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Episode1・ゼロス、はじめてのおつかい
あれから二年です。9
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「まず俺はお前を愛していて一切の誤解をされたくない。だからこれを前提として聞いてほしい」
「なんでしょうか」
「俺は、今まで一度も女を金で買うような真似はしたことがない。これは誓ってもいい」
ハウストの真剣な顔と口調。
まるで重大な真実を打ち明けるかのような気迫です。
なるほど、今まで一夜でも女性を買ったことはないと。
「それは、そういう不健全な店で女性を買ったことはないという意味でしょうか」
「そうだ、心から誓える。店だけじゃない、それ以外の場所でも買ったことはない」
そう誓ったハウスト。
きっと言葉に嘘はないのでしょうね。
でも。
「酒場に通った事実はあるんですよね?」
「っ、それは……」
「女性を買ったことはなくても、誘われたことはありますよね。たくさん」
「そ、それは俺が悪いのか? 不可抗力だろっ……」
「誰も悪いなんて言ってません。それとも後ろめたいことがあるんですか?」
じぃっと見つめると、正座で対峙したハウストの動揺が大きくなっていく。
あなたはとても魅力的な方なので、そういった時にわざわざ金銭を要求されることなどなかったでしょう。黙っていても女性の方から近づいて誘ったことでしょうね。だから女性を買ったことがないのは当然といえば当然。
しかも、私は今より若い頃のあなたがどんな方だったか知らない訳ではないのです。それは二年前の冥界創世時、ハウストの記憶が先代魔王に叛逆した時代まで戻った時に嫌というほど教えていただきました。それもあって簡単に想像できてしまう。断る理由がなければ、きっとあなたも誘いに応じて、……お、応じてっ、……応じてっ……!
「ブ、ブレイラ、少し落ち着こうっ。ほら手が痛いだろう? 手を開け、パーだ。パー」
「ぱー……」
促されるままに手の平を開ける。
どうやら無意識に拳を強く握っていたようです。
「よしよし痛かったな、可哀想に。良かった、傷にはなっていないようだ」
ハウストは私の手を取り、とても、とても、とても大切に扱いながら診てくれます。
……なんなんでしょうね、これ。
たかが拳を強く握ったくらいで怪我なんてするわけがないのに。……誤魔化す気満々じゃないですか。
「ハウスト」
改めて名を呼んだ私に、「な、なんだ」とハウストが緊張します。
彼らしからぬ反応に私は目を据わらせて真顔になっていく。
そんな私に彼の緊張が更に高まりましたが、――ちゅっ。強張っていた頬に口付けを一つ。
突然の口付けにハウストが大きく目を丸めました。
「ブレイラ……?」
予想外だといわんばかりの反応に少しだけ気分がいいです。ふふふ、溜飲が下がるというもの。
私は肩の力を抜いてハウストに笑いかけます。
「すぎた過去をとやかく言うつもりはありませんよ。その時のハウストがいて、今のハウストがいるんですから」
「ブレイラっ……!」
「わっ、いきなりです!」
突然抱きしめられて今度は私がびっくりしました。
でも悪い気はしないです。
ハウストの広い背中に両手を回して、その鍛えられた胸板に頬を寄せる。
「開き直られても困りますが、それくらいで私があなたを嫌いになると思われるのも心外です。あまり私を舐めないでください」
「それは無理な話しだ。舐めたい」
「あ、こらっ、くすぐったいですよっ」
首元に顔を埋められ、そこをぺろりと舐められる。
甘いくすぐったさに肩を竦めると今度は柔らかな皮膚を甘噛みされました。
そのままベッドに押し倒されましたが、もちろん。
「今夜はもう終わりです」
「……おい、こんなに気分がいいのに」
「ダメなものはダメです。それより、これを一緒に見ようと言ったじゃないですか」
押し倒されたベッドに二人で寝転がって、またしても薬草図鑑を開きます。
ダメですね。あなたといると楽しくて、嬉しくて、ちょっとしたことですぐに脱線してしまいます。
あなたは、私がはしゃいでいたのはイスラが帰って来たからだと思っているようですが、それだけではありませんよ。あなたといるからです。毎日あなたに恋をしているからです。
私はハウストを宥めるように頬に口付けて、彼の顔を覗き込む。
「あなたと一緒に見たいです。ね?」
ね? 首を傾げて問いました。
するとハウストは顎を引き、何かに耐えるように口をぐっと引き結びましたが、
「…………わかった。一緒に見よう」
諦めてくれたようです。
良かった。もちろん体を重ねるのもいいけれど、彼とベッドで寝転びながら図鑑を見るのも素敵な時間です。
私がうつ伏せで寝転がって図鑑を開くと、ハウストも隣で寝転がって覗き込んできました。こんな行儀が悪い魔王と王妃の姿、誰かに見られたら大変ですね。フェリクトールは卒倒してしまうかもしれません。
なんだか楽しくなってきましたよ。
「ハウスト、見てください。ゼロスがお使いで採ってくる薬草はこれです」
図鑑のページをぱらぱらと捲り、目当ての薬草を見つけて指をさす。
それを見たハウストも納得したように頷きました。
「これなら俺も知っている。山でよく見かける薬草だな」
「はい。それほど珍しいものではないのでゼロスもすぐに見つけられると思います」
お使いに向かう山は、人間界の穏やかな小国にある山。山の気候も穏やかで危険な動物もいないようです。つい最近までイスラが旅をしていたので大丈夫でしょう。
そう、大丈夫。
今回のゼロスの初めてのお使いの為に多くの兵士や士官が隠れて護衛してくれます。だからゼロスは実際のところ一人ではない。だから大丈夫なのです。
大丈夫、大丈夫、大丈夫、何度も言い聞かせて自分を納得させます。
そう、大丈夫に決まって、………………。ああっ、やっぱりダメです!
「ハウスト」
「なんだ」
「兵士の方々がゼロスを隠れて護衛してくれるんですよね?」
「ああ、手配は済ませてある。万全だ」
「……あの、そのことで……お願いがあるんですが」
「お願い……」
ハウストが神妙な顔で私を見ます。
見るからに顔には『嫌な予感がする……』と描いてある。そう、正解です。
「その役目、私がしてはいけませんか?」
「…………お前、本気で言っているのか」
ハウストが唖然として言いました。
その様子に居た堪れなくなりましたが私も後には引けません。
「冗談でこんなことは言いません」
私だって自分の立場は分かっているのです。
立派な王妃はふらふら出歩いたりしてはいけないのですよね。もちろん分かっています。
でも、まだ幼いゼロスが初めてのお使いをするのです。もう気になって気になって、きっと待っている間は心配で政務も手につかないでしょう。
「お願いしますっ。ゼロスの初めてのお使いを見届けたいんです!」
必死に頼み込む私にハウストが困った顔になりました。
困らせているのは分かっています。でもどうしても見届けたい。
「……お前が動けば、その護衛の為に今予定しているより倍以上の警備が必要になる。分かっているだろう」
「っ…………」
唇を噛んで黙り込む。
ハウストの言う通りでした。
やはり諦めるしかないのでしょうか。
無意識に視線が落ちて、薬草図鑑をぎゅっと握りしめました。
でもふいに、その手に大きな手が重なりました。ハウストです。
「だが、俺と一緒なら警備は俺一人で充分だ」
「えっ……」
はっとして顔をあげるとハウストは苦笑して私を見ていました。
「言わなかったか? 俺はお前にねだられると弱い。しかもここはベッドだぞ。分かっているか」
「ハウスト、それじゃあ……」
私の顔がみるみる晴れて、それに合わせてハウストも笑みを浮かべてくれる。
「フェリクトールを納得させるのが厄介だが、まあその辺は仕方ない。お前も多少の小言は覚悟しておけ」
「はいっ、小言でもなんでも謹んで受けます!」
小言でも何でも喜んで受け止めます。
そうと決まれば、今まで不安だったゼロスのお使いが楽しみになってきました。
「ハウスト、それならイスラも誘いましょう! イスラだってゼロスの初めてのお使いが気になりますよね?! あなたとイスラと出掛けられるなんて嬉しいです!」
嬉しさを隠し切れない私にハウストが目を細めました。
「いいだろう。イスラにも声を掛けておけ」
「はい!」
こうしてゼロスを三人で尾行することが決まりました。
最初は不安ばかりだったゼロスのお使いですが今では私もワクワクしてしまっている。
四人で一緒に出掛けるというには語弊がありますが、それでも久しぶりのお出掛けです。今からその日が待ち遠しい。
胸を躍らせて薬草図鑑を抱きしめた私をハウストが抱きしめてくれて、二人で尾行作戦の計画を練るのでした。
「なんでしょうか」
「俺は、今まで一度も女を金で買うような真似はしたことがない。これは誓ってもいい」
ハウストの真剣な顔と口調。
まるで重大な真実を打ち明けるかのような気迫です。
なるほど、今まで一夜でも女性を買ったことはないと。
「それは、そういう不健全な店で女性を買ったことはないという意味でしょうか」
「そうだ、心から誓える。店だけじゃない、それ以外の場所でも買ったことはない」
そう誓ったハウスト。
きっと言葉に嘘はないのでしょうね。
でも。
「酒場に通った事実はあるんですよね?」
「っ、それは……」
「女性を買ったことはなくても、誘われたことはありますよね。たくさん」
「そ、それは俺が悪いのか? 不可抗力だろっ……」
「誰も悪いなんて言ってません。それとも後ろめたいことがあるんですか?」
じぃっと見つめると、正座で対峙したハウストの動揺が大きくなっていく。
あなたはとても魅力的な方なので、そういった時にわざわざ金銭を要求されることなどなかったでしょう。黙っていても女性の方から近づいて誘ったことでしょうね。だから女性を買ったことがないのは当然といえば当然。
しかも、私は今より若い頃のあなたがどんな方だったか知らない訳ではないのです。それは二年前の冥界創世時、ハウストの記憶が先代魔王に叛逆した時代まで戻った時に嫌というほど教えていただきました。それもあって簡単に想像できてしまう。断る理由がなければ、きっとあなたも誘いに応じて、……お、応じてっ、……応じてっ……!
「ブ、ブレイラ、少し落ち着こうっ。ほら手が痛いだろう? 手を開け、パーだ。パー」
「ぱー……」
促されるままに手の平を開ける。
どうやら無意識に拳を強く握っていたようです。
「よしよし痛かったな、可哀想に。良かった、傷にはなっていないようだ」
ハウストは私の手を取り、とても、とても、とても大切に扱いながら診てくれます。
……なんなんでしょうね、これ。
たかが拳を強く握ったくらいで怪我なんてするわけがないのに。……誤魔化す気満々じゃないですか。
「ハウスト」
改めて名を呼んだ私に、「な、なんだ」とハウストが緊張します。
彼らしからぬ反応に私は目を据わらせて真顔になっていく。
そんな私に彼の緊張が更に高まりましたが、――ちゅっ。強張っていた頬に口付けを一つ。
突然の口付けにハウストが大きく目を丸めました。
「ブレイラ……?」
予想外だといわんばかりの反応に少しだけ気分がいいです。ふふふ、溜飲が下がるというもの。
私は肩の力を抜いてハウストに笑いかけます。
「すぎた過去をとやかく言うつもりはありませんよ。その時のハウストがいて、今のハウストがいるんですから」
「ブレイラっ……!」
「わっ、いきなりです!」
突然抱きしめられて今度は私がびっくりしました。
でも悪い気はしないです。
ハウストの広い背中に両手を回して、その鍛えられた胸板に頬を寄せる。
「開き直られても困りますが、それくらいで私があなたを嫌いになると思われるのも心外です。あまり私を舐めないでください」
「それは無理な話しだ。舐めたい」
「あ、こらっ、くすぐったいですよっ」
首元に顔を埋められ、そこをぺろりと舐められる。
甘いくすぐったさに肩を竦めると今度は柔らかな皮膚を甘噛みされました。
そのままベッドに押し倒されましたが、もちろん。
「今夜はもう終わりです」
「……おい、こんなに気分がいいのに」
「ダメなものはダメです。それより、これを一緒に見ようと言ったじゃないですか」
押し倒されたベッドに二人で寝転がって、またしても薬草図鑑を開きます。
ダメですね。あなたといると楽しくて、嬉しくて、ちょっとしたことですぐに脱線してしまいます。
あなたは、私がはしゃいでいたのはイスラが帰って来たからだと思っているようですが、それだけではありませんよ。あなたといるからです。毎日あなたに恋をしているからです。
私はハウストを宥めるように頬に口付けて、彼の顔を覗き込む。
「あなたと一緒に見たいです。ね?」
ね? 首を傾げて問いました。
するとハウストは顎を引き、何かに耐えるように口をぐっと引き結びましたが、
「…………わかった。一緒に見よう」
諦めてくれたようです。
良かった。もちろん体を重ねるのもいいけれど、彼とベッドで寝転びながら図鑑を見るのも素敵な時間です。
私がうつ伏せで寝転がって図鑑を開くと、ハウストも隣で寝転がって覗き込んできました。こんな行儀が悪い魔王と王妃の姿、誰かに見られたら大変ですね。フェリクトールは卒倒してしまうかもしれません。
なんだか楽しくなってきましたよ。
「ハウスト、見てください。ゼロスがお使いで採ってくる薬草はこれです」
図鑑のページをぱらぱらと捲り、目当ての薬草を見つけて指をさす。
それを見たハウストも納得したように頷きました。
「これなら俺も知っている。山でよく見かける薬草だな」
「はい。それほど珍しいものではないのでゼロスもすぐに見つけられると思います」
お使いに向かう山は、人間界の穏やかな小国にある山。山の気候も穏やかで危険な動物もいないようです。つい最近までイスラが旅をしていたので大丈夫でしょう。
そう、大丈夫。
今回のゼロスの初めてのお使いの為に多くの兵士や士官が隠れて護衛してくれます。だからゼロスは実際のところ一人ではない。だから大丈夫なのです。
大丈夫、大丈夫、大丈夫、何度も言い聞かせて自分を納得させます。
そう、大丈夫に決まって、………………。ああっ、やっぱりダメです!
「ハウスト」
「なんだ」
「兵士の方々がゼロスを隠れて護衛してくれるんですよね?」
「ああ、手配は済ませてある。万全だ」
「……あの、そのことで……お願いがあるんですが」
「お願い……」
ハウストが神妙な顔で私を見ます。
見るからに顔には『嫌な予感がする……』と描いてある。そう、正解です。
「その役目、私がしてはいけませんか?」
「…………お前、本気で言っているのか」
ハウストが唖然として言いました。
その様子に居た堪れなくなりましたが私も後には引けません。
「冗談でこんなことは言いません」
私だって自分の立場は分かっているのです。
立派な王妃はふらふら出歩いたりしてはいけないのですよね。もちろん分かっています。
でも、まだ幼いゼロスが初めてのお使いをするのです。もう気になって気になって、きっと待っている間は心配で政務も手につかないでしょう。
「お願いしますっ。ゼロスの初めてのお使いを見届けたいんです!」
必死に頼み込む私にハウストが困った顔になりました。
困らせているのは分かっています。でもどうしても見届けたい。
「……お前が動けば、その護衛の為に今予定しているより倍以上の警備が必要になる。分かっているだろう」
「っ…………」
唇を噛んで黙り込む。
ハウストの言う通りでした。
やはり諦めるしかないのでしょうか。
無意識に視線が落ちて、薬草図鑑をぎゅっと握りしめました。
でもふいに、その手に大きな手が重なりました。ハウストです。
「だが、俺と一緒なら警備は俺一人で充分だ」
「えっ……」
はっとして顔をあげるとハウストは苦笑して私を見ていました。
「言わなかったか? 俺はお前にねだられると弱い。しかもここはベッドだぞ。分かっているか」
「ハウスト、それじゃあ……」
私の顔がみるみる晴れて、それに合わせてハウストも笑みを浮かべてくれる。
「フェリクトールを納得させるのが厄介だが、まあその辺は仕方ない。お前も多少の小言は覚悟しておけ」
「はいっ、小言でもなんでも謹んで受けます!」
小言でも何でも喜んで受け止めます。
そうと決まれば、今まで不安だったゼロスのお使いが楽しみになってきました。
「ハウスト、それならイスラも誘いましょう! イスラだってゼロスの初めてのお使いが気になりますよね?! あなたとイスラと出掛けられるなんて嬉しいです!」
嬉しさを隠し切れない私にハウストが目を細めました。
「いいだろう。イスラにも声を掛けておけ」
「はい!」
こうしてゼロスを三人で尾行することが決まりました。
最初は不安ばかりだったゼロスのお使いですが今では私もワクワクしてしまっている。
四人で一緒に出掛けるというには語弊がありますが、それでも久しぶりのお出掛けです。今からその日が待ち遠しい。
胸を躍らせて薬草図鑑を抱きしめた私をハウストが抱きしめてくれて、二人で尾行作戦の計画を練るのでした。
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