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第十六章:試される皇太子と王女
90:不穏な噂
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異母弟であるレオンの婚約披露の日程が開示されたころから、ルカの耳にも不穏な噂が届くようになった。宮廷の執務室でルキアが端末に視線を落としている。
「噂の拡散は防ぎようがありません」
端末を片手にルキアがルカの席に歩み寄る。彼の表情はルカ以上に忌々しげに見えた。
「どうやら我々の耳に入るより前から、社交界では囁かれていたようですが」
「皇帝陛下が傾国の美姫を案じるほどの容姿だからな。いつか火種になるとは思っていた。だが、ここまで広がるとなると、何らかの思惑が働いているだろう」
「たしかに」
「……彼女に限ってあり得ない」
「もちろんです」
ルキアが頷く。
「ばかばかしい」
吐き捨てたくもなる、ばかげた噂だった。スーにまつわる様々な記事の見出しをおもい、ルカは眉間にシワがよる。
(……奔放な夜の華)
夜の華は帝国では賓客につくような、佳良な公娼の隠語となる。
初心なスーからは想像もつかない真逆の噂。
皇太子に嫁ぐ王女に、この上もない不名誉な話がまことしやかに囁かれている。帝室にも容赦のない醜聞だが、根も葉もない噂は今に始まったことでもない。ルカ自身も帝国の悪魔と謳われているのだ。
(帝室を揺るがす、か)
もしスーがルカの子を産んだとしても、このような噂が立つと、子の父親についての詮索がついてまわる。自分の父がカリグラではなく皇帝ユリウスだとささやかれたように。
幸いルカは後継としての立場を失うようなことはなかった。けれど今回のスーの噂の延長には、生まれた皇子の継承権が問われる闇ももたらすだろう。
スーの扇情的な美貌を見た時から、ルカには予想がついていた。
(私には予想内の噂だが、スーが知ったらどう思うのか)
彼女の耳だけを塞ぐこともできない。
「殿下、とりあえずこちらも新たな情報を流し、できるだけ上書きしていくしかありません」
「そうだな」
ルキアが嫌な笑い方をしているのを見て、ルカはすぐに彼の思惑がわかった。
「どんな情報を流すつもりだ」
「ありのままを。殿下とスー様の仲睦まじい様子を公開するだけです」
ルキアがにこやかに笑っている。
「帝国の悪魔が溺愛しているのに、夜の華はないでしょう」
「楽しそうだな、ルキア」
「はい、お二人の仲をひろめる良い機会です。だた、帝国の悪魔を虜にしたとなると、スー様は魔性の王女といわれるかもしれませんが」
「…………」
小悪魔ではあるが、と言いかけた言葉を飲み込み、ルカはルキアを見た。
「いろんな尾ひれがついているが、気になるものがある」
「まさかスー様の貞操をお疑いですか?」
ないとわかっていることを、あえて口にするルキアが憎たらしい。ルカは軽く睨んだ。
「わざとらしくつまらないことを言うな」
「失礼しました。殿下にこのような冗談を言えることが喜ばしくて、つい」
悪気のないルキアの様子に、ルカは半ばあきらめたように溜息をついた。皇太子として婚姻を責務の延長に考えていたのはたしかである。
女性を愛しく思うという経験は、自分の生涯では難しいと思っていた。
誰にも打ち明けたことはなかったが、ルカの諦念にも似た気持ちをルキアは感じ取っていたのだろう。スーと出会うまでの自分を振り返れば、ルカにもルキアの気持ちがわかる。
わかるからと言って、快諾できる態度ではないが。
「殿下が気になる話とは?」
「夜の華の延長に、レオンとスーに接点があるという噂が出ている」
「はい。レオン殿下とスー様の恋仲説ですね。レオン殿下の婚約発表にも飛び火しております。王女の奔放さに手を焼いた皇太子が、レオン殿下へ下賜したのではないかと。今回の婚約発表では、そのことを公にするのではないか。そのような噂も散見されますね」
世間ではサイオンの王女と継承権の証明はつながらないらしい。まるで愛妾を譲るかのような重みのない内容になっている。
「もともとレオンの婚約発表も急だったからな。帝室は婚約者を把握しているが、本人の意向により外に向けては一切の素性を隠している。そのことが噂に拍車をかけているが……、ディオクレア大公の筋書きのような気もする」
レオンを後継に望むディオクレアにとっては、サイオンの王女によってもたらされる皇位継承権には意味が伴う。サイオンの真実を秘匿してもなお、帝室の掟は重い。
ルカが王女を妃に迎えることを阻止する思惑は変わらないだろう。
「それは私も同感です。レオン殿下の婚約には不自然な面が多いです。本人の意向とはいえ、素性を秘める必要性がありません」
皇帝の近臣はレオンの新たな婚約者について、すでに帝室から話を聞いているが、本人の意向により緘口令が敷かれていた。
ディオクレア大公の息のかかった伯爵家の令嬢である。まだ十歳になったばかりで幼いが、帝国貴族にはよくある話だった。婚約披露まで、わざわざ素性を秘める理由にはならない。
男癖の悪い王女というスーの噂の延長に、尾びれのように囁かれる数多の噂。その一端に第二皇子のレオンが登場することが、かならずしも不自然だとは言い切れない。
噂はいつも何もないところから煙がたつ。日常茶飯事とも言えたが、今回の尾びれの一端は、ルカには小さな棘のように感じられた。
「今の帝国は、サイオンの王女との婚姻が継承権を証明する。ディオクレア大公がその意味にこだわっているのなら、妨害はあってしかるべきだな」
「はい。それにスー様は聡明です。姉のヘレナをはじめ、様々な家の令嬢と交流をもっていらっしゃいますが、殿下やご自身に不穏な噂が立たぬように、付き合い方も、交流を持つ者も、しっかりと見極めていらっしゃいます。おそらくディオクレア大公にも、なかなか付け入るような隙がなかったでしょう」
ルキアはルカと同じ結論を導き出している。
「だから、レオンの婚約を画策したと?」
「あくまでも可能性の話ですが、ないと言えないのではないかと」
「……そうだな」
スーを表舞台に連れ出すことには不安が伴う。すでに婚約者として正式に発表した後では、安全な場所にだけに閉じ込めておくようなこともできない。
「今回は我々の抱いている危機感を、きちんとスー様にお伝えしておいた方がよいでしょうね」
ルキアが遠回しに念を押す。自分達の婚約披露の時には判断をあやまった。ルカは苦笑する。
「わかっているよ、ルキア」
今はもうあの時とは違う。スーはすでに帝国の闇を理解しているのだ。全てを知り、学んでも、彼女は変わらずルカの隣に寄りそうことを望んでくれる。
ひたむきな想いが失われることはない。
いつのまにか、ルカにもそう信じられるようになっていた。
「ただ、それでも……」
「殿下?」
「いや、何でもない」
言いかけたことを打ち消して、ルカはルキアの気が逸れるように、ガウスに通信を入れるように促した。
手元の端末に視線を落としたルキアを横目に見ながら、ルカは吐息をつく。
胸の内から浮かび上がる本心がある。
(それでも、……スーの不安を煽ることは避けたい)
彼女には何の懸念もなく、ただ伸びやかに笑っていてほしい。
わかっていもどうしようもない気持ちだった。
(今さら……)
それがどれほどの偽善となるのか。倒錯した感情である。
帝国に迎えたサイオンの王女。彼女が抱える意味と役割を思えば、そんな願いは滑稽だった。
ルカは感傷的になる心に、かたく蓋をした。
「噂の拡散は防ぎようがありません」
端末を片手にルキアがルカの席に歩み寄る。彼の表情はルカ以上に忌々しげに見えた。
「どうやら我々の耳に入るより前から、社交界では囁かれていたようですが」
「皇帝陛下が傾国の美姫を案じるほどの容姿だからな。いつか火種になるとは思っていた。だが、ここまで広がるとなると、何らかの思惑が働いているだろう」
「たしかに」
「……彼女に限ってあり得ない」
「もちろんです」
ルキアが頷く。
「ばかばかしい」
吐き捨てたくもなる、ばかげた噂だった。スーにまつわる様々な記事の見出しをおもい、ルカは眉間にシワがよる。
(……奔放な夜の華)
夜の華は帝国では賓客につくような、佳良な公娼の隠語となる。
初心なスーからは想像もつかない真逆の噂。
皇太子に嫁ぐ王女に、この上もない不名誉な話がまことしやかに囁かれている。帝室にも容赦のない醜聞だが、根も葉もない噂は今に始まったことでもない。ルカ自身も帝国の悪魔と謳われているのだ。
(帝室を揺るがす、か)
もしスーがルカの子を産んだとしても、このような噂が立つと、子の父親についての詮索がついてまわる。自分の父がカリグラではなく皇帝ユリウスだとささやかれたように。
幸いルカは後継としての立場を失うようなことはなかった。けれど今回のスーの噂の延長には、生まれた皇子の継承権が問われる闇ももたらすだろう。
スーの扇情的な美貌を見た時から、ルカには予想がついていた。
(私には予想内の噂だが、スーが知ったらどう思うのか)
彼女の耳だけを塞ぐこともできない。
「殿下、とりあえずこちらも新たな情報を流し、できるだけ上書きしていくしかありません」
「そうだな」
ルキアが嫌な笑い方をしているのを見て、ルカはすぐに彼の思惑がわかった。
「どんな情報を流すつもりだ」
「ありのままを。殿下とスー様の仲睦まじい様子を公開するだけです」
ルキアがにこやかに笑っている。
「帝国の悪魔が溺愛しているのに、夜の華はないでしょう」
「楽しそうだな、ルキア」
「はい、お二人の仲をひろめる良い機会です。だた、帝国の悪魔を虜にしたとなると、スー様は魔性の王女といわれるかもしれませんが」
「…………」
小悪魔ではあるが、と言いかけた言葉を飲み込み、ルカはルキアを見た。
「いろんな尾ひれがついているが、気になるものがある」
「まさかスー様の貞操をお疑いですか?」
ないとわかっていることを、あえて口にするルキアが憎たらしい。ルカは軽く睨んだ。
「わざとらしくつまらないことを言うな」
「失礼しました。殿下にこのような冗談を言えることが喜ばしくて、つい」
悪気のないルキアの様子に、ルカは半ばあきらめたように溜息をついた。皇太子として婚姻を責務の延長に考えていたのはたしかである。
女性を愛しく思うという経験は、自分の生涯では難しいと思っていた。
誰にも打ち明けたことはなかったが、ルカの諦念にも似た気持ちをルキアは感じ取っていたのだろう。スーと出会うまでの自分を振り返れば、ルカにもルキアの気持ちがわかる。
わかるからと言って、快諾できる態度ではないが。
「殿下が気になる話とは?」
「夜の華の延長に、レオンとスーに接点があるという噂が出ている」
「はい。レオン殿下とスー様の恋仲説ですね。レオン殿下の婚約発表にも飛び火しております。王女の奔放さに手を焼いた皇太子が、レオン殿下へ下賜したのではないかと。今回の婚約発表では、そのことを公にするのではないか。そのような噂も散見されますね」
世間ではサイオンの王女と継承権の証明はつながらないらしい。まるで愛妾を譲るかのような重みのない内容になっている。
「もともとレオンの婚約発表も急だったからな。帝室は婚約者を把握しているが、本人の意向により外に向けては一切の素性を隠している。そのことが噂に拍車をかけているが……、ディオクレア大公の筋書きのような気もする」
レオンを後継に望むディオクレアにとっては、サイオンの王女によってもたらされる皇位継承権には意味が伴う。サイオンの真実を秘匿してもなお、帝室の掟は重い。
ルカが王女を妃に迎えることを阻止する思惑は変わらないだろう。
「それは私も同感です。レオン殿下の婚約には不自然な面が多いです。本人の意向とはいえ、素性を秘める必要性がありません」
皇帝の近臣はレオンの新たな婚約者について、すでに帝室から話を聞いているが、本人の意向により緘口令が敷かれていた。
ディオクレア大公の息のかかった伯爵家の令嬢である。まだ十歳になったばかりで幼いが、帝国貴族にはよくある話だった。婚約披露まで、わざわざ素性を秘める理由にはならない。
男癖の悪い王女というスーの噂の延長に、尾びれのように囁かれる数多の噂。その一端に第二皇子のレオンが登場することが、かならずしも不自然だとは言い切れない。
噂はいつも何もないところから煙がたつ。日常茶飯事とも言えたが、今回の尾びれの一端は、ルカには小さな棘のように感じられた。
「今の帝国は、サイオンの王女との婚姻が継承権を証明する。ディオクレア大公がその意味にこだわっているのなら、妨害はあってしかるべきだな」
「はい。それにスー様は聡明です。姉のヘレナをはじめ、様々な家の令嬢と交流をもっていらっしゃいますが、殿下やご自身に不穏な噂が立たぬように、付き合い方も、交流を持つ者も、しっかりと見極めていらっしゃいます。おそらくディオクレア大公にも、なかなか付け入るような隙がなかったでしょう」
ルキアはルカと同じ結論を導き出している。
「だから、レオンの婚約を画策したと?」
「あくまでも可能性の話ですが、ないと言えないのではないかと」
「……そうだな」
スーを表舞台に連れ出すことには不安が伴う。すでに婚約者として正式に発表した後では、安全な場所にだけに閉じ込めておくようなこともできない。
「今回は我々の抱いている危機感を、きちんとスー様にお伝えしておいた方がよいでしょうね」
ルキアが遠回しに念を押す。自分達の婚約披露の時には判断をあやまった。ルカは苦笑する。
「わかっているよ、ルキア」
今はもうあの時とは違う。スーはすでに帝国の闇を理解しているのだ。全てを知り、学んでも、彼女は変わらずルカの隣に寄りそうことを望んでくれる。
ひたむきな想いが失われることはない。
いつのまにか、ルカにもそう信じられるようになっていた。
「ただ、それでも……」
「殿下?」
「いや、何でもない」
言いかけたことを打ち消して、ルカはルキアの気が逸れるように、ガウスに通信を入れるように促した。
手元の端末に視線を落としたルキアを横目に見ながら、ルカは吐息をつく。
胸の内から浮かび上がる本心がある。
(それでも、……スーの不安を煽ることは避けたい)
彼女には何の懸念もなく、ただ伸びやかに笑っていてほしい。
わかっていもどうしようもない気持ちだった。
(今さら……)
それがどれほどの偽善となるのか。倒錯した感情である。
帝国に迎えたサイオンの王女。彼女が抱える意味と役割を思えば、そんな願いは滑稽だった。
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