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第二十四章(終章):天女の夢の終わり
155:帝国の花嫁は夢を見る【完結】
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最高に晴れやかな舞台になるはずの、皇太子と王女の婚姻の儀。
厳かな大聖堂には、クラウディア皇家とサイオン王家の者が集っていた。
立派な聖壇や聖像が、天井近くにあるステンドグラスからの光をうけて、淡く彩られている。
儀式は滞りなく執り行われていたが、愛をちかう誓約書を前に、なぜかスーは自分との戦いを繰りひろげていた。
(手が震えて、サインができないわ!)
聖壇の向こう側で二人を見守っているのは、神職者ではなく皇帝ユリウスである。彼の背後には巨大な美しい聖像が佇んでいる。帝国クラウディアでは、皇家の者の結婚は神だけではなく、皇帝の前でも愛を誓うしきたりだった。
スーは何とか手の震えを止めようと奮闘するが、そう思えば思うほど、まるで別の生き物にでもなってしまったかのようにガタガタと震えが激しくなる。
もはや自分の意志ではどうにもならない。焦るほどに、ますます緊張が高まっていく。
誓約書の上にペンを握った手を置いて固定を試みるが、震えがやむどころか、ますますガタガタとした不自然きわまりない動きが目立ってしまう。
「スー、綺麗に書こうとしなくてもいい」
ルカの目にも余ったのか、小さく声をかけてくれる。
「は、はい! 申し訳ありません!」
果敢にサインに挑むが、どう考えても、このままでは文字が誓約書からはみ出してしまう。
スーは気持ちを切り替えようと、いったんサインを諦めて誓約書から手をはなす。ふうっと深呼吸をしてルカを見ると、大丈夫と言いたげにうなずいてくれた。
気をとりなおしてふたたび誓約書に向かうと、聖壇の向こうがわに立つユリウスが不自然に横をむいている。口元に手をあてて肩を震わせているのが、距離の近いスーからは一目瞭然だった。
笑いだしそうになるのを、必死にこらえているのだ。
(皇帝陛下の御前でやらかしてしまったわ!)
スーは恥ずかしさに頬が染まる。
「陛下」
どうやらルカも気づいたのか、非難するような声でユリウスに呼びかけている。
皇帝ユリウスは小さく咳払いをすると、仕切り直すようにスーを見つめた。
(あ、ルカ様と同じ瞳の色)
スーははじめて皇帝ユリウスの瞳や容姿を意識した。
(たしかにルカ様によく似ておられるわ)
気持ちが紛れたのか、手の震えが少しだけおさまっている。
皇帝としての威厳はそのままに、ユリウスが優しげにスーにほほ笑みを向けた。
「スー王女、愛情深いあなたに、愛の精霊がイタズラをしているのでしょう。急ぐ必要はない、こちらにサインを」
「はい」
スーはようやく誓約書にサインを終えたが、お世辞にも綺麗に書けたとは言えない。
誓約書からはみ出さなかっただけで、どう見ても幼児の方がまともな字を書くだろうと思えるほどの、ガタガタに線が震えたサインだった。
誓約書へのサインではやらかしてしまったが、大聖堂での儀式は無事に終わった。その後はルカとともに美しく飾られた馬車に乗って、王宮への道のりを進むパレードになる。
二人の馬車を引くのはリンに贈られた白馬のピテルであり、立派な馬体が二人にさらなる華をそえた。
寒波の吹きすさぶ気候はすぎ去り、帝都にはあたたかな陽光がさしこんでいる。花が咲き、新緑に彩られる時期が巡っていた。
スーは儀式の緊張から解放されて、改めて凛々しく着飾ったルカを見る。
(儀式は緊張の連続だったけど、ルカ様を見ていると元気が出るわ)
自然に熱い視線をおくってしまう。彼の特別なつくりの軍装は今日限定なのだ。
だから、しっかりと目に焼き付けておかなくてはいけない。
婚姻の儀に臨み、二人の衣装を担当したのは服飾界の女王であるウォルト家だった。
帝国の元帥職につくルカは、晴れの舞台では帝国軍の盛装をまとうことになる。けれど、帝室には二人の仲睦まじさを強調するため、揃いの意匠を含みたいという意向があった。
ウォルト家は見事に、軍規と帝室の意向を叶えている。
ルカの軍装はスーの花嫁衣装に使用した異国の生地で、特別に作られた白い軍服だった。
華やかさを補うように、スーの衣装に合わせた赤と金のさし色がいたるところにほどこされている。
スーの花嫁衣装には、異国の意匠を取りいれた珍しいヘッドドレスが採用された。長く美しいヴェールが背後を飾る。帝国式ドレスにサイオンの特徴を残した、他に類を見ない意匠のドレスは、斬新なのに繊細で美しい。
麗眼布のような複雑な模様と、クラウディア皇家の紋章をモチーフにした、総刺繍の白い生地。それはあたたかな陽光を照り返すと、美しい光沢を見せる。
スーのお腹に宿った子は順調に成長し、安定期に入っていた。そろそろ体型の変化がみられそうな時期だったが、もともと小柄で腰が細いせいか、まだ腹部のふくらみが目立たない。
おかげで妊娠中にもかかわらず、スーはドレスを綺麗に着こなせた。
二人が馬車に乗ると、ピテルがゆっくりと王宮までの道のりをたどりはじめる。
沿道には見たこともないほど、大勢の人が集まっていた。町中が祝福の活気に満ちている。
「スー、疲れていないか?」
馬車から沿道に手をふっていると、ルカが気遣ってくれる。
スーは元気よく笑顔を向けた。
「大丈夫です、ルカ様。わたしは絶対に無理はしませんので」
お腹の子に何かあっては一大事である。背負っている責任は理解していたし、スーにとっても何ものにも代えがたい大切な命なのだ。
帝室もスーの体調には考慮している。本来であればこの後は王宮で晩餐会が催されるが、行わないことを発表していた。
王宮に到着して馬車をおりると、二人は予定どおり露台へ向かう。
ルカに手を引かれて王宮の露台へ出ると、わっとスーの想像以上に大きな歓声がおこった。
王宮前の広場には、皇太子夫妻の姿をみようと、人々がひしめくように集まっている。
「す、すごいです。ルカ様」
祝福に満ちた歓声の中に立っているだけで、スーは胸があつくなった。こんなに喜んでもらえるとは思ってもいなかったのだ。感激のあまり目が潤んでしまう。
「スー」
ルカがスーの肩を抱くと、ひときわ歓声が大きくなった。
露台に並ぶ二人に向かって、広場に集った人々が誓いのキスを要望している。
どうやら露台でのお披露目では、結婚した二人が人々の期待に応えることが慣例となっているらしい。
(話には聞いていたけど、こんなに大勢の人前でルカ様とキス?)
意識すると、途端にスーはガチッと体が硬くなる。ルカは緊張したスーを見て、おかしそうに笑った。
「スー。どうぞ、これからもよろしく」
彼は皇太子としてのふるまいを心得ているのか、自然な様子でスーに唇をかさねた。
要望に応えた二人を称えるように、人々の歓声が最高潮に達する。
広場が祝福の熱気につつまれると、遠くで祝砲がなった。
それを合図にして、王宮の屋上からいっせいに色とりどりの花びらが放たれる。
「ルカ様。不束者ですが、どうかこれからもよろしくお願いします」
美しい花弁が、ひらひらと無数に舞いおどり、青空を飾りながら王宮の広場につどった人々へ降りそそぐ。
手をとりあい、顔を見あわせて笑う二人の元へも、鮮やかな花びらが舞い落ちる。
陽光が花弁に触れて、きらきらとはじけた。世界がまぶしく輝いている。
ふたたび遠くで、晴れやかな祝砲がなった。
帝国の花嫁よ
夢を見よ
そして
命のかぎり、あでやかに咲き誇れ
帝国の花嫁は夢を見る ~政略結婚ですが、絶対におしどり夫婦になってみせます~ END
厳かな大聖堂には、クラウディア皇家とサイオン王家の者が集っていた。
立派な聖壇や聖像が、天井近くにあるステンドグラスからの光をうけて、淡く彩られている。
儀式は滞りなく執り行われていたが、愛をちかう誓約書を前に、なぜかスーは自分との戦いを繰りひろげていた。
(手が震えて、サインができないわ!)
聖壇の向こう側で二人を見守っているのは、神職者ではなく皇帝ユリウスである。彼の背後には巨大な美しい聖像が佇んでいる。帝国クラウディアでは、皇家の者の結婚は神だけではなく、皇帝の前でも愛を誓うしきたりだった。
スーは何とか手の震えを止めようと奮闘するが、そう思えば思うほど、まるで別の生き物にでもなってしまったかのようにガタガタと震えが激しくなる。
もはや自分の意志ではどうにもならない。焦るほどに、ますます緊張が高まっていく。
誓約書の上にペンを握った手を置いて固定を試みるが、震えがやむどころか、ますますガタガタとした不自然きわまりない動きが目立ってしまう。
「スー、綺麗に書こうとしなくてもいい」
ルカの目にも余ったのか、小さく声をかけてくれる。
「は、はい! 申し訳ありません!」
果敢にサインに挑むが、どう考えても、このままでは文字が誓約書からはみ出してしまう。
スーは気持ちを切り替えようと、いったんサインを諦めて誓約書から手をはなす。ふうっと深呼吸をしてルカを見ると、大丈夫と言いたげにうなずいてくれた。
気をとりなおしてふたたび誓約書に向かうと、聖壇の向こうがわに立つユリウスが不自然に横をむいている。口元に手をあてて肩を震わせているのが、距離の近いスーからは一目瞭然だった。
笑いだしそうになるのを、必死にこらえているのだ。
(皇帝陛下の御前でやらかしてしまったわ!)
スーは恥ずかしさに頬が染まる。
「陛下」
どうやらルカも気づいたのか、非難するような声でユリウスに呼びかけている。
皇帝ユリウスは小さく咳払いをすると、仕切り直すようにスーを見つめた。
(あ、ルカ様と同じ瞳の色)
スーははじめて皇帝ユリウスの瞳や容姿を意識した。
(たしかにルカ様によく似ておられるわ)
気持ちが紛れたのか、手の震えが少しだけおさまっている。
皇帝としての威厳はそのままに、ユリウスが優しげにスーにほほ笑みを向けた。
「スー王女、愛情深いあなたに、愛の精霊がイタズラをしているのでしょう。急ぐ必要はない、こちらにサインを」
「はい」
スーはようやく誓約書にサインを終えたが、お世辞にも綺麗に書けたとは言えない。
誓約書からはみ出さなかっただけで、どう見ても幼児の方がまともな字を書くだろうと思えるほどの、ガタガタに線が震えたサインだった。
誓約書へのサインではやらかしてしまったが、大聖堂での儀式は無事に終わった。その後はルカとともに美しく飾られた馬車に乗って、王宮への道のりを進むパレードになる。
二人の馬車を引くのはリンに贈られた白馬のピテルであり、立派な馬体が二人にさらなる華をそえた。
寒波の吹きすさぶ気候はすぎ去り、帝都にはあたたかな陽光がさしこんでいる。花が咲き、新緑に彩られる時期が巡っていた。
スーは儀式の緊張から解放されて、改めて凛々しく着飾ったルカを見る。
(儀式は緊張の連続だったけど、ルカ様を見ていると元気が出るわ)
自然に熱い視線をおくってしまう。彼の特別なつくりの軍装は今日限定なのだ。
だから、しっかりと目に焼き付けておかなくてはいけない。
婚姻の儀に臨み、二人の衣装を担当したのは服飾界の女王であるウォルト家だった。
帝国の元帥職につくルカは、晴れの舞台では帝国軍の盛装をまとうことになる。けれど、帝室には二人の仲睦まじさを強調するため、揃いの意匠を含みたいという意向があった。
ウォルト家は見事に、軍規と帝室の意向を叶えている。
ルカの軍装はスーの花嫁衣装に使用した異国の生地で、特別に作られた白い軍服だった。
華やかさを補うように、スーの衣装に合わせた赤と金のさし色がいたるところにほどこされている。
スーの花嫁衣装には、異国の意匠を取りいれた珍しいヘッドドレスが採用された。長く美しいヴェールが背後を飾る。帝国式ドレスにサイオンの特徴を残した、他に類を見ない意匠のドレスは、斬新なのに繊細で美しい。
麗眼布のような複雑な模様と、クラウディア皇家の紋章をモチーフにした、総刺繍の白い生地。それはあたたかな陽光を照り返すと、美しい光沢を見せる。
スーのお腹に宿った子は順調に成長し、安定期に入っていた。そろそろ体型の変化がみられそうな時期だったが、もともと小柄で腰が細いせいか、まだ腹部のふくらみが目立たない。
おかげで妊娠中にもかかわらず、スーはドレスを綺麗に着こなせた。
二人が馬車に乗ると、ピテルがゆっくりと王宮までの道のりをたどりはじめる。
沿道には見たこともないほど、大勢の人が集まっていた。町中が祝福の活気に満ちている。
「スー、疲れていないか?」
馬車から沿道に手をふっていると、ルカが気遣ってくれる。
スーは元気よく笑顔を向けた。
「大丈夫です、ルカ様。わたしは絶対に無理はしませんので」
お腹の子に何かあっては一大事である。背負っている責任は理解していたし、スーにとっても何ものにも代えがたい大切な命なのだ。
帝室もスーの体調には考慮している。本来であればこの後は王宮で晩餐会が催されるが、行わないことを発表していた。
王宮に到着して馬車をおりると、二人は予定どおり露台へ向かう。
ルカに手を引かれて王宮の露台へ出ると、わっとスーの想像以上に大きな歓声がおこった。
王宮前の広場には、皇太子夫妻の姿をみようと、人々がひしめくように集まっている。
「す、すごいです。ルカ様」
祝福に満ちた歓声の中に立っているだけで、スーは胸があつくなった。こんなに喜んでもらえるとは思ってもいなかったのだ。感激のあまり目が潤んでしまう。
「スー」
ルカがスーの肩を抱くと、ひときわ歓声が大きくなった。
露台に並ぶ二人に向かって、広場に集った人々が誓いのキスを要望している。
どうやら露台でのお披露目では、結婚した二人が人々の期待に応えることが慣例となっているらしい。
(話には聞いていたけど、こんなに大勢の人前でルカ様とキス?)
意識すると、途端にスーはガチッと体が硬くなる。ルカは緊張したスーを見て、おかしそうに笑った。
「スー。どうぞ、これからもよろしく」
彼は皇太子としてのふるまいを心得ているのか、自然な様子でスーに唇をかさねた。
要望に応えた二人を称えるように、人々の歓声が最高潮に達する。
広場が祝福の熱気につつまれると、遠くで祝砲がなった。
それを合図にして、王宮の屋上からいっせいに色とりどりの花びらが放たれる。
「ルカ様。不束者ですが、どうかこれからもよろしくお願いします」
美しい花弁が、ひらひらと無数に舞いおどり、青空を飾りながら王宮の広場につどった人々へ降りそそぐ。
手をとりあい、顔を見あわせて笑う二人の元へも、鮮やかな花びらが舞い落ちる。
陽光が花弁に触れて、きらきらとはじけた。世界がまぶしく輝いている。
ふたたび遠くで、晴れやかな祝砲がなった。
帝国の花嫁よ
夢を見よ
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