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11 特殊属性?
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基本属性は、火、水、地、風の4つ。
だから色は赤、青、黄、緑の4つ。
って、話だったよな?
「…………白」
「……黒?だ」
二人揃って基本から外れた色なんだけどどうしたら???
落ち着いて、目を閉じて一旦深呼吸しよう。
…………やっぱりどう見ても白い。
俺の水晶玉、マジで真っ白だ。他の色が一切混じっていない白。例えるなら、アレだ。庭とかによくある、白玉石。
…………いや、よく見ると何か、細かい黒が点々と混じってる?
キラキラして見えてなんか綺麗だな。
んで、柊夜の方は紫をギリギリまで黒に近付けました、って感じの色。
黒曜石っぽい。
これ、どっちもどう考えても特殊属性だよな?
「神門センセ、これ――――、」
「ありえん」
「どう、って、はい?」
ありえんって何が?
深刻そうな顔――俺を見て。
正確には、俺が手に持っている真っ白く染まった水晶玉を見ている。
ありえないの?白が?
「百歩譲って葛西の黒――闇属性はあり得るとして、白――無属性だと?そんなことがありえるというのか」
険しい顔で神門先生が言う。
いやそんなこと言われても。実際に水晶玉は真っ白に染まっている。
百歩譲ってって言う辺り闇属性も珍しいんだよな?けど無属性はそれ以上と。ありえないって言うくらい。
周りの空気もなんかおかしいしなー。
悪目立ちかよ最悪だな。
てかこの場合何がありえないんだ?無属性自体が?一個人が持つ属性としての無属性が?
分かんね。
「なんか分かる?」
「さあ……、というか僕、闇属性なのか……」
物凄く複雑そうに、柊夜。
ああ、うん。
闇、だもんな。
でも俺としてはお前が闇属性ってちょっと納得なんだけど。メタ入るけど。
同じでも違うけど。
昨日のアレで違うけど同じ気がしてきてるけど。
ガチでやばいじゃん。俺が。
そっち方面に進むのは本当に勘弁してほしい。あっちの二の舞は御免だ。
…………なんでそうなったのか、不明のままだし。
だから何がきっかけでそうなるかも分からない。しかも現状、あっちより可能性が高いのがな。こっちは魔力持ち同士で限定的ではあるとはいえ同性愛認められてるみたいだからな~~~~。
そして柊夜はそれを当たり前として考えている、と。
マジでやばい。
なんか考えておかないと……。
「特殊属性は発現例が少なすぎて分からないことの方が多いみたいだ。瑞月にも迷惑をかけるかもしれない」
周りの反応なんてガン無視で、教科書を見ながら言う柊夜。
コイツ心臓に毛でも生えてんの?俺も無視してるから人のこと言えないけど。
反応したら反応される。周りに助けなんて求めてみろ?介入を許すことになるだろ。
それは絶対、面倒事になるやつ。だから今は無視が正解。
「どれ?」
「ここだ」
柊夜が見ている教科書を横から覗き込む。
ふんふん、特殊属性は今のところ光、闇、無の3つ。色は光が金、闇が黒、無が白と。
ゲームでよくあるパターンだな。
あ、他に上級属性ってのもある。存在を確認されているのは雷、植物、氷、泥ねぇ。色は不規則で判別不能、と。
いや少し考えれば分かるだろ。馬鹿なの?よくある複合属性じゃんか。
んー。それか一部の連中がマウント取るために隠してるのかも。
色んなところに面倒なのが隠れてんな。
ぶっこむか。
今の常識がない状態でしか言えなそうだし。
「迷惑、ね。それ単色白の俺にも言えるだろ。あ、でも3色ある柊夜の方がやっぱ面倒かも」
「え、3色?」
「ん?黒と紫……つまり赤と青。で、3色」
柊夜の水晶玉を指して言う。
―――――――その瞬間、教室から一切の音が消えた。
ん???
時間が止まったのかと錯覚するくらいの静けさに、恐る恐る顔を上げてみると、神門先生含めクラスメイトが全員こっちを見ていた。
え、怖。
思わず柊夜を盾に隠れる。
それとほぼ同時に、誰かが椅子を引いて立ち上がった音がした。
カツカツと歩く音。
それは俺の前までやってきて、
「これ、何色?」
そいつ――――佐々が水晶玉を俺の目の前に持ってきて、そう聞いてきた。
何色って……、
「黄緑。色合い的に黄色が強いな。次は青。緑は……微妙?あったらいいなーレベル」
うん、そんな感じ。
これはあれだな?単に緑系の色ってことで風属性だと勘違いしたやつ。
どうみても黄緑じゃん。黄、じゃん。阿保か?
「こんなに分かりやすいのに誰も色の判断もできないわけ?何色と何色混ぜたら何色ができるとか初歩的なことも?美術小学生からやり直せば?」
「瑞月。煽るな」
「だって」
「あのな瑞月。お前は当たり前みたいに言ってるけど、僕達には見えない」
「え?」
「その女の、水晶玉の色。瑞月はあっさり黄緑って言ったけど、僕には透明にしか見えない。多分他の連中もそうだ」
え?
…………見えてない?透明?
神門先生を見上げる。
柊夜の言葉が正しいか、一番分かるのは先生だろう。
「――――葛西の言っていることは正しい。いいか、甘竹。普通、他人の魔力の色は見えない。水晶玉を通しても、だ」
え、ええー……。
流石に。
流石に、やらかしたということは理解した。
これ、目立つどころじゃないやつ。
だから色は赤、青、黄、緑の4つ。
って、話だったよな?
「…………白」
「……黒?だ」
二人揃って基本から外れた色なんだけどどうしたら???
落ち着いて、目を閉じて一旦深呼吸しよう。
…………やっぱりどう見ても白い。
俺の水晶玉、マジで真っ白だ。他の色が一切混じっていない白。例えるなら、アレだ。庭とかによくある、白玉石。
…………いや、よく見ると何か、細かい黒が点々と混じってる?
キラキラして見えてなんか綺麗だな。
んで、柊夜の方は紫をギリギリまで黒に近付けました、って感じの色。
黒曜石っぽい。
これ、どっちもどう考えても特殊属性だよな?
「神門センセ、これ――――、」
「ありえん」
「どう、って、はい?」
ありえんって何が?
深刻そうな顔――俺を見て。
正確には、俺が手に持っている真っ白く染まった水晶玉を見ている。
ありえないの?白が?
「百歩譲って葛西の黒――闇属性はあり得るとして、白――無属性だと?そんなことがありえるというのか」
険しい顔で神門先生が言う。
いやそんなこと言われても。実際に水晶玉は真っ白に染まっている。
百歩譲ってって言う辺り闇属性も珍しいんだよな?けど無属性はそれ以上と。ありえないって言うくらい。
周りの空気もなんかおかしいしなー。
悪目立ちかよ最悪だな。
てかこの場合何がありえないんだ?無属性自体が?一個人が持つ属性としての無属性が?
分かんね。
「なんか分かる?」
「さあ……、というか僕、闇属性なのか……」
物凄く複雑そうに、柊夜。
ああ、うん。
闇、だもんな。
でも俺としてはお前が闇属性ってちょっと納得なんだけど。メタ入るけど。
同じでも違うけど。
昨日のアレで違うけど同じ気がしてきてるけど。
ガチでやばいじゃん。俺が。
そっち方面に進むのは本当に勘弁してほしい。あっちの二の舞は御免だ。
…………なんでそうなったのか、不明のままだし。
だから何がきっかけでそうなるかも分からない。しかも現状、あっちより可能性が高いのがな。こっちは魔力持ち同士で限定的ではあるとはいえ同性愛認められてるみたいだからな~~~~。
そして柊夜はそれを当たり前として考えている、と。
マジでやばい。
なんか考えておかないと……。
「特殊属性は発現例が少なすぎて分からないことの方が多いみたいだ。瑞月にも迷惑をかけるかもしれない」
周りの反応なんてガン無視で、教科書を見ながら言う柊夜。
コイツ心臓に毛でも生えてんの?俺も無視してるから人のこと言えないけど。
反応したら反応される。周りに助けなんて求めてみろ?介入を許すことになるだろ。
それは絶対、面倒事になるやつ。だから今は無視が正解。
「どれ?」
「ここだ」
柊夜が見ている教科書を横から覗き込む。
ふんふん、特殊属性は今のところ光、闇、無の3つ。色は光が金、闇が黒、無が白と。
ゲームでよくあるパターンだな。
あ、他に上級属性ってのもある。存在を確認されているのは雷、植物、氷、泥ねぇ。色は不規則で判別不能、と。
いや少し考えれば分かるだろ。馬鹿なの?よくある複合属性じゃんか。
んー。それか一部の連中がマウント取るために隠してるのかも。
色んなところに面倒なのが隠れてんな。
ぶっこむか。
今の常識がない状態でしか言えなそうだし。
「迷惑、ね。それ単色白の俺にも言えるだろ。あ、でも3色ある柊夜の方がやっぱ面倒かも」
「え、3色?」
「ん?黒と紫……つまり赤と青。で、3色」
柊夜の水晶玉を指して言う。
―――――――その瞬間、教室から一切の音が消えた。
ん???
時間が止まったのかと錯覚するくらいの静けさに、恐る恐る顔を上げてみると、神門先生含めクラスメイトが全員こっちを見ていた。
え、怖。
思わず柊夜を盾に隠れる。
それとほぼ同時に、誰かが椅子を引いて立ち上がった音がした。
カツカツと歩く音。
それは俺の前までやってきて、
「これ、何色?」
そいつ――――佐々が水晶玉を俺の目の前に持ってきて、そう聞いてきた。
何色って……、
「黄緑。色合い的に黄色が強いな。次は青。緑は……微妙?あったらいいなーレベル」
うん、そんな感じ。
これはあれだな?単に緑系の色ってことで風属性だと勘違いしたやつ。
どうみても黄緑じゃん。黄、じゃん。阿保か?
「こんなに分かりやすいのに誰も色の判断もできないわけ?何色と何色混ぜたら何色ができるとか初歩的なことも?美術小学生からやり直せば?」
「瑞月。煽るな」
「だって」
「あのな瑞月。お前は当たり前みたいに言ってるけど、僕達には見えない」
「え?」
「その女の、水晶玉の色。瑞月はあっさり黄緑って言ったけど、僕には透明にしか見えない。多分他の連中もそうだ」
え?
…………見えてない?透明?
神門先生を見上げる。
柊夜の言葉が正しいか、一番分かるのは先生だろう。
「――――葛西の言っていることは正しい。いいか、甘竹。普通、他人の魔力の色は見えない。水晶玉を通しても、だ」
え、ええー……。
流石に。
流石に、やらかしたということは理解した。
これ、目立つどころじゃないやつ。
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