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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第三章・王を冠する世界7
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「勇者様、お会いできて光栄でございます! 今生で勇者様にお会いできた奇跡に感謝いたします!」
ジークヘルムは杖をついた老躯の王だった。
イスラの前で跪き、深々と頭を下げる。
「本来なら私が馳せ参じなければならないところを、この地にお呼びした無礼をお許しください。……実は、勇者様にお願いしたいことがあってお呼びしたのです」
「願いだと?」
「はい。……大変情けないことですが、王でありながら私には世継ぎがおりません。私には正妃、他に二十人の寵姫がおりますが世継ぎを作ることが叶いませんでした。この国には正統な後継者がいないのですっ……」
ジークヘルムはそこで言葉を切ると、イスラをまっすぐに見る。そして。
「――――このモルダニア大国を勇者様に貰っていただきたく思います!」
「っ、……どういう意味だ?」
イスラは驚愕に息を飲んだ。
難題を相談されるのではと思っていたが予想外の内容に動揺を隠し切れない。
ジークヘルムはみずからの国をイスラに託したいというのだ。
驚愕するイスラにジークヘルムが切々と訴える。
「勇者様、どうかモルダニアをお受け取り下さい! 正当な後継者がない今、私が死んだ後には王位を巡って多くの血が流れるでしょう。それはやがて内乱を引き起こし、近隣国との戦争という最悪の事態を招きかねません。この大国が戦争となれば、人間界に大きな不幸が訪れますっ……。だからそれを阻止する為に、どうか勇者様の手でこの国を治めてほしいのですっ。勇者様の統治ならば多くの野心家の欲望も挫かれることでしょう!」
「……理由は分かったが、勇者が国を統治するなんて聞いたことがない」
「無理は承知ですっ、何卒!」
必死に追い縋るジークヘルムに黙り込む。
イスラは人間界を守りたいと思うが、自分の手でどうこうしたいという欲求は特にない。勇者は人間界の王だが統治しているのは各国の王だ。それでいいと思っているのである。
だが、勇者に希望を抱き、期待してくれているのかと思うと無碍には出来ない。勇者を信じている人間をイスラも信じたいと思っている。
すぐに決断することは出来ないがイスラは少しだけ表情を和らげた。
国や民衆を思うジークヘルムの心が嬉しかったのだ。
「頭を上げろ。すぐに決めることはできないが検討はしておく」
「ははっ、勿体ない御言葉です! 勇者様の御心に感じ入るばかりでございます! 国民も勇者様にならと歓喜致します!」
ジークヘルムは深々と頭を下げると安堵の表情を浮かべた。
この後、イスラはジークヘルムと短い会談をした。その中で、この提案が既に国の中枢はもちろん国民にも行き渡っていることが分かった。イスラはひどく驚いたが異を唱える者はいなかったようである。
これは国の根幹を揺るがす重大案件だったが、ジークヘルムは長年に渡って大国を守り続けているだけあって民衆から信頼されているのだろう。
ジークヘルムとの会談を終え、応接間にはイスラだけが残される。
ソファに深く腰掛け、背凭れに凭れて天井を仰いだ。
ジークヘルムの話しは難題といえば難題だったが、個人的に気分は悪くなかった。
長い歴史の大国を勇者とはいえ他人に譲り渡すなど苦渋の決断だったはずだ。それなのに戦争を回避する為に国王がその決断をしたことが嬉しかったのである。
イスラは天井を見つめたままなんとなく考える。
もし引き受けることになったら、この国をどんな国にするか、どのように発展させるか、民衆を幸せにできるか。でもイスラは人間の王なので、この国ばかりを贔屓にすることはできない。ならばどうするか。
そこまで考えて、詮無いことだと思考を止めた。まだ引き受けると決断した訳ではないのだ。
こうしてイスラが一人過ごしていると、応接間の扉がノックされる。
入室を許可すると、次は気品のある老女が現われた。
幾人もの女官を従えた老女はイスラに向かって恭しくお辞儀する。
「初めまして勇者様、お初にお目にかかります。この国の王妃、アンネリーナと申します」
老女はモルダニア大国の王妃だった。
挨拶を返したイスラにアンネリーナは「勿体ないことでございます」と深々とお辞儀する。王妃という地位にいながら控えめで慎ましげな王妃だった。
「旅の疲れもあるところを突然訪ねた無礼をお許しください。敬愛する勇者様と少しでもお話ししたく参りました。お時間よろしいでしょうか」
「ああ、俺も少し話したい。座れ」
「ありがとうございます。失礼いたします」
アンネリーナが正面の椅子に座ると、テーブルに上品なティーセットが用意された。
上等な茶葉の紅茶が淹れられ、ふわりと紅茶の香りが広がる。
「お口に合うか分かりませんが、どうぞお召し上がりください」
「人間界の茶葉は嫌いじゃない。子供の頃から魔界でもたまに飲んでいた」
「まあ、人間界の品が魔界へ?」
「いや、俺が子供の頃はまだ正式に輸入されてなかった。ブレイラが人間界の友人と手紙や茶葉を送り合ってるんだ」
ブレイラの人間界の友人とはもちろん海洋王国モルカナ国の執政エルマリスである。二人は頻繁に連絡を取り合っているのだ。
イスラは紅茶を一口飲む。初めての味わいだった。
「そうでしたか、勇者様の御母上様が。御母上様はお元気でいらっしゃいますか?」
「ああ、元気だ。この前は魔界の王都を魔王と出歩いていた」
「あら、そんなことをっ。魔王様と仲睦まじくお過ごしで羨ましく思います」
アンネリーナは目を丸めながらも穏やかに微笑む。
だがふいにアンネリーナの面差しに影が差す。
「……本当に羨ましいことでございます」
様子の変わったアンネリーナにイスラは訝しみ、「どうした」と理由を促す。
アンネリーナは目を伏せると、ぽつぽつと話しだした。
「勇者様の御母上様は人間の男性でいらっしゃるのですよね。その、……魔界の王妃様として、お世継ぎを求められることはないのかと……」
「何もなかった訳じゃないけど、今は落ち着いている」
魔界の世継ぎについては一時期問題になったが、現在はクロードが誕生したことによってとりあえず落ち着いた。クロードは魔王ハウストと王妃ブレイラの第三子となり、健やかに成長することを期待されている。イスラにとっては二人目の弟だ。
「魔族の方々もお認めに?」
「まあな。……で、世継ぎがどうかしたのか?」
イスラがじろりと見ると、アンネリーナは苦笑した。
「勇者様にはお見通しでしたか。……そうです、お世継ぎでございます。国王がお話しした通り、我が国は世継ぎに恵まれておりません。そのせいで勇者様に大変なご迷惑をお掛けすることになりましたが、我が国の世継ぎは皆……夭逝したのです」
「そうだったのか……」
「はい、私は二人の男子を授かりましたが、十にも満たないうちに病で……。他にも寵姫が身籠りましたが、どの寵姫の赤ん坊も生まれて間もなく夭逝いたしました。王は世継ぎを腕に抱きながら、そのすべての子どもを失くしたのですっ……」
アンネリーナは涙とともに語ると、座っていたソファから下りてイスラの足元に跪く。
「勇者様、どうか哀れな王をっ、国をお救い下さいっ……!」
「おい、やめろ」
「いいえ、我々は勇者様に縋ることしかできませんっ。どうかっ!」
縋るように懇願するアンネリーナにイスラは内心困惑した。
イスラは返事に困りながらも慰めの言葉をかけようとしたが、その時。
――――ぐらりっ。
イスラの視界が歪んだ。
ぐらぐら脳が揺れる感覚。猛烈な眠気に襲われ、意識が急激に遠ざかる。明らかな異常事態だった。
「くっ、うぅ……っ、貴様っ……!」
イスラは意識を繋ぎとめるようにギリリと奥歯を噛みしめる。
霞む視界の中で、アンネリーナは平伏して震えていた。
「ああっ、お許しください、勇者様っ。お許しを、お許しを、お許しをっ、勇者様、お許しをっ、お許しを、勇者様、勇者様っ……」
怯えたように縮こまり、お許しをと震えながら繰り返していた。
イスラの意識が落ちる寸前、視界に王妃の指輪が映る。
指輪には、ピエトリノ遺跡の神殿にあった信仰のシンボルが刻まれていた……。
◆◆◆◆◆◆
ジークヘルムは杖をついた老躯の王だった。
イスラの前で跪き、深々と頭を下げる。
「本来なら私が馳せ参じなければならないところを、この地にお呼びした無礼をお許しください。……実は、勇者様にお願いしたいことがあってお呼びしたのです」
「願いだと?」
「はい。……大変情けないことですが、王でありながら私には世継ぎがおりません。私には正妃、他に二十人の寵姫がおりますが世継ぎを作ることが叶いませんでした。この国には正統な後継者がいないのですっ……」
ジークヘルムはそこで言葉を切ると、イスラをまっすぐに見る。そして。
「――――このモルダニア大国を勇者様に貰っていただきたく思います!」
「っ、……どういう意味だ?」
イスラは驚愕に息を飲んだ。
難題を相談されるのではと思っていたが予想外の内容に動揺を隠し切れない。
ジークヘルムはみずからの国をイスラに託したいというのだ。
驚愕するイスラにジークヘルムが切々と訴える。
「勇者様、どうかモルダニアをお受け取り下さい! 正当な後継者がない今、私が死んだ後には王位を巡って多くの血が流れるでしょう。それはやがて内乱を引き起こし、近隣国との戦争という最悪の事態を招きかねません。この大国が戦争となれば、人間界に大きな不幸が訪れますっ……。だからそれを阻止する為に、どうか勇者様の手でこの国を治めてほしいのですっ。勇者様の統治ならば多くの野心家の欲望も挫かれることでしょう!」
「……理由は分かったが、勇者が国を統治するなんて聞いたことがない」
「無理は承知ですっ、何卒!」
必死に追い縋るジークヘルムに黙り込む。
イスラは人間界を守りたいと思うが、自分の手でどうこうしたいという欲求は特にない。勇者は人間界の王だが統治しているのは各国の王だ。それでいいと思っているのである。
だが、勇者に希望を抱き、期待してくれているのかと思うと無碍には出来ない。勇者を信じている人間をイスラも信じたいと思っている。
すぐに決断することは出来ないがイスラは少しだけ表情を和らげた。
国や民衆を思うジークヘルムの心が嬉しかったのだ。
「頭を上げろ。すぐに決めることはできないが検討はしておく」
「ははっ、勿体ない御言葉です! 勇者様の御心に感じ入るばかりでございます! 国民も勇者様にならと歓喜致します!」
ジークヘルムは深々と頭を下げると安堵の表情を浮かべた。
この後、イスラはジークヘルムと短い会談をした。その中で、この提案が既に国の中枢はもちろん国民にも行き渡っていることが分かった。イスラはひどく驚いたが異を唱える者はいなかったようである。
これは国の根幹を揺るがす重大案件だったが、ジークヘルムは長年に渡って大国を守り続けているだけあって民衆から信頼されているのだろう。
ジークヘルムとの会談を終え、応接間にはイスラだけが残される。
ソファに深く腰掛け、背凭れに凭れて天井を仰いだ。
ジークヘルムの話しは難題といえば難題だったが、個人的に気分は悪くなかった。
長い歴史の大国を勇者とはいえ他人に譲り渡すなど苦渋の決断だったはずだ。それなのに戦争を回避する為に国王がその決断をしたことが嬉しかったのである。
イスラは天井を見つめたままなんとなく考える。
もし引き受けることになったら、この国をどんな国にするか、どのように発展させるか、民衆を幸せにできるか。でもイスラは人間の王なので、この国ばかりを贔屓にすることはできない。ならばどうするか。
そこまで考えて、詮無いことだと思考を止めた。まだ引き受けると決断した訳ではないのだ。
こうしてイスラが一人過ごしていると、応接間の扉がノックされる。
入室を許可すると、次は気品のある老女が現われた。
幾人もの女官を従えた老女はイスラに向かって恭しくお辞儀する。
「初めまして勇者様、お初にお目にかかります。この国の王妃、アンネリーナと申します」
老女はモルダニア大国の王妃だった。
挨拶を返したイスラにアンネリーナは「勿体ないことでございます」と深々とお辞儀する。王妃という地位にいながら控えめで慎ましげな王妃だった。
「旅の疲れもあるところを突然訪ねた無礼をお許しください。敬愛する勇者様と少しでもお話ししたく参りました。お時間よろしいでしょうか」
「ああ、俺も少し話したい。座れ」
「ありがとうございます。失礼いたします」
アンネリーナが正面の椅子に座ると、テーブルに上品なティーセットが用意された。
上等な茶葉の紅茶が淹れられ、ふわりと紅茶の香りが広がる。
「お口に合うか分かりませんが、どうぞお召し上がりください」
「人間界の茶葉は嫌いじゃない。子供の頃から魔界でもたまに飲んでいた」
「まあ、人間界の品が魔界へ?」
「いや、俺が子供の頃はまだ正式に輸入されてなかった。ブレイラが人間界の友人と手紙や茶葉を送り合ってるんだ」
ブレイラの人間界の友人とはもちろん海洋王国モルカナ国の執政エルマリスである。二人は頻繁に連絡を取り合っているのだ。
イスラは紅茶を一口飲む。初めての味わいだった。
「そうでしたか、勇者様の御母上様が。御母上様はお元気でいらっしゃいますか?」
「ああ、元気だ。この前は魔界の王都を魔王と出歩いていた」
「あら、そんなことをっ。魔王様と仲睦まじくお過ごしで羨ましく思います」
アンネリーナは目を丸めながらも穏やかに微笑む。
だがふいにアンネリーナの面差しに影が差す。
「……本当に羨ましいことでございます」
様子の変わったアンネリーナにイスラは訝しみ、「どうした」と理由を促す。
アンネリーナは目を伏せると、ぽつぽつと話しだした。
「勇者様の御母上様は人間の男性でいらっしゃるのですよね。その、……魔界の王妃様として、お世継ぎを求められることはないのかと……」
「何もなかった訳じゃないけど、今は落ち着いている」
魔界の世継ぎについては一時期問題になったが、現在はクロードが誕生したことによってとりあえず落ち着いた。クロードは魔王ハウストと王妃ブレイラの第三子となり、健やかに成長することを期待されている。イスラにとっては二人目の弟だ。
「魔族の方々もお認めに?」
「まあな。……で、世継ぎがどうかしたのか?」
イスラがじろりと見ると、アンネリーナは苦笑した。
「勇者様にはお見通しでしたか。……そうです、お世継ぎでございます。国王がお話しした通り、我が国は世継ぎに恵まれておりません。そのせいで勇者様に大変なご迷惑をお掛けすることになりましたが、我が国の世継ぎは皆……夭逝したのです」
「そうだったのか……」
「はい、私は二人の男子を授かりましたが、十にも満たないうちに病で……。他にも寵姫が身籠りましたが、どの寵姫の赤ん坊も生まれて間もなく夭逝いたしました。王は世継ぎを腕に抱きながら、そのすべての子どもを失くしたのですっ……」
アンネリーナは涙とともに語ると、座っていたソファから下りてイスラの足元に跪く。
「勇者様、どうか哀れな王をっ、国をお救い下さいっ……!」
「おい、やめろ」
「いいえ、我々は勇者様に縋ることしかできませんっ。どうかっ!」
縋るように懇願するアンネリーナにイスラは内心困惑した。
イスラは返事に困りながらも慰めの言葉をかけようとしたが、その時。
――――ぐらりっ。
イスラの視界が歪んだ。
ぐらぐら脳が揺れる感覚。猛烈な眠気に襲われ、意識が急激に遠ざかる。明らかな異常事態だった。
「くっ、うぅ……っ、貴様っ……!」
イスラは意識を繋ぎとめるようにギリリと奥歯を噛みしめる。
霞む視界の中で、アンネリーナは平伏して震えていた。
「ああっ、お許しください、勇者様っ。お許しを、お許しを、お許しをっ、勇者様、お許しをっ、お許しを、勇者様、勇者様っ……」
怯えたように縮こまり、お許しをと震えながら繰り返していた。
イスラの意識が落ちる寸前、視界に王妃の指輪が映る。
指輪には、ピエトリノ遺跡の神殿にあった信仰のシンボルが刻まれていた……。
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