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一章
14 とりあえず実験しよう
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「いっそあちらから来てくれたら楽ですのにね?」
こっちから動く必要なくなるし。
片手で収まる人数ならどうとでもできる気がする。
「そう都合のいいことはありませんよ。ここは危険地帯の上、それぞれの国からかなり離れています」
「まあ、そうですわね。こんなトコロに来るなんて余程酔狂か、自殺希望者くらいですわ。分かってるですわよ」
種族を考えれば魔族の……テネブラエがいいんだろう。魔族としての外見的特徴は隠せそうにないし。
ただ【ECO】でのNPC魔族の性格を考えるとちょっと躊躇する。人を馬鹿にしたような態度とか神経逆撫でするような言い回しとかね。ボロがでかねない。
でも贅沢は言ってられないか。基本中立らしいミーアノームのがいいだろうけどグランユグードと手を組んでるらしいからなー。
「ふむ……。ひとまず、『従魔』を確認してみるですわ」
「1200年も経っていれば、従魔達は既に永久の眠りに就いているのでは……」
「それを確かめるための実験ですわ。運が良ければ、情報が得られるかもしれないですもの」
いや、1200年も生き残ってるなんて思わないけどさ。
第一に従魔スキルで従魔にした魔物達は恐らく生息フィールドには戻らない。戻ってたら狩られるって。そこらへんのシステムは分からないけど、従魔になった時点で定義が変わるだろうし。
だから恐らく従魔達がどうなってるか以外には情報は得られないだろう。
あ。従魔スキルっていうのは、プレイヤーがデフォルトで持ってるスキルのこと。
ぶっちゃけペット捕獲スキル。
敵モブを倒すと低確率でペットとして捕獲でき、連れ回すことができる。それだけ。
一緒に戦ったりはしてくれないし、本当に居るだけ。まさにペット。餌は要らないけど。
プレイヤー一人に対して従魔は10体までストック出来て、それぞれ番号順に並んでいて対応した笛で呼び出せる。同時呼び出しは不可能。今はどうか知らないけど。
ちなみに私は10体全部埋めてた。
笛については、普段使わないし全部システム倉庫に入れていたんだけど……それら含めたアイテム全部がギルド倉庫に移動してた。手持ちはカサ以外消えてたけど。装備以外たいしたもの持ってなかったけど常装備が消えたのは割とショックだった。
ギルド倉庫はホームの地下にあり、扉に触れるとシステム倉庫ウィンドウに繋がる、というもの。これもライラのメンテナンスルーム同様形だけのもののはずだった。
現在中に入ると7つの厳重そうな扉が出迎えてくれる。一つ一つのプレートに書かれた他6人の名前に、この扉達はもう二度と開かれることはないんだな……って思ったら、ちょっと泣いてしまった。
何はともあれ、倉庫のアイテムが残ってたのは良かった。料理用に溜め込んでた食材もそのまま残ってたし。いろいろ突っ込みたかったけど。
つっこんだら、なにかがおわるきがするんだ。
「……では、始めるですわ。ライラも一応戦闘態勢を」
「はい、レスタペルラ様」
手には、ⅠからⅩまでの番号が彫られた細身の小さな銀の笛。それぞれチェーンが通されており、ペンダントのようになる。えーっと、犬笛みたいな感じのものだ。
さて。鬼が出るか、蛇が出るか。
不安はあるけど、やってみるしかない。
こっちから動く必要なくなるし。
片手で収まる人数ならどうとでもできる気がする。
「そう都合のいいことはありませんよ。ここは危険地帯の上、それぞれの国からかなり離れています」
「まあ、そうですわね。こんなトコロに来るなんて余程酔狂か、自殺希望者くらいですわ。分かってるですわよ」
種族を考えれば魔族の……テネブラエがいいんだろう。魔族としての外見的特徴は隠せそうにないし。
ただ【ECO】でのNPC魔族の性格を考えるとちょっと躊躇する。人を馬鹿にしたような態度とか神経逆撫でするような言い回しとかね。ボロがでかねない。
でも贅沢は言ってられないか。基本中立らしいミーアノームのがいいだろうけどグランユグードと手を組んでるらしいからなー。
「ふむ……。ひとまず、『従魔』を確認してみるですわ」
「1200年も経っていれば、従魔達は既に永久の眠りに就いているのでは……」
「それを確かめるための実験ですわ。運が良ければ、情報が得られるかもしれないですもの」
いや、1200年も生き残ってるなんて思わないけどさ。
第一に従魔スキルで従魔にした魔物達は恐らく生息フィールドには戻らない。戻ってたら狩られるって。そこらへんのシステムは分からないけど、従魔になった時点で定義が変わるだろうし。
だから恐らく従魔達がどうなってるか以外には情報は得られないだろう。
あ。従魔スキルっていうのは、プレイヤーがデフォルトで持ってるスキルのこと。
ぶっちゃけペット捕獲スキル。
敵モブを倒すと低確率でペットとして捕獲でき、連れ回すことができる。それだけ。
一緒に戦ったりはしてくれないし、本当に居るだけ。まさにペット。餌は要らないけど。
プレイヤー一人に対して従魔は10体までストック出来て、それぞれ番号順に並んでいて対応した笛で呼び出せる。同時呼び出しは不可能。今はどうか知らないけど。
ちなみに私は10体全部埋めてた。
笛については、普段使わないし全部システム倉庫に入れていたんだけど……それら含めたアイテム全部がギルド倉庫に移動してた。手持ちはカサ以外消えてたけど。装備以外たいしたもの持ってなかったけど常装備が消えたのは割とショックだった。
ギルド倉庫はホームの地下にあり、扉に触れるとシステム倉庫ウィンドウに繋がる、というもの。これもライラのメンテナンスルーム同様形だけのもののはずだった。
現在中に入ると7つの厳重そうな扉が出迎えてくれる。一つ一つのプレートに書かれた他6人の名前に、この扉達はもう二度と開かれることはないんだな……って思ったら、ちょっと泣いてしまった。
何はともあれ、倉庫のアイテムが残ってたのは良かった。料理用に溜め込んでた食材もそのまま残ってたし。いろいろ突っ込みたかったけど。
つっこんだら、なにかがおわるきがするんだ。
「……では、始めるですわ。ライラも一応戦闘態勢を」
「はい、レスタペルラ様」
手には、ⅠからⅩまでの番号が彫られた細身の小さな銀の笛。それぞれチェーンが通されており、ペンダントのようになる。えーっと、犬笛みたいな感じのものだ。
さて。鬼が出るか、蛇が出るか。
不安はあるけど、やってみるしかない。
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