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魔女集会2
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ここを案内してくれるというこの魔女はレイラという名前で魔女集会には毎回顔を出していると話してくれた。
「まぁ、他の魔女は来たり来なかったりと様々ね~」
ワインレッドのうねった髪をクルクルと指で遊びながら自由よね~と苦笑いをする。そんな姿をじっと見ながら私は感心した。なぜならこの人の出すオーラが前に来たシャーロット(ノアに教えてもらった)より大きいからだ。
「ん?どうしたの?」
私がじっと見ていたからだろう。彼女は首を傾げてこちらを見るから思わず口が滑る。
「あなたって強いんですか?」
正直さっきから違和感があった。どうしてすれ違う魔女たちがこちらを凝視するのか、そして今この質問をして周りがざわついているのか。それは彼女の強さを示すのに十分だった。恐らくこの人は他の魔女たちにとって畏怖の対象なのだろう。
「あら~やっぱり分かるのかしら」
はい、と答えるとニコリとこちらに笑顔を見せるがこれは本心ではないようだ。しかし、怖がらせないようにしている優しさも見える。分かっちゃったのなら仕方ないわねと私から一瞬目をそらしてまた目を合わせる。
「私は十三厄の一人であるレイラ・ローモンドです。…以後お見知りおきを」
浅く礼して頭を上げたその顔は暗かった。こんな私は怖いでしょうと見せた笑顔は悲しそうだ。
「別に?怖くありませんよ」
その子の目は私をしっかりと見据えていた。その言葉を信じてもいいのだろうか。だけどどの子も陰では恐れて私に近づかなくなった。ひとりひとり離れていくたびだんだん悲しくなる。なんで魔力が強いのか、なんで十三厄なのか…と。しかしキョトンとして首を傾げるこの黒髪の子の姿は偽りを感じてしまうけど反応は素だと思う。
「本当に…怖くないの?」
右手で左手をギューっと握る。するとこの子は一つため息をついて言う。
「はい、怖くないですよ」
2回も聞かないでくれとでも言うように面倒くさそうな表情を浮かべる。
「周りの方が何を恐れているのかは分かっていますが、私は正直どうでもいいです」
怖いでも怖くないでもなく、どうでもいいと言う言葉に私は驚いた。だから思わず、えっ?と聞き返す。
「だって周りの方より強いだけでしょう?確かに最初オーラを見たときは驚きはしましたが、怖くなる要素はありません。なのでそんな小さな事は気にしないということです」
強いだけというがその強さが周りとの距離を残酷なほど離していく。その強さがとても憎く、力を消してしまいたいと思ったが出来なかった。こんなに大きな力はいらないと何度も思った。だけど、この子はそれを小さな事だ、気にしないと言ってくれた。その言葉で十分だった。
「ありがとう」
心からのお礼を伝えた後、私は周りにヒソヒソ話す魔女たちがいるのにも関わらず地面へと泣き崩れてしまった。
「まぁ、他の魔女は来たり来なかったりと様々ね~」
ワインレッドのうねった髪をクルクルと指で遊びながら自由よね~と苦笑いをする。そんな姿をじっと見ながら私は感心した。なぜならこの人の出すオーラが前に来たシャーロット(ノアに教えてもらった)より大きいからだ。
「ん?どうしたの?」
私がじっと見ていたからだろう。彼女は首を傾げてこちらを見るから思わず口が滑る。
「あなたって強いんですか?」
正直さっきから違和感があった。どうしてすれ違う魔女たちがこちらを凝視するのか、そして今この質問をして周りがざわついているのか。それは彼女の強さを示すのに十分だった。恐らくこの人は他の魔女たちにとって畏怖の対象なのだろう。
「あら~やっぱり分かるのかしら」
はい、と答えるとニコリとこちらに笑顔を見せるがこれは本心ではないようだ。しかし、怖がらせないようにしている優しさも見える。分かっちゃったのなら仕方ないわねと私から一瞬目をそらしてまた目を合わせる。
「私は十三厄の一人であるレイラ・ローモンドです。…以後お見知りおきを」
浅く礼して頭を上げたその顔は暗かった。こんな私は怖いでしょうと見せた笑顔は悲しそうだ。
「別に?怖くありませんよ」
その子の目は私をしっかりと見据えていた。その言葉を信じてもいいのだろうか。だけどどの子も陰では恐れて私に近づかなくなった。ひとりひとり離れていくたびだんだん悲しくなる。なんで魔力が強いのか、なんで十三厄なのか…と。しかしキョトンとして首を傾げるこの黒髪の子の姿は偽りを感じてしまうけど反応は素だと思う。
「本当に…怖くないの?」
右手で左手をギューっと握る。するとこの子は一つため息をついて言う。
「はい、怖くないですよ」
2回も聞かないでくれとでも言うように面倒くさそうな表情を浮かべる。
「周りの方が何を恐れているのかは分かっていますが、私は正直どうでもいいです」
怖いでも怖くないでもなく、どうでもいいと言う言葉に私は驚いた。だから思わず、えっ?と聞き返す。
「だって周りの方より強いだけでしょう?確かに最初オーラを見たときは驚きはしましたが、怖くなる要素はありません。なのでそんな小さな事は気にしないということです」
強いだけというがその強さが周りとの距離を残酷なほど離していく。その強さがとても憎く、力を消してしまいたいと思ったが出来なかった。こんなに大きな力はいらないと何度も思った。だけど、この子はそれを小さな事だ、気にしないと言ってくれた。その言葉で十分だった。
「ありがとう」
心からのお礼を伝えた後、私は周りにヒソヒソ話す魔女たちがいるのにも関わらず地面へと泣き崩れてしまった。
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