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試練2

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今日はマスターからの依頼を受ける日でマキとミリスと共にギルドに向かった。ギルドに着くとかなりの人がいた。

大勢の冒険者の中には昨日のルビーやアイザックの姿もあった。

ゼニス「二人共準備は出来てる様だな、今日は他の連中とお前らの様子を魔法を使って見させてもらうぜ、シャーリー説明頼むぜ」

シャーリー「はい、今から二人には転移の魔導具を使いガイアドラゴンの住みかの山まで行ってもらいます。それではこちらへ」

ギルドの別室に魔法陣が書かれていて青い火を灯した蝋燭が部屋の四隅に置かれていた。

シャーリー「この部屋から山のふもとまで転移出来ます。ガイアドラゴンは山の中腹に居ます。帰りは向こうにある魔法陣にたっていただき此方から二人を転移させますので、もし危ないと思ったら引き上げても構いません。」

マキ「大丈夫ですよ、私達強いですから心配しないでください」

優人「もし依頼成功したらギルドの皆で宴会でもしましょう。聞いてなかったんですがこの依頼の報酬幾らくらいですか?」

シャーリー「A級なんで5000万Gの報酬が支払われます」
 
優人「じゃあ俺達の奢りで宴会だな」

シャーリー「!・・・ははっ、君達は凄いね、期待して待ってるよ!」

俺達は光に包まれると景色が変わった。目の前には大きな山が広がっていたが、山全体を嫌な雰囲気が包んでいた。





優人「取り敢えず、山の中腹に行ってみるか」

マキ「そうね、まずはモンスターの確認が最優先ね」

ミリス「ワシは今回手は出さんからな、お主らの試練じゃからな」

優人「わかってるよ」

俺達は暫く山を登ると山の中腹に到着した。

マキ「ねぇ優人、これって」

優人「ああ、近いな」

俺達が着いた中腹は木々がなぎ倒されそこだけ何かが暴れた後があった。

ガァァァァァァ

優人「どうやら向こうから来てくれたみたいだな」

俺とマキは体に獄力を滾らせて身体能力を強化する奴の声が聞こえてくるが姿が見えない。

優人(何処だ気配はかなり近いなのに姿が見えない)

マキ「!優人右に飛んで」

マキの指示に従い右に飛ぶと俺が居た場所の下から巨大な龍の手が飛び出てきた。すると周りの大地が俺達を攻撃するように飛び出してきた。成る程な地面に潜るのかと思ったら地面と同化する能力か道理で気配が読めない訳だ。

ドカ ドカ バキン

マキ「優人どうやら敵は下みたいね!」

優人「ああ、引きずり出してやるか」

優人「八熱地獄叫喚地獄」

叫喚地獄は焼けた銅を発生させる。この銅は触れれば骨や肉まで溶かしてしまう。

ギャワァァァー

マキ「あっ出てきたわね!でも羽がないわね飛びはしないのかな」

ガイアドラゴンは羽がなく全身が岩などで覆われているようなみためだ。

優人「よしっ、仕留めるぞマキ」

マキ「オッケー!」

俺は奴のに向かって蹴りやパンチで応戦した。獄力で強化したパンチで奴を浮かせた。そして、身を動きが取れない奴をマキが剣で斬りつけた。

マキ「逝血文字斬り!」ズバッ ブシャー

奴の岩の鱗を切り裂き血が噴き出す。だが奴もA級のモンスター構わず俺達にブレスを放ってきた。

ズドーーン

マキ「八寒氷華の盾」

八寒地獄の氷で盾を作りマキがブレスを防いでくれた。

優人「終わりだ!八熱大叫喚地獄」

俺は地獄の炎をマキがつけた剣で切り裂いた傷口から奴の体内を焼き付くした。奴は断末魔の叫びを上げてやがて動かなくなった。

優人「死んだか」

マキ「よし、依頼達成ね、でも優人コイツあんまり強くなかったね。確かに体も硬いしブレスは私達じゃなかったらやられてたかも知れないけど、動きがかなり鈍かったよね」

優人「それは叫喚地獄の効果だよ」

マキ「あのドロドロのやつ、あれで何したの」

優人「あれは焼けた銅だよ、あれに触れたらどんな奴でも酩酊状態にしてしまうんだよ」

マキ「酩酊って酔っぱらうってこと?」

優人「と言うより相手のバランスを司る三半規管を狂わせたり、頭を混乱状態にするんだよ」

マキ「それであんなに鈍くなってたんだ」

優人「そういう事だ!それじゃあ帰るか」

そう言った瞬間優人は森の奥までぶっ飛んでいった

マキ「優人ーー!」




時間は少し戻りギルドの広間

ゼニス「それじゃあ奴等の活躍を見せてもらうとするか」

ギルドの壁に魔導具で優人達の様子を写し出した。この魔導具は対象とした相手の様子を見る事ができる。だが見るには相手の許可がいる

暫く見ていると優人達が攻撃を受け始めた。

「なんだ魔法か!」

「でもモンスターの姿が見えないぜ」

「アイツら良くかわしてるな、あれで新人かいい動きしてるな」

ゼニス「どうだアイザック少しは認める気になったか」

アイザック「けっ、まだ始まったばかりだろうがよ」

そして優人が獄法で焼けた銅を発生させて地面からガイアドラゴンをあぶり出した。

「おおー、でけぇあれがA級モンスターか!」

「あんなのどう倒すんだよ」

「でもエンって奴が出したアレは一体なんだ」

「見たことない魔法だな」

それからは凄い光景の連続だった。

ゼニス「俺の目に狂いはなかったな!」

ゼニスはこれからのギルドの未来が明るい事を確信して

シャーリー「マスター!彼等は一体何ですか、あんなのC級どころか今すぐA級にだってなれますよ!」

シャーリーは新人達の実力に驚愕して

ルビー「はは、まさかこんな凄いなんて」

ルビーはあまりの凄さに乾いた笑いをもらして

アイザック「・・・!」

アイザックは自分と彼等の実力差に受け入れ難い現実に押し潰されそうになっていた。


そんな彼等を他所にギルド内はとんでもない騒ぎになっていた。

「何だよあのエンって奴はパンチ一発であの巨体を浮かせちまった。どんな力してるんだ化け物かよ」

「いやあの娘も凄いぜ!剣の一撃であの岩みたいなドラゴンの体を斬り裂いちまった。」

「氷の魔法か~綺麗ね」

「あのキキって娘パーティーに誘ってみようぜ」

「おい汚ねぇぞ、あの娘は俺達のパーティーに入れるんだよ」

「嫌ね、男って奴はこれだから!あのエンさんって人は私達のパーティーにいれたいわね!鋭い目がクールでカッコいいわね」

「あんたも大概ね」

「すげぇ、あんな威力の火の魔法見たことないぜ、コツとかあったら聞いてみたいな」

「なぁ、あのエンって人が戻ったら弟子にしてもらえるか頼んでみようぜ!」

そして等々優人達がガイアドラゴンを倒してしまうと、ギルドの中の熱は最高潮になった。

シャーリー「やりましたよマスター!本当に指定A級のガイアドラゴンを倒したんですよ」

ゼニス「これからまた忙しくなるぞ、その前にアイツ等を祝ってやらねぇとな」

ルビー「やっぱり此れからはアイツらと行動した方がいいかな」

アイザック「認めるしかねぇか」

「これでギルドの評判も上がれば仕事も増えるぞ」

「それよりアイツらとパーティー組めねぇかな」

しかし、その喜びも一瞬でかき消された。優人が地面から出た龍の手でぶっ飛ばされた。




マキ「優人、大丈夫!」

マキは急いで優人の元まで駆け寄っていった。

優人「大丈夫だよマキ、少し驚いたけどあの程度の攻撃ななら俺にダメージは入らないよ」

マキ「ゴメン優人、アイツ私に殺らせて!」

優人「ああ、マキ何か怒ってる?」

マキ「そうだね、少しだけムカついたかな」

俺達はさっきの場所まで戻ると俺達が倒したモンスターと同じガイアドラゴンが居た。

優人「まさかもう一匹居たなんてな、油断していたな」

仲間を殺されたからか奴は怒り狂って此方を威嚇してきた。だがマキはゆっくりと進み奴に話しかけた

マキ「なに、怒ってるのでもね私の方がムカついてるのよ 死ねよクソトカゲ」

マキ「鮮血獄文字斬り」ズバッ ズバッ ブシャー

逝血文字斬りの連擊版、高速連続攻撃でドラゴンは血黙りに沈む。しかし奴はまだ辛うじて生きていた。

マキ「なに?怖いのでも安心してあんたは殺さない私の獄法の実験体になってもらうわよ」

確かにドラゴンの目からは怒りは無く今は怯えきっていた。

マキ「獄法魍魎業一天生!」

ギャーーーーーーーーーー

ドラゴンはマキの手の平にある氷に吸い込まれていった。

優人「マキ、それどうしたの?」

マキ「優人には初めて見せたよね、これが私の獄法魍魎業一天生。魔法や獄法とかをモンスター何かと融合させて新しい生物を作ることが出来るの、勿論私の命令には絶対服従だよ」

優人「肝心のモンスターは?」

マキ「今は地獄の八寒地獄に居るわよ、ギルドに知られたら色々面倒でしょ。それに地獄の労働者としても役に立つしね」

それはかなり凄い、これなら協力なモンスターを倒す度にマキは戦力を増やす事が出来るってことだ。その内軍隊並みの戦力になるんじゃないか!

ミリス「お前も大概じゃが、マキの奴もヤバい方に進んでいきよるな」

ミリスの言葉に少しマキに不安を感じながら俺達は山を降りていった。
















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