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Episode1・ゼロス、はじめてのおつかい
お静かに、これは尾行です。8
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◆◆◆◆◆◆
「あれ? ちょうちょさん、どこ~?」
山奥でゼロスがきょろきょろする。
追いかけていた蝶々を見失ってしまったのだ。
だが、きょろきょろしながら次第に青褪めていく。
大きな瞳がじわじわと潤みだし、眉が八の字に垂れて……。
「……ここ、どこ?」
そう、迷子である。
蝶を追いかけるのに夢中になって、気が付けばすっかり山奥へと迷い込んでいたのだ。
完全に自業自得である。
「うっ、……ブレイラ~! ちちうえ~! あにうえ~! うっ、うぅっ……」
涙ぐみながら大好きなブレイラやハウストやイスラの名を呼んだ。
でもどれだけ呼んでも返事はない。
いつもならゼロスが泣いていれば城の誰かが心配そうに声をかけてくれた。「ブレイラは? ブレイラがいいの」と泣きながら駄々をこねると、ブレイラが少し困った顔をしながら現れて「どうしました? なにを泣いているのですか?」と抱っこして優しく慰めてくれるのだ。
ブレイラだけじゃない。父上も兄上も来てくれる。父上や兄上に抱っこをねだると、仕方ない奴だとばかりに抱っこしてくれる。父上の抱っこは目線が高くなるので大好きだった。
しかしここは人間界。ゼロスは一人でお使い中である。今どれだけ泣いてもたった一人だった。
「うっ、ふぇっ、ふえぇぇんっ。ブレイラ~、ちちうえ~、あにうえ~」
呼んでも無駄だと分かっていても、それでも三人の名を呼ぶ。ゼロスの大好きなブレイラと父上と兄上だ。
こうして悲観に暮れるゼロスだったが、…………父上はすぐ側にいた。
「…………泣くくらいなら、最初からしっかり歩けばいいものを」
ハウストは木陰に隠れて頭を抱えていた。
ふらふらと蝶を追いかけるゼロスを尾行していたのだ。
あれが我が息子であり冥王かと思うと、幼い子どもとはいえ頭が痛い。
だが、ゼロスが泣いている姿は見ていて心苦しい。魔王として厳しく接したいのは山々だが……。
『ちちうえ~、だっこ~』
ゼロスは甘ったれであった。
能天気にニコニコ笑い、『だっこ~』と両手を差し出して甘えてくるのである。冥王が、魔王であるこの自分に。
イスラは子どもの時からどこか大人びたところがあったがゼロスは完全に子どもなのだ。
……どうしたものか。
ハウストは悩んだが、ふとゼロスの足元に目的の薬草が生えていることに気が付いた。
ここは目的地の薬草の群生地ではないが、どこにでもある一般的な薬草なだけあって山のあちらこちらに生えていたのだ。
気付け、そこにあるぞ!
念を送る勢いで願う。薬草さえ見つけてくれれば尾行役から解放されるのだ。
しかしゼロスが気付く様子はなく、泣きべそをかきながらとぼとぼと歩きだした。
あいつは泣きべそをかきながら歩くのか。しかも。
「うええぇぇぇん! ブレイラ~、ちちうえ~、あにう、あうっ!」
転んだ。
転んだ体勢のままぷるぷる肩を震わせるゼロス。
お使いはもうここまでかとハウストは思ったが、その時。
「ああっ! みつけた!」
ゼロスが声をあげた。
目の前の草をむんずと掴み採って、起き上がってしげしげと見つめる。
「これだ~! ブレイラのやくそう!」
そう、ゼロスは転んだ先で見事に薬草を発見したのだ。
すっかり涙は引っ込んで瞳をキラキラさせて薬草を見ている。
「やくそう! やくそう! ブレイラのやくそう! あっ、こっちにも!」
ゼロスは次々に見つけて、小さな両手にいっぱいの薬草を摘んだ。
ニコニコしながら薬草を鞄に入れて、ぎゅ~っと鞄を抱き締める。
「ブレイラ、よろこぶかなあ」
ゼロスはブレイラの笑顔を思い描いて笑顔になる。
微笑ましいその様子にハウストも少しだけ気持ちが穏やかになったが。
「あ、かわだ!」
ゼロスが川を見つけた。
嬉しそうに川の畔に駆け出したゼロス。
それは川といっても小川ほどの大きさだが、幼いゼロスからすれば充分川だ。
…………ハウストは嫌な予感がする。なぜなら、ゼロスは自分は泳ぎが得意だと信じていて、水遊びが大好きなのだ。
一緒に入浴した時などとても大変で、湯に浸かって遊ぶゼロスから目が離せない。気が付いたら気持ち良さそうにぷかぁ~と浮かんでいるのだから。
ハウストとしては入浴時くらいゆったり過ごしたいが、ブレイラから「今日はゼロスも一緒にいいですか?」とお願いされると断れない。ゼロスが一緒の状況で色事に持ち込めるとは思っていないが、それでもブレイラとの入浴は魅力的なのだ。
「わあ~、きれい~」
ゼロスは川を前にして瞳をキラキラ輝かせた。
その様子にハウストの嫌な予感はますます高まっていく。
だがゼロスは呟いてしまうのだ。
「……ちょっとだけ、いいかな? ちょっとだけ」
ゼロスはきょろきょろと周囲を見回す。
ハウストは咄嗟に身を隠したが、誰も見ていないことを確かめたゼロスは靴を脱いで浅瀬に足をつけた。
「つめたい~」
浅瀬でパシャパシャ水を跳ねて遊びだした。
ブレイラから一人で水遊びをしてはいけないと注意を受けているはずだが、どうやら我慢できなかったようである。
……あいつめ。
ハウストは苦々しい顔になる。
駄目だ。やはり当分ゼロスを一人で出歩かせるのは禁止だ。危険すぎるし、なにより自由すぎる。
お使いもここまでだ。
きつく注意しようとハウストが一歩を踏み出そうとした、その時。
「あっ、カエルさん~! えいっ!」
ドボンッ!!
「ゼロス?!」
ハウストはぎょっとした。
カエルを見つけたゼロスが川に飛び込んだのだ。
「う、嘘だろ……」
ハウストは青褪める。
カエルを追いかけてゼロスが川に消えた。
このままでは危険だ。ハウストは手中に魔力を集中させる。
川の水を操ってゼロスを救出しようとしたのだ。だが。
――――ぷかぁ~。
ゼロスがぷかぁ~と浮いてきた。
「ふえぇ~。きもちい~」
ゼロスは鞄を腹で抱っこし、気持ち良さそうな顔で仰向けに浮いている。
その姿にハウストは脱力するも無事だったことにほっと安堵した。
早く川から連れ出そうと思ったが、気持ち良さそうに浮いているゼロスの姿に苦笑する。
特に危険な生物が棲んでいる様子もない穏やかな川だ。いつでも助けられるようにしながらも、しばらく浮いているゼロスを見守ることにしたが。
「ぼく、およいでる!」
ハウストはまたしてもぎょっとした。
違うっ、流されている!
気が付けばゼロスは川の真ん中で流れに乗っていた。
しかし浮かぶのだけは得意なゼロスはすっかり泳いでいる気になって上機嫌だ。
しかもゼロスは流れに乗って、下流へ下流へ流されていく。
「待てゼロス!」
ハウストは慌てて川辺を走って追いかけた。
いつ溺れてもおかしくない我が息子。
はっきりいって自業自得だが説教は後だ。
ハウストは川に飛び込み、ゼロスに向かって泳ぎだす。
ここまでくるとさすがにゼロスもハウストに気が付いた。
「あっ! ちちうえだ~! ちちうえ~、お~い!」
「なにがお~いだッ、このっ……!」
ハウストは舌打ちしながらも泳ぎ、水面にぷかぷか浮いて流されているゼロスに辿りついた。
ザバァッ! 小さな体を抱っこして掬いあげる。
「ゼロス!」
「ちちうえ!」
ゼロスが嬉しそうに抱きついてくる。
上機嫌なゼロスであるが、このまま絆されて許すことはできない。
「ゼロスっ、一人で川に入るな! 一人で水遊びするなと言われていたはずだ!」
「うぅっ、ごめんなさい~!」
ゼロスがハウストに抱きついてごめんなさいをする。
とりあえず無事な姿に安堵して岸に戻ろうとしたが。
ドドドドドドドッ!!!!
激しい水飛沫の音が近づいてくる。
ハウストとゼロスは振り返り、二人揃って顔を引き攣らせた。
今、自分達は流されている。
その先は、…………滝だった。
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「あれ? ちょうちょさん、どこ~?」
山奥でゼロスがきょろきょろする。
追いかけていた蝶々を見失ってしまったのだ。
だが、きょろきょろしながら次第に青褪めていく。
大きな瞳がじわじわと潤みだし、眉が八の字に垂れて……。
「……ここ、どこ?」
そう、迷子である。
蝶を追いかけるのに夢中になって、気が付けばすっかり山奥へと迷い込んでいたのだ。
完全に自業自得である。
「うっ、……ブレイラ~! ちちうえ~! あにうえ~! うっ、うぅっ……」
涙ぐみながら大好きなブレイラやハウストやイスラの名を呼んだ。
でもどれだけ呼んでも返事はない。
いつもならゼロスが泣いていれば城の誰かが心配そうに声をかけてくれた。「ブレイラは? ブレイラがいいの」と泣きながら駄々をこねると、ブレイラが少し困った顔をしながら現れて「どうしました? なにを泣いているのですか?」と抱っこして優しく慰めてくれるのだ。
ブレイラだけじゃない。父上も兄上も来てくれる。父上や兄上に抱っこをねだると、仕方ない奴だとばかりに抱っこしてくれる。父上の抱っこは目線が高くなるので大好きだった。
しかしここは人間界。ゼロスは一人でお使い中である。今どれだけ泣いてもたった一人だった。
「うっ、ふぇっ、ふえぇぇんっ。ブレイラ~、ちちうえ~、あにうえ~」
呼んでも無駄だと分かっていても、それでも三人の名を呼ぶ。ゼロスの大好きなブレイラと父上と兄上だ。
こうして悲観に暮れるゼロスだったが、…………父上はすぐ側にいた。
「…………泣くくらいなら、最初からしっかり歩けばいいものを」
ハウストは木陰に隠れて頭を抱えていた。
ふらふらと蝶を追いかけるゼロスを尾行していたのだ。
あれが我が息子であり冥王かと思うと、幼い子どもとはいえ頭が痛い。
だが、ゼロスが泣いている姿は見ていて心苦しい。魔王として厳しく接したいのは山々だが……。
『ちちうえ~、だっこ~』
ゼロスは甘ったれであった。
能天気にニコニコ笑い、『だっこ~』と両手を差し出して甘えてくるのである。冥王が、魔王であるこの自分に。
イスラは子どもの時からどこか大人びたところがあったがゼロスは完全に子どもなのだ。
……どうしたものか。
ハウストは悩んだが、ふとゼロスの足元に目的の薬草が生えていることに気が付いた。
ここは目的地の薬草の群生地ではないが、どこにでもある一般的な薬草なだけあって山のあちらこちらに生えていたのだ。
気付け、そこにあるぞ!
念を送る勢いで願う。薬草さえ見つけてくれれば尾行役から解放されるのだ。
しかしゼロスが気付く様子はなく、泣きべそをかきながらとぼとぼと歩きだした。
あいつは泣きべそをかきながら歩くのか。しかも。
「うええぇぇぇん! ブレイラ~、ちちうえ~、あにう、あうっ!」
転んだ。
転んだ体勢のままぷるぷる肩を震わせるゼロス。
お使いはもうここまでかとハウストは思ったが、その時。
「ああっ! みつけた!」
ゼロスが声をあげた。
目の前の草をむんずと掴み採って、起き上がってしげしげと見つめる。
「これだ~! ブレイラのやくそう!」
そう、ゼロスは転んだ先で見事に薬草を発見したのだ。
すっかり涙は引っ込んで瞳をキラキラさせて薬草を見ている。
「やくそう! やくそう! ブレイラのやくそう! あっ、こっちにも!」
ゼロスは次々に見つけて、小さな両手にいっぱいの薬草を摘んだ。
ニコニコしながら薬草を鞄に入れて、ぎゅ~っと鞄を抱き締める。
「ブレイラ、よろこぶかなあ」
ゼロスはブレイラの笑顔を思い描いて笑顔になる。
微笑ましいその様子にハウストも少しだけ気持ちが穏やかになったが。
「あ、かわだ!」
ゼロスが川を見つけた。
嬉しそうに川の畔に駆け出したゼロス。
それは川といっても小川ほどの大きさだが、幼いゼロスからすれば充分川だ。
…………ハウストは嫌な予感がする。なぜなら、ゼロスは自分は泳ぎが得意だと信じていて、水遊びが大好きなのだ。
一緒に入浴した時などとても大変で、湯に浸かって遊ぶゼロスから目が離せない。気が付いたら気持ち良さそうにぷかぁ~と浮かんでいるのだから。
ハウストとしては入浴時くらいゆったり過ごしたいが、ブレイラから「今日はゼロスも一緒にいいですか?」とお願いされると断れない。ゼロスが一緒の状況で色事に持ち込めるとは思っていないが、それでもブレイラとの入浴は魅力的なのだ。
「わあ~、きれい~」
ゼロスは川を前にして瞳をキラキラ輝かせた。
その様子にハウストの嫌な予感はますます高まっていく。
だがゼロスは呟いてしまうのだ。
「……ちょっとだけ、いいかな? ちょっとだけ」
ゼロスはきょろきょろと周囲を見回す。
ハウストは咄嗟に身を隠したが、誰も見ていないことを確かめたゼロスは靴を脱いで浅瀬に足をつけた。
「つめたい~」
浅瀬でパシャパシャ水を跳ねて遊びだした。
ブレイラから一人で水遊びをしてはいけないと注意を受けているはずだが、どうやら我慢できなかったようである。
……あいつめ。
ハウストは苦々しい顔になる。
駄目だ。やはり当分ゼロスを一人で出歩かせるのは禁止だ。危険すぎるし、なにより自由すぎる。
お使いもここまでだ。
きつく注意しようとハウストが一歩を踏み出そうとした、その時。
「あっ、カエルさん~! えいっ!」
ドボンッ!!
「ゼロス?!」
ハウストはぎょっとした。
カエルを見つけたゼロスが川に飛び込んだのだ。
「う、嘘だろ……」
ハウストは青褪める。
カエルを追いかけてゼロスが川に消えた。
このままでは危険だ。ハウストは手中に魔力を集中させる。
川の水を操ってゼロスを救出しようとしたのだ。だが。
――――ぷかぁ~。
ゼロスがぷかぁ~と浮いてきた。
「ふえぇ~。きもちい~」
ゼロスは鞄を腹で抱っこし、気持ち良さそうな顔で仰向けに浮いている。
その姿にハウストは脱力するも無事だったことにほっと安堵した。
早く川から連れ出そうと思ったが、気持ち良さそうに浮いているゼロスの姿に苦笑する。
特に危険な生物が棲んでいる様子もない穏やかな川だ。いつでも助けられるようにしながらも、しばらく浮いているゼロスを見守ることにしたが。
「ぼく、およいでる!」
ハウストはまたしてもぎょっとした。
違うっ、流されている!
気が付けばゼロスは川の真ん中で流れに乗っていた。
しかし浮かぶのだけは得意なゼロスはすっかり泳いでいる気になって上機嫌だ。
しかもゼロスは流れに乗って、下流へ下流へ流されていく。
「待てゼロス!」
ハウストは慌てて川辺を走って追いかけた。
いつ溺れてもおかしくない我が息子。
はっきりいって自業自得だが説教は後だ。
ハウストは川に飛び込み、ゼロスに向かって泳ぎだす。
ここまでくるとさすがにゼロスもハウストに気が付いた。
「あっ! ちちうえだ~! ちちうえ~、お~い!」
「なにがお~いだッ、このっ……!」
ハウストは舌打ちしながらも泳ぎ、水面にぷかぷか浮いて流されているゼロスに辿りついた。
ザバァッ! 小さな体を抱っこして掬いあげる。
「ゼロス!」
「ちちうえ!」
ゼロスが嬉しそうに抱きついてくる。
上機嫌なゼロスであるが、このまま絆されて許すことはできない。
「ゼロスっ、一人で川に入るな! 一人で水遊びするなと言われていたはずだ!」
「うぅっ、ごめんなさい~!」
ゼロスがハウストに抱きついてごめんなさいをする。
とりあえず無事な姿に安堵して岸に戻ろうとしたが。
ドドドドドドドッ!!!!
激しい水飛沫の音が近づいてくる。
ハウストとゼロスは振り返り、二人揃って顔を引き攣らせた。
今、自分達は流されている。
その先は、…………滝だった。
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