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第二十章:サイオンの真実と王女
114:王女と謎の女
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スーが眠れない日々を過ごす間も寝台車は走り続ける。連日壮大な作り話をされるのかと警戒したが、初日以降にディオクレアがスーの前に現れることはなかった。
スーは弱気になっている場合ではないと気持ちを奮い立たせるが、気持ちは暗がりに引きずられるように塞いでいく。夜もよく眠れない。
楽しいことを考えようとしても気がまぎれず、発作のように不安が押し寄せる。
気持ちに晴れ間がないのだ。
自分らしくないと思っても、スーには胸にたちこめた暗雲を退ける方法がわからない。
出発後、三日目を数えた頃から、スーの意識は途切れがちになっていた。張りつめて疲弊した意識は不安を飽和させてしまったらしい。感覚が鈍磨している。自分の立っている世界が希薄になり、起きているのか眠っているのかどうかもわからない。
時折誰かが食事を運んでくる。当初の警戒心も薄れ、スーはぼんやりと機械的に口にするだけだった。
やがて何かを口にすることさへ億劫になったころ、スーはディオクレアの思惑通り目的地に到着した。
不安からも恐怖からも遠ざかりたい。何も考えずに心地の良い場所で過ごしたい。
競り上がる不安定な情動に押しつぶされそうになり、スーはいつのまにか手探りをしていた。
天女の美しい祈りが響く場所。
あの場所でなら、何も恐れることはない。
目の前で輝く美しい光の帷。膨大な数式と言語に呑まれて漂うだけの場所なら、うっとりと眠りにつくような安定がもたらされる。
スーが遠くに輝く流れるような光を感じた時、ぐにゃりと世界が歪むような刺激が走った。
再び世界が生々しく眼前に姿を現し、スーはびくりと覚醒する。
「良かった、目を覚ました」
夢現から引き戻される感覚があまりに突然だったせいか、スーは寝台から飛び起きるように上体を起こしていた。
「大公殿下は限度がすぎる」
「え? 鏡?」
起きてすぐにスーが視界に捉えたものは自分だった。まだ夢の続きを見ているのだろうか。スーは鏡に映った自分に向かって、思わず手を伸ばす。
「スー王女?」
目の前の自分が驚いたように身動きをする。スーはようやく鏡ではないのだと気づいて、目の前の自分にそっくりな女と辺りの様子を交互に伺う。
寝台車よりも広々とした居室。窓がないのが気になるが、部屋の模様は懐かしいサイオン調でまとめられている。まるで故郷に戻ったような錯覚がするが、見たことのない部屋だった。
「どうなっているの?」
少しずつ意識が現実に馴染んでくると、スーは懸命に目覚める前の記憶をたどった。目の前の女が抑揚のない声で、記憶をたどるスーの手助けをするように口を開く。
「ここは教訓地区パルミラです」
「パルミラ!?」
意外な地名にスーの声が高くなる。寝台車での道のりは長かったが、ここまで辺境の地は予想していなかった。車中があまりに退屈でほとんど寝て過ごしていたような気がする。
初日以降は曖昧な記憶しかない。
毒見までさせて安全だと示されていたが、やはり薬でも盛られていたのかも知れない。
自分の失態だったと後悔していると、目の前の女が歓迎の言葉を述べた。
「ようこそ、スー王女」
言葉とは裏腹に、女は無表情である。はじめは鏡を見ていると思うほどだったが、仕草や口調が明らかに自分とは違う。良くみると瞳も黒い。聞きたいことは山のようにあるが、スーは室内がサイオン調であることを指摘する。
「ここは本当にパルミラなの? 実はサイオンに戻ってきたとかではなくて?」
「パルミラは唯一サイオンの監視を逃れることができる場所です」
「サイオンの監視?」
女はおや?という顔して首を傾けた。
「大公殿下は全て説明したと言っていましたが」
スーは寝台車で語られたディオクレアの壮大な作り話を思い出す。目の前の女も同じことを言い出しそうである。聞くに耐えないので、勢いよく質問攻めにする。
「あなたは誰なの? もしかしてわたしは双子だったとか?」
サイオンの王女に瓜二つの者があれば、ディオクレアにはさぞかし利用価値があるだろう。
「もし双子なら、大公殿下はあなたを利用してよからぬことを考えていそうだわ」
「大公殿下はサイオンの自由のために動いている」
「サイオンの自由?」
また話が壮大な作り話に戻りそうである。スーは嫌な予感がしていたが、目の前の女ははっきりと自分の素性を口にした。
「私はあなたと同じ天女の複製です」
スーはひやりとしたおぞましい戦慄を感じた。肌がぞっと泡立つ。頭ではそんなことがあるはずがないと思うのに、こみあげてきた生理的な嫌悪感を無視できない。
「あなたはそんな作り話を信じているの? 自分が複製人間なんてあり得ないわ」
目の前の女は無言でスーを見つめている。
「信じるなんて馬鹿げている。大公殿下の話を鵜呑みにするなんて。そもそも国のための生贄なんていつの時代の話なの?」
スーはまくしたてるように女につっかかる。
「サイオンが人を永劫に操る抑制機構に縛られているなんて信じらないわ。そんなことできるはずがない。わたしはサイオンの王女だけど、操られたことなんて一度もないわ。あなただってそうでしょう?」
いかにディオクレアの語ったことが作り話で馬鹿げているのかを、スーは思いつく限り目の前の女にぶつけた。女は黙って聞いていたが、スーが全てを吐き出すのを見計らっていたのか、劇することもなく静かに言い放つ。
「信じたくない。そう思うのは自由です。でも本当はもうわかっている。自分が複製であり、帝国の生贄であることを。あなたの中には思い当たることがたくさんあるはず」
女は傍らに置いてあった端末に手を伸ばすとスーの手元に置く。そのまま寝台の上で画面を開いた。
「あなたが信じなくても、サイオンをめぐる戦いはもうはじまっている」
仕草で端末の映像を見るように促すと、女は立ち上がった。
「いずれ気づくと思いますが、あなたは深刻な問題を抱えています」
「どういうこと?」
「あなたの心は今とても不安定です」
「意味もわからず、こんなところに連れてこられて当然だわ!」
「現状を知れば、もっと耐えがたい気持ちになる」
感情のない声で同情されて、スーはカッと苛立ちを覚えた。
「わかっているなら、皇太子殿下と連絡をとらせて!」
女は「できない」と端的に答えた。重大なことを宣告するように真正面からスーを見据えて繰り返した。
「あなたは深刻な問題を抱えている」
「ええ、皇太子殿下と連絡がとれないのは、とても深刻よ!」
「違う。ここにはあなたの麗眼布がない」
とつぜん話があらぬ方向に逸れる。スーは不意打ちをくらったように返す言葉を失った。
意図が掴めないが、女の顔色から読み取ろうとしても無表情で伝わってこない。
声音も平坦で変化がない。
「それの何が深刻な問題なの?」
ようやく問いかけると、女は労るようにほほ笑む。
「私は大公殿下に話さねばならないことがありますので、これで」
スーの問いには答えず「また来ます」とだけ告げると、女は部屋を出て行った。
スーは弱気になっている場合ではないと気持ちを奮い立たせるが、気持ちは暗がりに引きずられるように塞いでいく。夜もよく眠れない。
楽しいことを考えようとしても気がまぎれず、発作のように不安が押し寄せる。
気持ちに晴れ間がないのだ。
自分らしくないと思っても、スーには胸にたちこめた暗雲を退ける方法がわからない。
出発後、三日目を数えた頃から、スーの意識は途切れがちになっていた。張りつめて疲弊した意識は不安を飽和させてしまったらしい。感覚が鈍磨している。自分の立っている世界が希薄になり、起きているのか眠っているのかどうかもわからない。
時折誰かが食事を運んでくる。当初の警戒心も薄れ、スーはぼんやりと機械的に口にするだけだった。
やがて何かを口にすることさへ億劫になったころ、スーはディオクレアの思惑通り目的地に到着した。
不安からも恐怖からも遠ざかりたい。何も考えずに心地の良い場所で過ごしたい。
競り上がる不安定な情動に押しつぶされそうになり、スーはいつのまにか手探りをしていた。
天女の美しい祈りが響く場所。
あの場所でなら、何も恐れることはない。
目の前で輝く美しい光の帷。膨大な数式と言語に呑まれて漂うだけの場所なら、うっとりと眠りにつくような安定がもたらされる。
スーが遠くに輝く流れるような光を感じた時、ぐにゃりと世界が歪むような刺激が走った。
再び世界が生々しく眼前に姿を現し、スーはびくりと覚醒する。
「良かった、目を覚ました」
夢現から引き戻される感覚があまりに突然だったせいか、スーは寝台から飛び起きるように上体を起こしていた。
「大公殿下は限度がすぎる」
「え? 鏡?」
起きてすぐにスーが視界に捉えたものは自分だった。まだ夢の続きを見ているのだろうか。スーは鏡に映った自分に向かって、思わず手を伸ばす。
「スー王女?」
目の前の自分が驚いたように身動きをする。スーはようやく鏡ではないのだと気づいて、目の前の自分にそっくりな女と辺りの様子を交互に伺う。
寝台車よりも広々とした居室。窓がないのが気になるが、部屋の模様は懐かしいサイオン調でまとめられている。まるで故郷に戻ったような錯覚がするが、見たことのない部屋だった。
「どうなっているの?」
少しずつ意識が現実に馴染んでくると、スーは懸命に目覚める前の記憶をたどった。目の前の女が抑揚のない声で、記憶をたどるスーの手助けをするように口を開く。
「ここは教訓地区パルミラです」
「パルミラ!?」
意外な地名にスーの声が高くなる。寝台車での道のりは長かったが、ここまで辺境の地は予想していなかった。車中があまりに退屈でほとんど寝て過ごしていたような気がする。
初日以降は曖昧な記憶しかない。
毒見までさせて安全だと示されていたが、やはり薬でも盛られていたのかも知れない。
自分の失態だったと後悔していると、目の前の女が歓迎の言葉を述べた。
「ようこそ、スー王女」
言葉とは裏腹に、女は無表情である。はじめは鏡を見ていると思うほどだったが、仕草や口調が明らかに自分とは違う。良くみると瞳も黒い。聞きたいことは山のようにあるが、スーは室内がサイオン調であることを指摘する。
「ここは本当にパルミラなの? 実はサイオンに戻ってきたとかではなくて?」
「パルミラは唯一サイオンの監視を逃れることができる場所です」
「サイオンの監視?」
女はおや?という顔して首を傾けた。
「大公殿下は全て説明したと言っていましたが」
スーは寝台車で語られたディオクレアの壮大な作り話を思い出す。目の前の女も同じことを言い出しそうである。聞くに耐えないので、勢いよく質問攻めにする。
「あなたは誰なの? もしかしてわたしは双子だったとか?」
サイオンの王女に瓜二つの者があれば、ディオクレアにはさぞかし利用価値があるだろう。
「もし双子なら、大公殿下はあなたを利用してよからぬことを考えていそうだわ」
「大公殿下はサイオンの自由のために動いている」
「サイオンの自由?」
また話が壮大な作り話に戻りそうである。スーは嫌な予感がしていたが、目の前の女ははっきりと自分の素性を口にした。
「私はあなたと同じ天女の複製です」
スーはひやりとしたおぞましい戦慄を感じた。肌がぞっと泡立つ。頭ではそんなことがあるはずがないと思うのに、こみあげてきた生理的な嫌悪感を無視できない。
「あなたはそんな作り話を信じているの? 自分が複製人間なんてあり得ないわ」
目の前の女は無言でスーを見つめている。
「信じるなんて馬鹿げている。大公殿下の話を鵜呑みにするなんて。そもそも国のための生贄なんていつの時代の話なの?」
スーはまくしたてるように女につっかかる。
「サイオンが人を永劫に操る抑制機構に縛られているなんて信じらないわ。そんなことできるはずがない。わたしはサイオンの王女だけど、操られたことなんて一度もないわ。あなただってそうでしょう?」
いかにディオクレアの語ったことが作り話で馬鹿げているのかを、スーは思いつく限り目の前の女にぶつけた。女は黙って聞いていたが、スーが全てを吐き出すのを見計らっていたのか、劇することもなく静かに言い放つ。
「信じたくない。そう思うのは自由です。でも本当はもうわかっている。自分が複製であり、帝国の生贄であることを。あなたの中には思い当たることがたくさんあるはず」
女は傍らに置いてあった端末に手を伸ばすとスーの手元に置く。そのまま寝台の上で画面を開いた。
「あなたが信じなくても、サイオンをめぐる戦いはもうはじまっている」
仕草で端末の映像を見るように促すと、女は立ち上がった。
「いずれ気づくと思いますが、あなたは深刻な問題を抱えています」
「どういうこと?」
「あなたの心は今とても不安定です」
「意味もわからず、こんなところに連れてこられて当然だわ!」
「現状を知れば、もっと耐えがたい気持ちになる」
感情のない声で同情されて、スーはカッと苛立ちを覚えた。
「わかっているなら、皇太子殿下と連絡をとらせて!」
女は「できない」と端的に答えた。重大なことを宣告するように真正面からスーを見据えて繰り返した。
「あなたは深刻な問題を抱えている」
「ええ、皇太子殿下と連絡がとれないのは、とても深刻よ!」
「違う。ここにはあなたの麗眼布がない」
とつぜん話があらぬ方向に逸れる。スーは不意打ちをくらったように返す言葉を失った。
意図が掴めないが、女の顔色から読み取ろうとしても無表情で伝わってこない。
声音も平坦で変化がない。
「それの何が深刻な問題なの?」
ようやく問いかけると、女は労るようにほほ笑む。
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