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勇者と冥王のママは創世を魔王様と
第九章・魔界騒乱~王と月と~11
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ギルフリートが消滅し、魔界は騒乱の危機を乗り越えました。
王都は多くの建物が破壊され、怪我人が診療所や救護天幕に列を作っています。そんな状態のなかでも復興に動き出した魔族もいて、騒乱が終結したことに民衆に安堵が広がっていました。
しかし今、城の応接間に集まった者達に笑顔はありません。
現在応接間には魔王ハウスト、フェリクトール、四大公爵、精霊界からはジェノキス、人間界からはアベルとエルマリスの面々が揃っています。エルマリスは騒乱の報告を受け、国王アベルを心配して急遽魔界を訪れたのです。
そして他に、私とイスラとゼロスもいました。理由は、イスラが勇者でゼロスが冥王だから。二人の親である私も同席しています。
「あぶっ、あーあー!」
膝に乗せているゼロスがテーブルのクッキーを指差しました。
テーブルには人数分のティーセット。紅茶とお菓子が並んでいて、先ほどからイスラとゼロスが目をキラキラさせています。
食べさせろと言うのですね。もちろんダメに決まっています。イスラはともかく、ゼロスはまだ赤ちゃんなんですから赤ちゃん用のお菓子でなければいけません。
「いけませんよ。ゼロスにはまだ早いです。もう少し大きくなってからにしましょうね」
「ぶーっ」
「ぶーっ、ではありません。ダメなものはダメです」
譲ってあげられない私にゼロスが「あう……」と大きな瞳を潤ませる。
諦めてくれるかと思いましたが、ふとゼロスが離れた位置に座っているハウストを見ました。
「あー、うー、あーあー!」
ゼロスはクッキーを指差し、なぜかハウストに訴えだしました。
それに気付いたハウストが一瞬表情を変えたものの、素知らぬ様子で顔を背けてしまう。
そんなハウストの反応に私も無意識に視線を下げました。城で迷子になったゼロスを保護してくれていたのはハウストです。とても驚いたけれど、とても嬉しかった。彼はイスラやゼロスのことを忘れてしまったけれど、どこかで覚えていてくれたのかもしれないと……。でも彼はゼロスから顔を背けてしまった。
「ゼロス、いけません。あなたにはまだ早いんです」
「あぶーっ、あー! あー!」
しかしゼロスはしつこいほどハウストに訴えています。
頑なにハウストはゼロスと顔を合わせなくて、それは不自然なくらいで。……顔を背けられて落ち込んでみたものの心配になってくる。いったいどうしたんでしょうか。何かあったんでしょうか。
不思議に思いますが今はゼロスを静かにさせなければ。ここにはお菓子を食べる為に集まっている訳ではないのです。
「……すみません。大事な話し合いなのに、うるさくしてしまっていますね」
「…………気にしていない」
「ありがとうございます」
「あうあーっ! あぶーっ、あー! あー!」
こうして謝っているというのに、その横でゼロスは更に大きな声をだしてしまう。
一生懸命クッキーを指差し、ハウストに向かって激しく訴えている。しかもハウストとクッキーを交互に指差しだします。なにがなんだか分かりません。
「こらっ、いけません」
「あぶーっ、あー!」
「ゼロス、ワガママはダメだぞ? ブレイラがダメだっていってるのに、たべたらブレイラにきらわれるぞ?」
「あぶっ?!」
ゼロスが泣きそうな顔で見上げてくる。
眉を八の字にして、可愛いですね。
「あなたを嫌ったりしませんよ。でもクッキーはもう少し大きくなるまで待ってほしいんです。分かってくださいね?」
「あう~……」
いい子いい子と撫でながら言うと、ようやく諦めてくれたのか静かになりました。
少し可哀想ですが仕方ないことです。ゼロスはまだ赤ちゃんなんですから。
でもなんでハウストを恨めしげに見てるんですか……。
「帰ったらあなた用のクッキーを作ってあげます。だから今は我慢ですよ? これはあなたが食べるには甘過ぎるんです。赤ちゃんはなんでも食べれる訳じゃないんですから、なんでもかんでもあげられる訳じゃ、……あの、どうしました?」
ハウストが呆然とこちらを見ていました。
彼の顔が少し青褪めて見えるのは気のせいでしょうか。
「……いや、なんでもない。それより今後のことだが」
ハウストは咳払いし、今後のことを話し出します。
騒乱はギルフリートの消滅で解決したけれど、すべての問題が解決したわけではないのです。
ギルフリートや人形兵士に埋め込まれていた魔石の欠片は、ギルフリートが積年の研究で作り出した人工魔石『虚無の魔石』ではなかったのです。
そして止まらない冥界の混沌。混沌は激しさを増すばかりで、それはある一つの答えを導きだしてしまう。
ジェノキスが深刻な顔で口を開きます。
「……さっき精霊界から追加の調査報告が届いた。虚無の魔石はやはり冥界にある。場所はおそらく……冥王の玉座」
「冥王の玉座っ……」
想像もしていなかった場所に息を飲む。
そこは冥界の中心。冥王のみが座することを許される場所。
「なるほど、だから混沌が増しているのか。玉座は特別な場所だ。虚無の魔石の力を増幅させるには打ってつけだったんだろう」
フェリクトールが納得したように頷きました。
ギルフリートは自らも実験体となるほど研究に没頭し、最高傑作と自負する虚無の魔石を完成させました。その魔石が最も力を発揮できる場所が神格の王の玉座だったのです。
魔界には魔王、精霊界には精霊王、国を持たない勇者には玉座は不要、冥界だけが空席。そうなると必然的に創世期を迎えた冥界の玉座が打ってつけだったのでしょう。
ギルフリートが死んだ今も尚、虚無の魔石は冥界で猛威を振るって三界に危機を齎している。
「それじゃあ、冥界はどうなるんですか? ゼロスはっ……」
四大公爵会議は騒乱の影響で中断していますが、本当なら今日の決議で冥界の運命が決まるはずでした。
嫌な予感に全身の血の気が引いていく。
ギルフリートは死んでも冥界の混沌は止まらない。ならば冥界ごと消滅させることが最善であり、最も手早く三界に平穏を取り戻す方法なのです。
きっとここにいる誰もがその方法が最善の手段であると気付いているはず。
ゼロスを抱く腕に力が籠もる。
決議が下される前に冥界の嘆願をしようと口を開きかけた時。
「――――気に入らんな」
ハウストが淡々とした声色で言いました。
はっとして振り向く。
彼の声は淡々としていたのに鳶色の瞳は爛々とした怒りを帯びている。
そして。
「冥王の玉座は神格の王の玉座。玉座を許されるのは王のみ。そこに石ころが乗っているという事実が気に入らん」
その言葉に息を飲む。
ハウストがゼロスを見て、次に私を見ました。
「玉座に乗った石を排除する。そこから戴冠でもなんでも好きにしろ」
「そ、それじゃあ、冥界を消滅させる話しはなくなったんですね!」
思わず立ち上がった私にハウストが驚いたように顎を引く。
はしたない真似をしたと気付いて慌てて座り直します。
でも嬉しくて膝に乗っているゼロスに笑いかけました。
「ゼロス、良かったですね!」
「あう?」
「ふふふ、これからも一緒という意味ですよ」
「あぶぶっ!」
ゼロスがくるりと振り返って、全身でぎゅっとしがみ付いてきました。
きっと意味など分かっていないでしょうが嬉しいという気持ちは伝わっているのですね。
王都は多くの建物が破壊され、怪我人が診療所や救護天幕に列を作っています。そんな状態のなかでも復興に動き出した魔族もいて、騒乱が終結したことに民衆に安堵が広がっていました。
しかし今、城の応接間に集まった者達に笑顔はありません。
現在応接間には魔王ハウスト、フェリクトール、四大公爵、精霊界からはジェノキス、人間界からはアベルとエルマリスの面々が揃っています。エルマリスは騒乱の報告を受け、国王アベルを心配して急遽魔界を訪れたのです。
そして他に、私とイスラとゼロスもいました。理由は、イスラが勇者でゼロスが冥王だから。二人の親である私も同席しています。
「あぶっ、あーあー!」
膝に乗せているゼロスがテーブルのクッキーを指差しました。
テーブルには人数分のティーセット。紅茶とお菓子が並んでいて、先ほどからイスラとゼロスが目をキラキラさせています。
食べさせろと言うのですね。もちろんダメに決まっています。イスラはともかく、ゼロスはまだ赤ちゃんなんですから赤ちゃん用のお菓子でなければいけません。
「いけませんよ。ゼロスにはまだ早いです。もう少し大きくなってからにしましょうね」
「ぶーっ」
「ぶーっ、ではありません。ダメなものはダメです」
譲ってあげられない私にゼロスが「あう……」と大きな瞳を潤ませる。
諦めてくれるかと思いましたが、ふとゼロスが離れた位置に座っているハウストを見ました。
「あー、うー、あーあー!」
ゼロスはクッキーを指差し、なぜかハウストに訴えだしました。
それに気付いたハウストが一瞬表情を変えたものの、素知らぬ様子で顔を背けてしまう。
そんなハウストの反応に私も無意識に視線を下げました。城で迷子になったゼロスを保護してくれていたのはハウストです。とても驚いたけれど、とても嬉しかった。彼はイスラやゼロスのことを忘れてしまったけれど、どこかで覚えていてくれたのかもしれないと……。でも彼はゼロスから顔を背けてしまった。
「ゼロス、いけません。あなたにはまだ早いんです」
「あぶーっ、あー! あー!」
しかしゼロスはしつこいほどハウストに訴えています。
頑なにハウストはゼロスと顔を合わせなくて、それは不自然なくらいで。……顔を背けられて落ち込んでみたものの心配になってくる。いったいどうしたんでしょうか。何かあったんでしょうか。
不思議に思いますが今はゼロスを静かにさせなければ。ここにはお菓子を食べる為に集まっている訳ではないのです。
「……すみません。大事な話し合いなのに、うるさくしてしまっていますね」
「…………気にしていない」
「ありがとうございます」
「あうあーっ! あぶーっ、あー! あー!」
こうして謝っているというのに、その横でゼロスは更に大きな声をだしてしまう。
一生懸命クッキーを指差し、ハウストに向かって激しく訴えている。しかもハウストとクッキーを交互に指差しだします。なにがなんだか分かりません。
「こらっ、いけません」
「あぶーっ、あー!」
「ゼロス、ワガママはダメだぞ? ブレイラがダメだっていってるのに、たべたらブレイラにきらわれるぞ?」
「あぶっ?!」
ゼロスが泣きそうな顔で見上げてくる。
眉を八の字にして、可愛いですね。
「あなたを嫌ったりしませんよ。でもクッキーはもう少し大きくなるまで待ってほしいんです。分かってくださいね?」
「あう~……」
いい子いい子と撫でながら言うと、ようやく諦めてくれたのか静かになりました。
少し可哀想ですが仕方ないことです。ゼロスはまだ赤ちゃんなんですから。
でもなんでハウストを恨めしげに見てるんですか……。
「帰ったらあなた用のクッキーを作ってあげます。だから今は我慢ですよ? これはあなたが食べるには甘過ぎるんです。赤ちゃんはなんでも食べれる訳じゃないんですから、なんでもかんでもあげられる訳じゃ、……あの、どうしました?」
ハウストが呆然とこちらを見ていました。
彼の顔が少し青褪めて見えるのは気のせいでしょうか。
「……いや、なんでもない。それより今後のことだが」
ハウストは咳払いし、今後のことを話し出します。
騒乱はギルフリートの消滅で解決したけれど、すべての問題が解決したわけではないのです。
ギルフリートや人形兵士に埋め込まれていた魔石の欠片は、ギルフリートが積年の研究で作り出した人工魔石『虚無の魔石』ではなかったのです。
そして止まらない冥界の混沌。混沌は激しさを増すばかりで、それはある一つの答えを導きだしてしまう。
ジェノキスが深刻な顔で口を開きます。
「……さっき精霊界から追加の調査報告が届いた。虚無の魔石はやはり冥界にある。場所はおそらく……冥王の玉座」
「冥王の玉座っ……」
想像もしていなかった場所に息を飲む。
そこは冥界の中心。冥王のみが座することを許される場所。
「なるほど、だから混沌が増しているのか。玉座は特別な場所だ。虚無の魔石の力を増幅させるには打ってつけだったんだろう」
フェリクトールが納得したように頷きました。
ギルフリートは自らも実験体となるほど研究に没頭し、最高傑作と自負する虚無の魔石を完成させました。その魔石が最も力を発揮できる場所が神格の王の玉座だったのです。
魔界には魔王、精霊界には精霊王、国を持たない勇者には玉座は不要、冥界だけが空席。そうなると必然的に創世期を迎えた冥界の玉座が打ってつけだったのでしょう。
ギルフリートが死んだ今も尚、虚無の魔石は冥界で猛威を振るって三界に危機を齎している。
「それじゃあ、冥界はどうなるんですか? ゼロスはっ……」
四大公爵会議は騒乱の影響で中断していますが、本当なら今日の決議で冥界の運命が決まるはずでした。
嫌な予感に全身の血の気が引いていく。
ギルフリートは死んでも冥界の混沌は止まらない。ならば冥界ごと消滅させることが最善であり、最も手早く三界に平穏を取り戻す方法なのです。
きっとここにいる誰もがその方法が最善の手段であると気付いているはず。
ゼロスを抱く腕に力が籠もる。
決議が下される前に冥界の嘆願をしようと口を開きかけた時。
「――――気に入らんな」
ハウストが淡々とした声色で言いました。
はっとして振り向く。
彼の声は淡々としていたのに鳶色の瞳は爛々とした怒りを帯びている。
そして。
「冥王の玉座は神格の王の玉座。玉座を許されるのは王のみ。そこに石ころが乗っているという事実が気に入らん」
その言葉に息を飲む。
ハウストがゼロスを見て、次に私を見ました。
「玉座に乗った石を排除する。そこから戴冠でもなんでも好きにしろ」
「そ、それじゃあ、冥界を消滅させる話しはなくなったんですね!」
思わず立ち上がった私にハウストが驚いたように顎を引く。
はしたない真似をしたと気付いて慌てて座り直します。
でも嬉しくて膝に乗っているゼロスに笑いかけました。
「ゼロス、良かったですね!」
「あう?」
「ふふふ、これからも一緒という意味ですよ」
「あぶぶっ!」
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