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16 何かいる?
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「大体でもどの武器が良いとか考えてるか?」
「一応。長柄、刃とくれば薙刀あたりだよな」
というか当て嵌まるのそれくらいじゃ。
一応槍も特徴としては合うけど、やっぱあれば刺突武器だよな。
どっちにしろ、俺そんなに身長大きい方じゃないから扱えるか?とは思う。
でもなぁ。他にあるか?条件に合う武器。
「両方当て嵌まる武器を考えているんだな」
「ま、ね。2つ示される意味ってあると思ってさ」
主にゲーム知識で。
両方育てないと覚えないスキルとかあったよな。
逆にどちらかが大得意でそっちを育てないとスキルを取れないとか、中途半端と言うか器用貧乏になるパターンもあったけど。
「示される意味、か。そう言われると迷ってしまうな」
「だな。まあ……でも、好きに選んで、自分が楽しくやれるのが一番いいんじゃない?限定されたら楽だろうけど、武器は武器でしかないんなら、納得できなけりゃ辛いだけだろ」
なんにしたって命を刈り取る道具なんだから。
嫌々とか無茶をしながらで伸びるがわけない。
っていうか一度決定したら変えられないってなんなの?佐々みたいに絶望的に合わなかったら地獄見るだけじゃん。
多分、管理のためだろうけど。
でも効率のために細かいところ捨てて型に嵌めて、上手くいくもんか?
「えー……、ミズキくんって本当に同い年?」
「天丼やめろし」
「天丼?お腹空いてるの?」
「…………さっきも同じこと言われたけど普通に15歳!」
「あ、そう?」
天丼って通じないのか。ただのお笑い用語なのに。厳密にはちょっと使い方間違ってるけど。
そういうの分かんないくらい内部生って隔離されてんの?
だとしたら、マジできっついな。
「空いてきたし、行こう」
「ん」
柊夜に呼ばれ、移動する。
4人で。…………4人で。
なんか、なし崩しにこのままこの面子で行動することになりそうな予感。
「槍って初めて近くで見たけど、これだけ長いと私には扱えそうにないわ」
「長槍っぽいからな。短槍はないけど刺突剣はあるぞ」
「これ?こっちも考えていたよりも長いししっかりした造りをしてるのね。槍よりはマシかしら?」
刺突剣――所謂レイピアを興味深げに持ち上げる佐々。
割とあっさり持ったけどそれ結構重いはずなんだけど。槍と比べれば短いけど剣としては大型の方だぞ?
そう考えれば、中距離ってのにも当て嵌まるし佐々には丁度いいのかもな。
でも女子でそれ扱うには相当身体能力ないといけないんじゃ。
「重くねーの?」
「ボウガンって結構重いのよ。こっちの方が少し軽いかしら?ただ飛び道具じゃなくなるし慣れるのには少し時間が掛かりそう」
「ふーん」
ボウガンって重いのか。見たこともないし分からん。
まあ扱ってた本人が言うんだからそうなんだろ。
とりあえずこの様子じゃ佐々はレイピアで決まりみたいだし、もう放っておいていいか。
伊坂は……
「カナエちゃんはそれで決まり?」
「煩い。折角の機会なんだから自分の武器でも探しなさいよ」
「って言ってなもあ、俺、適性って斬撃・近接だから変えたところであんまり意味がなさそうなんだよねぇ」
「あっそう」
うん、放っておこう。
俺も自分の武器を探さないと。
「ん~……」
とはいえ本当に長柄で刃って限られてるんだよな。
長い棒に刃が付いてる武器。槍、薙刀、大鎌あたりが思い浮かぶ。
うーん、両方を含む、は諦めた方がいいのか?
柊夜はどうだろう?
「柊夜、決まった?」
「いや、まだ……盾はこの場に無いから、打撃武器を見てるんだが」
「打撃武器かぁ。ここにあるのだとハンマーとメイスと斧だけど、とりあえず持ってみる?」
「斧は無しかな。どちらかといえば片手で扱える方がいいから、メイスか」
並んでいる武器の中からメイスを手に取る。片手で簡単に振り回せそうな細身のやつ。もっと言えば質素でシンプル。
多分ここに置いてあるのって、初心者でも扱えるか最低性能の物なんだろう。
まあそんなんじゃないと簡単に持ってこれるわけないか。
と、なると。
「神門センセ、ちなみに武器って自分で揃えるの?」
「最低限は支給されるがそれ以降は素材を集めて作成を依頼するか買うかになる」
「りょ、防具は?」
「同じだ」
「防具の申請は?」
「特にない」
ふんふん、そうなってるのか。
まあ、妥当かな?
素材を集めて作ってもらうのが可能なのは助かる。
防具に申請がないってのも。
盾のことは後回し、だな。
しっかし、そういうのがあると余計にゲームっぽいな~って思うけど、流石に不謹慎か。
こっちでは正真正銘、命が掛かってるわけだしさ。
で。
どうしたもんかなぁ、俺の武器。
両方の適性を含めるか、どちらかを選ぶか。
適性として表れた以上はなんか意味があると思うんだけどなぁ。
…………自分一人で行動するわけじゃない以上、あっちの知識に基づく予測や予想だけで決めるのは駄目か。
つまり長柄武器か刃のある武器。
俺に合う武器ってどっちなんだろう?
―――― キミ ハ ヤイバ ダヨ
「っ、……、…………」
まただ。
さっきのと多分同じ声。
何かいる、のか?
誰も気づかない何かが、俺の近くに。
っていうか……俺は刃って。2つ表れた適性の片方を指しているのか?
じゃあもう一つの長柄は、何を指している?
この声に何か関係してる、とか、ない……よな?
「一応。長柄、刃とくれば薙刀あたりだよな」
というか当て嵌まるのそれくらいじゃ。
一応槍も特徴としては合うけど、やっぱあれば刺突武器だよな。
どっちにしろ、俺そんなに身長大きい方じゃないから扱えるか?とは思う。
でもなぁ。他にあるか?条件に合う武器。
「両方当て嵌まる武器を考えているんだな」
「ま、ね。2つ示される意味ってあると思ってさ」
主にゲーム知識で。
両方育てないと覚えないスキルとかあったよな。
逆にどちらかが大得意でそっちを育てないとスキルを取れないとか、中途半端と言うか器用貧乏になるパターンもあったけど。
「示される意味、か。そう言われると迷ってしまうな」
「だな。まあ……でも、好きに選んで、自分が楽しくやれるのが一番いいんじゃない?限定されたら楽だろうけど、武器は武器でしかないんなら、納得できなけりゃ辛いだけだろ」
なんにしたって命を刈り取る道具なんだから。
嫌々とか無茶をしながらで伸びるがわけない。
っていうか一度決定したら変えられないってなんなの?佐々みたいに絶望的に合わなかったら地獄見るだけじゃん。
多分、管理のためだろうけど。
でも効率のために細かいところ捨てて型に嵌めて、上手くいくもんか?
「えー……、ミズキくんって本当に同い年?」
「天丼やめろし」
「天丼?お腹空いてるの?」
「…………さっきも同じこと言われたけど普通に15歳!」
「あ、そう?」
天丼って通じないのか。ただのお笑い用語なのに。厳密にはちょっと使い方間違ってるけど。
そういうの分かんないくらい内部生って隔離されてんの?
だとしたら、マジできっついな。
「空いてきたし、行こう」
「ん」
柊夜に呼ばれ、移動する。
4人で。…………4人で。
なんか、なし崩しにこのままこの面子で行動することになりそうな予感。
「槍って初めて近くで見たけど、これだけ長いと私には扱えそうにないわ」
「長槍っぽいからな。短槍はないけど刺突剣はあるぞ」
「これ?こっちも考えていたよりも長いししっかりした造りをしてるのね。槍よりはマシかしら?」
刺突剣――所謂レイピアを興味深げに持ち上げる佐々。
割とあっさり持ったけどそれ結構重いはずなんだけど。槍と比べれば短いけど剣としては大型の方だぞ?
そう考えれば、中距離ってのにも当て嵌まるし佐々には丁度いいのかもな。
でも女子でそれ扱うには相当身体能力ないといけないんじゃ。
「重くねーの?」
「ボウガンって結構重いのよ。こっちの方が少し軽いかしら?ただ飛び道具じゃなくなるし慣れるのには少し時間が掛かりそう」
「ふーん」
ボウガンって重いのか。見たこともないし分からん。
まあ扱ってた本人が言うんだからそうなんだろ。
とりあえずこの様子じゃ佐々はレイピアで決まりみたいだし、もう放っておいていいか。
伊坂は……
「カナエちゃんはそれで決まり?」
「煩い。折角の機会なんだから自分の武器でも探しなさいよ」
「って言ってなもあ、俺、適性って斬撃・近接だから変えたところであんまり意味がなさそうなんだよねぇ」
「あっそう」
うん、放っておこう。
俺も自分の武器を探さないと。
「ん~……」
とはいえ本当に長柄で刃って限られてるんだよな。
長い棒に刃が付いてる武器。槍、薙刀、大鎌あたりが思い浮かぶ。
うーん、両方を含む、は諦めた方がいいのか?
柊夜はどうだろう?
「柊夜、決まった?」
「いや、まだ……盾はこの場に無いから、打撃武器を見てるんだが」
「打撃武器かぁ。ここにあるのだとハンマーとメイスと斧だけど、とりあえず持ってみる?」
「斧は無しかな。どちらかといえば片手で扱える方がいいから、メイスか」
並んでいる武器の中からメイスを手に取る。片手で簡単に振り回せそうな細身のやつ。もっと言えば質素でシンプル。
多分ここに置いてあるのって、初心者でも扱えるか最低性能の物なんだろう。
まあそんなんじゃないと簡単に持ってこれるわけないか。
と、なると。
「神門センセ、ちなみに武器って自分で揃えるの?」
「最低限は支給されるがそれ以降は素材を集めて作成を依頼するか買うかになる」
「りょ、防具は?」
「同じだ」
「防具の申請は?」
「特にない」
ふんふん、そうなってるのか。
まあ、妥当かな?
素材を集めて作ってもらうのが可能なのは助かる。
防具に申請がないってのも。
盾のことは後回し、だな。
しっかし、そういうのがあると余計にゲームっぽいな~って思うけど、流石に不謹慎か。
こっちでは正真正銘、命が掛かってるわけだしさ。
で。
どうしたもんかなぁ、俺の武器。
両方の適性を含めるか、どちらかを選ぶか。
適性として表れた以上はなんか意味があると思うんだけどなぁ。
…………自分一人で行動するわけじゃない以上、あっちの知識に基づく予測や予想だけで決めるのは駄目か。
つまり長柄武器か刃のある武器。
俺に合う武器ってどっちなんだろう?
―――― キミ ハ ヤイバ ダヨ
「っ、……、…………」
まただ。
さっきのと多分同じ声。
何かいる、のか?
誰も気づかない何かが、俺の近くに。
っていうか……俺は刃って。2つ表れた適性の片方を指しているのか?
じゃあもう一つの長柄は、何を指している?
この声に何か関係してる、とか、ない……よな?
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