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Episode1・ゼロス、はじめてのおつかい
あれから二年です。4
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「どうしました、ゼロス? ほら、お口についてますよ」
小さな口の周りにはクッキーの欠片がくっついています。
それを指で摘まんで取ってあげました。
「あのね、ぼくもしたいの」
「したい?」
「あにうえみたいに、おつかい」
「え?」
……おつかい?
意味が分からずに首を傾げるも、ゼロスは瞳をキラキラさせて言葉を続けます。
「ひとりで、おつかいしたい! ぼくも、あにうえみたいにブレイラにあげる!」
「えええっ!」
何を言うかと思えば、おつかい! しかも一人でなんてっ!
どうやらイスラが私に本をお土産にして帰ってきたことが羨ましかったようです。
気持ちは嬉しいけれどゼロスはまだ三歳の子どもです。許可できる訳がありません。
「ダ、ダメですよっ、なに言ってるんですか! そんなのダメに決まっています!」
即座に反対した私にゼロスがむぅっと唇を尖らせます。
「あにうえは、ひとりでしてるのに?」
「イスラはもう大きいからいいんです。ゼロスは魔界でだって一人でお出掛けしたことないじゃないですか」
「うぅっ……。でも、したいっ。ぼくだって、ひとりでおつかい!」
ゼロスは聞き分けてくれません。
でも私だってハイそうですかと納得できるわけがない。
「ゼロス、よく聞きなさい。あなたはまだ幼い子どもで、夜だって一人じゃ眠れないじゃないですか。おトイレだって一人で行けないし、剣術のお稽古の時も一人じゃ訓練場に行けないからって私を呼びに来るでしょう」
「むぅっ……。……できるもん。おつかい、できるもん」
説得してもゼロスは諦めてくれません。
ゼロスは甘えん坊というか少しワガママというか……。イスラと比べるつもりはありませんが、イスラがゼロスくらいの時はもう少し聞き分けが良かったような……。
でもこればかりは仕方ないのでしょう。
イスラは卵から誕生してすぐに先代魔王討伐に関わったりして不安定な環境でしたが、ゼロスは物心ついた時からハウストや私やイスラに囲まれて魔界の城の恵まれた環境で育っています。きっとその違いなのでしょうね。
「いく! ぜったいいく~!」
「ダメなものはダメです」
「やだ! じょうずにできるもん!」
ぎゅっと小さな拳を握って意気込みます。
こうして言い合っているとイスラが呆れた顔で言ってくれます。
「ゼロス、聞き分けろ。お前には早い」
「ぅっ、そんなことない! ぼくだって、ぼくだってっ……。うぅ~っ」
ゼロスの大きな瞳がみるみる潤んでいく。
どうやら私が叱るよりもイスラに叱られる方が効果があるようです。
これもゼロスが赤ん坊の頃からイスラが『たんれんだ!』『おうなら、つよくなれ!』と鍛錬してきたからでしょうか。現在もイスラは魔界に帰って来た時はゼロスの剣術や体術の相手をしてくれる時があります。
しかしそれでも諦めきれないゼロスは次にハウストを振り返ります。
「ちちうえ~、おねがい! いいでしょ? ぼくもいきたいの!」
「あっ、なにハウストに甘えてるんですかっ。ハウストからもちゃんと言ってください!」
「お、俺か?」
ハウストがぎょっとした顔をします。
巻き込まれたくなかったようですが、そうはいきません。
「ハウスト、もちろん、あなたも反対ですよね?」
そう言ってハウストをじろりと見る。
ゼロスは初めてのクッキーをハウストに貰えた成功体験があるからか、彼にねだれば何でも叶うと思っている節があるのです。そうはいきません。
私と目が合ったハウストは小さく咳払いすると、真剣な顔をつくってゼロスに向き直ります。
「ゼロス」
「なあに?」
「ダメだぞ。まだ危ない」
「うぅっ、ちちうえぇ~」
ゼロスの大きな瞳が潤んで、「うっ、うっ」と嗚咽が漏れだす。
そんなゼロスにハウストも「うっ」と言葉を詰まらせる。
困惑しているハウストに仕方ないと思いつつも少し呆れます。
今まで魔王であるハウストの周りにこんなに子どもらしい子どもはいなかったのです。泣いたり、甘えたり、ワガママを言ったり、ゼロスの感情はくるくる変わるのです。イスラはハウストに対して何かを泣いてねだるなんてしない子どもだったので余計に困惑するのでしょう。
ハウストにとって、イスラよりゼロスの方が扱いが難しいようです。
「…………ブレイラ」
「なんです」
「……その、ゼロスは冥王だ」
「それがなんです」
「いや、だから、普通の三歳児ではないし」
「あなた、私がそう言えば何でも『うん』と言うと思いましたか?」
たしかにゼロスは冥王で、イスラより成長はゆっくりでも普通の子どもと比べると早いです。
剣術や体術のお稽古も始まって、その才覚も四界の王として申し分ないものと聞いています。まだまだ甘えん坊で疲れるとすぐに『おやすみする~』と駄々をこねるのが玉に瑕ですが。
「やだぁ~! いく! ひとりでおつかい~!」
「だから、ダメだと言っているのに……」
ほとほと困ってしまう。
頑として反対していますが、ゼロスも頑として諦めてくれないのです。
「……この頑固なところ、いったい誰に似たのでしょうね」
「お前に」
「なんですか?」
「いや、なんでもないぞ」
ハウストはそう言うと目を逸らして咳払いを一つ。
まったく、ゼロスの頑固なところはハウストとイスラに似てますよね。絶対。
今も、
「いくもん。ぼくもおつかい。いくもんっ」
ぶつぶつ言っています。
このままでは一人で勝手に城を抜け出してしまいそうで……。
そんな私の心配にハウストが宥めるように口を開きます。
「ブレイラ、行かせたらどうだ」
「ハウストっ」
「諦めると思うか?」
「ぅっ……」
言い返せません。
今のゼロスは行く気満々です。ここで無理やり諦めさせたとしても未練が残り、やがてその未練は大きくなって……。ああだめ。悪い方向に考えてしまう。
頭を抱える私を、「おい、ブレイラ」とハウストが呼ぶ。
振り返ると彼は苦笑し、意味ありげに私を見る。
「大丈夫だ。俺を誰だと思っている」
「…………あなた、まさか」
はっとしてその意味に気付く。
目が合って、頷いた彼に確信します。
ハウストは、ゼロスに一人でお使いをさせながらも護衛兵に後を付けさせようというのです。
……たしかに、それなら納得してもいいような。
黙り込んだ私にゼロスの顔がパァッと輝く。ワガママが叶いそうな予感を察知したのですね。
今まで駄々をこねていたのが嘘のようなキラキラした瞳で私を見ます。
「ブレイラ、ぼくね、じょうずにおつかいできるよ?」
「うっ……」
「おねがい、ブレイラ」
「…………分かりました。いいでしょう、許しましょう」
「やったー!!」
観念した私にゼロスが歓声をあげました。
両手をあげてはしゃぐゼロスに私もなんだか肩から力が抜けていきます。
元気なゼロスを見ていましたが、ぴたりっとゼロスの動きがとまる。
「ゼロス、どうしました? まだ何かありましたか?」
「……ちがう。おしっこ」
そう言ってもじもじし始めるゼロス。
きょろきょろして世話役のマアヤを見つけるとパッと表情を明るくします。
「マアヤ、おしっこ!」
「お使いに一人で行く子が、おトイレも一人で行けないんですか?」
笑いながら聞いてみます。
少し意地悪な質問にゼロスがむぅっと唇を尖らせる。
「……あしたから、ひとりでいくもん」
ゼロスは拗ねた口調で言うと、もう我慢できないとばかりにマアヤを連れて部屋を飛び出していきました。
……きっと明日も無理でしょうね。
小さな口の周りにはクッキーの欠片がくっついています。
それを指で摘まんで取ってあげました。
「あのね、ぼくもしたいの」
「したい?」
「あにうえみたいに、おつかい」
「え?」
……おつかい?
意味が分からずに首を傾げるも、ゼロスは瞳をキラキラさせて言葉を続けます。
「ひとりで、おつかいしたい! ぼくも、あにうえみたいにブレイラにあげる!」
「えええっ!」
何を言うかと思えば、おつかい! しかも一人でなんてっ!
どうやらイスラが私に本をお土産にして帰ってきたことが羨ましかったようです。
気持ちは嬉しいけれどゼロスはまだ三歳の子どもです。許可できる訳がありません。
「ダ、ダメですよっ、なに言ってるんですか! そんなのダメに決まっています!」
即座に反対した私にゼロスがむぅっと唇を尖らせます。
「あにうえは、ひとりでしてるのに?」
「イスラはもう大きいからいいんです。ゼロスは魔界でだって一人でお出掛けしたことないじゃないですか」
「うぅっ……。でも、したいっ。ぼくだって、ひとりでおつかい!」
ゼロスは聞き分けてくれません。
でも私だってハイそうですかと納得できるわけがない。
「ゼロス、よく聞きなさい。あなたはまだ幼い子どもで、夜だって一人じゃ眠れないじゃないですか。おトイレだって一人で行けないし、剣術のお稽古の時も一人じゃ訓練場に行けないからって私を呼びに来るでしょう」
「むぅっ……。……できるもん。おつかい、できるもん」
説得してもゼロスは諦めてくれません。
ゼロスは甘えん坊というか少しワガママというか……。イスラと比べるつもりはありませんが、イスラがゼロスくらいの時はもう少し聞き分けが良かったような……。
でもこればかりは仕方ないのでしょう。
イスラは卵から誕生してすぐに先代魔王討伐に関わったりして不安定な環境でしたが、ゼロスは物心ついた時からハウストや私やイスラに囲まれて魔界の城の恵まれた環境で育っています。きっとその違いなのでしょうね。
「いく! ぜったいいく~!」
「ダメなものはダメです」
「やだ! じょうずにできるもん!」
ぎゅっと小さな拳を握って意気込みます。
こうして言い合っているとイスラが呆れた顔で言ってくれます。
「ゼロス、聞き分けろ。お前には早い」
「ぅっ、そんなことない! ぼくだって、ぼくだってっ……。うぅ~っ」
ゼロスの大きな瞳がみるみる潤んでいく。
どうやら私が叱るよりもイスラに叱られる方が効果があるようです。
これもゼロスが赤ん坊の頃からイスラが『たんれんだ!』『おうなら、つよくなれ!』と鍛錬してきたからでしょうか。現在もイスラは魔界に帰って来た時はゼロスの剣術や体術の相手をしてくれる時があります。
しかしそれでも諦めきれないゼロスは次にハウストを振り返ります。
「ちちうえ~、おねがい! いいでしょ? ぼくもいきたいの!」
「あっ、なにハウストに甘えてるんですかっ。ハウストからもちゃんと言ってください!」
「お、俺か?」
ハウストがぎょっとした顔をします。
巻き込まれたくなかったようですが、そうはいきません。
「ハウスト、もちろん、あなたも反対ですよね?」
そう言ってハウストをじろりと見る。
ゼロスは初めてのクッキーをハウストに貰えた成功体験があるからか、彼にねだれば何でも叶うと思っている節があるのです。そうはいきません。
私と目が合ったハウストは小さく咳払いすると、真剣な顔をつくってゼロスに向き直ります。
「ゼロス」
「なあに?」
「ダメだぞ。まだ危ない」
「うぅっ、ちちうえぇ~」
ゼロスの大きな瞳が潤んで、「うっ、うっ」と嗚咽が漏れだす。
そんなゼロスにハウストも「うっ」と言葉を詰まらせる。
困惑しているハウストに仕方ないと思いつつも少し呆れます。
今まで魔王であるハウストの周りにこんなに子どもらしい子どもはいなかったのです。泣いたり、甘えたり、ワガママを言ったり、ゼロスの感情はくるくる変わるのです。イスラはハウストに対して何かを泣いてねだるなんてしない子どもだったので余計に困惑するのでしょう。
ハウストにとって、イスラよりゼロスの方が扱いが難しいようです。
「…………ブレイラ」
「なんです」
「……その、ゼロスは冥王だ」
「それがなんです」
「いや、だから、普通の三歳児ではないし」
「あなた、私がそう言えば何でも『うん』と言うと思いましたか?」
たしかにゼロスは冥王で、イスラより成長はゆっくりでも普通の子どもと比べると早いです。
剣術や体術のお稽古も始まって、その才覚も四界の王として申し分ないものと聞いています。まだまだ甘えん坊で疲れるとすぐに『おやすみする~』と駄々をこねるのが玉に瑕ですが。
「やだぁ~! いく! ひとりでおつかい~!」
「だから、ダメだと言っているのに……」
ほとほと困ってしまう。
頑として反対していますが、ゼロスも頑として諦めてくれないのです。
「……この頑固なところ、いったい誰に似たのでしょうね」
「お前に」
「なんですか?」
「いや、なんでもないぞ」
ハウストはそう言うと目を逸らして咳払いを一つ。
まったく、ゼロスの頑固なところはハウストとイスラに似てますよね。絶対。
今も、
「いくもん。ぼくもおつかい。いくもんっ」
ぶつぶつ言っています。
このままでは一人で勝手に城を抜け出してしまいそうで……。
そんな私の心配にハウストが宥めるように口を開きます。
「ブレイラ、行かせたらどうだ」
「ハウストっ」
「諦めると思うか?」
「ぅっ……」
言い返せません。
今のゼロスは行く気満々です。ここで無理やり諦めさせたとしても未練が残り、やがてその未練は大きくなって……。ああだめ。悪い方向に考えてしまう。
頭を抱える私を、「おい、ブレイラ」とハウストが呼ぶ。
振り返ると彼は苦笑し、意味ありげに私を見る。
「大丈夫だ。俺を誰だと思っている」
「…………あなた、まさか」
はっとしてその意味に気付く。
目が合って、頷いた彼に確信します。
ハウストは、ゼロスに一人でお使いをさせながらも護衛兵に後を付けさせようというのです。
……たしかに、それなら納得してもいいような。
黙り込んだ私にゼロスの顔がパァッと輝く。ワガママが叶いそうな予感を察知したのですね。
今まで駄々をこねていたのが嘘のようなキラキラした瞳で私を見ます。
「ブレイラ、ぼくね、じょうずにおつかいできるよ?」
「うっ……」
「おねがい、ブレイラ」
「…………分かりました。いいでしょう、許しましょう」
「やったー!!」
観念した私にゼロスが歓声をあげました。
両手をあげてはしゃぐゼロスに私もなんだか肩から力が抜けていきます。
元気なゼロスを見ていましたが、ぴたりっとゼロスの動きがとまる。
「ゼロス、どうしました? まだ何かありましたか?」
「……ちがう。おしっこ」
そう言ってもじもじし始めるゼロス。
きょろきょろして世話役のマアヤを見つけるとパッと表情を明るくします。
「マアヤ、おしっこ!」
「お使いに一人で行く子が、おトイレも一人で行けないんですか?」
笑いながら聞いてみます。
少し意地悪な質問にゼロスがむぅっと唇を尖らせる。
「……あしたから、ひとりでいくもん」
ゼロスは拗ねた口調で言うと、もう我慢できないとばかりにマアヤを連れて部屋を飛び出していきました。
……きっと明日も無理でしょうね。
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