23 / 47
Episode1・ゼロス誕生
王妃の外遊10
しおりを挟む
「よく頑張りましたね、イスラ」
「うん、オレがんばったぞ。みんなをみつけて、どうくつのかいぶつも、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、えっと……」
「十二体です。イスラ様は十二体のトロールをお一人で討伐されました。その間に私どもは人々を保護した次第です」
「そうでしたか。あのトロールを十二体も……」
「オレ、つよい?」
イスラが瞳を輝かせて聞いてきます。
勇者の強さを手放しで称えることはできないけれど、今はその本音を心の奥底にそっと隠す。
「強いですね。あなたは、とても強い」
人間を守ってくれたのですね。
あなたは人間の王を冠するに相応しい。
いい子いい子と頭を撫でると、あどけない顔でイスラがはにかみました。
そして私が保護していた女の子も松明を持った人々のなかに母親を見つけます。
「お母さんだ! うわあああんっ、おかあさーん!!」
泣きながら駆け出した女の子を一人の女性が抱きしめました。
あの女の子はようやく母親に会えたのです。
「コレット、この山に潜むトロールはイスラが倒した十二体で全部ですか?」
「いえ、残り三体ほど山のどこかに潜んでいる模様です。遭難した人間も五名残っております」
「そうですか。では、このまま引き続き捜索とトロール討伐を」
「――――その心配には及びません。それは私の役目」
ふいに聞き覚えのある声が割って入りました。
振り向き、その姿に目を丸めます。
「あなたは、チェルダ王……」
そう、そこにいたのはチェルダでした。
多くの兵士を引き連れたチェルダは私の前までくると跪く。
「遅くなって大変申し訳ありませんでした。民からの手紙、たしかに受け取りました」
「よく来ましたね」
「領地の治安を守るのは領主の役目。領主はそれを放棄した咎により、領地を没収して謹慎を言い渡しています」
「よくそこまで決断しました。少し驚きましたよ」
目を丸めた私にチェルダは苦笑します。
「……正直、迷いました。貴族達もこのまま黙ってはいないでしょう。ですが」
チェルダは女の子のつたない手紙を握り締めていました。
その手紙を見た女の子は嬉しそうに「私の手紙だ!」と声を上げ、母親や貧民街の人々は信じがたいものでも見るような顔になる。
「手紙を届けてくれてありがとう!」
「感謝されるようなことは何もしていません。チェルダ王の判断です」
そう言って笑いかけると女の子は嬉しそうな笑顔を浮かべます。
可愛らしい笑顔です。ずっと泣いていた女の子に笑顔が戻って良かった。
「王に子どもの手紙を?」
「しかも貧民街の子どもの……」
「あのヴェールの人は何者なんだ?」
「一緒にいるのは魔族だろう」
女の子の手紙が王に届いたことに人々がざわめきだす。
俄かに騒がしくなり、コレットが私を隠すように立ってくれます。
魔族に守られる私に人々はまさかと息を飲む。
「今この国には魔界の王妃様が来てるって聞いてるぞ」
「そ、それじゃあ、あれがっ……」
人々が気付きだし、私はヴェールを深く被ります。
そして私の周囲を女官や侍女が囲み、護衛兵が壁のように立って人々と距離を作りました。
チェルダに同行していた士官が人々に向かって声を張り上げます。
「控えよっ、この御方は名を口にするのも畏れ多い尊い御方である! 今夜のことは緘口令を敷き、これを破った者は厳しく処罰する! 皆、心得よ!」
士官の命令に人々は慌てて跪く。
名を伏せられましたが誰もが気付いてしまったのです。
そんな中、女の子の母親が驚愕した顔で私を凝視していました。
「……あなたは、あの薬師のっ」
王妃になる前の、薬師だった私を覚えている人がいる。
たったそれだけの事なのに、どうしてでしょうね、熱いものが胸に込み上げてきました。
ヴェール越しに微笑みかけると、母親と女の子が手を繋いで深々と頭を下げます。
私もお辞儀して返礼しました。
「チェルダ王、山にはまだ遭難者が五人、トロールが三体残っています。お任せできますね?」
「承知しています。ここは私の国、遭難しているのは私の民です。必ずトロールを討伐し、五人の遭難者も見つけ出します」
力強く言い放ったチェルダに私も頷く。
頼りない風格は残したままですが、それでも強くあろうとする姿を信じます。
「お願いします。では、ここにいる方々は私の護衛兵達が街に送り届けましょう。コレット、お願いします」
「それは構いませんが、ブレイラ様は」
「今、私が戻れば騒ぎになります」
私の答えにコレットは分かりやすく顔を顰めてしまう。
嫌な予感を覚えているのでしょう。正解です。
「大丈夫、ここは私が暮らしていた山です。ここには私の家があるのです。イスラとゼロスも一緒に連れていきます」
「…………それは、ブレイラ様が行きたかった場所、ということでよろしいでしょうか」
「はい」
「………………分かりました。その件については魔王様からも大目に見るように仰せつかっております。それにイスラ様もご一緒されるなら」
渋々ながらも納得してくれました。
コレットにはたくさん心配をかけてしまいますが、どうか許してくださいね。
こうしてチェルダ率いる軍隊が山へ捜索とトロール討伐に赴き、コレットや護衛兵たちが貧民街の人々を街に送り届けてくれる。
そして私はイスラとゼロスを連れて、かつて暮らしていた山奥の家へ向かうことになりました。
「ブレイラ、こっちだ! はやく!」
イスラが緩やかな山道を駆け上っていきます。
夜の暗闇に覆われた山道ですが、さすが勇者ですね。その足元は危なげない。
光魔法で私の足元を照らしながらも、待ちきれないとばかりに走っていくのです。
「あんまり走ると転びますよ?」
「だいじょうぶだ! オレはつよい!」
「強くても転ぶ時は転ぶものです」
呆れながらも笑ってしまう。
うきうきした様子のイスラに私も嬉しくなるのです。
そしてしばらく山道を歩き、ぽっかりと空いた空間にでる。
月明かりの差し込むそこには小さな小屋がありました。
今にも崩れ落ちそうな寂れた小屋です。長く放置したせいもあって廃墟のようにも見えてしまう。
でも、込み上げるのは懐かしさ。私の家です。
「ついたぞ!」
「つきましたね」
木戸の前で私とイスラは立ち止まりました。
以前より寂れているけれど、以前と何も変わっていません。
家の前に作った小さな花壇には雑草が生えていましたが、移し替えた野山の花もちゃんと咲いている。元々この山に咲いていた花なので世話をする者がいなくなっても強く花を咲かせたのです。
「開けてみましょうか」
「うん」
緊張しながらも木戸をゆっくりと開けます。
キィ、木の軋む音がしました。
家の中はがらんとして、何も変わっていない。
イスラが光魔法で家内を照らすと、埃をかぶったテーブルと椅子、一人用のベッド。土間には鍋や食器がそのまま置かれている。すべてここを出た時のままで何も変わっていない光景が広がります。
「……懐かしいですね」
胸に、思い出が押し寄せる。
ここで一人で暮らしていた私のところへハウストとイスラが加わって、また一人になって、魔界へ行って、またイスラとともに戻ってきた家です。
ひょんな事から家を飛び出し、そのまま魔界へ身を置いて今に至ります。
私にとって思い出とはハウストとイスラとともに作られるもので、一人で暮らした家にはなんの未練もないと思っていました。でも、違うのですね。たった一人でいた時の記憶も鮮明に浮かんでくるのですから。
「ブレイラ、はいろう」
「はい、入りましょう」
私は眠るゼロスを抱いて家に入りました。
放置したせいで埃臭いけれど懐かしい匂いも感じます。
「うん、オレがんばったぞ。みんなをみつけて、どうくつのかいぶつも、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、えっと……」
「十二体です。イスラ様は十二体のトロールをお一人で討伐されました。その間に私どもは人々を保護した次第です」
「そうでしたか。あのトロールを十二体も……」
「オレ、つよい?」
イスラが瞳を輝かせて聞いてきます。
勇者の強さを手放しで称えることはできないけれど、今はその本音を心の奥底にそっと隠す。
「強いですね。あなたは、とても強い」
人間を守ってくれたのですね。
あなたは人間の王を冠するに相応しい。
いい子いい子と頭を撫でると、あどけない顔でイスラがはにかみました。
そして私が保護していた女の子も松明を持った人々のなかに母親を見つけます。
「お母さんだ! うわあああんっ、おかあさーん!!」
泣きながら駆け出した女の子を一人の女性が抱きしめました。
あの女の子はようやく母親に会えたのです。
「コレット、この山に潜むトロールはイスラが倒した十二体で全部ですか?」
「いえ、残り三体ほど山のどこかに潜んでいる模様です。遭難した人間も五名残っております」
「そうですか。では、このまま引き続き捜索とトロール討伐を」
「――――その心配には及びません。それは私の役目」
ふいに聞き覚えのある声が割って入りました。
振り向き、その姿に目を丸めます。
「あなたは、チェルダ王……」
そう、そこにいたのはチェルダでした。
多くの兵士を引き連れたチェルダは私の前までくると跪く。
「遅くなって大変申し訳ありませんでした。民からの手紙、たしかに受け取りました」
「よく来ましたね」
「領地の治安を守るのは領主の役目。領主はそれを放棄した咎により、領地を没収して謹慎を言い渡しています」
「よくそこまで決断しました。少し驚きましたよ」
目を丸めた私にチェルダは苦笑します。
「……正直、迷いました。貴族達もこのまま黙ってはいないでしょう。ですが」
チェルダは女の子のつたない手紙を握り締めていました。
その手紙を見た女の子は嬉しそうに「私の手紙だ!」と声を上げ、母親や貧民街の人々は信じがたいものでも見るような顔になる。
「手紙を届けてくれてありがとう!」
「感謝されるようなことは何もしていません。チェルダ王の判断です」
そう言って笑いかけると女の子は嬉しそうな笑顔を浮かべます。
可愛らしい笑顔です。ずっと泣いていた女の子に笑顔が戻って良かった。
「王に子どもの手紙を?」
「しかも貧民街の子どもの……」
「あのヴェールの人は何者なんだ?」
「一緒にいるのは魔族だろう」
女の子の手紙が王に届いたことに人々がざわめきだす。
俄かに騒がしくなり、コレットが私を隠すように立ってくれます。
魔族に守られる私に人々はまさかと息を飲む。
「今この国には魔界の王妃様が来てるって聞いてるぞ」
「そ、それじゃあ、あれがっ……」
人々が気付きだし、私はヴェールを深く被ります。
そして私の周囲を女官や侍女が囲み、護衛兵が壁のように立って人々と距離を作りました。
チェルダに同行していた士官が人々に向かって声を張り上げます。
「控えよっ、この御方は名を口にするのも畏れ多い尊い御方である! 今夜のことは緘口令を敷き、これを破った者は厳しく処罰する! 皆、心得よ!」
士官の命令に人々は慌てて跪く。
名を伏せられましたが誰もが気付いてしまったのです。
そんな中、女の子の母親が驚愕した顔で私を凝視していました。
「……あなたは、あの薬師のっ」
王妃になる前の、薬師だった私を覚えている人がいる。
たったそれだけの事なのに、どうしてでしょうね、熱いものが胸に込み上げてきました。
ヴェール越しに微笑みかけると、母親と女の子が手を繋いで深々と頭を下げます。
私もお辞儀して返礼しました。
「チェルダ王、山にはまだ遭難者が五人、トロールが三体残っています。お任せできますね?」
「承知しています。ここは私の国、遭難しているのは私の民です。必ずトロールを討伐し、五人の遭難者も見つけ出します」
力強く言い放ったチェルダに私も頷く。
頼りない風格は残したままですが、それでも強くあろうとする姿を信じます。
「お願いします。では、ここにいる方々は私の護衛兵達が街に送り届けましょう。コレット、お願いします」
「それは構いませんが、ブレイラ様は」
「今、私が戻れば騒ぎになります」
私の答えにコレットは分かりやすく顔を顰めてしまう。
嫌な予感を覚えているのでしょう。正解です。
「大丈夫、ここは私が暮らしていた山です。ここには私の家があるのです。イスラとゼロスも一緒に連れていきます」
「…………それは、ブレイラ様が行きたかった場所、ということでよろしいでしょうか」
「はい」
「………………分かりました。その件については魔王様からも大目に見るように仰せつかっております。それにイスラ様もご一緒されるなら」
渋々ながらも納得してくれました。
コレットにはたくさん心配をかけてしまいますが、どうか許してくださいね。
こうしてチェルダ率いる軍隊が山へ捜索とトロール討伐に赴き、コレットや護衛兵たちが貧民街の人々を街に送り届けてくれる。
そして私はイスラとゼロスを連れて、かつて暮らしていた山奥の家へ向かうことになりました。
「ブレイラ、こっちだ! はやく!」
イスラが緩やかな山道を駆け上っていきます。
夜の暗闇に覆われた山道ですが、さすが勇者ですね。その足元は危なげない。
光魔法で私の足元を照らしながらも、待ちきれないとばかりに走っていくのです。
「あんまり走ると転びますよ?」
「だいじょうぶだ! オレはつよい!」
「強くても転ぶ時は転ぶものです」
呆れながらも笑ってしまう。
うきうきした様子のイスラに私も嬉しくなるのです。
そしてしばらく山道を歩き、ぽっかりと空いた空間にでる。
月明かりの差し込むそこには小さな小屋がありました。
今にも崩れ落ちそうな寂れた小屋です。長く放置したせいもあって廃墟のようにも見えてしまう。
でも、込み上げるのは懐かしさ。私の家です。
「ついたぞ!」
「つきましたね」
木戸の前で私とイスラは立ち止まりました。
以前より寂れているけれど、以前と何も変わっていません。
家の前に作った小さな花壇には雑草が生えていましたが、移し替えた野山の花もちゃんと咲いている。元々この山に咲いていた花なので世話をする者がいなくなっても強く花を咲かせたのです。
「開けてみましょうか」
「うん」
緊張しながらも木戸をゆっくりと開けます。
キィ、木の軋む音がしました。
家の中はがらんとして、何も変わっていない。
イスラが光魔法で家内を照らすと、埃をかぶったテーブルと椅子、一人用のベッド。土間には鍋や食器がそのまま置かれている。すべてここを出た時のままで何も変わっていない光景が広がります。
「……懐かしいですね」
胸に、思い出が押し寄せる。
ここで一人で暮らしていた私のところへハウストとイスラが加わって、また一人になって、魔界へ行って、またイスラとともに戻ってきた家です。
ひょんな事から家を飛び出し、そのまま魔界へ身を置いて今に至ります。
私にとって思い出とはハウストとイスラとともに作られるもので、一人で暮らした家にはなんの未練もないと思っていました。でも、違うのですね。たった一人でいた時の記憶も鮮明に浮かんでくるのですから。
「ブレイラ、はいろう」
「はい、入りましょう」
私は眠るゼロスを抱いて家に入りました。
放置したせいで埃臭いけれど懐かしい匂いも感じます。
31
お気に入りに追加
302
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
勇者のママは今日も魔王様と
蛮野晩
BL
『私が魔王に愛される方法は二つ。一つ目は勇者を魔王の望む子どもに育てること。二つ目は魔王に抱かれること』
人間のブレイラは魔王ハウストから勇者の卵を渡される。
卵が孵化して勇者イスラが誕生したことでブレイラの運命が大きく変わった。
孤児だったブレイラは不器用ながらも勇者のママとしてハウストと一緒に勇者イスラを育てだす。
今まで孤独に生きてきたブレイラだったがハウストに恋心を抱き、彼に一生懸命尽くしてイスラを育てる。
しかしハウストには魔王としての目的があり、ブレイラの想いが届くことはない。
恋を知らずに育ったブレイラにとってハウストは初恋で、どうすれば彼に振り向いてもらえるのか分からなかったのだ。そこでブレイラがとった方法は二つ。一つ目は、勇者イスラをハウストの望む子どもに育てること。二つ目は、ハウストに抱かれることだった……。
表紙イラスト@阿部十四さん
大魔法使いに生まれ変わったので森に引きこもります
かとらり。
BL
前世でやっていたRPGの中ボスの大魔法使いに生まれ変わった僕。
勇者に倒されるのは嫌なので、大人しくアイテムを渡して帰ってもらい、塔に引きこもってセカンドライフを楽しむことにした。
風の噂で勇者が魔王を倒したことを聞いて安心していたら、森の中に小さな男の子が転がり込んでくる。
どうやらその子どもは勇者の子供らしく…
平民男子と騎士団長の行く末
きわ
BL
平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。
ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。
好きだという気持ちを隠したまま。
過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。
第十一回BL大賞参加作品です。
婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました
ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。
愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。
*****************
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。
※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。
※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。
評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。
※小説家になろう様でも公開中です。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる