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勇者のママは環の婚礼を魔王様と≪婚約編≫
四ノ環・勇者は保護者同伴で現われる1
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西都の視察を終えた私たちは、消えた砂漠の都の謎を追って人間界へ降り立ちました。
全身を包むようにして頭からすっぽりと大判の布を纏い、慣れない砂漠の大地をラクダに乗って進む。
砂漠の陽射しはじりじりと痛いくらいで、ここでは暑くても全身を覆うことは必須です。
「イスラ、喉は乾いていませんか?」
「だいじょうぶ」
「ではこのまま進みましょう。この砂丘の向こうに消えた都の跡地があるそうです」
私は一緒にラクダに乗っているイスラに声をかけ、ハウストとともにラクダで砂丘を登る。他にも供の女官コレットや侍女たち、そして王直属精鋭部隊の護衛兵たちも一緒です。
私は周囲を見回し、何度目かの感心のため息をつきました。
「凄いですね、砂漠というのは本当に砂ばかりの場所なんですね。こんな光景を見たのは生まれて初めてです。同じ人間界でも場所によってこんなに気候が違うなんて」
自分が生まれ育った山々や海洋王国モルカナを思い出します。
知識では知っていたつもりでしたが、砂漠という過酷な気候を体験して改めて勉強になりました。
「この砂漠はサニカ連邦の半分を占める広さだ。人間界にある砂漠の中でも一番大きなものだからな」
「これだけ広いと迫力があります」
ハウストの説明に私も頷く。
今、私たちは人間界の砂漠地帯へ来ていました。
そう、魔界で保護されているサーシャの故郷です。
一夜で消えたという砂漠の都アロカサル。それは七つの小国で構成されたサニカ連邦の六ノ国にある砂漠の都でした。そこは乾いた大地でありながら、砂漠の花と称されるほどの豊かな都だったそうです。
しかしそれほどの都が一夜にして消えてしまい、この不可解な現象を解決してほしいと六ノ国の王から勇者イスラに書簡が届きました。書簡は勇者イスラ宛ですが、イスラはまだ幼い子どもです。保護者同伴は当然ですよね、今回の旅に私とハウストも同行することにしました。
魔王が直々に動くとあって六ノ国側は大変な騒ぎになったそうですが、関わるのはあくまで消えた都の一件のみということで理解していただけました。
そして今回、私たちが人間界に降り立つ報せは精霊界にも伝わっています。
人間の王である勇者イスラだけが人間界に関わるのは問題ありませんが、魔王はそうはいかないのです。同格の力を持つ精霊界との関係は複雑です。魔界と精霊界は、第三国での会談を成功させてから距離を縮めましたが、長年の断絶状態がいきなり解消されるわけがありません。現在は相合監視というバランスをとっているのです。その為、互いの世界が人間界に関わる時は調整が必要でした。
「後少しだ。行くぞ」
「はい」
ハウストを先頭にしてラクダを進ませ、砂丘の天辺へとようやく辿り着きました。
そこから眼下を見下ろし、広がる光景にため息をつく。そこにはここに来るまでと同じ砂漠の景色しかなかったのです。
「本当に何もありませんね。都があったなんて信じられません……。もう少し近づいてみますか?」
「そうだな」
砂丘を降りて都があった場所へ近づいていく。
するとイスラが訝しげに表情を顰めました。
「……ここ、へんだ」
「変? どう変なんです?」
やはり勇者として何か感じるのでしょうか。
しかしイスラは首を傾げるばかりです。
「……わからない。でも、へん」
分からないけれど何かを感じているということですね。
それはひどく曖昧で不確かなことではありますが、勇者が感じる異変を無碍にはできません。
私たちはラクダを降りて都があったという場所へ近づいていく。
そこはどう見ても砂漠で、どこからどこまで都だったのかさっぱりです。
「砂漠しかありませんね。なにか手掛かりのような物があるかと思ったんですが……、っ、これは!」
そのまま歩いていると、不意に足元に魔法陣が広がりました。
しかも魔法陣は闇色の沼となり、背筋がゾッとする。
「この魔法陣はオークのっ!」
そう、この闇色の沼を忘れられるはずがありません。
青褪めた私を守るようにしてハウストが側に立ってくれます。
「大丈夫だ、俺がいるのを忘れたか?」
「ハウスト、ありがとうございます」
安堵とともに礼を言うと、ハウストが私を背後に下がらせました。
そして私たちを取り巻くようにして護衛兵、他にコレットや侍女たちまで戦闘に備えて身構えます。
私はイスラの手を引いて一緒に下がらせようとしましたが、イスラが少し拗ねた顔になってしまう。
「……オレもたたかえるぞ」
「そうかもしれませんが、相手は冥界の怪物です。あなたには危険です」
「オレはゆうしゃだ。きけんじゃない」
「勇者でも子どもです」
「でも……」
イスラが面白くなさそうに小さな唇を尖らせました。
でも戦闘を許したくありません。イスラの魔力が高いことも、剣術の稽古をしていることも知っています。しかしそういう問題ではありません。
「ブレイラ、イスラなら大丈夫だ」
「ハウストまで」
「実戦経験はイスラの為にもなる」
「し、しかし、相手は冥界の怪物ですしっ」
こうして話している間にも、とうとう沼底からオークが這い出てきました。
二十体を越える数と、その醜悪な姿に息を飲む。
オークは魔族の中に人間である私を見つけると雄叫びをあげて襲いかかってきます。
あまりのおぞましさに悲鳴を上げそうになりましたが、オークが私に辿り着くことはありません。
護衛兵は当然ながら、コレットや侍女たちまでオークたちと戦いだしたのです。しかも冥界の怪物であるオークを前にしても怯む者などおらず、圧倒的とすら思える見事な戦いぶりでした。
普段は粛々と淑やかに役目をこなしている彼女たちの意外な姿に驚いてしまう。
「ハウスト、これはいったい……」
「お前専属の女官や侍女はそれなりの訓練を受けた手練れの者達で構成している。特にコレットは武門で名を馳せる名家の令嬢だ。本人も元々精鋭部隊の一人でなかなかの使い手だぞ」
「そうでしたか……」
たしかに素人の私から見てもコレットの動きは一際抜き出たものだと分かります。細身の剣で急所を正確無比に攻撃していく様は見ていて圧巻でした。
目の前で始まった戦闘を驚きながらも見守っていましたが、ふと側にいたイスラが小さな体をうずうずさせ始めました。
嫌な予感がするそれに、イスラの手を繋いでおこうと思いましたが。
「ブレイラ、オレもたたかってくる!」
「イスラ!」
引き止める前にイスラがぴゅーっと飛びだしていってしまいました。
慌てて追いかけようとしましたが、「お前はやめておけ」とハウストに制止されます。
「ハウスト、邪魔しないでください! 相手は冥界の怪物です! いくらイスラが勇者でも、子どもに怪物と戦わせるなんてっ……」
「お前の気持ちも分かるがイスラは三界の王だ。いずれ勇者として今よりもっと厄介な怪物と戦うことになるはずだ。ならば今はここで、お前や俺の目の届くところで実戦経験を積ませた方が安心だとは思わないか?」
「……それは、そうですが……」
ハウストの言うことは尤もでした。
今までイスラは先代魔王やクラーケンといった巨悪と戦ってきました。これからもそういうことから逃れられないというなら、たしかに今のような安全圏で戦いながら強くなっていってくれた方がいいです。自分の知らないところでイスラが一人で戦うのは嫌です。
私はイスラをハラハラした面持ちで見つめました。
全身を包むようにして頭からすっぽりと大判の布を纏い、慣れない砂漠の大地をラクダに乗って進む。
砂漠の陽射しはじりじりと痛いくらいで、ここでは暑くても全身を覆うことは必須です。
「イスラ、喉は乾いていませんか?」
「だいじょうぶ」
「ではこのまま進みましょう。この砂丘の向こうに消えた都の跡地があるそうです」
私は一緒にラクダに乗っているイスラに声をかけ、ハウストとともにラクダで砂丘を登る。他にも供の女官コレットや侍女たち、そして王直属精鋭部隊の護衛兵たちも一緒です。
私は周囲を見回し、何度目かの感心のため息をつきました。
「凄いですね、砂漠というのは本当に砂ばかりの場所なんですね。こんな光景を見たのは生まれて初めてです。同じ人間界でも場所によってこんなに気候が違うなんて」
自分が生まれ育った山々や海洋王国モルカナを思い出します。
知識では知っていたつもりでしたが、砂漠という過酷な気候を体験して改めて勉強になりました。
「この砂漠はサニカ連邦の半分を占める広さだ。人間界にある砂漠の中でも一番大きなものだからな」
「これだけ広いと迫力があります」
ハウストの説明に私も頷く。
今、私たちは人間界の砂漠地帯へ来ていました。
そう、魔界で保護されているサーシャの故郷です。
一夜で消えたという砂漠の都アロカサル。それは七つの小国で構成されたサニカ連邦の六ノ国にある砂漠の都でした。そこは乾いた大地でありながら、砂漠の花と称されるほどの豊かな都だったそうです。
しかしそれほどの都が一夜にして消えてしまい、この不可解な現象を解決してほしいと六ノ国の王から勇者イスラに書簡が届きました。書簡は勇者イスラ宛ですが、イスラはまだ幼い子どもです。保護者同伴は当然ですよね、今回の旅に私とハウストも同行することにしました。
魔王が直々に動くとあって六ノ国側は大変な騒ぎになったそうですが、関わるのはあくまで消えた都の一件のみということで理解していただけました。
そして今回、私たちが人間界に降り立つ報せは精霊界にも伝わっています。
人間の王である勇者イスラだけが人間界に関わるのは問題ありませんが、魔王はそうはいかないのです。同格の力を持つ精霊界との関係は複雑です。魔界と精霊界は、第三国での会談を成功させてから距離を縮めましたが、長年の断絶状態がいきなり解消されるわけがありません。現在は相合監視というバランスをとっているのです。その為、互いの世界が人間界に関わる時は調整が必要でした。
「後少しだ。行くぞ」
「はい」
ハウストを先頭にしてラクダを進ませ、砂丘の天辺へとようやく辿り着きました。
そこから眼下を見下ろし、広がる光景にため息をつく。そこにはここに来るまでと同じ砂漠の景色しかなかったのです。
「本当に何もありませんね。都があったなんて信じられません……。もう少し近づいてみますか?」
「そうだな」
砂丘を降りて都があった場所へ近づいていく。
するとイスラが訝しげに表情を顰めました。
「……ここ、へんだ」
「変? どう変なんです?」
やはり勇者として何か感じるのでしょうか。
しかしイスラは首を傾げるばかりです。
「……わからない。でも、へん」
分からないけれど何かを感じているということですね。
それはひどく曖昧で不確かなことではありますが、勇者が感じる異変を無碍にはできません。
私たちはラクダを降りて都があったという場所へ近づいていく。
そこはどう見ても砂漠で、どこからどこまで都だったのかさっぱりです。
「砂漠しかありませんね。なにか手掛かりのような物があるかと思ったんですが……、っ、これは!」
そのまま歩いていると、不意に足元に魔法陣が広がりました。
しかも魔法陣は闇色の沼となり、背筋がゾッとする。
「この魔法陣はオークのっ!」
そう、この闇色の沼を忘れられるはずがありません。
青褪めた私を守るようにしてハウストが側に立ってくれます。
「大丈夫だ、俺がいるのを忘れたか?」
「ハウスト、ありがとうございます」
安堵とともに礼を言うと、ハウストが私を背後に下がらせました。
そして私たちを取り巻くようにして護衛兵、他にコレットや侍女たちまで戦闘に備えて身構えます。
私はイスラの手を引いて一緒に下がらせようとしましたが、イスラが少し拗ねた顔になってしまう。
「……オレもたたかえるぞ」
「そうかもしれませんが、相手は冥界の怪物です。あなたには危険です」
「オレはゆうしゃだ。きけんじゃない」
「勇者でも子どもです」
「でも……」
イスラが面白くなさそうに小さな唇を尖らせました。
でも戦闘を許したくありません。イスラの魔力が高いことも、剣術の稽古をしていることも知っています。しかしそういう問題ではありません。
「ブレイラ、イスラなら大丈夫だ」
「ハウストまで」
「実戦経験はイスラの為にもなる」
「し、しかし、相手は冥界の怪物ですしっ」
こうして話している間にも、とうとう沼底からオークが這い出てきました。
二十体を越える数と、その醜悪な姿に息を飲む。
オークは魔族の中に人間である私を見つけると雄叫びをあげて襲いかかってきます。
あまりのおぞましさに悲鳴を上げそうになりましたが、オークが私に辿り着くことはありません。
護衛兵は当然ながら、コレットや侍女たちまでオークたちと戦いだしたのです。しかも冥界の怪物であるオークを前にしても怯む者などおらず、圧倒的とすら思える見事な戦いぶりでした。
普段は粛々と淑やかに役目をこなしている彼女たちの意外な姿に驚いてしまう。
「ハウスト、これはいったい……」
「お前専属の女官や侍女はそれなりの訓練を受けた手練れの者達で構成している。特にコレットは武門で名を馳せる名家の令嬢だ。本人も元々精鋭部隊の一人でなかなかの使い手だぞ」
「そうでしたか……」
たしかに素人の私から見てもコレットの動きは一際抜き出たものだと分かります。細身の剣で急所を正確無比に攻撃していく様は見ていて圧巻でした。
目の前で始まった戦闘を驚きながらも見守っていましたが、ふと側にいたイスラが小さな体をうずうずさせ始めました。
嫌な予感がするそれに、イスラの手を繋いでおこうと思いましたが。
「ブレイラ、オレもたたかってくる!」
「イスラ!」
引き止める前にイスラがぴゅーっと飛びだしていってしまいました。
慌てて追いかけようとしましたが、「お前はやめておけ」とハウストに制止されます。
「ハウスト、邪魔しないでください! 相手は冥界の怪物です! いくらイスラが勇者でも、子どもに怪物と戦わせるなんてっ……」
「お前の気持ちも分かるがイスラは三界の王だ。いずれ勇者として今よりもっと厄介な怪物と戦うことになるはずだ。ならば今はここで、お前や俺の目の届くところで実戦経験を積ませた方が安心だとは思わないか?」
「……それは、そうですが……」
ハウストの言うことは尤もでした。
今までイスラは先代魔王やクラーケンといった巨悪と戦ってきました。これからもそういうことから逃れられないというなら、たしかに今のような安全圏で戦いながら強くなっていってくれた方がいいです。自分の知らないところでイスラが一人で戦うのは嫌です。
私はイスラをハラハラした面持ちで見つめました。
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