62 / 233
第三話 失われた真実
プロローグ:悪夢の狭間(はざま)
しおりを挟む
どうして気がつかなかったのだろう。
彼女に想いを寄せることが、自分を追い詰める最大の要素であったことを。
彼の身体中を駆け巡り、荒れ狂う鬼。
激しい痛みは熱を孕み、既に痛覚が麻痺しているのかもしれない。息苦しさの中で、ただ負の感情が肥大する。
鬼は悪意をもって彼の記憶を辿り、どこまでも後悔を増幅させた。
容赦なく、彼を追い詰める。
悪夢に苛まれ、彼を満たしてきた想いまでが悪意に呑まれる。
(――彼女に出会わなければ、良かった)
全てを忘れて、なかったことに出来れば、こんなふうに苛まれることはなかったのだ。
何も知らぬまま、与えられた宿命だけを見つめていられた。
世を滅ぼす禍。
それだけで良かったのだ。ずっと受け入れて生きてきた。何もいらない。安らぎも至福も求めない。
(私が生きることに、意味などない)
あるのは、世の禍となる悪しき宿命だけ。祝福されない誕生。
何もかもが慶びとは程遠い。
(そんなものを求めていたなんて、――滑稽だ)
はじめから、役回りは決まっている。
世界を脅かす危険因子。存在意味など持ち得ない。自分が生き続けることに、一片の価値もない。
あるはずがないと、彼は強く自身を罵る。これまでの自分があまりに滑稽で失笑が漏れた。
出会い、彼女に与えられた全て。
ほんのひととき、彼に渇望していた何かを与えてくれたのかもしれない。
満たされた日々。
けれど、真実は全てを覆す。
与えられた全てが、彼を破滅へ導く序章と成り果てた。
至福は瞬く間に、絶望へと形を変える。
はじめから、全てが自分を追い詰める仕組みでしかなかったのだ。
与えられた滅びの宿命を全うするために。
(――彼女に出会わなければ良かった)
鬼に苛まれた想いは、どこまでも彼の絶望を肥大させる。
後悔、絶望、破滅。
(――違う)
悪意だけが膨張する心の闇に、強く反駁する光があった。今にも呑まれて失われてしまいそうな、かすかな輝き。彼はその輝きに向かって、手を伸ばした。
「―――っ……」
瞬間、持ち上げた腕に痛みが迸り、彼は悪夢から引き戻される。
渦巻く悪意が断ち切られると、彼は視界の中に見慣れた輪郭を見つけた。まだ頭が朦朧としているのか、像が揺らめいてはっきりとはしない。
けれど、見間違えるはずがない輪郭。
「――朱桜」
わずかに覚醒し、彼はさきほどの光の先に彼女がいたことを知る。もう一度、触れようとして、腕を動かすと更に激しい痛みが迸った。
それでも彼は目の前に在る気配に触れようと、懸命に手を伸ばす。
悪意に呑まれた想いが、美しい輝きを取り戻した。闇を照らす光。
出会ったことを、後悔などしていない。
(――どんな運命でも、出会えて良かった)
彼女と出会えて。
満たされた日々の中で、手に入れられた想い。自分の生まれてきた意味は、記憶の中に在る。いつか悪しき禍として討たれる時が来ても、想い出だけは色褪せることがない。
だから、決して彼女に裏切られたとは思わない。
それが自分の宿命を形にするためだけの経緯だったとは思わない。
今も色褪せず、彼女への想いだけが輝いている。
何度も目の前の彼女に呼びかけると、自分の手を握る彼女の気配に触れた。
掌から、ひやりと心地の良い刺激が熱を帯びた身体を貫く。少しだけ熱が拭われ、呼吸が楽になった気がした。
揺らめく視界の中で、彼女の黒髪が鮮明に飛び込んできた。美しい朱――金色が見事に呑まれている。身体を這う痛みよりも、ずっと胸が痛んだ。
蘇るのは、最後に見た光景。
引き裂かれた山吹の単。彼女の白い肌を傷つける無数の傷跡、痣。
何があったのかと問うことが憚られるほど、乱れた姿。
そして。
金色の長い髪と、輝く黄金色の瞳。
彼は一瞬で全てを悟ってしまった。自分に与えられた宿命が、どのように完結するのかを。
彼女に与えられた役回りは、自分を滅ぼす相称の翼。
どんな力で傷つけられようと、彼が魂魄を失うことは出来なかった。
けれど。
愛した朱桜こそが、――相称の翼。
瞬間、全ての疑問は氷解した。
どうして自分が天帝に滅ぼされるのか、何よりも理解できたのだ。どのように討たれて滅ぶのかが。
わかってしまった。
なぜなら、彼女は彼が真名を捧げた、ただ一人の姫宮。
生涯、心から彼女に忠誠を誓う。彼が手に入れた生きる意味。
独りよがりな想いだと判ってはいたのだ。それでも、彼は迷わず真名を捧げた。
見返りを求めていたわけではない。もとより禍となる自分が愛される自信はなかった。ただ、手に入れた想いを彼女に伝えたかったのだ。
彼は目の前の黒髪に、ただ心を痛めた。
(――どうして)
彼女の比翼にはなれなかった。彼女は黄帝を愛した。
衝撃を受けなかったとは言えない。けれど、怨む気にはなれなかった。
鬼の坩堝で彼女は泣きながら叫んでいた。
――ごめんなさいっ、……ごめんなさい。
彼女の身に何が起きたのかは判らなかった。涙を零して、ひたすら訴えるように詫びる。
――ごめんなさい。
(どうして、謝る必要があるだろう)
縁を結んだといっても、形だけのことなのだ。后となることを彼女が望んだ筈がない。自分に関わらず自由に過ごせばよいと牽制したのは、こちらの方である。
何も詫びることなどありはしないだろう。
相称の翼。人々に祝福されるべき真実。
――ごめんなさい。
自分に何を伝えたかったのか、わからない。
彼女は鬼門に飛び込んで、禁術を望んだ。
――莫迦な、……朱桜っ!
鬼門へ伸ばした彼の手は、むなしく彼女の残像を掻いた。
禁術、天落の法。
愛した者に与えられた真名を印として発動し、異界へ輪廻する。魂魄は鬼によって形作られた殻に閉じ込められ、姿形はひどく歪められる。異界の者に変貌を遂げるとも言われていた。
成功例はないに等しく、幻の法術とも言われる。失敗すれば、後にはただ黒き躯が残るだけだった。
彼女の犯した禁術は成功した。相称の翼であったからなのか、理由は定かではないが、異界の赤子として生きていた。
彼は霞む目で、凝らすように目の前の彼女を見つめた。
「朱桜、……どうして?」
どうして、嘆く必要があるのか。
問いかけながらも、彼には容易く彼女の想いを辿ることが出来た。
禍を滅ぼす。彼女には与えられた運命が快諾できないのだろう。
慈悲深い黄后。
異界へ逃避した彼女の想いは、わからない。謎はとけない。天界には彼女の愛する黄帝が在るのだ。いくら慈悲深くとも、黄帝への愛に勝る想いはないのだ。何らかの思惑が秘められている可能性があるだろう。
けれど、泣きながら彼に詫び続けた彼女には、伝えておかなければならない。
もし彼女が自身の役回りを嘆いているのなら。
「朱桜。……迷わず私を討ちなさい。ためらう必要はない」
黄帝への想いを後ろめたく感じる必要はない。
「私には判っている。……君は相称の翼。愛しい者を守るために、与えられた力がある」
彼は心から伝えられる。
例え全てが自分を滅ぼす運命に繋がっていても、――変わらない。
これまでの想いは色褪せない。
「それでも変わらない。君を愛している。……だから、その手で終わりにしてほしい」
誰よりも彼女の幸せを願っている。
天帝の御世は、世界に輝きをもたらすだろう。彼女が幸せになるためになら、どんな運命も受け入れられる。
どのような思惑が彼女を巻き込んでいても、無事に黄帝の元へ戻るまで、護り続けてみせる。
彼女は自身の翼扶。心を捧げた姫宮。
何があっても、変わらない。
彼女を護ることが、自分の生きる意味になる。
禁術を解き、彼女が黄后へ戻る方法はある。有効であるのかは分からないが、希望は失われていない。
天落の法を解く、唯一の方法。
術を発動させた印――愛しい者の真名を、もう一度唱えること。
それで術は解けると言われている。
相称の翼にとっては、黄帝の真名が印になる。
彼女が黄帝の真名を口にすれば、全てが元に戻る筈なのだ。
天界にどのような思惑が蔓延しているのかは定かではない。けれど、彼女が金域から逃亡を謀ったことは事実なのだ。もしかすると、自分に助けを求めていたのかもしれない。あるいは、巻き込むことを詫びていたのかもしれなかった。
全ての真実は、闇の中。
判っているのは、彼女が相称の翼であるということ。
だから。
いつかその手で討たれる日まで。
「……私は、……そのために君を護る」
彼の望みはただ一つ。
自分が彼女に与えられたように。
彼女にも手に入れてほしかったのだ。
満たされた、豊かな日々を。
そして、――誰よりも幸せな日々を。
「―――……」
彼女が何かを呟いた気がしたが、彼には聞き取ることが出来なかった。込み上げてきた熱が意識を奪う。吸い込まれるように、闇に捕らわれる。
彼は再び目を閉じた。
彼女に想いを寄せることが、自分を追い詰める最大の要素であったことを。
彼の身体中を駆け巡り、荒れ狂う鬼。
激しい痛みは熱を孕み、既に痛覚が麻痺しているのかもしれない。息苦しさの中で、ただ負の感情が肥大する。
鬼は悪意をもって彼の記憶を辿り、どこまでも後悔を増幅させた。
容赦なく、彼を追い詰める。
悪夢に苛まれ、彼を満たしてきた想いまでが悪意に呑まれる。
(――彼女に出会わなければ、良かった)
全てを忘れて、なかったことに出来れば、こんなふうに苛まれることはなかったのだ。
何も知らぬまま、与えられた宿命だけを見つめていられた。
世を滅ぼす禍。
それだけで良かったのだ。ずっと受け入れて生きてきた。何もいらない。安らぎも至福も求めない。
(私が生きることに、意味などない)
あるのは、世の禍となる悪しき宿命だけ。祝福されない誕生。
何もかもが慶びとは程遠い。
(そんなものを求めていたなんて、――滑稽だ)
はじめから、役回りは決まっている。
世界を脅かす危険因子。存在意味など持ち得ない。自分が生き続けることに、一片の価値もない。
あるはずがないと、彼は強く自身を罵る。これまでの自分があまりに滑稽で失笑が漏れた。
出会い、彼女に与えられた全て。
ほんのひととき、彼に渇望していた何かを与えてくれたのかもしれない。
満たされた日々。
けれど、真実は全てを覆す。
与えられた全てが、彼を破滅へ導く序章と成り果てた。
至福は瞬く間に、絶望へと形を変える。
はじめから、全てが自分を追い詰める仕組みでしかなかったのだ。
与えられた滅びの宿命を全うするために。
(――彼女に出会わなければ良かった)
鬼に苛まれた想いは、どこまでも彼の絶望を肥大させる。
後悔、絶望、破滅。
(――違う)
悪意だけが膨張する心の闇に、強く反駁する光があった。今にも呑まれて失われてしまいそうな、かすかな輝き。彼はその輝きに向かって、手を伸ばした。
「―――っ……」
瞬間、持ち上げた腕に痛みが迸り、彼は悪夢から引き戻される。
渦巻く悪意が断ち切られると、彼は視界の中に見慣れた輪郭を見つけた。まだ頭が朦朧としているのか、像が揺らめいてはっきりとはしない。
けれど、見間違えるはずがない輪郭。
「――朱桜」
わずかに覚醒し、彼はさきほどの光の先に彼女がいたことを知る。もう一度、触れようとして、腕を動かすと更に激しい痛みが迸った。
それでも彼は目の前に在る気配に触れようと、懸命に手を伸ばす。
悪意に呑まれた想いが、美しい輝きを取り戻した。闇を照らす光。
出会ったことを、後悔などしていない。
(――どんな運命でも、出会えて良かった)
彼女と出会えて。
満たされた日々の中で、手に入れられた想い。自分の生まれてきた意味は、記憶の中に在る。いつか悪しき禍として討たれる時が来ても、想い出だけは色褪せることがない。
だから、決して彼女に裏切られたとは思わない。
それが自分の宿命を形にするためだけの経緯だったとは思わない。
今も色褪せず、彼女への想いだけが輝いている。
何度も目の前の彼女に呼びかけると、自分の手を握る彼女の気配に触れた。
掌から、ひやりと心地の良い刺激が熱を帯びた身体を貫く。少しだけ熱が拭われ、呼吸が楽になった気がした。
揺らめく視界の中で、彼女の黒髪が鮮明に飛び込んできた。美しい朱――金色が見事に呑まれている。身体を這う痛みよりも、ずっと胸が痛んだ。
蘇るのは、最後に見た光景。
引き裂かれた山吹の単。彼女の白い肌を傷つける無数の傷跡、痣。
何があったのかと問うことが憚られるほど、乱れた姿。
そして。
金色の長い髪と、輝く黄金色の瞳。
彼は一瞬で全てを悟ってしまった。自分に与えられた宿命が、どのように完結するのかを。
彼女に与えられた役回りは、自分を滅ぼす相称の翼。
どんな力で傷つけられようと、彼が魂魄を失うことは出来なかった。
けれど。
愛した朱桜こそが、――相称の翼。
瞬間、全ての疑問は氷解した。
どうして自分が天帝に滅ぼされるのか、何よりも理解できたのだ。どのように討たれて滅ぶのかが。
わかってしまった。
なぜなら、彼女は彼が真名を捧げた、ただ一人の姫宮。
生涯、心から彼女に忠誠を誓う。彼が手に入れた生きる意味。
独りよがりな想いだと判ってはいたのだ。それでも、彼は迷わず真名を捧げた。
見返りを求めていたわけではない。もとより禍となる自分が愛される自信はなかった。ただ、手に入れた想いを彼女に伝えたかったのだ。
彼は目の前の黒髪に、ただ心を痛めた。
(――どうして)
彼女の比翼にはなれなかった。彼女は黄帝を愛した。
衝撃を受けなかったとは言えない。けれど、怨む気にはなれなかった。
鬼の坩堝で彼女は泣きながら叫んでいた。
――ごめんなさいっ、……ごめんなさい。
彼女の身に何が起きたのかは判らなかった。涙を零して、ひたすら訴えるように詫びる。
――ごめんなさい。
(どうして、謝る必要があるだろう)
縁を結んだといっても、形だけのことなのだ。后となることを彼女が望んだ筈がない。自分に関わらず自由に過ごせばよいと牽制したのは、こちらの方である。
何も詫びることなどありはしないだろう。
相称の翼。人々に祝福されるべき真実。
――ごめんなさい。
自分に何を伝えたかったのか、わからない。
彼女は鬼門に飛び込んで、禁術を望んだ。
――莫迦な、……朱桜っ!
鬼門へ伸ばした彼の手は、むなしく彼女の残像を掻いた。
禁術、天落の法。
愛した者に与えられた真名を印として発動し、異界へ輪廻する。魂魄は鬼によって形作られた殻に閉じ込められ、姿形はひどく歪められる。異界の者に変貌を遂げるとも言われていた。
成功例はないに等しく、幻の法術とも言われる。失敗すれば、後にはただ黒き躯が残るだけだった。
彼女の犯した禁術は成功した。相称の翼であったからなのか、理由は定かではないが、異界の赤子として生きていた。
彼は霞む目で、凝らすように目の前の彼女を見つめた。
「朱桜、……どうして?」
どうして、嘆く必要があるのか。
問いかけながらも、彼には容易く彼女の想いを辿ることが出来た。
禍を滅ぼす。彼女には与えられた運命が快諾できないのだろう。
慈悲深い黄后。
異界へ逃避した彼女の想いは、わからない。謎はとけない。天界には彼女の愛する黄帝が在るのだ。いくら慈悲深くとも、黄帝への愛に勝る想いはないのだ。何らかの思惑が秘められている可能性があるだろう。
けれど、泣きながら彼に詫び続けた彼女には、伝えておかなければならない。
もし彼女が自身の役回りを嘆いているのなら。
「朱桜。……迷わず私を討ちなさい。ためらう必要はない」
黄帝への想いを後ろめたく感じる必要はない。
「私には判っている。……君は相称の翼。愛しい者を守るために、与えられた力がある」
彼は心から伝えられる。
例え全てが自分を滅ぼす運命に繋がっていても、――変わらない。
これまでの想いは色褪せない。
「それでも変わらない。君を愛している。……だから、その手で終わりにしてほしい」
誰よりも彼女の幸せを願っている。
天帝の御世は、世界に輝きをもたらすだろう。彼女が幸せになるためになら、どんな運命も受け入れられる。
どのような思惑が彼女を巻き込んでいても、無事に黄帝の元へ戻るまで、護り続けてみせる。
彼女は自身の翼扶。心を捧げた姫宮。
何があっても、変わらない。
彼女を護ることが、自分の生きる意味になる。
禁術を解き、彼女が黄后へ戻る方法はある。有効であるのかは分からないが、希望は失われていない。
天落の法を解く、唯一の方法。
術を発動させた印――愛しい者の真名を、もう一度唱えること。
それで術は解けると言われている。
相称の翼にとっては、黄帝の真名が印になる。
彼女が黄帝の真名を口にすれば、全てが元に戻る筈なのだ。
天界にどのような思惑が蔓延しているのかは定かではない。けれど、彼女が金域から逃亡を謀ったことは事実なのだ。もしかすると、自分に助けを求めていたのかもしれない。あるいは、巻き込むことを詫びていたのかもしれなかった。
全ての真実は、闇の中。
判っているのは、彼女が相称の翼であるということ。
だから。
いつかその手で討たれる日まで。
「……私は、……そのために君を護る」
彼の望みはただ一つ。
自分が彼女に与えられたように。
彼女にも手に入れてほしかったのだ。
満たされた、豊かな日々を。
そして、――誰よりも幸せな日々を。
「―――……」
彼女が何かを呟いた気がしたが、彼には聞き取ることが出来なかった。込み上げてきた熱が意識を奪う。吸い込まれるように、闇に捕らわれる。
彼は再び目を閉じた。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説


忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる