10 / 59
第三章:高次元の管理局
10:ジュゼット=エカテリーナ=ランカスター
しおりを挟む
はじめてこの部屋に来た時と同じように、わたしは大きなソファセットの一角に座った。
瞳子さんがそっと飲み物を提供してくれる。わたしの前に置かれたのは、丁寧に淹れられたロイヤルミルクティー。ふわりと香りが立ちのぼる。お料理だけでなく、瞳子さんはお茶を淹れるのも上手だった。きっと飲む人の好みを考えて用意してくれているからだ。
一郎さんには気の毒になるほど素っ気ない面があるけれど、彼女はとても思いやりのある女性だった。一週間を一緒に過ごして、何度もそう感じた。
今もさりげなくわたしの隣に座ってくれる。きっと混乱していたわたしを気づかってくれているのだろう。でも、瞳子さんの親切は押しつけがましくない。彼女がいるとほっとする。
「トーコの淹れてくれるお茶はとっても美味しいわ」
そして、それはどうやらお姫様も同じようだった。
くるんとした癖のある金髪は、可愛らしくツインテールに結われている。わたしと反対側になる瞳子さんの隣に寄り添うように座って、とびきりの笑顔を輝かせている。
腕にはやっぱりピンクのカバのぬいぐるみを抱いていた。
洋画にでも出てきそうな美少女で、ぬいぐるみを抱いているだけの仕草もほんとうに可愛い。
でも、わたしはまだ彼女の素性を知らない。
コーヒー派の時任兄弟は、一郎さんがホット、次郎君がアイスと、好みが分かれている。瞳子さんは二人にも当たり前のように相応しい飲み物を用意していた。
わたしの向かい側のソファに、一郎さんと次郎君が隣り合って座っている。兄弟は顔を見合わせると、互いに小さく頷きあった。
「さて、じゃあ、あやめちゃんも落ち着いたようだし、俺達の話を聞いてもらおうかな」
一郎さんの初対面の印象は全く変わらない。近寄りがたい美貌とは真逆の、気さくな笑顔。
ああ、やっぱりイケメン。ちょっとした仕草に大人の色気がにじみまくっている。
心の片隅で、そっと瞳子さんへの気持ちが通じると良いのになと場違いな気持ちがわいた。
「とはいえ、俺達から何かを話しだしても、ものすごく嘘くさい話になりそうだし、……そうだな。例えば、あやめちゃんは何が知りたい? 何を教えてほしいかな?」
たしかにわたしの質問に答える方が効率が良いのかもしれない。
「えっと、そうですね。……じゃあ、彼女の素性を聞いても良いですか?」
私は瞳子さんの向こう側に座っているお姫様に目を向けた。マグカップを持った美少女とばっちり目があってしまう。吸い込まれそうな青い瞳。
いまは普通の洋服を着ているので、お姫様には見えないけれど。
美少女はすくっと立ち上がると、ローテーブルにカバのぬいぐるみを置いて、まるでドレスのようにジャンパースカートをつまんで優雅に会釈した。
「わたくしはランカスター公の娘で、ジュゼット=エカテリーナと申します」
幼いのにこちらが戸惑うほど、きちんと挨拶をしてくれる。おもわず私も立ち上がって名乗ってしまう。
「わたしは早坂あやめです。この大学の学生です」
向かいに座っている次郎君は、可笑しそうに小さく肩を震わせている。やっぱり、わたし、なにか変だったかな。いや、この美少女につられてしまっただけなんだけど。
なんとなく気恥ずかしくなって座ると、美少女ーージュゼットは再びカバのぬいぐるみを抱えて、にこにこと屈託なく笑っている。
笑うと天使のように、さらに可愛い。う、眩しい。
でも、本人に名乗ってもらっても、よくわからない。ヨーロッパ辺りの貴族令嬢といったところかな。
「ジュゼット嬢と一郎さん達はどういう関係なんですか」
「どういうって言われると、赤の他人だね」
「え?」
「結局、嘘くさい話になっちゃうけど、彼女はこの世界の住人じゃない。別の世界からやってきたお姫様」
う、うん? 一郎さんはいったい何を言い出したのかな。
「別の世界って……」
「パラレルワールド、みたいなものかな。決して交わらない世界。いや、本当は俺達の目には見えないだけで、交わっているのかもしれないし、横切っているのかもしれない。そんな次元の異なる世界がある。それこそ無限にね」
「あ、はぁ」
「異なる世界には干渉できない。それが法則みたいだけど、でもたまに問題が起きてしまう。例えば、このジュゼットのように」
わたしはマグカップでミルクティーを飲んでいるジュゼットを見た。これといって何も不自然じゃない。でも、たしかにはじめて見た時は、不自然極まりなかった。派手なドレスを着て、特殊棟の什器保管室にいたのだから。突然そこに現れたと言われたら、そうなのかもしれない。
「次元の歪みだね。俺達は、そういう歪みを元に戻す役割を担っている。突拍子もないものが現れたら、きちんと元の世界へ戻す。そういう役割がある」
「極秘の組織みたいなものですか」
「そうだね。俺達は簡単に管理局と呼んでいるけど。でも、実体はない。誰にも見えないし知られることもない。言ってみれば、管理局は高次元の存在だから、俺達には理解できない法則で成り立っている。それに、きっと管理局に利用されている人は、外にもいるんじゃないかな」
「え? そうなんですか?」
「確かめたことはないけど、たぶんね。だって、どこで何が舞い込むかわからないし、この世界でどのくらいの頻度でエラーが起きているのかもわからないから。俺達は管理局が示したものを解決するだけ」
「管理局はどこにあるんですか」
「夢の中に、時々あらわれる」
「夢の中?」
「この世界の人間が、別次元を可視化できるとしたら、夢の中だけだよ。無限にある世界から、人々は自分に相応しい世界を選んで見る」
「夢って、自分の記憶や心の洗濯じゃないんですか?」
「そうだね、夢は記憶や心の片鱗だよ。それを形にするために相応しい別次元へつながる。無限の世界から、少しだけ現実と違う世界を見たり、同じ過去を見たり、突拍子もない世界を見たり。ーー白状すると、俺達は人の夢に入ることができたりもするんだ」
「ええ!?」
「あやめちゃんも、さっき、夢の中で次郎に会わなかった?」
「っ!」
びくっと飛び上がってしまいそうなほど驚いた。たしかに会った。いつも見る後味の悪い夢の結末が、今日だけは違っていた。
でも、まさか、そんなことできるはずがーー。
ない、とも言いきれなくなっている。
次郎君が「ごめん」と頭を下げた。
「心配だったから。でも、もう二度と勝手に入ったりしないから!」
大丈夫と手をにぎってくれた次郎君。あれは本物だったのか。嫌悪感よりも、じんわりと胸があたたかくなった。とても心強かったから。
「ううん。ありがとう、次郎君」
って、わたしってば、完全に一郎さんの荒唐無稽な話を信じてしまっている流れに。
「でも、本当に? 本当にそんなことできちゃうんですか?」
「俺はこの特権を仕事にも利用させてもらっていたりする」
「え?」
「もちろん内緒だけど。カウンセリングの一環としては、その人の心の状態を知る助けにはなるかな」
なるほど。いや、なるほどじゃない。
「いきなりジュゼット嬢が、別世界の女の子って言われても」
「でもさ、あやめ。彼女も充分おかしいよ。わからない?」
次郎君が追い打ちのように、謎かけをしてくる。
瞳子さんがそっと飲み物を提供してくれる。わたしの前に置かれたのは、丁寧に淹れられたロイヤルミルクティー。ふわりと香りが立ちのぼる。お料理だけでなく、瞳子さんはお茶を淹れるのも上手だった。きっと飲む人の好みを考えて用意してくれているからだ。
一郎さんには気の毒になるほど素っ気ない面があるけれど、彼女はとても思いやりのある女性だった。一週間を一緒に過ごして、何度もそう感じた。
今もさりげなくわたしの隣に座ってくれる。きっと混乱していたわたしを気づかってくれているのだろう。でも、瞳子さんの親切は押しつけがましくない。彼女がいるとほっとする。
「トーコの淹れてくれるお茶はとっても美味しいわ」
そして、それはどうやらお姫様も同じようだった。
くるんとした癖のある金髪は、可愛らしくツインテールに結われている。わたしと反対側になる瞳子さんの隣に寄り添うように座って、とびきりの笑顔を輝かせている。
腕にはやっぱりピンクのカバのぬいぐるみを抱いていた。
洋画にでも出てきそうな美少女で、ぬいぐるみを抱いているだけの仕草もほんとうに可愛い。
でも、わたしはまだ彼女の素性を知らない。
コーヒー派の時任兄弟は、一郎さんがホット、次郎君がアイスと、好みが分かれている。瞳子さんは二人にも当たり前のように相応しい飲み物を用意していた。
わたしの向かい側のソファに、一郎さんと次郎君が隣り合って座っている。兄弟は顔を見合わせると、互いに小さく頷きあった。
「さて、じゃあ、あやめちゃんも落ち着いたようだし、俺達の話を聞いてもらおうかな」
一郎さんの初対面の印象は全く変わらない。近寄りがたい美貌とは真逆の、気さくな笑顔。
ああ、やっぱりイケメン。ちょっとした仕草に大人の色気がにじみまくっている。
心の片隅で、そっと瞳子さんへの気持ちが通じると良いのになと場違いな気持ちがわいた。
「とはいえ、俺達から何かを話しだしても、ものすごく嘘くさい話になりそうだし、……そうだな。例えば、あやめちゃんは何が知りたい? 何を教えてほしいかな?」
たしかにわたしの質問に答える方が効率が良いのかもしれない。
「えっと、そうですね。……じゃあ、彼女の素性を聞いても良いですか?」
私は瞳子さんの向こう側に座っているお姫様に目を向けた。マグカップを持った美少女とばっちり目があってしまう。吸い込まれそうな青い瞳。
いまは普通の洋服を着ているので、お姫様には見えないけれど。
美少女はすくっと立ち上がると、ローテーブルにカバのぬいぐるみを置いて、まるでドレスのようにジャンパースカートをつまんで優雅に会釈した。
「わたくしはランカスター公の娘で、ジュゼット=エカテリーナと申します」
幼いのにこちらが戸惑うほど、きちんと挨拶をしてくれる。おもわず私も立ち上がって名乗ってしまう。
「わたしは早坂あやめです。この大学の学生です」
向かいに座っている次郎君は、可笑しそうに小さく肩を震わせている。やっぱり、わたし、なにか変だったかな。いや、この美少女につられてしまっただけなんだけど。
なんとなく気恥ずかしくなって座ると、美少女ーージュゼットは再びカバのぬいぐるみを抱えて、にこにこと屈託なく笑っている。
笑うと天使のように、さらに可愛い。う、眩しい。
でも、本人に名乗ってもらっても、よくわからない。ヨーロッパ辺りの貴族令嬢といったところかな。
「ジュゼット嬢と一郎さん達はどういう関係なんですか」
「どういうって言われると、赤の他人だね」
「え?」
「結局、嘘くさい話になっちゃうけど、彼女はこの世界の住人じゃない。別の世界からやってきたお姫様」
う、うん? 一郎さんはいったい何を言い出したのかな。
「別の世界って……」
「パラレルワールド、みたいなものかな。決して交わらない世界。いや、本当は俺達の目には見えないだけで、交わっているのかもしれないし、横切っているのかもしれない。そんな次元の異なる世界がある。それこそ無限にね」
「あ、はぁ」
「異なる世界には干渉できない。それが法則みたいだけど、でもたまに問題が起きてしまう。例えば、このジュゼットのように」
わたしはマグカップでミルクティーを飲んでいるジュゼットを見た。これといって何も不自然じゃない。でも、たしかにはじめて見た時は、不自然極まりなかった。派手なドレスを着て、特殊棟の什器保管室にいたのだから。突然そこに現れたと言われたら、そうなのかもしれない。
「次元の歪みだね。俺達は、そういう歪みを元に戻す役割を担っている。突拍子もないものが現れたら、きちんと元の世界へ戻す。そういう役割がある」
「極秘の組織みたいなものですか」
「そうだね。俺達は簡単に管理局と呼んでいるけど。でも、実体はない。誰にも見えないし知られることもない。言ってみれば、管理局は高次元の存在だから、俺達には理解できない法則で成り立っている。それに、きっと管理局に利用されている人は、外にもいるんじゃないかな」
「え? そうなんですか?」
「確かめたことはないけど、たぶんね。だって、どこで何が舞い込むかわからないし、この世界でどのくらいの頻度でエラーが起きているのかもわからないから。俺達は管理局が示したものを解決するだけ」
「管理局はどこにあるんですか」
「夢の中に、時々あらわれる」
「夢の中?」
「この世界の人間が、別次元を可視化できるとしたら、夢の中だけだよ。無限にある世界から、人々は自分に相応しい世界を選んで見る」
「夢って、自分の記憶や心の洗濯じゃないんですか?」
「そうだね、夢は記憶や心の片鱗だよ。それを形にするために相応しい別次元へつながる。無限の世界から、少しだけ現実と違う世界を見たり、同じ過去を見たり、突拍子もない世界を見たり。ーー白状すると、俺達は人の夢に入ることができたりもするんだ」
「ええ!?」
「あやめちゃんも、さっき、夢の中で次郎に会わなかった?」
「っ!」
びくっと飛び上がってしまいそうなほど驚いた。たしかに会った。いつも見る後味の悪い夢の結末が、今日だけは違っていた。
でも、まさか、そんなことできるはずがーー。
ない、とも言いきれなくなっている。
次郎君が「ごめん」と頭を下げた。
「心配だったから。でも、もう二度と勝手に入ったりしないから!」
大丈夫と手をにぎってくれた次郎君。あれは本物だったのか。嫌悪感よりも、じんわりと胸があたたかくなった。とても心強かったから。
「ううん。ありがとう、次郎君」
って、わたしってば、完全に一郎さんの荒唐無稽な話を信じてしまっている流れに。
「でも、本当に? 本当にそんなことできちゃうんですか?」
「俺はこの特権を仕事にも利用させてもらっていたりする」
「え?」
「もちろん内緒だけど。カウンセリングの一環としては、その人の心の状態を知る助けにはなるかな」
なるほど。いや、なるほどじゃない。
「いきなりジュゼット嬢が、別世界の女の子って言われても」
「でもさ、あやめ。彼女も充分おかしいよ。わからない?」
次郎君が追い打ちのように、謎かけをしてくる。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる