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第八章:マスティアの信仰
5:聖女の後悔
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穴があったら入りたい。むしろ潜りこんでしまいたい。
苦し紛れに口から飛び出た言葉を思い出すたびに、自分でも呆れてしまう。
(シルファのことをおやつだって思うことにした!)
もう完全にアホの子である。
内心で失態にのたうち回りながら、ミアは何とかいつもの自分を演じていた。やはりシルファは自分を気遣って、生活時間をずらしていたのだろう。今朝は久しぶりに一緒に朝食を摂っている。
そっとシルファを窺うと、顔色が幾分よくなっている気がした。もともと透けるような白い肌だが、見慣れた顔色に戻っている。聖女の恩恵の効果だろうかと、ミアは昨夜の失態が決して無意味ではなかったと言い聞かせた。
食べ終わったシルファが席を立つのを見て、ミアは何とか平常心のまま切り抜けたとそっと吐息をつく。
「ごちそうさま。美味しかった」
シルファの声に、ミアはぱっと顔が緩んでしまう。努力の結果が報われるのは、素直に嬉しい。
「良かった」
自然に笑顔が浮かぶ。シルファは今日も支部に留まるのではなく、本部へ赴くらしい。上着を手にした彼に、ミアは予定を確認した。
「シルファ、あの、……今日は、夕食を作っておいても大丈夫?」
彼がミアに視線を向ける。ミアは目が合った途端に頬が熱くなった。今まで装っていた平常心の仮面がいとも簡単に外れてしまう。シルファは小さく笑ってから、聞き返してきた。
「私が戻らないとミアは碌な食事を摂らないってセラフィに聞いたが、そうなのか?」
ミアはからかわれずに済んだと、気持ちを立て直す。
「簡単に済ませてはいるけど、食べているよ?」
「例えば?」
「パンと珈琲」
「……それだけ?」
「だって、味もないし自分のために何かを買ったり作ったしても、仕方ないっていうか……」
「なるほど」
シルファは上着に袖を通しながら「じゃあ、戻って来るようにしようか」と笑う。ミアは心が弾むのを感じたが、自分のつまらない都合でシルファの仕事を邪魔したくはない。
「忙しいなら、無理しなくても良いよ。一人でもきちんと食べるようするから」
彼がこちらを見る目を少し細めた。時折シルファは眩しいものを見るような顔をする。せっかく平常心を取り戻していたのに、ミアはまた恥ずかしさが込み上げそうになった。
「ミア、昨夜は夢を見たか?」
「え?」
「どんな夢なのかよくわからないが、……たぶん、おやつを食べる夢?」
ぼっと顔に熱が集中する。勝手に顔色が反応するが、昨夜はひとしきり暴れまくった後は、すぐに眠ってしまった。気がかりがなくなったせいか、今朝は久しぶりに良い寝起きだったし、何かの夢を見た記憶もない。
「昨日は夢を見ていないけど」
ミアはシルファから目を逸らしたまま、ぱたぱたと手で顔を煽ぎながら「どうして?」と聞いた。
「いや、約束通り聖女の恩恵を頂いたから、――ごちそうさまでした」
「ええ!? あの後に?」
どう思い返しても、夢を見た記憶はない。忘れてしまっただけだろうか。
「おかげ様でだいぶ気分が良い」
「あ、そ、……そうですか。それは良かったですね」
どんな反応をすれば良いのか分からず、変な口調になってしまう。シルファが笑っている気配を感じながら、何となく食卓の食器を見つめた。
「一つ聞いておきたいことがあるが」
シルファの声に、ミアはゆっくりと顔をあげた。
「何?」
「渇望を満たした勢いで、おまえのことを抱いてしまったら怒るのかなと?」
「は?」
一瞬思考が停止しかけたが、顔色がすぐに反応する。ふざけるなと言いかけたが、何とか踏みとどまった。彼がそんなことを言い出すのは、自分をからかっている時か、何か理由がある時なのだ。
もし後者なら、きちんと話を聞く必要がある。
「そ、それは、その、――聖女の恩恵として、必要だったりする?」
必要だと言われても困るが、出来ることと出来ないことははっきりと伝えておく必要がある。例えば輸血のように血を抜いて与えることで、変わりにならないだろうか。
(でも、輸血をずっと続けるとなると難しいかも)
頻度によっては貧血を伴ったり、命の危険を伴うこともある。そう考えると血を与え続けることには限界があるだろう。シルファが血肉を求めないことが、すでに危殆に瀕する可能性を示しているような気もする。
「聖女の恩恵として? まぁ体液もそうだろうが、渇望を癒すのは唾液と変わらないだろうな」
「た、体液って――」
何か途轍もなく高い壁を登らされている気がするが、ミアはハッと思い至る。シルファが渇望を癒すとどうなるか。
(欲望が、高まるーー?)
他人事のように考えていたが、聖女の恩恵で渇望を満たすことにも、等しく当てはまるのかもしれない。ミアは正気が遠ざかるほどの陶酔感と高揚感を思い出した。シルファにも等しくもたらされるのだとしたら。
掌に変な汗が滲む。
「――ムリ」
無意識が声になっていた。
そもそも自分はまだ処女なのだろうかという疑問がもたげてくる。聖女の絶対条件のような気もするが、崇高な一族にとっては重要ではないのかもしれない。
もしかすると、既にシルファに奪われていたりするのだろうか。
(――わたしの、知らない間に……?)
火照っていた顔からすうっと血の気が引くのがわかった。甘い蜜を与えられる夢。あの夢に、続きがなかっただろうか。
甘い熱に囚われて、口づけのように積極的に応じていたらどうなるのか。
剥き出しになった欲望のままに、彼に身体を開いていたら。
(そんなの、わたしじゃない)
記憶を辿ってみても、わからない。ぎゅっと組み合わせた手に力がこもる。
確かめるのが怖い。動悸がする。
「ミア? ――心配しなくても、眠っている女を欲望に任せて抱くようなことはしないよ」
恐る恐るシルファを仰ぐ。自分はどんな顔をしていたのだろう。シルファが労わるように笑った。
「さすがに、そこまで下衆じゃない」
冷たくなっていた手が、少しずつ温もりを取り戻す。ミアは手に込めていた力を緩めた。ホッと気持ちが落ち着くと、彼に物申したくなる。
「勝手にキスするだけでも、充分下衆ですけどね」
ミアが勝気さを取り戻して彼を睨むと、シルファが悪戯っぽく笑う。
「キス? おまえは夢の中でおやつを食べていただけだろ?」
「――っ」
一瞬で顔に血の巡りが戻る。頬が熱い。
「でも、悪かったな。少し調子に乗ってからかいすぎた」
「は?」
「残念ながら、おまえに欲情するには色気がなさすぎる」
ミアの脳裏で、ブツリと何かが千切れる音がした。
「この変態! 飢えて死ね! 下衆! 死んでしまえ!」
ミアは再び力の限り暴れた。
苦し紛れに口から飛び出た言葉を思い出すたびに、自分でも呆れてしまう。
(シルファのことをおやつだって思うことにした!)
もう完全にアホの子である。
内心で失態にのたうち回りながら、ミアは何とかいつもの自分を演じていた。やはりシルファは自分を気遣って、生活時間をずらしていたのだろう。今朝は久しぶりに一緒に朝食を摂っている。
そっとシルファを窺うと、顔色が幾分よくなっている気がした。もともと透けるような白い肌だが、見慣れた顔色に戻っている。聖女の恩恵の効果だろうかと、ミアは昨夜の失態が決して無意味ではなかったと言い聞かせた。
食べ終わったシルファが席を立つのを見て、ミアは何とか平常心のまま切り抜けたとそっと吐息をつく。
「ごちそうさま。美味しかった」
シルファの声に、ミアはぱっと顔が緩んでしまう。努力の結果が報われるのは、素直に嬉しい。
「良かった」
自然に笑顔が浮かぶ。シルファは今日も支部に留まるのではなく、本部へ赴くらしい。上着を手にした彼に、ミアは予定を確認した。
「シルファ、あの、……今日は、夕食を作っておいても大丈夫?」
彼がミアに視線を向ける。ミアは目が合った途端に頬が熱くなった。今まで装っていた平常心の仮面がいとも簡単に外れてしまう。シルファは小さく笑ってから、聞き返してきた。
「私が戻らないとミアは碌な食事を摂らないってセラフィに聞いたが、そうなのか?」
ミアはからかわれずに済んだと、気持ちを立て直す。
「簡単に済ませてはいるけど、食べているよ?」
「例えば?」
「パンと珈琲」
「……それだけ?」
「だって、味もないし自分のために何かを買ったり作ったしても、仕方ないっていうか……」
「なるほど」
シルファは上着に袖を通しながら「じゃあ、戻って来るようにしようか」と笑う。ミアは心が弾むのを感じたが、自分のつまらない都合でシルファの仕事を邪魔したくはない。
「忙しいなら、無理しなくても良いよ。一人でもきちんと食べるようするから」
彼がこちらを見る目を少し細めた。時折シルファは眩しいものを見るような顔をする。せっかく平常心を取り戻していたのに、ミアはまた恥ずかしさが込み上げそうになった。
「ミア、昨夜は夢を見たか?」
「え?」
「どんな夢なのかよくわからないが、……たぶん、おやつを食べる夢?」
ぼっと顔に熱が集中する。勝手に顔色が反応するが、昨夜はひとしきり暴れまくった後は、すぐに眠ってしまった。気がかりがなくなったせいか、今朝は久しぶりに良い寝起きだったし、何かの夢を見た記憶もない。
「昨日は夢を見ていないけど」
ミアはシルファから目を逸らしたまま、ぱたぱたと手で顔を煽ぎながら「どうして?」と聞いた。
「いや、約束通り聖女の恩恵を頂いたから、――ごちそうさまでした」
「ええ!? あの後に?」
どう思い返しても、夢を見た記憶はない。忘れてしまっただけだろうか。
「おかげ様でだいぶ気分が良い」
「あ、そ、……そうですか。それは良かったですね」
どんな反応をすれば良いのか分からず、変な口調になってしまう。シルファが笑っている気配を感じながら、何となく食卓の食器を見つめた。
「一つ聞いておきたいことがあるが」
シルファの声に、ミアはゆっくりと顔をあげた。
「何?」
「渇望を満たした勢いで、おまえのことを抱いてしまったら怒るのかなと?」
「は?」
一瞬思考が停止しかけたが、顔色がすぐに反応する。ふざけるなと言いかけたが、何とか踏みとどまった。彼がそんなことを言い出すのは、自分をからかっている時か、何か理由がある時なのだ。
もし後者なら、きちんと話を聞く必要がある。
「そ、それは、その、――聖女の恩恵として、必要だったりする?」
必要だと言われても困るが、出来ることと出来ないことははっきりと伝えておく必要がある。例えば輸血のように血を抜いて与えることで、変わりにならないだろうか。
(でも、輸血をずっと続けるとなると難しいかも)
頻度によっては貧血を伴ったり、命の危険を伴うこともある。そう考えると血を与え続けることには限界があるだろう。シルファが血肉を求めないことが、すでに危殆に瀕する可能性を示しているような気もする。
「聖女の恩恵として? まぁ体液もそうだろうが、渇望を癒すのは唾液と変わらないだろうな」
「た、体液って――」
何か途轍もなく高い壁を登らされている気がするが、ミアはハッと思い至る。シルファが渇望を癒すとどうなるか。
(欲望が、高まるーー?)
他人事のように考えていたが、聖女の恩恵で渇望を満たすことにも、等しく当てはまるのかもしれない。ミアは正気が遠ざかるほどの陶酔感と高揚感を思い出した。シルファにも等しくもたらされるのだとしたら。
掌に変な汗が滲む。
「――ムリ」
無意識が声になっていた。
そもそも自分はまだ処女なのだろうかという疑問がもたげてくる。聖女の絶対条件のような気もするが、崇高な一族にとっては重要ではないのかもしれない。
もしかすると、既にシルファに奪われていたりするのだろうか。
(――わたしの、知らない間に……?)
火照っていた顔からすうっと血の気が引くのがわかった。甘い蜜を与えられる夢。あの夢に、続きがなかっただろうか。
甘い熱に囚われて、口づけのように積極的に応じていたらどうなるのか。
剥き出しになった欲望のままに、彼に身体を開いていたら。
(そんなの、わたしじゃない)
記憶を辿ってみても、わからない。ぎゅっと組み合わせた手に力がこもる。
確かめるのが怖い。動悸がする。
「ミア? ――心配しなくても、眠っている女を欲望に任せて抱くようなことはしないよ」
恐る恐るシルファを仰ぐ。自分はどんな顔をしていたのだろう。シルファが労わるように笑った。
「さすがに、そこまで下衆じゃない」
冷たくなっていた手が、少しずつ温もりを取り戻す。ミアは手に込めていた力を緩めた。ホッと気持ちが落ち着くと、彼に物申したくなる。
「勝手にキスするだけでも、充分下衆ですけどね」
ミアが勝気さを取り戻して彼を睨むと、シルファが悪戯っぽく笑う。
「キス? おまえは夢の中でおやつを食べていただけだろ?」
「――っ」
一瞬で顔に血の巡りが戻る。頬が熱い。
「でも、悪かったな。少し調子に乗ってからかいすぎた」
「は?」
「残念ながら、おまえに欲情するには色気がなさすぎる」
ミアの脳裏で、ブツリと何かが千切れる音がした。
「この変態! 飢えて死ね! 下衆! 死んでしまえ!」
ミアは再び力の限り暴れた。
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