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18 イメージ力が大事?
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説教確定という事実に慄いている間にも、話は進んでいく。
「武器の申請は終わったとして、魔力の扱い方へ移る」
今日一番の目的だろう、魔力の扱い方。
魔力を感じる、流すことは水晶玉での属性を調べるのでできているんだとして、次は何をするんだろう?
と、考えていたら。
「まずは正直に、水晶玉に魔力を流せなかった者は手を上げろ」
その神門先生の言葉に、4人が手を上げた。
えっ。マジか。全員できたんだと思ってた。
ああでも確かに、そこは確認してなかった。俺らの特殊属性の事と番いの説明で。
その後も俺の眼の事とか、柊夜がキレたとか、話がどんどん進んでったから言い出せなくなったんだろう。ちょっと申し訳ない。
「ふむ、予想より少なかったか。ではこの学園に来る前から周囲から教わり少しでも魔力の操作ができた者は?内部生も手を上げろ」
これには柊夜、佐々、伊坂を含めた8人が手を上げる。
思った以上に多い。残りは俺を含めて3人だけ。
ええとつまり……最初のまだ魔力を操作出来てない4人と手を上げなかった3人以外は、魔力の扱い方を教えられる誰かが周囲に居る状況、ってことだよな。
普通に考えると、家族?
…………ああ、そうか。
血筋が重要視されているということは、後天発現するにしても大体は周り、家族が魔力持ちって状況なんだ。だから既に教わっている奴が多いのか。
俺は…………家族は魔力持ちっぽい感じだったけど、発現時期が中学の卒業式後であまりにも時間がなかったし引き籠ってたっぽいからなぁ。
そも、中身が違う。
「手を上げなかった3人は周囲に魔力持ちが誰一人いない環境で今日初めて魔力を操作したということでいいか」
「俺はそう」
「その、ぼくもそうです」
「あー……、俺はちょっと違う」
「というと?」
「手伝いがあったのはちょっと置いておくとして、後天発現?したのが中学の卒業式の後で時間がなかっただけ」
「は?うっそでしょそんなのある!?」
「後ろ煩い」
俺はそれが事実らしいから仕方ない。
中学の卒業式、ってのはめちゃくちゃ引っかかるがな!
流石に関係はないだろ。3年前だぞ。
「え、マジでそうなの?入寮まで全然時間ないじゃん」
「母親曰く」
「うっへぇ、かぁわいそ。そのまま目覚めなきゃこんなとこ来ることもなかったのに」
心底憐れんでいるような声で伊坂が言う。
学園をこんなとこ、って言うくらいには、自分の置かれた環境を理解しているようだ。
それはそれとして憐れまれるのはムカツク。
「お前はどこまでもおかしいな」
「好きでそんな状態になってんじゃねーんですが」
発現時期も属性も色が視えるのも。
こんなん俺自身でどうにかできることじゃねーし。
そもそも俺はこの世界の俺じゃないからそれ以前の問題なんだわ。
「それはそうだろうがな。まあ、話を戻す。まず水晶玉に魔力を込められなかった者達は周囲の生徒にやり方を聞いてやってみろ。ただ魔力の扱いについては感覚的なものが大きい。その感覚は個人で違うため最終的には自分でどうにかするしかない。とにかく想像力を働かせろ」
ぐるりと教室内を見回し、言う。
今までで一番アドバイスらしいアドバイスだ。
というか、水晶玉を渡した時に言うべきだったんじゃね?それ。
「ついでに言うが、最初のイメージを適当にするとその後全てに影響する。先程できた者も本当にそれでいいのかよくよく考えるといい」
「あー。いたいた、そういう先輩。崩れた後持ち直せなくてそのまま折れちゃったんだよねぇ」
後ろでなんか言ってる。
…………そういう人居たんだな。
それにしても想像力、ねぇ。魔法の使い方でよくある説明だわ。
ここまで似通うことが多いと、現実と空想はそう大差ないものなのかもしれない。
事実は小説より奇なり、とも言うし。
「ちなみにミズキくんってどういうイメージでやってる?」
「俺?とりあえず魔力の感覚は柊夜の手助け?で分かったけど」
あのぞわっとしたやつ。
神門先生は普通しないって言ってたアレ。
あれ結局どういうことなんだろうな。
「自分で動かすイメージは血液の循環でやった。血管は身体中にあるし血液は巡ってるわけだから置き換えて考えればいいだろ?ま、混同し過ぎたらし過ぎたで不具合出そうだけど」
魔力を使い過ぎて貧血とか、血を流し過ぎて魔力切れとか。
ありそう。
このイメージで行くならそこらへん分けられるようにしないと駄目だろうな。
「そういうお前はどーなの」
「……えっ。あ、俺?単純に身体から魔力が出てる、ってだけのイメージだったよ。でもそれだと結構ムラが大きくてさぁ。ミズキくんのやり方はいいかも。手の平とか、イメージした場所に集中しやすい」
「ふぅん?そりゃよかった。柊夜は?」
「大体瑞月と同じだ。『体内にある』『流れるもの』でイメージしやすかったから」
まあ同じ……ではあるけど、テンプレで考えた俺とはちょい違うよな。
ゲーム知識とかないとそういう連想になるんだ。
伊坂は力技っぽいイメージだし。
いくら個人の感覚的なところが大きいとはいえ、ある程度は基本がある方が良さそうなのに。
属性も武器適性もそうだったけど、個人任せの部分が大き過ぎるんじゃないか?
それなのに変なところ型に填めようとするから佐々みたいな相性最悪の多少出来損ないができるんじゃん。
…………。そういや佐々と言えば、伊坂に出来損ないはアンタも、とか言ってたな。
水晶玉を見せてきた時も納得できないみたいな反応してたっけ。
伊坂もなんか、抱えてるのか。
「…………あ、でき、た」
「あ、あの、私もできました、水晶玉」
そう、女子2人が声を上げた。
どうやら水晶玉に魔力を流すことに成功したようだ。
それからしばらくして残りの2人もできたと声を上げて、無事全員が水晶玉を用いた属性の色の確認が終わり、次に移れる状態となった。
「武器の申請は終わったとして、魔力の扱い方へ移る」
今日一番の目的だろう、魔力の扱い方。
魔力を感じる、流すことは水晶玉での属性を調べるのでできているんだとして、次は何をするんだろう?
と、考えていたら。
「まずは正直に、水晶玉に魔力を流せなかった者は手を上げろ」
その神門先生の言葉に、4人が手を上げた。
えっ。マジか。全員できたんだと思ってた。
ああでも確かに、そこは確認してなかった。俺らの特殊属性の事と番いの説明で。
その後も俺の眼の事とか、柊夜がキレたとか、話がどんどん進んでったから言い出せなくなったんだろう。ちょっと申し訳ない。
「ふむ、予想より少なかったか。ではこの学園に来る前から周囲から教わり少しでも魔力の操作ができた者は?内部生も手を上げろ」
これには柊夜、佐々、伊坂を含めた8人が手を上げる。
思った以上に多い。残りは俺を含めて3人だけ。
ええとつまり……最初のまだ魔力を操作出来てない4人と手を上げなかった3人以外は、魔力の扱い方を教えられる誰かが周囲に居る状況、ってことだよな。
普通に考えると、家族?
…………ああ、そうか。
血筋が重要視されているということは、後天発現するにしても大体は周り、家族が魔力持ちって状況なんだ。だから既に教わっている奴が多いのか。
俺は…………家族は魔力持ちっぽい感じだったけど、発現時期が中学の卒業式後であまりにも時間がなかったし引き籠ってたっぽいからなぁ。
そも、中身が違う。
「手を上げなかった3人は周囲に魔力持ちが誰一人いない環境で今日初めて魔力を操作したということでいいか」
「俺はそう」
「その、ぼくもそうです」
「あー……、俺はちょっと違う」
「というと?」
「手伝いがあったのはちょっと置いておくとして、後天発現?したのが中学の卒業式の後で時間がなかっただけ」
「は?うっそでしょそんなのある!?」
「後ろ煩い」
俺はそれが事実らしいから仕方ない。
中学の卒業式、ってのはめちゃくちゃ引っかかるがな!
流石に関係はないだろ。3年前だぞ。
「え、マジでそうなの?入寮まで全然時間ないじゃん」
「母親曰く」
「うっへぇ、かぁわいそ。そのまま目覚めなきゃこんなとこ来ることもなかったのに」
心底憐れんでいるような声で伊坂が言う。
学園をこんなとこ、って言うくらいには、自分の置かれた環境を理解しているようだ。
それはそれとして憐れまれるのはムカツク。
「お前はどこまでもおかしいな」
「好きでそんな状態になってんじゃねーんですが」
発現時期も属性も色が視えるのも。
こんなん俺自身でどうにかできることじゃねーし。
そもそも俺はこの世界の俺じゃないからそれ以前の問題なんだわ。
「それはそうだろうがな。まあ、話を戻す。まず水晶玉に魔力を込められなかった者達は周囲の生徒にやり方を聞いてやってみろ。ただ魔力の扱いについては感覚的なものが大きい。その感覚は個人で違うため最終的には自分でどうにかするしかない。とにかく想像力を働かせろ」
ぐるりと教室内を見回し、言う。
今までで一番アドバイスらしいアドバイスだ。
というか、水晶玉を渡した時に言うべきだったんじゃね?それ。
「ついでに言うが、最初のイメージを適当にするとその後全てに影響する。先程できた者も本当にそれでいいのかよくよく考えるといい」
「あー。いたいた、そういう先輩。崩れた後持ち直せなくてそのまま折れちゃったんだよねぇ」
後ろでなんか言ってる。
…………そういう人居たんだな。
それにしても想像力、ねぇ。魔法の使い方でよくある説明だわ。
ここまで似通うことが多いと、現実と空想はそう大差ないものなのかもしれない。
事実は小説より奇なり、とも言うし。
「ちなみにミズキくんってどういうイメージでやってる?」
「俺?とりあえず魔力の感覚は柊夜の手助け?で分かったけど」
あのぞわっとしたやつ。
神門先生は普通しないって言ってたアレ。
あれ結局どういうことなんだろうな。
「自分で動かすイメージは血液の循環でやった。血管は身体中にあるし血液は巡ってるわけだから置き換えて考えればいいだろ?ま、混同し過ぎたらし過ぎたで不具合出そうだけど」
魔力を使い過ぎて貧血とか、血を流し過ぎて魔力切れとか。
ありそう。
このイメージで行くならそこらへん分けられるようにしないと駄目だろうな。
「そういうお前はどーなの」
「……えっ。あ、俺?単純に身体から魔力が出てる、ってだけのイメージだったよ。でもそれだと結構ムラが大きくてさぁ。ミズキくんのやり方はいいかも。手の平とか、イメージした場所に集中しやすい」
「ふぅん?そりゃよかった。柊夜は?」
「大体瑞月と同じだ。『体内にある』『流れるもの』でイメージしやすかったから」
まあ同じ……ではあるけど、テンプレで考えた俺とはちょい違うよな。
ゲーム知識とかないとそういう連想になるんだ。
伊坂は力技っぽいイメージだし。
いくら個人の感覚的なところが大きいとはいえ、ある程度は基本がある方が良さそうなのに。
属性も武器適性もそうだったけど、個人任せの部分が大き過ぎるんじゃないか?
それなのに変なところ型に填めようとするから佐々みたいな相性最悪の多少出来損ないができるんじゃん。
…………。そういや佐々と言えば、伊坂に出来損ないはアンタも、とか言ってたな。
水晶玉を見せてきた時も納得できないみたいな反応してたっけ。
伊坂もなんか、抱えてるのか。
「…………あ、でき、た」
「あ、あの、私もできました、水晶玉」
そう、女子2人が声を上げた。
どうやら水晶玉に魔力を流すことに成功したようだ。
それからしばらくして残りの2人もできたと声を上げて、無事全員が水晶玉を用いた属性の色の確認が終わり、次に移れる状態となった。
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