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※軽微?なR表現あり(攻の受以外への行為表現)

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「あー……、疲れた」

 自身の処理を終え、ぐ、と身体を伸ばす。
 性欲処理という意味では発散できたが、精神的には疲れただけだった。

 何の情を持たない――むしろ悪感情しかない――女を犯すのはただただ面倒くさい。
 自分はあくまでも巻き込まれた体で、周りもいいように利用して言い寄ってくる、以前クラスメイトだった女。
 年単位で付き纏われているから本当に苦痛。毎度素気無く追い払っているのによくもまあ厭きないものだ。
 最近はそもそも出くわさないように徹底的に避けてたけど、その所為で図書館を出禁にされるとこだったし。
 どうせ俺の見目だけ気に入って俺自身なんて見もしてない癖に。この女に限ったことじゃないけど。
 どの女もする反応は同じ。外見だけ見て寄ってきて、好きだのなんだの言って、快楽を求めて腰を振る。
 本当に女って生き物はくだらない。特に恋愛に狂ってるヤツ。碌な奴いない。
 まあしばらくは平穏にやれそうだけれど。
 行為に夢中になっている隙にスキルを使って接近を制限してやったから。
 だとしても言い寄ってくる女が一人減っただけなんだよな……。
 それでも一番面倒な女が一時的にでも消えたと思えば多少はマシか。

 この間に出来る限り情報を集めてダンジョンの探索をしないとな。
 今の階層ではそう多くは稼げないから、さっさと次の階層に行きたい。
 丁度使えそうなのを捕まえたのだから、うまく活用しないと。

 校章の色から判断するに、3歳下の中等部の生徒。
 男だし見るからに文系だから、おかしな心配をする必要もないだろう。

「さて……」

 拘束を解かれ、床で意識を失った状態で裸体を晒している女を見下ろす。
 処理なんかしないでそのまま放っておく。たった一つを除いては。
 今までもこの先もそれは変わらないだろう。
 こいつに限らず、どの女相手でもそうなんだけど。

 ――――――この部屋に存在する自分の遺伝子を指定して、洗浄の魔法をかける。

 これで、条件を満たすモノは全て除去された。
 だからこの女が望むこと・・・・なんて、起こるはずがないのだ。

 相手を孕ませれば絶対に結婚しないといけないこの国の法は面倒すぎる。
 まあ、総人口が少ないらしいから仕方ないんだろうけど。

 さて、もう行くか。
 時間は随分と遅くなっている。

 最後に多少の情けとばかりに女の身体の上に制服を放り、その部屋を後にした。
 その後どうなるかなんて、俺が知ったことじゃない。

 

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