遥に出会って、私はますますその思いを強くしました。彼と縁を結んだ最後の姫君――相称の翼となった緋国の姫宮が彼を愛していた可能性はあると思います」
「ち、ちょっと待ってよ」
彼方が慌てたように、口を挟む。
「それは奏の推測に過ぎないのに、思い込んでしまうのは危険じゃないかな。副担任が極悪非道でなかったことは認めるけど。黄帝が横恋慕して相称の翼を求めたというのは、いくらなんでも有り得ない。黄帝の想いはただの恋愛では済まないんだよ? そんな強引な手段で天帝の御世を築く第一歩を踏み出すとは思えないよ」
「彼方の言うとおりです。これは遥に与する私の偏った考え方です」
「たしかに、そうですね。私も彼方様が言うように、黄帝がそんな無慈悲な手段に出るとは思えません。有り得ないと思います」
三人の会話を聞きながら、朱里は何とか自身を落ち着けようと努める。
全ての真実は、自身の中に封印されているのだ。今語られた憶測が全て正しいとは限らない。そう思わなければ、今後の成り行きがあまりにも残酷に思えた。
込み上げてくる不安と恐れに耐え切れず、朱里はある覚悟を決めた。
過去を封印されたままでは、前に進めない。何も解決できないのだ。今にも不安に押し潰されそうになりながら、それを振り払うように直入に問う。
「あの、黄帝は全能の神のような存在だと言っていましたよね。黄帝の力があれば、どんな呪いでも解くことができますか。例えば、何かを封印する呪いをかけられても、黄帝の力なら解くことができるんですか」
奏が手を組み合わせて、朱里を見つめる。
「どうして、そんなことを聞くのですか」
朱里は全てを見透かされそうな気がして、ぎくりと鼓動が高鳴ったが怯まずに答えた。
少なくとも奏は遥の敵ではない。もし自身の素性がばれても、きっと彼なら助けになってくれる。そう言いきかせた。
「前に先生が呪いのことを言っていた気がして――天落の法、だったと思います」
それを口にした瞬間、周りの緊張感が増した気がした。奏の瞳が熱を帯びたように力強い眼差しに変わる。彼方が何か言いかけたが、奏が手を上げてそれを制した。
「天落の法は、禁術の一つです。成功例がないに等しい幻の法術。呪いと言っても過言ではありませんが、異なるものです。その禁術を、遥が口にしていたと?」
「はい。――私には意味が良く判りませんでした。ただ、それが先生を苦しめているような気がして……」
曖昧にごまかしながらも、朱里は胸の内を打ち明ける。天落の法で苦しんでいるのは、たしかに自分ではなく、それを見守り続けている遥であると思えた。
「天落の法とは、どういうものなんですか。それを解く方法はあるんですか」
「――あります。天落の法は、魂魄を異界へ輪廻させる禁術です。発動させるためには、愛を以って与えられた真実の名が必要です。それを印として発動し、術の解除は印として用いた真実の名を語ることで果たされます。けれど、異界へ輪廻を果たせば、おそらく記憶は失われてしまうでしょう。印として発動した真実の名を思い出すことは、まず不可能です。成功例がないに等しいのは、戻ってきた者がないせいかもしれません。帰り道のない法術とも言えます」
「じゃあ、解除に黄帝は関係ない?」
「ええ。印となる真実の名が黄帝の真名でない限り、なんの関係もありません」
朱里は胸の内で何度も反芻する。封印の解除に必要なのは、愛を以って与えられた真実の名。それを知ることが出来れば、記憶が蘇る。全てが明らかになる。
(――封印の鍵は、愛を以って与えられた真実の名)
それが誰に与えられたものであったのか、朱里には容易に想像できる。
こんなにも心を占めて、全ての過去を失っても滲み出るように蘇った想い。
黄帝である筈がない。相称の翼となっても、朱桜が――自分が黄帝の名を呼んだ筈がない。遥も双子も誤解しているのだ。朱桜が相称の翼となった意味を辿り、黄帝を愛していたのだと。だからこそ、封印を解く鍵が黄帝に在ると語ったに違いない。
朱里は少しだけ胸に希望が灯ったのを感じた。
絶望的だと思っていた封印の解除は果たされるのかもしれない。
愛した人は、手の届くところにいるのだ。
もう目を閉じて、耳を塞いでいられた時間は終わりを告げた。
彼を愛した想いだけではなく、全ての成り行きを明らかにしなければならない。
朱里はこれから、失われた真実と向かい合わなければならないのだ。
彼方が「へぇ」と吐息のような声を漏らす。心の底から感嘆しているようだった。
「そんな史実があったなんて、初耳」
「そうでしょうね。簡単に手に入るものには、天帝の御世について詳しく描かれた記述がほとんどありません。――まるで故意に隠されているかのようです」
どこか皮肉をこめた口調が朱里には引っ掛かったが、奏はすぐに自身の思惑を隠すかのように付け加えた。
「古い記録が残っていることが稀なのでしょうね。失われた真実は数多くあるのかもしれません。手に入れることのできた私は、運が良かったのでしょう」
「兄様の文献漁りは、本当に狂気じみていました」
雪はしみじみと兄の動向を思い出しているようだ。彼方がその様子に声をたてて笑いながら、奏に話の筋道をたしかめる。
「でも、その史実を信じると、僕達の認識は誤っているということだよね。相称の翼が黄后でないのなら、互いに真名を交わす必要はないってことだもん」
「ええ。人々が語るとき、それは同一の物として捉えられていることが多いですが、決してそうではありません。たしかに、天帝の御世が築かれるとき、黄帝と相称の翼は互いに真名を交わします。それが天帝の御世を築くための不可欠の条件だと信じられているためでしょう。けれど、私は公の儀式として執り行うための形式が、いつのまにか不可欠な条件であると錯覚されてしまったのではないかと、そう考えています」
「互いに真名を交わすことが、単なる儀式に過ぎないなんて。じゃあ、相称の翼が誕生するために不可欠な、本当の条件とは何なのですか」
困惑気味に問いかける雪に、奏は穏やかに続ける。
「私の考えでは、黄帝が真名を与えた者、ようするにそれを受け入れ授かった者が相称の翼と成る。そう思います」
「じゃあ、最悪の場合、黄帝の片想いでも、相手を相称の翼にすることができるかもしれないと、そういうこと?」
彼方の何気ない言葉に、奏は一瞬目を伏せた。何かを憂慮しているかのように、一筋の翳りが見え隠れしている。
「――不可能、ではないと思います。ただ、それが確かな推論であるとは言い切れません。もしかすると、何か他の要素があるのかもしれない。……天帝の御世が築かれる時は、常に盛大な儀式が執り行われ、人々の祝福に迎えられて始まるのが慣例です。同時に相称の翼が黄后となるのも、今では疑いようのない真実です。そう考えると私の推測は全てが現実的ではありません。それでも人々が忘れ去った過去を顧みると、不可能ではないと感じます」
朱里は新たに形にされた異世界の掟を聞きながら、再び指先が震えるのを感じた。
奏の語ることは、朱里にとっては何の齟齬もない。
あれほど闇呪を想いながら、相称の翼となった朱桜。
何か理由があるのではないかと思い続けていたが、単に無理矢理その役割を負わされたのかもしれない。闇呪への想いを踏みにじられるようにして、朱桜は相称の翼に仕立て上げられた。
だとすれば。
「相称の翼が、その立場を放棄する方法はないんですか。もし黄帝に無理矢理真名を授けられて、強引に相称の翼にされてしまったら、取り返しがつかないんですか」
思わず聞いてしまうと、奏は浅く微笑む。
「私の知る限りではありません。きっと、取り返しがつかないのでしょう」
「兄様。では、もし愛し合っている二人に、黄帝が横恋慕した場合――」
雪の声が強張っている。朱里には消息を絶った相称の翼について、彼女も同じ結論に辿りついたのだと判る。奏が暗い眼差しで妹である雪を見た。
「愛し合う二人にとっては、最悪の形で天帝の御世が始まるでしょうね」
「最悪の形で……、それは今のように、ですか。兄様は、ずっとそんなふうに考えていたのですね。相称の翼は奪われたのではなく、黄帝が闇呪の君の后を奪ったのかもしれないと」
奏は正しく思惑を言い当てられたのか、降参したように頷いた。
「そうです。遥に出会って、私はますますその思いを強くしました。彼と縁を結んだ最後の姫君――相称の翼となった緋国の姫宮が彼を愛していた可能性はあると思います」
「ち、ちょっと待ってよ」
彼方が慌てたように、口を挟む。
「それは奏の推測に過ぎないのに、思い込んでしまうのは危険じゃないかな。副担任が極悪非道でなかったことは認めるけど。黄帝が横恋慕して相称の翼を求めたというのは、いくらなんでも有り得ない。黄帝の想いはただの恋愛では済まないんだよ? そんな強引な手段で天帝の御世を築く第一歩を踏み出すとは思えないよ」
「彼方の言うとおりです。これは遥に与する私の偏った考え方です」
「たしかに、そうですね。私も彼方様が言うように、黄帝がそんな無慈悲な手段に出るとは思えません。有り得ないと思います」
三人の会話を聞きながら、朱里は何とか自身を落ち着けようと努める。
全ての真実は、自身の中に封印されているのだ。今語られた憶測が全て正しいとは限らない。そう思わなければ、今後の成り行きがあまりにも残酷に思えた。
込み上げてくる不安と恐れに耐え切れず、朱里はある覚悟を決めた。
過去を封印されたままでは、前に進めない。何も解決できないのだ。今にも不安に押し潰されそうになりながら、それを振り払うように直入に問う。
「あの、黄帝は全能の神のような存在だと言っていましたよね。黄帝の力があれば、どんな呪いでも解くことができますか。例えば、何かを封印する呪いをかけられても、黄帝の力なら解くことができるんですか」
奏が手を組み合わせて、朱里を見つめる。
「どうして、そんなことを聞くのですか」
朱里は全てを見透かされそうな気がして、ぎくりと鼓動が高鳴ったが怯まずに答えた。
少なくとも奏は遥の敵ではない。もし自身の素性がばれても、きっと彼なら助けになってくれる。そう言いきかせた。
「前に先生が呪いのことを言っていた気がして――天落の法、だったと思います」
それを口にした瞬間、周りの緊張感が増した気がした。奏の瞳が熱を帯びたように力強い眼差しに変わる。彼方が何か言いかけたが、奏が手を上げてそれを制した。
「天落の法は、禁術の一つです。成功例がないに等しい幻の法術。呪いと言っても過言ではありませんが、異なるものです。その禁術を、遥が口にしていたと?」
「はい。――私には意味が良く判りませんでした。ただ、それが先生を苦しめているような気がして……」
曖昧にごまかしながらも、朱里は胸の内を打ち明ける。天落の法で苦しんでいるのは、たしかに自分ではなく、それを見守り続けている遥であると思えた。
「天落の法とは、どういうものなんですか。それを解く方法はあるんですか」
「――あります。天落の法は、魂魄を異界へ輪廻させる禁術です。発動させるためには、愛を以って与えられた真実の名が必要です。それを印として発動し、術の解除は印として用いた真実の名を語ることで果たされます。けれど、異界へ輪廻を果たせば、おそらく記憶は失われてしまうでしょう。印として発動した真実の名を思い出すことは、まず不可能です。成功例がないに等しいのは、戻ってきた者がないせいかもしれません。帰り道のない法術とも言えます」
「じゃあ、解除に黄帝は関係ない?」
「ええ。印となる真実の名が黄帝の真名でない限り、なんの関係もありません」
朱里は胸の内で何度も反芻する。封印の解除に必要なのは、愛を以って与えられた真実の名。それを知ることが出来れば、記憶が蘇る。全てが明らかになる。
(――封印の鍵は、愛を以って与えられた真実の名)
それが誰に与えられたものであったのか、朱里には容易に想像できる。
こんなにも心を占めて、全ての過去を失っても滲み出るように蘇った想い。
黄帝である筈がない。相称の翼となっても、朱桜が――自分が黄帝の名を呼んだ筈がない。遥も双子も誤解しているのだ。朱桜が相称の翼となった意味を辿り、黄帝を愛していたのだと。だからこそ、封印を解く鍵が黄帝に在ると語ったに違いない。
朱里は少しだけ胸に希望が灯ったのを感じた。
絶望的だと思っていた封印の解除は果たされるのかもしれない。
愛した人は、手の届くところにいるのだ。
もう目を閉じて、耳を塞いでいられた時間は終わりを告げた。
彼を愛した想いだけではなく、全ての成り行きを明らかにしなければならない。
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