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勇者と冥王のママは創世を魔王様と

第一章・冥界創世5

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「ンンッ、ハウス……ト、すきです。あなたが、すきっ……、はあッ、あ」
「ブレイラっ……」

 ハウストが私の名を呼び、目を眇めました。
 眉間に皺を作って、癖になったらどうするのです。
 私は震える指を伸ばし、愛していますよと眉間の皺を撫でてあげました。
 でも彼の眉間の皺が更に深くなってしまって。

「え? あ、ハウストっ……! ああッ、んッ、あ、ああッ!」
「クソッ、おまえ、人がせっかくっ……!」
「ああッ……!」

 ぐっとナカまで抉られて全身に電流が走りました。
 呼吸が乱れて、慌てて彼の背中を叩く。

「ま、まって、さっきはあんなにっ……、あッ、あぅっ、はッ、アアッ」
「お前が悪いっ」

 彼は呻るような低い声で言うと、腰の動きを速めてしまう。
 突然のそれに私は驚いて彼にしがみつく。でももっと深く繋がって背中を丸めて身悶えます。
 抜き差しされる後孔は熟れて、彼の動きに高められていく。
 ギシギシと激しくベッドが軋んで、彼も私も限界が近い。

「っ、だすぞっ……」
「ぅッ。あっ、ああッ、んッ……!」

 彼の昂ぶりが弾けて奥でじわりと熱が広がる。
 その刺激に私も絶頂を迎え、彼の鍛えられた硬い腹に白濁を散らせました。
 昂ぶりを解放し、ハウストが抜かないまま覆い被さるように私を抱きしめます。
 互いに荒い呼吸で、密着した胸が上下に動いている。
 耳にハウストの荒い呼吸がかかってくすぐったい。
 荒い呼吸も整わないうちに耳元で名を呼ばれます。

「っ、……ブレイラ」
「なんで、しょうか……」
「愛してるぞ」
「はい。……私も、あなたを愛していますよ」
 言葉を交わして、目と目が合って、小さく笑い合いました。
 また抱きしめ合ったまま口付けを交わす。
 密着すると、くちゅりと繋がったままの結合部から音がする。
 しかもそれだけじゃない、彼の腹にかかった私の白濁が肌と肌の間にあって、お世辞にも気持ちいいとは言えない状態です。でも離れたくないです。だってとても心地良い。
 彼も同じことを思ってくれているようで、私に覆い被さって抱きしめたまま腕の力が緩むことはありません。
 ああすごくいい雰囲気。この甘い疲労感と穏やかな心地良さに揺蕩って、このまま眠ってしまったらどうしましょう。なんて浮かれたことを思ってしまった時でした。

「ブレイラ、悪い、もう一回だ」
「ええっ?」

 ぎょっとして彼を見たのと、私のナカの彼が硬さを取り戻したのは同時。
 ナカでむくむくと育つそれに私の顔が無意識に引き攣っていく。

「気持ち良くて。ついな」
「つい、ではありませ、ンンッ、っ、ああッ……!」

 奥を突かれて嬌声があがる。
 仰け反った喉に唇を這わされ、またしても彼が腰を動かしだしました。

「ま、まって、さっきいったばかり、なのにっ……! やッ、あ、ンンッ」

 達したばかりで敏感になっているナカを擦られて、あられもなく乱れてしまう。
 おかしくなりそうなほどの深い快楽に無意識に逃れようとする。
 でも体をすっぽりと抱きすくめられて、腕の中で身悶えることしかできません。

「あぅ、っ、んッ、ああッ、や、あっ……」
「ブレイラ」
「あ、うぅっ、ん……ッ、あ、あ、ンッ」

 口付けられながら抜き差しされます。
 重なった唇の隙間から吐息と声が漏れて、苦しいのに、気持ちいい。
 ハウストの背中に両腕を回し、ぎゅっと全身でしがみ付く。
 彼の腰に回した足に力を籠めると、更に動きが激しくなりました。

「ああッ、あ、あ、くッ、またっ、また、わたしっ……」
「っ、いってもいいぞ?」
「うぅッ、ダメ、ダメですッ、やッ、いくっ……!」

 敏感な体はあっという間に昂ぶって、またしても彼の腹に白濁を散らせました。
 ほどなくして彼も限界を迎え、奥に叩きつけられた熱がじわりとナカを満たします。

「んっ、あ……」
「ブレイラ、大丈夫か?」

 彼が荒い呼吸をしながらも宥めるように口付けてくれました。
 何度も唇、頬、額に口付けを落とされ、私の体も落ち着いていく。
 なんとか呼吸を整えると恨みがましく彼を見上げます。

「……なんなんですか、あなた。さっきすごくいい雰囲気でしたよね」

 甘い疲労感が心地良くて、眠りに誘われるような安心感。とても良い感じでした。
 それなのに、この魔王ときたら。

「仕方ないだろう。お前が腕の中にいるのに」
「……仕方ないで済む問題ではありません」
「こんなに愛しているのに」
「っ、だからといって、そんな」
「お前だけだ」
「………………し、仕方ないですね。今回だけですよ?」

 悔しいですが今回は大目に見ましょう。
 通算何度目か分からないほどの大目ですが、でも、やはり、彼にそう言われると弱いのです。

「ありがとう。抜くぞ?」
「はい。んッ……」

 私のナカからハウストのものが引き抜かれていく。
 擦れる感触をやり過ごすも、完全に抜けると後孔から白濁が零れる感触。

「ふ、うぅっ」

 意識するまいと思うのに羞恥で顔が熱くなる。
 仕方ないとはいえ、改めてナカで出されたことを意識してしまうのです。
 ゆっくり体を起こしたハウストが心配そうに顔を覗き込んでくれる。

「大丈夫か?」
「はい。あの、なにか拭くものを……」

 せめてお尻に伝ったものを拭いてしまいたい。
 拭くものが欲しくて手を伸ばしましたが、その手に置かれたのはハウストの手。

「ハウスト?」

 なんのつもりでしょうかとハウストを見ると、あ、嫌な予感。だって彼はそれはもう優しげに目を細めたのです。
 そして私の手を握ると体を引っ張り起こされる。

「わっ、ちょっとなんですか!」

 抗議しようとしましたが、その前にハウストと対面で膝に座らされました。
 慌てて降りようとするも彼の両手が私の腰を鷲掴みする。

「俺が掻きだしてやろう」
「け、結構ですっ! 自分でできます!」
「遠慮するな。お前が気を失った時はいつも俺が綺麗にしてるだろう」
「ぅっ、それとこれとは……」

 顔が熱くなって反論に詰まりました。
 そう、私は行為中に気を失ってしまうことが時々ありました。何度も体を重ねているというのに、深い快楽に体力が追い付かずに先に撃沈してしまうのです。
 気を失わなかった時は一緒に湯浴みをしますが、気を失った時は彼が私の体を清めてくれていることは知っています。
 意識がない時に体を触られるなんて不快でしかない筈なのに、もちろん不快を覚えたことはありません。むしろ意識がない時も労わってくれることが嬉しいくらい。

「すぐ終わらせる。ここだな」
「あ、こらっ、まって……」

 返事に困っているとハウストが指を突き入れてきました。
 解れていた後孔に難なく入り、奥の白濁を掻きだそうと指が動きます。

「んんッ……」

 唇を引き結ぶも向かい合うハウストの肩をぎゅっと掴んでしまう。
 ハウストの指は白濁を掻きだしているだけなのに、熱くなった内壁を指が擦って甘い疼きが背筋を這うのです。

「自分で、しますからっ、……うっ」
「声を出せ。我慢するものでもないだろ」
「いやですっ。あ、……っ」

 掻きだされた白濁が太腿を伝い落ちました。
 冷たいそれが太腿を這う感触に背筋がふるりと震えます。
 後孔のナカを確かめるように指をぐるりと動かされて背中を丸めて見悶えてしまう。
 堪らずに正面のハウストにしがみつくと、彼は喉奥でクツクツと笑いました。

「……わざと、ですか?」

 至近距離の彼をじろりと睨む。
 でもハウストは面白そうに目を細めて私に宥めるような口付けを一つ。

「心外だな。こんなに心配しているというのに」
「あなたを信じていますが、んっ、これ、ばかりは……、っ」

 指がナカを掻き回すたびに腰が揺れてしまう。
 たしかにナカのものを掻きだしてくれているのでしょうが、ハウストの指は時折不埒な動きをするのです。
 少ししてあらかた掻きだした指が引き抜かれ、「っ、……ん」その感触にすらピクリっと反応してしまう。
 でもようやく終わってくれて、ほっと一安心です。彼の膝から降りようとしましたが。

「こんなものだろう。行くぞ」
「え、行くって」
「湯浴みだ。連れて行く」

 そう言ったかと思うと、不意にハウストが私を抱き上げました。
 突然のことにびっくりして彼にしがみつく。

「わっ、いきなり何ですか!」
「湯浴みだと言っただろう」

 当然のように言うと全裸のままの私を横抱きにして歩きだす。
 寝所の続きに浴場があるのは知っていましたが、こんなふうに抱いて運ばれるなんて聞いていません。
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