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第十三章:第三都ガルバ
72:つながった点と点
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閉鎖的な第零都よりも、リオには帝国貴族との関わりが少ない第二都の方が性に合うのではないかと思ったのだ。第二都のガイアはルカの直轄なので、動力の技術者が得られるのも好都合だった。
以来、ルカとリオはガイアでつながっている。今ではサイオンの技術を暴くために、リオに情報を与えて研究や調査をさせたりもしていた。
「そういうわけで、私はリオ・コモンの雇用主です」
ルカが彼との経緯を語ると、テオドラが「そうだったのですか」とほほ笑んだ。コルネが感嘆したように大きく息をついた。
「さすが殿下です。優秀な人材を見逃さない方ですね」
「私にはリオとルクスがつながっていたことが意外ですが」
「リオは私の先輩なのです。私が学院に入学した頃、すでに工学部では鬼才だと有名でした。まぁ少し風変わりではありましたが」
当時を思い出しているのか、コルネがなんとも言えない顔をしている。リオにも言い分があるのか、反撃にでた。
「自分のことを棚にあげて、良く言うね。コルネも商学部では変わった奴がいると有名だった」
「それは認めます」
あっさりと首肯したコルネに、リオは呆れたように吐息をついた。ルカは親しげな二人の様子に和んだが、隣のルキアが沈黙していることに気づいた。
「ルキア?」
ルカに声をかけられて、ルキアは改めてリオをみた。
「はじめまして、私は殿下の侍従を務めているルキア・ベリウスと申します」
「ガイアに勤めておりますリオ・コモンと申します。……殿下の侍従と言っても、あなたも立派な貴族ではありませんか? 私のような者にへりくだる必要はありませんよ?」
完全に皮肉である。彼の貴族嫌いは今にはじまった事ではないが、ルカが諌めようとする前にルキアが答えた。
「ルクス総帥からあなたのことは伺っておりました。私は殿下と総帥がお認めになった人材には敬意をはらいます」
皮肉を意にも介さず、ルキアはほほ笑んだ。リオが目をみはるのを見て、ルカはルキアの方が上手であると安堵し、口を閉ざした。ルキアは激することもなく静穏なほどに冷静だった。
「ルキア、この顔あわせにも、おまえが噛んでいたのか」
「事前に総帥から伺っておりましたが、具体的なことは何も。殿下に引きあわせたい者がいると聞いていただけです」
ルキアはルカと目があうと、ふっと不敵に笑った。
「私も今、殿下に感心しておりますよ。そして一つの推測を組み立てていたところです」
「推測?」
「はい。私の着眼点はまちがっていなかったのではないかと」
「なんだか怖いな」
「私には殿下の方が恐ろしいですが?」
「おまえはいったい何に目をつけているんだ」
ルキアは人差し指をたてて口元にそえる。
「この件についてはまた後ほど」
運ばれてきたデザートを見て、一同の会話がいろどり豊かに盛られた果実のことにうつった。
ルキアの思わせぶりも気になるが、ルカは頭の片隅でルクスとリオがつながったことについて考えていた。
(もしかして、皇帝陛下の狙いは、はじめからこのつながりにあったのでは?)
予感をいだきながら、ルカは目の前に用意された珍しい果実の輝きに目をむける。添えられたクリームをからめて口に含むと、果汁の酸味がクリームになじんで、まろやかな甘みをもたらした。
以来、ルカとリオはガイアでつながっている。今ではサイオンの技術を暴くために、リオに情報を与えて研究や調査をさせたりもしていた。
「そういうわけで、私はリオ・コモンの雇用主です」
ルカが彼との経緯を語ると、テオドラが「そうだったのですか」とほほ笑んだ。コルネが感嘆したように大きく息をついた。
「さすが殿下です。優秀な人材を見逃さない方ですね」
「私にはリオとルクスがつながっていたことが意外ですが」
「リオは私の先輩なのです。私が学院に入学した頃、すでに工学部では鬼才だと有名でした。まぁ少し風変わりではありましたが」
当時を思い出しているのか、コルネがなんとも言えない顔をしている。リオにも言い分があるのか、反撃にでた。
「自分のことを棚にあげて、良く言うね。コルネも商学部では変わった奴がいると有名だった」
「それは認めます」
あっさりと首肯したコルネに、リオは呆れたように吐息をついた。ルカは親しげな二人の様子に和んだが、隣のルキアが沈黙していることに気づいた。
「ルキア?」
ルカに声をかけられて、ルキアは改めてリオをみた。
「はじめまして、私は殿下の侍従を務めているルキア・ベリウスと申します」
「ガイアに勤めておりますリオ・コモンと申します。……殿下の侍従と言っても、あなたも立派な貴族ではありませんか? 私のような者にへりくだる必要はありませんよ?」
完全に皮肉である。彼の貴族嫌いは今にはじまった事ではないが、ルカが諌めようとする前にルキアが答えた。
「ルクス総帥からあなたのことは伺っておりました。私は殿下と総帥がお認めになった人材には敬意をはらいます」
皮肉を意にも介さず、ルキアはほほ笑んだ。リオが目をみはるのを見て、ルカはルキアの方が上手であると安堵し、口を閉ざした。ルキアは激することもなく静穏なほどに冷静だった。
「ルキア、この顔あわせにも、おまえが噛んでいたのか」
「事前に総帥から伺っておりましたが、具体的なことは何も。殿下に引きあわせたい者がいると聞いていただけです」
ルキアはルカと目があうと、ふっと不敵に笑った。
「私も今、殿下に感心しておりますよ。そして一つの推測を組み立てていたところです」
「推測?」
「はい。私の着眼点はまちがっていなかったのではないかと」
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「私には殿下の方が恐ろしいですが?」
「おまえはいったい何に目をつけているんだ」
ルキアは人差し指をたてて口元にそえる。
「この件についてはまた後ほど」
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