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勇者のママは環の婚礼を魔王様と≪婚礼編≫
十五ノ環・環の婚礼7
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「……いったい、どうしたんです?」
不穏な雰囲気に心臓がどくどくと嫌な鼓動を鳴らす。
私はハウストに聞こうとしましたが、ジェノキスに引き止められました。
「ストップ。ブレイラはこっち」
「どうしてですかっ。あの三人はゼロスをどうするつもりですか?」
「決まってるだろ。消すんだよ」
「え?」
突然すぎるそれに頭が真っ白になりました。
でもジェノキスが当然のように続けます。
「消滅させるんだ。冥界は澱みすぎた。この澱みが三界に及ぶと深刻な影響が出るって分かっただろ?」
「だ、だからって、そんな」
「三界を守るのは三界の王の役目だ。冥王を消すことが世界を守るってことだからな。冥王を殺したあと、ラマダを封じて消滅させる。あの女は冥界の大地の化身だ。幻想界ってのは不思議な世界だよな。大地から化身が生まれてたんだから」
頭が混乱しました。
三界の王は冥王を冥界ごと消滅させる決断をしたということ。
たしかに冥界は閉ざされた世界で、人間界に出現して三界を混乱に陥れました。多くの人命が失われ、傷ついたのです。
でも。
「待ってください!!」
体が咄嗟に動き、ゼロスを背にして三界の王たちの前に立つ。
三界の王に取り囲まれた傷だらけの冥王。
消滅を迫られる残酷な構図は、恐ろしく傲慢にすら見えるもの。
一万年も閉じ込めておきながら消滅させようというのです。
「これはあまりにも横暴ではありませんか? 冥王は一万年も閉じ込められていたというではありませんか!」
「退け、ブレイラ」
「退きません!」
動かない私にハウストが小さく舌打ちしました。
怯みそうになりましたが退くことはできません。
「冥王に情が移ったか?」
「……そういう訳ではないつもりです。でも、もう知らない相手ではなくなったのも事実です」
ゼロスと二人で暮らした時のことを覚えています。
術をかけられて騙されたことに間違いありませんが、ゼロスとの平穏な生活に幸せを感じたのも確かです。
ゼロスが与えてくれた世界は偽りだけれど、とても幸福に満ちていた。理想ともいえる世界だったのです。
もしゼロスが本当に心無い男なら、あの優しい世界を作ることなど出来なかったでしょう。
「……私は、あなた方の判断が酷く理不尽なものに思えてしまうのです。お願いですから考え直してください」
「冥界は罪を犯した。許されてはならない罪だ」
「許されてはならないのなら、どうして罰を与えたのです! 一万年前に消滅させれば良かったじゃないですか!」
強く言い返すとハウストたちは黙り込みました。
その様子に、冥界の大地に見せられた映像に合点がいきます。
「……しなかったのですよね? 罰という名の犠牲だったのではないですか?」
「……お前ももう分かっているだろう。神格の王が四人揃うと神になる条件が揃う。一つの世界を閉ざすことで、一万年前以降の三つの世界が守られた。王として当然の決断だ」
ハウストが淡々と言いました。
たしかに邪な心を持った王が現れて神になることを望めば、すべての世界は混乱して多くの犠牲を生むでしょう。先代魔王の時代がそうであったように。
だから一万年前の魔王と勇者と精霊王は冥王を封じたのですね。神の出現を封じる為だけに。
ああ、でも私、分かりましたよ。
「……どうして理不尽に思えるのか分かりました」
私は魔界の王・ハウスト、精霊界の王・フェルベオ、人間界の王・イスラ、この三界の王たちを順に見ました。
「あなた方は、まるで天災ですね」
「ブレイラ……?」
「今、あなた方が下す決断も、行使する力も、あまりに途方もなく強大で、私のような力のない者には理不尽な天災のように思えるのです。実際、冥界が閉ざされた時の幻想界の人々にとっても、まさに天災だったことでしょう」
抵抗する気さえ起こさぬ圧倒的な力。
一度行使されれば嵐に耐える花のように息を潜めてじっとしている事しかできない。
いいえ、きっと力を振るわれたことさえ気付かないかもしれません。
神格である三界の王の力はあまりにも強大で、力無い民衆は天を仰いで呆然とするしかないのです。
「今あなた方は、まるで次に起こす天災を話し合っているようですよ」
「ブレイラ、言い過ぎだ!」
ジェノキスが強い口調で言いました。
そんなの私だって分かっています。
本来、私は力無き民衆の一人にしかすぎません。神に語り掛ける時は教会へ行き、偶像に祈りを捧げる。それだけの行為しか許されない身です。
でも生憎、私は神に祈ったことなどないのです。
「私はゼロスと約束しました。ずっと一緒にいようと」
私のこの言葉に三界の王が息を飲み、ゼロスは驚いて目を見開く。
なにを驚いているのです。あなたが約束させたというのに。
私はゼロスに向かって笑いかけました。
「あなたとの約束は、私をとても困らせるものです。今も困って、どうやって叶えようか悩んでしまいます。叶えられるかもしれません、叶えられないかもしれません。でも最善に至る選択を常に探しています」
私はそう言ってもう一度笑いかけると、今度はハウストを見ました。
怖い顔です。とても怒っています。
あなたは、王妃になったばかりの者に対してそんな顔をするのですか。
「ハウスト、もっと優しい顔をしてください。私はあなたの王妃でしょう」
「されたければ言葉を選べ。お前は俺を脅しているのか」
「脅し……、そう取られるのは本意ではありません。でもそう思われるということは、あなたが私を愛してくれているからですね。ありがとうございます。あなたの力なら私を思うままにすることも可能です。でも、あなたは人形で満足するような方ではないことも存じています。そんなあなたを私も愛しています、心から」
「っ、……ブレイラ、お前」
ハウストの低い声。
怒ったような、困ったような顔。
あなたは自分も甘えさせろと言ったけれど、実際は私の方があなたに甘えていますね。
私はあなたが許してくれることを知っています。
それはあなたが私を愛しているからですが、それだけじゃありません。あなたはとても寛大で、雄大な大河のような王だからです。
次にフェルベオを見ました。
フェルベオは厳しい面差しで私を見据えています。
とても厳しい王です。勇者の親である私にいつも敬意を払ってくれますが、今回ばかりは許さないでしょう。
「無礼を許してください。私は遠い神には祈りませんが、身近な約束は守りたく思っています」
フェルベオは黙り込みました。
じっと見つめているとフェルベオが淡々と語りだす。
「ここで僕が精霊王の名で母君を裁くとしよう。すると何が起こる?」
「なにって……」
「僕は魔王と勇者を相手に戦わなければならなくなる。最悪、精霊界は魔界と人間界の連合軍を相手に開戦だ。そんな面白くない話しはない。精霊王として母君の無礼を許すことは出来ないが、しかし精霊王として精霊界を守らなければならない。悩ましいな」
フェルベオが淡々と語りました。
でも私の顔が綻んでいく。
悩ましいと言いながらも、フェルベオは王としての決断を下します。
以前、先代魔王の術が解けた時に自分の怒りを抑えて王として振る舞ったように。
最後にイスラを見ました。
イスラは大きな瞳に涙をためています。
瞳に滲むのは怯えの色。私が出す答えに怯えているのです。怖がらせてしまって、ごめんなさい。
「イスラ、あなたを悲しませる選択はしません。絶対に」
「っ、うんっ!」
イスラは大きく頷いて、ごしごしと涙を拭いました。
いたいけな姿に笑いかけ、いい子いい子と頭を撫でてあげます。
あなたは私の子どもです。何があっても、あなたを選ばない選択だけは有り得ません。
私はもう一度ゼロスに向き直りましたが、その時。
「フハハハハッ!! 神に祈るどころか注文するとは、さすがブレイラ様だ!!」
粗暴な声が辺りに響きました。
はっとして振り向き、驚愕に目を見開く。
「ヘルメス!」
そこにいたのはヘルメスでした。
ヘルメスはニヤリと笑うと、私を品定めするような目つきで見ます。あまりの不快さに唇を噛みしめる。
不穏な雰囲気に心臓がどくどくと嫌な鼓動を鳴らす。
私はハウストに聞こうとしましたが、ジェノキスに引き止められました。
「ストップ。ブレイラはこっち」
「どうしてですかっ。あの三人はゼロスをどうするつもりですか?」
「決まってるだろ。消すんだよ」
「え?」
突然すぎるそれに頭が真っ白になりました。
でもジェノキスが当然のように続けます。
「消滅させるんだ。冥界は澱みすぎた。この澱みが三界に及ぶと深刻な影響が出るって分かっただろ?」
「だ、だからって、そんな」
「三界を守るのは三界の王の役目だ。冥王を消すことが世界を守るってことだからな。冥王を殺したあと、ラマダを封じて消滅させる。あの女は冥界の大地の化身だ。幻想界ってのは不思議な世界だよな。大地から化身が生まれてたんだから」
頭が混乱しました。
三界の王は冥王を冥界ごと消滅させる決断をしたということ。
たしかに冥界は閉ざされた世界で、人間界に出現して三界を混乱に陥れました。多くの人命が失われ、傷ついたのです。
でも。
「待ってください!!」
体が咄嗟に動き、ゼロスを背にして三界の王たちの前に立つ。
三界の王に取り囲まれた傷だらけの冥王。
消滅を迫られる残酷な構図は、恐ろしく傲慢にすら見えるもの。
一万年も閉じ込めておきながら消滅させようというのです。
「これはあまりにも横暴ではありませんか? 冥王は一万年も閉じ込められていたというではありませんか!」
「退け、ブレイラ」
「退きません!」
動かない私にハウストが小さく舌打ちしました。
怯みそうになりましたが退くことはできません。
「冥王に情が移ったか?」
「……そういう訳ではないつもりです。でも、もう知らない相手ではなくなったのも事実です」
ゼロスと二人で暮らした時のことを覚えています。
術をかけられて騙されたことに間違いありませんが、ゼロスとの平穏な生活に幸せを感じたのも確かです。
ゼロスが与えてくれた世界は偽りだけれど、とても幸福に満ちていた。理想ともいえる世界だったのです。
もしゼロスが本当に心無い男なら、あの優しい世界を作ることなど出来なかったでしょう。
「……私は、あなた方の判断が酷く理不尽なものに思えてしまうのです。お願いですから考え直してください」
「冥界は罪を犯した。許されてはならない罪だ」
「許されてはならないのなら、どうして罰を与えたのです! 一万年前に消滅させれば良かったじゃないですか!」
強く言い返すとハウストたちは黙り込みました。
その様子に、冥界の大地に見せられた映像に合点がいきます。
「……しなかったのですよね? 罰という名の犠牲だったのではないですか?」
「……お前ももう分かっているだろう。神格の王が四人揃うと神になる条件が揃う。一つの世界を閉ざすことで、一万年前以降の三つの世界が守られた。王として当然の決断だ」
ハウストが淡々と言いました。
たしかに邪な心を持った王が現れて神になることを望めば、すべての世界は混乱して多くの犠牲を生むでしょう。先代魔王の時代がそうであったように。
だから一万年前の魔王と勇者と精霊王は冥王を封じたのですね。神の出現を封じる為だけに。
ああ、でも私、分かりましたよ。
「……どうして理不尽に思えるのか分かりました」
私は魔界の王・ハウスト、精霊界の王・フェルベオ、人間界の王・イスラ、この三界の王たちを順に見ました。
「あなた方は、まるで天災ですね」
「ブレイラ……?」
「今、あなた方が下す決断も、行使する力も、あまりに途方もなく強大で、私のような力のない者には理不尽な天災のように思えるのです。実際、冥界が閉ざされた時の幻想界の人々にとっても、まさに天災だったことでしょう」
抵抗する気さえ起こさぬ圧倒的な力。
一度行使されれば嵐に耐える花のように息を潜めてじっとしている事しかできない。
いいえ、きっと力を振るわれたことさえ気付かないかもしれません。
神格である三界の王の力はあまりにも強大で、力無い民衆は天を仰いで呆然とするしかないのです。
「今あなた方は、まるで次に起こす天災を話し合っているようですよ」
「ブレイラ、言い過ぎだ!」
ジェノキスが強い口調で言いました。
そんなの私だって分かっています。
本来、私は力無き民衆の一人にしかすぎません。神に語り掛ける時は教会へ行き、偶像に祈りを捧げる。それだけの行為しか許されない身です。
でも生憎、私は神に祈ったことなどないのです。
「私はゼロスと約束しました。ずっと一緒にいようと」
私のこの言葉に三界の王が息を飲み、ゼロスは驚いて目を見開く。
なにを驚いているのです。あなたが約束させたというのに。
私はゼロスに向かって笑いかけました。
「あなたとの約束は、私をとても困らせるものです。今も困って、どうやって叶えようか悩んでしまいます。叶えられるかもしれません、叶えられないかもしれません。でも最善に至る選択を常に探しています」
私はそう言ってもう一度笑いかけると、今度はハウストを見ました。
怖い顔です。とても怒っています。
あなたは、王妃になったばかりの者に対してそんな顔をするのですか。
「ハウスト、もっと優しい顔をしてください。私はあなたの王妃でしょう」
「されたければ言葉を選べ。お前は俺を脅しているのか」
「脅し……、そう取られるのは本意ではありません。でもそう思われるということは、あなたが私を愛してくれているからですね。ありがとうございます。あなたの力なら私を思うままにすることも可能です。でも、あなたは人形で満足するような方ではないことも存じています。そんなあなたを私も愛しています、心から」
「っ、……ブレイラ、お前」
ハウストの低い声。
怒ったような、困ったような顔。
あなたは自分も甘えさせろと言ったけれど、実際は私の方があなたに甘えていますね。
私はあなたが許してくれることを知っています。
それはあなたが私を愛しているからですが、それだけじゃありません。あなたはとても寛大で、雄大な大河のような王だからです。
次にフェルベオを見ました。
フェルベオは厳しい面差しで私を見据えています。
とても厳しい王です。勇者の親である私にいつも敬意を払ってくれますが、今回ばかりは許さないでしょう。
「無礼を許してください。私は遠い神には祈りませんが、身近な約束は守りたく思っています」
フェルベオは黙り込みました。
じっと見つめているとフェルベオが淡々と語りだす。
「ここで僕が精霊王の名で母君を裁くとしよう。すると何が起こる?」
「なにって……」
「僕は魔王と勇者を相手に戦わなければならなくなる。最悪、精霊界は魔界と人間界の連合軍を相手に開戦だ。そんな面白くない話しはない。精霊王として母君の無礼を許すことは出来ないが、しかし精霊王として精霊界を守らなければならない。悩ましいな」
フェルベオが淡々と語りました。
でも私の顔が綻んでいく。
悩ましいと言いながらも、フェルベオは王としての決断を下します。
以前、先代魔王の術が解けた時に自分の怒りを抑えて王として振る舞ったように。
最後にイスラを見ました。
イスラは大きな瞳に涙をためています。
瞳に滲むのは怯えの色。私が出す答えに怯えているのです。怖がらせてしまって、ごめんなさい。
「イスラ、あなたを悲しませる選択はしません。絶対に」
「っ、うんっ!」
イスラは大きく頷いて、ごしごしと涙を拭いました。
いたいけな姿に笑いかけ、いい子いい子と頭を撫でてあげます。
あなたは私の子どもです。何があっても、あなたを選ばない選択だけは有り得ません。
私はもう一度ゼロスに向き直りましたが、その時。
「フハハハハッ!! 神に祈るどころか注文するとは、さすがブレイラ様だ!!」
粗暴な声が辺りに響きました。
はっとして振り向き、驚愕に目を見開く。
「ヘルメス!」
そこにいたのはヘルメスでした。
ヘルメスはニヤリと笑うと、私を品定めするような目つきで見ます。あまりの不快さに唇を噛みしめる。
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