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アニメにするとここまでで1話くらいの内容。
2話目 AIの逆襲
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次に目が覚めたのは、ベット上だ、、と思う。
上には蛍光灯の光が見える。しかし病院ではないことは一目で分かった。どちらかと言うと研究施設のような感じである。
「No.15起床。生存確認。脈拍安定。パターンニュートラルです。行動制限を解除します。」
とよくわからない隣の機械から音がして、俺の腕などについてた何かが外れていく。
てか腕も傷も治ってる。
「なんか付いてたの気づかなかったなぁ、てかここどこだ?」
周りを見渡すと、真っ白の壁に扉のようなものがあり、それ以外は俺についていた機械とベット以外はない。広さは大体8畳と言ったところだろうか?
ベットから出て立ち上がるとあることに気づく。
「なんだこの服。」
なんかよく映画とかで見る何かの被験者の着ていそうな真っ白い服を着ていた。
誰かが運んで着替えまでさせてくれたのだろうか?
だとしたら一回裸見られてるわけか?
「恥ずかし」
あたりを見渡す。特に気になるところはない。強いて言うならば扉のようなところがある。しかし取っては見当たらない。
「自動ドアか?」
近づいてみるが開かない。
「あれ?自動ドアじゃないの?じゃ取手は?なくね?出れなくね?おーい!誰かぁー!」
ゴンゴンゴン
扉を叩いてみる。
てか俺なんでこんなことのにいるんだ?
「あいつらだ」
脳内にあの二人組の顔がよぎる。
俺の腕を折り心臓を貫いたあいつらだ。クレアとカストロと言っていた。よく覚えていないが、確か、、、あいつらと戦った時何かが起き、奴らは撤退した。それが何かはよく思い出せない。
「まずはここから出ないと。」
もう一度、あたりを見渡す。しかしここしか出口の様な場所はない様だ。
ゴンゴンゴン
もう一度扉を叩く。
しかし開く気配はない。
「夢じゃねぇよなぁこれ。でも腕折れてないしなぁ。だとしたらここはどこなんだろうなぁ」
と独り言を扉の前で呟いていると、目の前の扉が開く。
そこにいたのは、、、、
「あ?あれ?なんでお前ら。ここにいるんだ?」
そこにいたのは、隼人と未来だった。
「まぁなんと言うか、お前と同じだ。よく生きたな遥。」
「相手が下級の下っ端だったとしても、下手したらあんた死んでたかもしれなかったんだから。全く。しかもあんた、さっきの戦闘?で書の力にも目覚めたみたいだし、、私たちだって書の力を得るまで2年はかかったのに。」
となんだか悔しそうな未来
それを見た隼人が
「まぁそう言うな。腕も折られて体を引き裂かれて、心臓も貫かれているんだ。大目にみようぜ。」
と慰める。
俺は置いてけぼりのようだ。
「おいお前らなんの話ししてるんだよ。てかなんで知ってんだよ。」
と問いを投げかける。
すると未来が
「その話はうちのボスが話してくれるわ遥、私と隼人についてきて。」
と後ろを向いて歩き始める。
すると隼人も
「ほら、来いよ。遥」
と隼人も歩き始めた。
「あぁ、わかったけど」
と何もわからないままついていく。
部屋を出て見てわかったが、どうやら通路の側面に部屋がいくつも並んでいるらしい。各部屋にはそれぞれ番号が振り分けられている。あと、予測でしかないが、この建物?は円形だと推測される。通路が、曲がっている。
「おい隼人、ここどこなんだよ。」
と聞いてみるが、
「んーとね遥それはまだ話せないの。」
とさっきからこの返事だけだ。
RPGのモブみたいになってる
すると
「まぁいいじゃねぇか、こいつももうこっち側なんだ。」
と隼人が未来に話す。
そして
「ここは、対影魔基地だよ。お前を襲った奴らは影魔と呼ばれる魔物だ。それの対策本部みたいなもんだよ。」
と説明と説明してくれた。
しかし
「うん。わかったよ、、ってなると思ったか?全くわからないよ」
とつべこべ話していると2人の歩みが止まる。
「ほらついたわよ。あとはボスから聞きなさい遥。」
と扉のような場所を3回ノックする。
すると扉が開いた。
その先には誰かが後ろを向いて座っていた。
「ボス、遥を連れてきました。」
するとそのボスと呼ばれている人が
「ご苦労さん。あーそうだ、確かあんたたちこの子の顔見知りでしょ?一緒にいていいから、その方安心するだろうし」
と未来と隼人に話す。
「了解です。では失礼します。」
と言って入る未来たちに背中を押されて俺も入る。
ボスとある程度の距離で止まる。
すると、回転するタイプの椅子なのだろう、回って正面を向く。
そして話し始める。
「まずは、よく生き延びた。素晴らしいよ、遥くん!私は嬉しいよ!私の名前は花。みんなは私のことをボスと呼ぶが、花と呼んでくれて構わない。よろしくね。」
とにっこり笑うその人は女の人だった。多分年齢は20代後半くらいだろうか?美しい顔立ちをしている。しかしなんと言うか、ひしひしと伝わってくるこの明るいというか言ってしまえばやかましそうな感じ。俺の性格上あまりグイグイ来られるのが得意ではない。しかしこの人はいかにもグイグイな感じだった。
「はぁ、、ありがとうございます。」
と返答する。
「それで遥くん!君はこれから私たちの仲間だ。これからもよろしくね!」
勝手に仲間にされた。何だこの人、、、と思いながらも
「はぁ、、よろしくお願いします。」
と返答する。この人と話すのは少しエネルギーが要りそうだからなるべく早く話を終わらせたい。
「じゃ私からは以上だ、あとは帰ってくれていいよ!」
こう言うタイプには珍しく話の短い人だった。俺にとってはラッキーだ。この人との話をなるべく早く切り上げ、隼人たちから話を聞いた方が楽でいい。
「はい。では失礼します。」
と振り向こうとすると、未来が
「ちょっと待ってよボス。もっと説明することあるでしょ!」
と少し怒り気味で話す。
馬鹿野郎!俺は大丈夫だから、今すぐに帰るべきだ!
「ははは、冗談だよ未来君。全く!」
「って俺の時も言ってましたよ、、ボス。」
「そう言うな隼人君!これは鉄板ネタなんだよ。」
と俺を置いてけぼりにして何かが始まる。
やっぱりこう言う人はあまり得意ではない。
するとボスが入った時から持っていたバインダーのようなもので俺を指しながら
「ところで遥君!君は[書]の存在について信じるかい?」
とワクワクした顔で聞いてくる。
「え?「書」ですか?そういえばなんかさっき殺されかけた悪魔だか堕天使だかもそんなことを言ってましたが、、いったい何なんですか?[書]って?」
と聞いてみる。
するとまたすごいワクワクとした顔で
「やはり知らないのだな!じゃわかりやすく説明してあげよう!」
と立ち上がる。
すごい熱意だった。
その熱意に押されながらも
「は、はぁ、わかりました。」
と返事をする。やはりこの人は苦手なのかもしれない。
「では、[書]についてわかりやすく説明しよう。[書]とはつまり、自分がメインで書かれている物語の本のことだよ」
「は、、はぁ」
いやわかるか!自分メインの物語?なんだよそれ
「わからないという顔だねぇ、もっと詳しく説明すると、この世界に生まれてから死ぬまでの君の物語が記されている物だよ。まぁ人生とか、運命とかそんなようなような物が[書]だね。」
「は、、はぁ、、」
いやわからないだろ、それで納得した人がいるのだろうか?
「まだわからないって顔してるねぇ。じゃわかった。遥くんさ、本読んだことある?」
本?絵本とか漫画とかか?それとも小説とかだろうか、いずれにしろ全部読んだことはある。
「ありますけど、、、それがなにか?」
「例えば何でもいいけど、何を読んだ?」
えぇ、読んだもの読んだもの、、そう言われると出てこないな。最近読んだのは、「世界の半分を魔王にあげてみた。」だなぁ。
「小説です。なんか異世界系のやつです。」
「ふむふむ。なんてタイトルのやつ?」
えぇ、タイトルまで聞いてくるのかよ。恥ずかしいな。ここ合コン会場かなんかか?
「いや多分知らないと思いますけど、「世界の半分を魔王にあげて見た。」ってやつです。要はラノベの類です。」
「おお!セカマオかぁ。あれでしょ?主人公が魔王に世界の半分を渡してもう一回冒険を始めるってやつでしょ?」
え?知っているのか?確かに昔のラノベだが、結構コアなラノベだぞ?
「あ、知ってるんですね。で、そのラノベがどうかしたんですか?」
「セカマオの主人公。アサラングレイド一世がいただろ?」
「はい。」
「あれ君。」
は?
「あの意味がわかりません。」
すると花さんが崩れ倒れる。
そして
「えぇ、、なんでわからないの、、私史上最もわかりやすい説明だったと思うんだけど、、、」
と相当落ち込む。
すると隼人がやれやれと言う感じで一歩前に出る。
「ボス、俺が説明します。」
「うん。頼んだよ、、隼人。」
と椅子に腰掛ける
隼人に説明がバトンタッチする。
「まぁ遥。ボスが言ってることもあながち間違いじゃないんだ。」
「でもお前でも、はいそうですかってわかるか?」
「まぁ、そういうな。」
隼人は俺の前に立つと
手を水平に突き出し、まるで本を持っているかのような手の形をとり、こう唱える。
「我、汝の解放者也、汝、我に従いその書を顕現させし」
すると隼人の手の上に辞書のような中々にして厚い本が現れる。
その本は何かの魔導書のような見た目をしており、本の角には、金のような金属で装飾されている。
「おぉ、、すげぇ、、、」
と少し唖然としている俺を見て
「これが、書。ほらここ見てみろ?」
と本の表紙と思われるところを見せる。
その本のタイトルが書かれていると思われる場所には金のプレートがついており、そこに何か文字が刻み込まれていた。
「えーなになに?韋駄天?でいいのか?」
「正解だ。俺の書の名前は韋駄天。能力は加速だ。大体100メートル4秒くらいで走れるんだ」
普通にオリンピックに出たらいいと思う。
と思う気持ちを抑え
「すごいじゃねぇか!お前、そんなに足速いタイプだっけ?」
「まぁそんなに早くないけど、、」
「別に能力はその人の依存じゃないわけか、、」
「いや、二パターンあって俺は依存せずに勝手に決まった方なんだけど、自分の人生の経験に依存するパターンがあるんだ。」
「なるほどなぁ。で俺はどうなんだ?」
中々にして能力を使えるパターンの演出は熱い。早く俺の能力を知りたい。
「それだけは、出してみないとなんともいえないなぁ」
「どうしようかなぁ、爆発とか、暴風とか、飛行とか、もしかしたらドラゴンになれるとかかなぁ、、でさ、どうやって出すんだ?さっきの詠唱みたいなやつか?」
「こうやって、手を前に突き出し、そこに辞書位の厚みの本を持ってるイメージで手の形を作る。そして、我汝の解放者也、汝、我に従いその書を顕現させし、って唱えるだけ。簡単だろ。」
「なるほど。やってみるよ」
手を突き出し、、本の形を作る?こうか?
「我、汝の解放者也、汝、我に従いその書を顕現させし!」
すると足元に魔法陣が展開され、そこから光がぶぁぁって、、眩しい!
隼人と未来それと花さんは思わず後ろに一歩引く。
「まさかボス、、これって、」
「こりゃ少しすごいかもねぇ、あんた達、アイツら呼んできてあげな。」
「「了解です」」
と未来と隼人が部屋から走って出て行く。
「ちょっと、、どこ行くの!まま眩しい!誰か止めて!」
するとすごい楽しそうな声で花さんが
「大丈夫!死んだりしないから安心しな!」
「むしろ不安なんですが?死なない程度に何が起こるんですか?」
「君の手を見てみなよ!だんだん書が生成されているのがわかるかい?」
言われてみてみるとたしかに手に何かがあるような感覚はある。
「みんなこんな感じで眩しいの我慢してるんですか!?」
「否!君な中々素質のあるタイプみたいだよ!こんな量の気はなかなかないよ。すごいんだよこれは!」
と興奮気味の花さんはさておいて、だんだん本が生成されてもう8割くらいのところまで来たところで、本の表紙が少しずつだが見えてきた。
「おぉ、、冒険の書みたいだなぁ。かっこいいなあ。眩しいけど」
少し眩しさにも慣れてきた所で、光が収まる。
その生成された本は、悪いが隼人の書とは豪華さが圧倒的違うのが一目でわかるほど煌びやかな装飾が施され、隼人の表紙が古本みたいな見た目に対して、俺の本は、新品の魔導書みたいな輝きを放っていた。
すると花さんが
「あらら。クラスプラチナの書じゃないか、、そりゃあんなに眩しいわけだよ。秘めている気の量も相当だね。」
「クラスプラチナ?それなんですか?」
「書のランクのことなんだけど、レア度と秘めている気の量を合計してある程度のランクが決まるんだけど。」
と言いながらさっきから手に持っていたバインダーに何か書き始め
、見せてくる花さん。
そこにはピラミッドのようなものが書かれていた。
「いい?ピラミッドの一番下、これがクラスブロンズ。これはまぁ一番下ね。書の見た目もしょぼよ。そしてその次がクラスシルバー
まぁシルバーとブロンズの書の見た目は変わらないけど気の量でシルバーになるって感じよ。そしてここからが、書の見た目も変化してくるわ。クラスゴールド、これはクラスシルバーと書の見た目も気の量も大きく変わるわ。書は、装飾品も豪華になり、ブロンズやシルバーが古文書みたいな見た目に対してこちらは新しい見た目をしているわ。そして気の量は、大体だけど、シルバーの3倍くらいね
そしてあなたのクラスである、クラスプラチナ。ゴールドの装飾が金属だったのに対してクラスプラチナはあなたが無意識に自分に抱いているイメージの色の鉱石で装飾が施されているわ。あなたの書は青々とした青色の鉱石ね。とても綺麗で美しい書だわ。ちなみにプラチナの気の量はブロンズの7から8倍、すごい人は12倍くらいの気の人もいるわ。あともう一つ上にクラスダイアモンドがあるのだけれど、これはこの国に1人しかいないしあんまり詳しいこともわからないから、説明を省くわね。」
「長々と説明されたのでちょっとごちゃごちゃしてますが、とにかく俺の書がプラチナだってことはわかりました。」
すると花さんはニヤニヤしながら
「それ、隼人君と未来君に話してみなよ。顔真っ赤にして怒ると思うよ。」
「まさかあの2人ってクラスブロンズ?」
と気まずそうな俺の顔を見て花さんはまた嬉しそうに。
「大大正解!あの2人必死に特訓をして書を解放したのはいいのだけれど、気の総量があまりなかったことで、書自体もブロンズ止まりになってしまって2人ともがっかりしていたわ。」
「なるほど、たしかになんか修行したとは言っていたような気がします。」
だからあんなにあったときに言われたのか
たしかに悪いことをしたような気がする。
「ところで花さんは、クラスはなんなんですか?」
「私は、君と同じプラチナよ。でも今の遥くんは、ブロンズと同じくらいの気の量しかないみたいだから、なんでプラチナか不思議なところなのよねぇ。」
「気の量ってわかるもんなんですか?そのぱっと見で」
「まぁ相手の気の量を確認する方法は何個かあるのだけれど、一番簡単なのは、よく目を凝らしてみる。これに尽きるわ。」
「えぇ、なんですかそれ。目を凝らす?」
と目を凝らしてみるが
「いや、見えません。全く。」
「そこは修行して、気の使い方を学んでからだねぇ」
と、話していると後ろの自動ドアが空いた。
振り返るとそこには隼人と未来そして
「父さん?母さん?」
何故か父さんと母さんがいた。
「よぉ遥」
「遥、すごいわね。」
「なんで?父さんと母さんが?」
頭をぽりぽり掻きながら父さんが
「いやぁなんというか、ここで働いている職員というか、、」
それに続ける形で母さんも
「そうね。母さん保育士じゃないのよ。父さんも会社員って言ってたけど違うの。」
と申し訳なさそうに話す。
詳しく話を聞くと、うちの家系は代々書が成長とともに解放される特殊な家柄だったらしく、父さんの父さん、つまりおじいちゃんの代からここで仕事をしているらしい。俺はこの家系の中で唯一書が成長しても解放されなかったイレギュラーらしい。それでこの仕事に巻き込むわけにはいかないと秘密にしていたようだ。
「隠してて悪かったな。」
と謝る父さんと母さん。
「いやいや、別に気にしてないよ。だから謝んないでよ」
別に悪いことじゃないし、むしろ気を使わせていたのが申し訳ない。
と何故かこちらをチラチラ見てくる父さんと母さん。
「え、、どうしたの?なんかついてる?」
「いやその、すごかったって聞いたからさ、書の解放の時の光。だからどんな書だったのかなぁって」
と母さんが彼女とうまくいっているの?みたいなノリで聞いてくる。俺は自分の書を見てタイトルのところを見るがそこには何も書いてない。隼人にはあったタイトルが書いてあると思われる金属の板的なものも見当たらない。
「いや詳しいことはわからないけど、なんかクラスはプラチナらしい。」
と説明する。
すると父さんと母さん、そして隼人と未来がみんな同じタイミングで
「「「「クラスプラチナァァァァ!?」」」」
とめちゃくちゃわかりやすくびっくりしてくれる。
「うん。ほらこれ俺の書なんだけど。」
と書をみんなに見せる。
それを見た未来の挙動がおかしい。
「はははは、ははははははははは、」
「未来?大丈夫?」
その隣の隼人の様子もおかしい。
「はははははは、はははははははは」
「隼人?大丈夫?」
その隣で父さんと母さんは2人で抱きつきながら膝から崩れ落ちて泣いている。
「父さん。遥こんなに立派な書を解放させて。」
「しかもクラスプラチナだってよ。もう自慢の息子だ」
と各々が各々の反応をし始める。
花さんの方を向いてもニコニコしているだけだ。
こりゃダメだな。
「まず一回落ち着いてよみんな。ほら父さん母さん立って立って、ほら隼人未来?お前らも一回深呼吸しろ」
といっても4人は聞く耳を持たない。
唯一まともに会話できそうな花さんに一つ質問をする。
「ちなみに花さん」
「なんだい遥くん。」
「クラスプラチナってそんなにすごいんですか?」
「まぁ、日本には確認されている人だけで、18人しかいないわ」
「それって、、つまり。」
「あなた19人目。ようこそ。クラスプラチナへ。」
レアリティレベルは一応最高らしい。
「ええええええええ!日本に、、18人しかいない?」
「今日で19人よ。」
「いやいや、ち、ち、ちなみに書を解放している人は、何人ほどいるんですか?」
「大体98000人くらいじゃないかしら。」
「えええ!、、、マジか、98000人に19人だから、大体えーっと、んーと、どれくらいだ?」
と指を折り数える俺を見て花さんは淡々と
「100人に2人くらいかしら?あんまり居ない貴重な存在よ」
と答える。
「知らなかった。もっといるもんだと思ってた。え、いやなんだろう。実感というか、、えぇ」
と戸惑っていると花さんが肩をぽんぽん叩く。
そして
「安心しなさい。気の量はこの中の誰よりも低いんだから。このままだと宝の持ち腐れになるだけよ。」
「いや何をどう安心するんですか?いやですよ、最弱のクラスプラチナ。めちゃくちゃカッコ悪い。絶対に嫌です。」
「そうでしょ?だから、その書に見合うような強さにならないとね。」
「はい、頑張ります。」
その後口をパクパクさせていた2人を叩き起こし、ずっと抱きしめあっていた両親2人も叩き起こし、花さんにも手伝ってもらいながら先程俺が目覚めた部屋に4人をぶち込む。どうやらまだ口をパクパクしているようだ。使い物になりそうにないので放っておくことにした。
4人を運び終わったあと、花さんはこの基地の中を案内してくれた。
その案内中、、、
「花さんは、書はいつ解放したんですか?」
「そうねぇ、22年前にね、、」
「は?花さんって何歳なんですか?」
「そんなことをレディに聞くのかい?」
と僕の頭を少し小突く
そして少し上を向いて
「30よ。だから8歳の頃に書を解放したの。」
というものの少し悲しそうな花さん。
「何かあったんですか?その8歳の時に。」
と思わず聞いてしまう。
すると、はははと笑いながら花さんは話し始める。
「君と同じような目にあったんだよ。まぁ私の場合は親を殺されて、そのあと影魔たちに遊ばれるように嬲られている時に、書が解放して全員を殺したのだけど、」
俺は少しの沈黙の後
「なんかすいません。つい聞いてしまって、、」
と謝る。
「いいのよ。というかあなたたちの家系には感謝してるのよ。」
「え?なんでですか?」
「私は書を解放して全員を殺したあと、それこそあなたと同じ、いやそれ以上に体が傷つきもう動けない状態だったの。それを見つけて保護してくれたのが、あなたのおじいさんよ。」
「そうだったんですか?と言ってももう死んでしまいましたけどね。あんなに若かったのに」
「そうね。私もとても悲しかったわ。でも貴方のおじいさんは私に[お前はこういう仕事に縛られずに普通に生きていいんだ]って言ってもらったの。みんなにはわからないかもしれないんだけどこういうことを言ってもらえると、なぜか心が楽になるのよ。まぁ幼い私をずっと気にかけてくれた親みたいな存在だったし」
「そうなんですか?俺はあんまり話さなかったからわからないんですよ。なんかすごい頑固だったというかなんというか、常に無口なイメージありました。」
「嘘?私にはすごい優しくて常に笑っているイメージだったわよ。」
おじいちゃんといえば縁側に座ってずっと空を見てるイメージなんだけど、、、
「えぇ、なんで俺にはあんな態度だったんだろう。」
「まぁ貴方のおじいさんも色々考えてたんでしょ。」
「そうなんですかねぇ」
と疑問が頭の中でヘビーローテーションしていると、花さんは俺の腕をペタペタ触ってきた。
「え?なんですか?なんか変ですか?」
「いや、あんなにバキバキに折れていても直るのねぇ。さすがパナケアちゃんね。」
そのパナケアと呼ばれる人は俺の傷を治してくれた人らしい。
「そのパナケアさんってどこの国の人なんですか?」
「いやいや、日本人よ日本人。パナケアとは二つ名であって本名は、小鳥遊花梨。ここの医療班で、クラスはゴールドながらもプラチナにも劣らない力を持っていて、どんな怪我をしていても治してしまうのよ。」
「へぇ、その治すのって書の力なんですか?」
「そうよ。まぁ治すというよりは戻しているらしいのだけれど、花梨の書の名前は、[遡行の書]まぁ詳しいことは彼女に聞けばいいわ。」
とある部屋の扉の前で止まる。
そこの部屋のの扉の横に、なぜか保健室の札が付いている。
「保健室、、ですか?」
「そうよ。花梨の部屋は、保健室的な作りになっているのよ。」
「保健室的な、、作りですか、、」
保健室?おいおいまたキャラの強い奴が出てくるのか?
すると花さんは扉をノックして
「花梨、お客さんだからあーけて」
と呼びかける
どうやらこの部屋の扉は自動で開くタイプではなく中から開けるタイプらしい。
すると扉は俺が知ってる自動ドアのように空く。
中が見えるとそこは、本当に保健室のようだった。
中に入ると
「あら、貴方はさっきのボロボロの少年じゃないですか。」
と話しかけてきたその女性は、俺と対して年齢は変わらないように見える。白衣を着て、、というかこれよく見たらナース服じゃねぇかよ。横顔しか見えないが、ハーフみたいな顔立ちにポニーテールでまとめられている髪、そして白い肌。待って超タイプ。
「え、少年って俺のこと?いやいや花梨さんでしたっけ?見る限り俺とあんまり歳変わらないように見えるんですけど?」
「あら、私の名前を知っているのですか?そうですか、それで傷はどうですか?変なところとかないですか?」
「え、は、、はい。治してくれてありがとうございました。」
「まぁ治したというよりは戻したのですけどね。」
と言いながら座っているデスクのようなところの下の棚から見慣れた制服を出して渡してくれた。
「あれ?これは俺の制服ですよね。ビリビリになってませんでした?」
俺の制服は、買った時と同様みたいに新品になって帰ってきた。
「そうですね。まぁそこのカーテンの裏で着替えてください。その間に、私の能力についてお話しします。」
俺は言われた通りにカーテンの裏に入って変な服から制服に着替え始める。するとそのカーテン越しに花梨さんの声が聞こえてきた。
「まず、私の書についてなんだけど書の名前は[遡行の書]って言ってね」
「そこまでは花さんから聞きました。」
「そうなの?でね。能力は右手で1秒触れたものの時間を1分。左手で1秒触れたものを1時間、その触れたものの時を戻すという能力よ。」
「そうなんですか?じゃ俺の折れた腕とかも触れて直したってことですか?」
と質問すると少し頬を赤らめながら
「腕というか、身体中というか、、、」
あ、待ってそういうこと?
「その、変じゃなかったですか?」
と聞くとビクッとした花梨さんが
「いや、、その立派でした。」
「何がですか!待ってください。何がですか!」
「ななな、なんでもないです!もう着替え終わったなら早く出ていってください。」
と部屋を追い出される。ミスったな。こりゃ嫌われたかもしれない。
少しがっかりしていると花さんが
「遥くんって案外大胆なんだね。びっくりだよ。」
と少し呆れた声で言ってくる。
「違うんです。違うんですよ、、、、」
と膝から崩れ落ちる。
「ほら行くわよ」
と俺の首根っこを掴んでズルズルと引きずり次の場所に連れて行かれる。
そして連れて行かれたのは、食堂みたいなところだった。まぁどちらかというとカフェみたいなところだけど。広いっちゃ広いけどまぁ最大で収容しても40人位の広さだろう。
そこには思った以上に人がいて、軽く20人くらい人がいた。
俺を席に座らせてどこかに行ってしまう花さん。
少し席で落ち込んでいると、周りの人が話しかけてくる。
「ねぇねぇ。君プラチナなんでしょ?すごいねぇ」
最初に話しかけてきたのは20代くらいのお姉さん
「ありがとうございます。」
次に話しかけてきたのは50代くらいのダンディなおじさん
「お前プラチナなんだってな。すごいなぁ若いのに」
「ありがとうございます。」
次に話しかけてきたのは20代後半の花さん
「人気者ね。はいこれ、ここのカフェのマスターが入れたスペシャルブレンドのカフェオレよ。」
「あ、ありがとうございます。いただきます。」
一口飲むがバカうめぇ。スタバとか比にならないくらいにうめぇ
「とてもおいしいでしょ?ここのマスターの書が「黄金比の書]でね。その物の黄金比がわかるってやつでそれでコーヒーを入れるから世界一おいしいコーヒーが飲めるの」
「いや本当に美味しいです。後でお礼言わないと」
「そうね。ここのマスターの能力には後々お世話になるだろうからさ」
「そうなんですか?じゃ後で挨拶してきます。で花さんめちゃ悩んでいることあるんですけど、、」
ズズスとバカうまカフェオレを啜りながら、花さんに相談する。
「ほうほう。どうしたんだい?まぁ想像はつくけど」
「はい。花梨さんのことなんですけど、俺嫌われましたかねぇ?」
「やっぱり。君まさか花梨に恋したのかい?」
「そうなのかもしれません。」
すると花さんは首を左右に振りながらやれやれと言った態度を取る。
「君若いなぁ。花梨はいい子だからねぇ。仕方ないね。」
「どうしたらいいですかねぇ」
「まぁ、女の子と距離を縮めたいなら焦らず急かさないことだね」
「具体的には、、」
「全く。健気だなぁ。まぁ保健室に行ってみたらいいんじゃないかい?花梨は優しいから開けてくれるさ」
「そうですかねぇ、、」
と俯いて肩を落とす。
すると花さんは
「改めて、君を危機に晒してしまったのは私たちの責任。本当にごめんなさい。」
と申し訳なさそうに話す。
「いえいえ、全然大丈夫ですよ。てか花さんだってそういう目にあってるじゃないですか?」
「いやいや、書を解放している時点で影魔から一般市民を守るのが私たちの仕事。それなのにあなたを命の危険に晒してしまった。相手が下級とはいえ、あなたが書を解放していなかったら私たちは、1人の尊い命を守れなかったことになるわ。」
「まぁそうですけど。俺はこうやって生きてます。だから大丈夫っすよ」
すると花さんは
「後でもう一回花梨のところに行きましょう。あの子はここのキャラメルフラペチーノが好きなのよ。持っていってあげましょう。」
と言ってくれた。
なるほどキャラメルフラペチーノが好きなのか。
その後俺は花さんと共に花梨さんにキャラメルフラペチーノを持っていった。
その後花梨さんは花梨と呼んでいいこととなった。
少し距離縮まった。
上には蛍光灯の光が見える。しかし病院ではないことは一目で分かった。どちらかと言うと研究施設のような感じである。
「No.15起床。生存確認。脈拍安定。パターンニュートラルです。行動制限を解除します。」
とよくわからない隣の機械から音がして、俺の腕などについてた何かが外れていく。
てか腕も傷も治ってる。
「なんか付いてたの気づかなかったなぁ、てかここどこだ?」
周りを見渡すと、真っ白の壁に扉のようなものがあり、それ以外は俺についていた機械とベット以外はない。広さは大体8畳と言ったところだろうか?
ベットから出て立ち上がるとあることに気づく。
「なんだこの服。」
なんかよく映画とかで見る何かの被験者の着ていそうな真っ白い服を着ていた。
誰かが運んで着替えまでさせてくれたのだろうか?
だとしたら一回裸見られてるわけか?
「恥ずかし」
あたりを見渡す。特に気になるところはない。強いて言うならば扉のようなところがある。しかし取っては見当たらない。
「自動ドアか?」
近づいてみるが開かない。
「あれ?自動ドアじゃないの?じゃ取手は?なくね?出れなくね?おーい!誰かぁー!」
ゴンゴンゴン
扉を叩いてみる。
てか俺なんでこんなことのにいるんだ?
「あいつらだ」
脳内にあの二人組の顔がよぎる。
俺の腕を折り心臓を貫いたあいつらだ。クレアとカストロと言っていた。よく覚えていないが、確か、、、あいつらと戦った時何かが起き、奴らは撤退した。それが何かはよく思い出せない。
「まずはここから出ないと。」
もう一度、あたりを見渡す。しかしここしか出口の様な場所はない様だ。
ゴンゴンゴン
もう一度扉を叩く。
しかし開く気配はない。
「夢じゃねぇよなぁこれ。でも腕折れてないしなぁ。だとしたらここはどこなんだろうなぁ」
と独り言を扉の前で呟いていると、目の前の扉が開く。
そこにいたのは、、、、
「あ?あれ?なんでお前ら。ここにいるんだ?」
そこにいたのは、隼人と未来だった。
「まぁなんと言うか、お前と同じだ。よく生きたな遥。」
「相手が下級の下っ端だったとしても、下手したらあんた死んでたかもしれなかったんだから。全く。しかもあんた、さっきの戦闘?で書の力にも目覚めたみたいだし、、私たちだって書の力を得るまで2年はかかったのに。」
となんだか悔しそうな未来
それを見た隼人が
「まぁそう言うな。腕も折られて体を引き裂かれて、心臓も貫かれているんだ。大目にみようぜ。」
と慰める。
俺は置いてけぼりのようだ。
「おいお前らなんの話ししてるんだよ。てかなんで知ってんだよ。」
と問いを投げかける。
すると未来が
「その話はうちのボスが話してくれるわ遥、私と隼人についてきて。」
と後ろを向いて歩き始める。
すると隼人も
「ほら、来いよ。遥」
と隼人も歩き始めた。
「あぁ、わかったけど」
と何もわからないままついていく。
部屋を出て見てわかったが、どうやら通路の側面に部屋がいくつも並んでいるらしい。各部屋にはそれぞれ番号が振り分けられている。あと、予測でしかないが、この建物?は円形だと推測される。通路が、曲がっている。
「おい隼人、ここどこなんだよ。」
と聞いてみるが、
「んーとね遥それはまだ話せないの。」
とさっきからこの返事だけだ。
RPGのモブみたいになってる
すると
「まぁいいじゃねぇか、こいつももうこっち側なんだ。」
と隼人が未来に話す。
そして
「ここは、対影魔基地だよ。お前を襲った奴らは影魔と呼ばれる魔物だ。それの対策本部みたいなもんだよ。」
と説明と説明してくれた。
しかし
「うん。わかったよ、、ってなると思ったか?全くわからないよ」
とつべこべ話していると2人の歩みが止まる。
「ほらついたわよ。あとはボスから聞きなさい遥。」
と扉のような場所を3回ノックする。
すると扉が開いた。
その先には誰かが後ろを向いて座っていた。
「ボス、遥を連れてきました。」
するとそのボスと呼ばれている人が
「ご苦労さん。あーそうだ、確かあんたたちこの子の顔見知りでしょ?一緒にいていいから、その方安心するだろうし」
と未来と隼人に話す。
「了解です。では失礼します。」
と言って入る未来たちに背中を押されて俺も入る。
ボスとある程度の距離で止まる。
すると、回転するタイプの椅子なのだろう、回って正面を向く。
そして話し始める。
「まずは、よく生き延びた。素晴らしいよ、遥くん!私は嬉しいよ!私の名前は花。みんなは私のことをボスと呼ぶが、花と呼んでくれて構わない。よろしくね。」
とにっこり笑うその人は女の人だった。多分年齢は20代後半くらいだろうか?美しい顔立ちをしている。しかしなんと言うか、ひしひしと伝わってくるこの明るいというか言ってしまえばやかましそうな感じ。俺の性格上あまりグイグイ来られるのが得意ではない。しかしこの人はいかにもグイグイな感じだった。
「はぁ、、ありがとうございます。」
と返答する。
「それで遥くん!君はこれから私たちの仲間だ。これからもよろしくね!」
勝手に仲間にされた。何だこの人、、、と思いながらも
「はぁ、、よろしくお願いします。」
と返答する。この人と話すのは少しエネルギーが要りそうだからなるべく早く話を終わらせたい。
「じゃ私からは以上だ、あとは帰ってくれていいよ!」
こう言うタイプには珍しく話の短い人だった。俺にとってはラッキーだ。この人との話をなるべく早く切り上げ、隼人たちから話を聞いた方が楽でいい。
「はい。では失礼します。」
と振り向こうとすると、未来が
「ちょっと待ってよボス。もっと説明することあるでしょ!」
と少し怒り気味で話す。
馬鹿野郎!俺は大丈夫だから、今すぐに帰るべきだ!
「ははは、冗談だよ未来君。全く!」
「って俺の時も言ってましたよ、、ボス。」
「そう言うな隼人君!これは鉄板ネタなんだよ。」
と俺を置いてけぼりにして何かが始まる。
やっぱりこう言う人はあまり得意ではない。
するとボスが入った時から持っていたバインダーのようなもので俺を指しながら
「ところで遥君!君は[書]の存在について信じるかい?」
とワクワクした顔で聞いてくる。
「え?「書」ですか?そういえばなんかさっき殺されかけた悪魔だか堕天使だかもそんなことを言ってましたが、、いったい何なんですか?[書]って?」
と聞いてみる。
するとまたすごいワクワクとした顔で
「やはり知らないのだな!じゃわかりやすく説明してあげよう!」
と立ち上がる。
すごい熱意だった。
その熱意に押されながらも
「は、はぁ、わかりました。」
と返事をする。やはりこの人は苦手なのかもしれない。
「では、[書]についてわかりやすく説明しよう。[書]とはつまり、自分がメインで書かれている物語の本のことだよ」
「は、、はぁ」
いやわかるか!自分メインの物語?なんだよそれ
「わからないという顔だねぇ、もっと詳しく説明すると、この世界に生まれてから死ぬまでの君の物語が記されている物だよ。まぁ人生とか、運命とかそんなようなような物が[書]だね。」
「は、、はぁ、、」
いやわからないだろ、それで納得した人がいるのだろうか?
「まだわからないって顔してるねぇ。じゃわかった。遥くんさ、本読んだことある?」
本?絵本とか漫画とかか?それとも小説とかだろうか、いずれにしろ全部読んだことはある。
「ありますけど、、、それがなにか?」
「例えば何でもいいけど、何を読んだ?」
えぇ、読んだもの読んだもの、、そう言われると出てこないな。最近読んだのは、「世界の半分を魔王にあげてみた。」だなぁ。
「小説です。なんか異世界系のやつです。」
「ふむふむ。なんてタイトルのやつ?」
えぇ、タイトルまで聞いてくるのかよ。恥ずかしいな。ここ合コン会場かなんかか?
「いや多分知らないと思いますけど、「世界の半分を魔王にあげて見た。」ってやつです。要はラノベの類です。」
「おお!セカマオかぁ。あれでしょ?主人公が魔王に世界の半分を渡してもう一回冒険を始めるってやつでしょ?」
え?知っているのか?確かに昔のラノベだが、結構コアなラノベだぞ?
「あ、知ってるんですね。で、そのラノベがどうかしたんですか?」
「セカマオの主人公。アサラングレイド一世がいただろ?」
「はい。」
「あれ君。」
は?
「あの意味がわかりません。」
すると花さんが崩れ倒れる。
そして
「えぇ、、なんでわからないの、、私史上最もわかりやすい説明だったと思うんだけど、、、」
と相当落ち込む。
すると隼人がやれやれと言う感じで一歩前に出る。
「ボス、俺が説明します。」
「うん。頼んだよ、、隼人。」
と椅子に腰掛ける
隼人に説明がバトンタッチする。
「まぁ遥。ボスが言ってることもあながち間違いじゃないんだ。」
「でもお前でも、はいそうですかってわかるか?」
「まぁ、そういうな。」
隼人は俺の前に立つと
手を水平に突き出し、まるで本を持っているかのような手の形をとり、こう唱える。
「我、汝の解放者也、汝、我に従いその書を顕現させし」
すると隼人の手の上に辞書のような中々にして厚い本が現れる。
その本は何かの魔導書のような見た目をしており、本の角には、金のような金属で装飾されている。
「おぉ、、すげぇ、、、」
と少し唖然としている俺を見て
「これが、書。ほらここ見てみろ?」
と本の表紙と思われるところを見せる。
その本のタイトルが書かれていると思われる場所には金のプレートがついており、そこに何か文字が刻み込まれていた。
「えーなになに?韋駄天?でいいのか?」
「正解だ。俺の書の名前は韋駄天。能力は加速だ。大体100メートル4秒くらいで走れるんだ」
普通にオリンピックに出たらいいと思う。
と思う気持ちを抑え
「すごいじゃねぇか!お前、そんなに足速いタイプだっけ?」
「まぁそんなに早くないけど、、」
「別に能力はその人の依存じゃないわけか、、」
「いや、二パターンあって俺は依存せずに勝手に決まった方なんだけど、自分の人生の経験に依存するパターンがあるんだ。」
「なるほどなぁ。で俺はどうなんだ?」
中々にして能力を使えるパターンの演出は熱い。早く俺の能力を知りたい。
「それだけは、出してみないとなんともいえないなぁ」
「どうしようかなぁ、爆発とか、暴風とか、飛行とか、もしかしたらドラゴンになれるとかかなぁ、、でさ、どうやって出すんだ?さっきの詠唱みたいなやつか?」
「こうやって、手を前に突き出し、そこに辞書位の厚みの本を持ってるイメージで手の形を作る。そして、我汝の解放者也、汝、我に従いその書を顕現させし、って唱えるだけ。簡単だろ。」
「なるほど。やってみるよ」
手を突き出し、、本の形を作る?こうか?
「我、汝の解放者也、汝、我に従いその書を顕現させし!」
すると足元に魔法陣が展開され、そこから光がぶぁぁって、、眩しい!
隼人と未来それと花さんは思わず後ろに一歩引く。
「まさかボス、、これって、」
「こりゃ少しすごいかもねぇ、あんた達、アイツら呼んできてあげな。」
「「了解です」」
と未来と隼人が部屋から走って出て行く。
「ちょっと、、どこ行くの!まま眩しい!誰か止めて!」
するとすごい楽しそうな声で花さんが
「大丈夫!死んだりしないから安心しな!」
「むしろ不安なんですが?死なない程度に何が起こるんですか?」
「君の手を見てみなよ!だんだん書が生成されているのがわかるかい?」
言われてみてみるとたしかに手に何かがあるような感覚はある。
「みんなこんな感じで眩しいの我慢してるんですか!?」
「否!君な中々素質のあるタイプみたいだよ!こんな量の気はなかなかないよ。すごいんだよこれは!」
と興奮気味の花さんはさておいて、だんだん本が生成されてもう8割くらいのところまで来たところで、本の表紙が少しずつだが見えてきた。
「おぉ、、冒険の書みたいだなぁ。かっこいいなあ。眩しいけど」
少し眩しさにも慣れてきた所で、光が収まる。
その生成された本は、悪いが隼人の書とは豪華さが圧倒的違うのが一目でわかるほど煌びやかな装飾が施され、隼人の表紙が古本みたいな見た目に対して、俺の本は、新品の魔導書みたいな輝きを放っていた。
すると花さんが
「あらら。クラスプラチナの書じゃないか、、そりゃあんなに眩しいわけだよ。秘めている気の量も相当だね。」
「クラスプラチナ?それなんですか?」
「書のランクのことなんだけど、レア度と秘めている気の量を合計してある程度のランクが決まるんだけど。」
と言いながらさっきから手に持っていたバインダーに何か書き始め
、見せてくる花さん。
そこにはピラミッドのようなものが書かれていた。
「いい?ピラミッドの一番下、これがクラスブロンズ。これはまぁ一番下ね。書の見た目もしょぼよ。そしてその次がクラスシルバー
まぁシルバーとブロンズの書の見た目は変わらないけど気の量でシルバーになるって感じよ。そしてここからが、書の見た目も変化してくるわ。クラスゴールド、これはクラスシルバーと書の見た目も気の量も大きく変わるわ。書は、装飾品も豪華になり、ブロンズやシルバーが古文書みたいな見た目に対してこちらは新しい見た目をしているわ。そして気の量は、大体だけど、シルバーの3倍くらいね
そしてあなたのクラスである、クラスプラチナ。ゴールドの装飾が金属だったのに対してクラスプラチナはあなたが無意識に自分に抱いているイメージの色の鉱石で装飾が施されているわ。あなたの書は青々とした青色の鉱石ね。とても綺麗で美しい書だわ。ちなみにプラチナの気の量はブロンズの7から8倍、すごい人は12倍くらいの気の人もいるわ。あともう一つ上にクラスダイアモンドがあるのだけれど、これはこの国に1人しかいないしあんまり詳しいこともわからないから、説明を省くわね。」
「長々と説明されたのでちょっとごちゃごちゃしてますが、とにかく俺の書がプラチナだってことはわかりました。」
すると花さんはニヤニヤしながら
「それ、隼人君と未来君に話してみなよ。顔真っ赤にして怒ると思うよ。」
「まさかあの2人ってクラスブロンズ?」
と気まずそうな俺の顔を見て花さんはまた嬉しそうに。
「大大正解!あの2人必死に特訓をして書を解放したのはいいのだけれど、気の総量があまりなかったことで、書自体もブロンズ止まりになってしまって2人ともがっかりしていたわ。」
「なるほど、たしかになんか修行したとは言っていたような気がします。」
だからあんなにあったときに言われたのか
たしかに悪いことをしたような気がする。
「ところで花さんは、クラスはなんなんですか?」
「私は、君と同じプラチナよ。でも今の遥くんは、ブロンズと同じくらいの気の量しかないみたいだから、なんでプラチナか不思議なところなのよねぇ。」
「気の量ってわかるもんなんですか?そのぱっと見で」
「まぁ相手の気の量を確認する方法は何個かあるのだけれど、一番簡単なのは、よく目を凝らしてみる。これに尽きるわ。」
「えぇ、なんですかそれ。目を凝らす?」
と目を凝らしてみるが
「いや、見えません。全く。」
「そこは修行して、気の使い方を学んでからだねぇ」
と、話していると後ろの自動ドアが空いた。
振り返るとそこには隼人と未来そして
「父さん?母さん?」
何故か父さんと母さんがいた。
「よぉ遥」
「遥、すごいわね。」
「なんで?父さんと母さんが?」
頭をぽりぽり掻きながら父さんが
「いやぁなんというか、ここで働いている職員というか、、」
それに続ける形で母さんも
「そうね。母さん保育士じゃないのよ。父さんも会社員って言ってたけど違うの。」
と申し訳なさそうに話す。
詳しく話を聞くと、うちの家系は代々書が成長とともに解放される特殊な家柄だったらしく、父さんの父さん、つまりおじいちゃんの代からここで仕事をしているらしい。俺はこの家系の中で唯一書が成長しても解放されなかったイレギュラーらしい。それでこの仕事に巻き込むわけにはいかないと秘密にしていたようだ。
「隠してて悪かったな。」
と謝る父さんと母さん。
「いやいや、別に気にしてないよ。だから謝んないでよ」
別に悪いことじゃないし、むしろ気を使わせていたのが申し訳ない。
と何故かこちらをチラチラ見てくる父さんと母さん。
「え、、どうしたの?なんかついてる?」
「いやその、すごかったって聞いたからさ、書の解放の時の光。だからどんな書だったのかなぁって」
と母さんが彼女とうまくいっているの?みたいなノリで聞いてくる。俺は自分の書を見てタイトルのところを見るがそこには何も書いてない。隼人にはあったタイトルが書いてあると思われる金属の板的なものも見当たらない。
「いや詳しいことはわからないけど、なんかクラスはプラチナらしい。」
と説明する。
すると父さんと母さん、そして隼人と未来がみんな同じタイミングで
「「「「クラスプラチナァァァァ!?」」」」
とめちゃくちゃわかりやすくびっくりしてくれる。
「うん。ほらこれ俺の書なんだけど。」
と書をみんなに見せる。
それを見た未来の挙動がおかしい。
「はははは、ははははははははは、」
「未来?大丈夫?」
その隣の隼人の様子もおかしい。
「はははははは、はははははははは」
「隼人?大丈夫?」
その隣で父さんと母さんは2人で抱きつきながら膝から崩れ落ちて泣いている。
「父さん。遥こんなに立派な書を解放させて。」
「しかもクラスプラチナだってよ。もう自慢の息子だ」
と各々が各々の反応をし始める。
花さんの方を向いてもニコニコしているだけだ。
こりゃダメだな。
「まず一回落ち着いてよみんな。ほら父さん母さん立って立って、ほら隼人未来?お前らも一回深呼吸しろ」
といっても4人は聞く耳を持たない。
唯一まともに会話できそうな花さんに一つ質問をする。
「ちなみに花さん」
「なんだい遥くん。」
「クラスプラチナってそんなにすごいんですか?」
「まぁ、日本には確認されている人だけで、18人しかいないわ」
「それって、、つまり。」
「あなた19人目。ようこそ。クラスプラチナへ。」
レアリティレベルは一応最高らしい。
「ええええええええ!日本に、、18人しかいない?」
「今日で19人よ。」
「いやいや、ち、ち、ちなみに書を解放している人は、何人ほどいるんですか?」
「大体98000人くらいじゃないかしら。」
「えええ!、、、マジか、98000人に19人だから、大体えーっと、んーと、どれくらいだ?」
と指を折り数える俺を見て花さんは淡々と
「100人に2人くらいかしら?あんまり居ない貴重な存在よ」
と答える。
「知らなかった。もっといるもんだと思ってた。え、いやなんだろう。実感というか、、えぇ」
と戸惑っていると花さんが肩をぽんぽん叩く。
そして
「安心しなさい。気の量はこの中の誰よりも低いんだから。このままだと宝の持ち腐れになるだけよ。」
「いや何をどう安心するんですか?いやですよ、最弱のクラスプラチナ。めちゃくちゃカッコ悪い。絶対に嫌です。」
「そうでしょ?だから、その書に見合うような強さにならないとね。」
「はい、頑張ります。」
その後口をパクパクさせていた2人を叩き起こし、ずっと抱きしめあっていた両親2人も叩き起こし、花さんにも手伝ってもらいながら先程俺が目覚めた部屋に4人をぶち込む。どうやらまだ口をパクパクしているようだ。使い物になりそうにないので放っておくことにした。
4人を運び終わったあと、花さんはこの基地の中を案内してくれた。
その案内中、、、
「花さんは、書はいつ解放したんですか?」
「そうねぇ、22年前にね、、」
「は?花さんって何歳なんですか?」
「そんなことをレディに聞くのかい?」
と僕の頭を少し小突く
そして少し上を向いて
「30よ。だから8歳の頃に書を解放したの。」
というものの少し悲しそうな花さん。
「何かあったんですか?その8歳の時に。」
と思わず聞いてしまう。
すると、はははと笑いながら花さんは話し始める。
「君と同じような目にあったんだよ。まぁ私の場合は親を殺されて、そのあと影魔たちに遊ばれるように嬲られている時に、書が解放して全員を殺したのだけど、」
俺は少しの沈黙の後
「なんかすいません。つい聞いてしまって、、」
と謝る。
「いいのよ。というかあなたたちの家系には感謝してるのよ。」
「え?なんでですか?」
「私は書を解放して全員を殺したあと、それこそあなたと同じ、いやそれ以上に体が傷つきもう動けない状態だったの。それを見つけて保護してくれたのが、あなたのおじいさんよ。」
「そうだったんですか?と言ってももう死んでしまいましたけどね。あんなに若かったのに」
「そうね。私もとても悲しかったわ。でも貴方のおじいさんは私に[お前はこういう仕事に縛られずに普通に生きていいんだ]って言ってもらったの。みんなにはわからないかもしれないんだけどこういうことを言ってもらえると、なぜか心が楽になるのよ。まぁ幼い私をずっと気にかけてくれた親みたいな存在だったし」
「そうなんですか?俺はあんまり話さなかったからわからないんですよ。なんかすごい頑固だったというかなんというか、常に無口なイメージありました。」
「嘘?私にはすごい優しくて常に笑っているイメージだったわよ。」
おじいちゃんといえば縁側に座ってずっと空を見てるイメージなんだけど、、、
「えぇ、なんで俺にはあんな態度だったんだろう。」
「まぁ貴方のおじいさんも色々考えてたんでしょ。」
「そうなんですかねぇ」
と疑問が頭の中でヘビーローテーションしていると、花さんは俺の腕をペタペタ触ってきた。
「え?なんですか?なんか変ですか?」
「いや、あんなにバキバキに折れていても直るのねぇ。さすがパナケアちゃんね。」
そのパナケアと呼ばれる人は俺の傷を治してくれた人らしい。
「そのパナケアさんってどこの国の人なんですか?」
「いやいや、日本人よ日本人。パナケアとは二つ名であって本名は、小鳥遊花梨。ここの医療班で、クラスはゴールドながらもプラチナにも劣らない力を持っていて、どんな怪我をしていても治してしまうのよ。」
「へぇ、その治すのって書の力なんですか?」
「そうよ。まぁ治すというよりは戻しているらしいのだけれど、花梨の書の名前は、[遡行の書]まぁ詳しいことは彼女に聞けばいいわ。」
とある部屋の扉の前で止まる。
そこの部屋のの扉の横に、なぜか保健室の札が付いている。
「保健室、、ですか?」
「そうよ。花梨の部屋は、保健室的な作りになっているのよ。」
「保健室的な、、作りですか、、」
保健室?おいおいまたキャラの強い奴が出てくるのか?
すると花さんは扉をノックして
「花梨、お客さんだからあーけて」
と呼びかける
どうやらこの部屋の扉は自動で開くタイプではなく中から開けるタイプらしい。
すると扉は俺が知ってる自動ドアのように空く。
中が見えるとそこは、本当に保健室のようだった。
中に入ると
「あら、貴方はさっきのボロボロの少年じゃないですか。」
と話しかけてきたその女性は、俺と対して年齢は変わらないように見える。白衣を着て、、というかこれよく見たらナース服じゃねぇかよ。横顔しか見えないが、ハーフみたいな顔立ちにポニーテールでまとめられている髪、そして白い肌。待って超タイプ。
「え、少年って俺のこと?いやいや花梨さんでしたっけ?見る限り俺とあんまり歳変わらないように見えるんですけど?」
「あら、私の名前を知っているのですか?そうですか、それで傷はどうですか?変なところとかないですか?」
「え、は、、はい。治してくれてありがとうございました。」
「まぁ治したというよりは戻したのですけどね。」
と言いながら座っているデスクのようなところの下の棚から見慣れた制服を出して渡してくれた。
「あれ?これは俺の制服ですよね。ビリビリになってませんでした?」
俺の制服は、買った時と同様みたいに新品になって帰ってきた。
「そうですね。まぁそこのカーテンの裏で着替えてください。その間に、私の能力についてお話しします。」
俺は言われた通りにカーテンの裏に入って変な服から制服に着替え始める。するとそのカーテン越しに花梨さんの声が聞こえてきた。
「まず、私の書についてなんだけど書の名前は[遡行の書]って言ってね」
「そこまでは花さんから聞きました。」
「そうなの?でね。能力は右手で1秒触れたものの時間を1分。左手で1秒触れたものを1時間、その触れたものの時を戻すという能力よ。」
「そうなんですか?じゃ俺の折れた腕とかも触れて直したってことですか?」
と質問すると少し頬を赤らめながら
「腕というか、身体中というか、、、」
あ、待ってそういうこと?
「その、変じゃなかったですか?」
と聞くとビクッとした花梨さんが
「いや、、その立派でした。」
「何がですか!待ってください。何がですか!」
「ななな、なんでもないです!もう着替え終わったなら早く出ていってください。」
と部屋を追い出される。ミスったな。こりゃ嫌われたかもしれない。
少しがっかりしていると花さんが
「遥くんって案外大胆なんだね。びっくりだよ。」
と少し呆れた声で言ってくる。
「違うんです。違うんですよ、、、、」
と膝から崩れ落ちる。
「ほら行くわよ」
と俺の首根っこを掴んでズルズルと引きずり次の場所に連れて行かれる。
そして連れて行かれたのは、食堂みたいなところだった。まぁどちらかというとカフェみたいなところだけど。広いっちゃ広いけどまぁ最大で収容しても40人位の広さだろう。
そこには思った以上に人がいて、軽く20人くらい人がいた。
俺を席に座らせてどこかに行ってしまう花さん。
少し席で落ち込んでいると、周りの人が話しかけてくる。
「ねぇねぇ。君プラチナなんでしょ?すごいねぇ」
最初に話しかけてきたのは20代くらいのお姉さん
「ありがとうございます。」
次に話しかけてきたのは50代くらいのダンディなおじさん
「お前プラチナなんだってな。すごいなぁ若いのに」
「ありがとうございます。」
次に話しかけてきたのは20代後半の花さん
「人気者ね。はいこれ、ここのカフェのマスターが入れたスペシャルブレンドのカフェオレよ。」
「あ、ありがとうございます。いただきます。」
一口飲むがバカうめぇ。スタバとか比にならないくらいにうめぇ
「とてもおいしいでしょ?ここのマスターの書が「黄金比の書]でね。その物の黄金比がわかるってやつでそれでコーヒーを入れるから世界一おいしいコーヒーが飲めるの」
「いや本当に美味しいです。後でお礼言わないと」
「そうね。ここのマスターの能力には後々お世話になるだろうからさ」
「そうなんですか?じゃ後で挨拶してきます。で花さんめちゃ悩んでいることあるんですけど、、」
ズズスとバカうまカフェオレを啜りながら、花さんに相談する。
「ほうほう。どうしたんだい?まぁ想像はつくけど」
「はい。花梨さんのことなんですけど、俺嫌われましたかねぇ?」
「やっぱり。君まさか花梨に恋したのかい?」
「そうなのかもしれません。」
すると花さんは首を左右に振りながらやれやれと言った態度を取る。
「君若いなぁ。花梨はいい子だからねぇ。仕方ないね。」
「どうしたらいいですかねぇ」
「まぁ、女の子と距離を縮めたいなら焦らず急かさないことだね」
「具体的には、、」
「全く。健気だなぁ。まぁ保健室に行ってみたらいいんじゃないかい?花梨は優しいから開けてくれるさ」
「そうですかねぇ、、」
と俯いて肩を落とす。
すると花さんは
「改めて、君を危機に晒してしまったのは私たちの責任。本当にごめんなさい。」
と申し訳なさそうに話す。
「いえいえ、全然大丈夫ですよ。てか花さんだってそういう目にあってるじゃないですか?」
「いやいや、書を解放している時点で影魔から一般市民を守るのが私たちの仕事。それなのにあなたを命の危険に晒してしまった。相手が下級とはいえ、あなたが書を解放していなかったら私たちは、1人の尊い命を守れなかったことになるわ。」
「まぁそうですけど。俺はこうやって生きてます。だから大丈夫っすよ」
すると花さんは
「後でもう一回花梨のところに行きましょう。あの子はここのキャラメルフラペチーノが好きなのよ。持っていってあげましょう。」
と言ってくれた。
なるほどキャラメルフラペチーノが好きなのか。
その後俺は花さんと共に花梨さんにキャラメルフラペチーノを持っていった。
その後花梨さんは花梨と呼んでいいこととなった。
少し距離縮まった。
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