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闇魔法
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火の魔法を教え始めて数週間たった。ノアは火も完全に操れるようになり、これで大まかな7つのうち6つが習得したことになる。次に教える闇魔法はノアにとって根気がいるものになる。ぜひ頑張ってほしいものだ。
今私はノアが火の魔法を完全に習得したので褒めている。まぁ要するに撫でてるのだが…最近ふと思う。私はノアを常に撫でている気がする。気が付けば撫でているし、他にも無意識にノアの髪を触っている。ノアはずっと髪を伸ばしており腰よりも少し上辺りまで伸びたその髪を、赤い紐で括っている。そんな長い髪を私は指ですいたりいじったりするが、何でそんなことをするのか?それは触り心地が良すぎるからだ。柔らかく指の通りがとてもいい、私はすでにこの髪の虜だ。それにしてもノアは撫でられるのは飽きないのだろうか。特に褒める気がなくても何かをやり遂げた時は少し頭を下げてチラッと私の目を見る。この5年間でノアは私よりも背が高くなった。私の身長は170cmぐらいだがノアはおそらく185cm行くか行かないかだろう。大きくなったものだ。難しい魔法なんかは成長期に教えたほうが扱いやすくなると言われている。だから早めに次を教えたほうがいいだろう。撫でるのをやめてジーッとノアを見ていると少し頬が赤い…暑いのだろうか?
「ど、どうかされましたか?」
「ん?いや早めに次の魔法も教えなければなと思っていたんだ」
「そうなんですね、次は闇魔法でしたっけ?」
「あぁ、でも暑いなら少し休んだらどうだ?」
そう提案すると両手を頬に当てて氷属性の魔法を発動させる。
そんなことをするくらい闇魔法がしたいのだろうか?
「これは気にしないでください…。それより私にできるでしょうか?白いオーラの人は闇魔法を使うのが難しいんですよね」
「そうだな…今までのよりも難しいだろうがお前なら出来るよ。」
「あ、ありがとうございます!」
ノアは少し照れながらそう言った。
この魔法を教えなければよかったとこのときは思わなかった。
次の日、闇魔法を教えるために昔から変わらないいつもの平野に来ていた。習得するまでの過程は他の魔法とあまり違わないが、かかる時間が圧倒的に違う。他の魔法が1年で使えるようになってもこの魔法は早くても7年はかかるだろう。その上大量の魔力と集中力がいる。そして一番恐ろしい事は闇魔法に染まってしまうことだ。白いオーラと闇の持つ黒や黒に近い紫のオーラは対立する。その中で完全に混ざってしまえば自我を失い化け物のようになってしまう。本当は水なんかの比較的扱いやすい魔法でもなってしまうことがあるがそれは気を失う程度、つまり格が違うのだ。闇魔法は周りに大きな被害を与えるうえに自身にも死の危険がある。そのことをノアに伝えたがそれでも本人はしたいとのことだった。なので教えることになったのだが今まで教えていたペースよりもうんと遅くしなければならない。そうしなければ危険過ぎる。白のオーラを持つ者は闇魔法を使うのが難しい。なので今までの白のオーラの持ち主で闇魔法を使えた者は一人もいない。理論が分かっているだけ、ただそれだけの理由で教えていいものだろうか?しかし、本人がしたいと言っているのだ。ここまで強く望まれたらその期待に答えるしかない。
「俺なら大丈夫です。だって俺は師匠の弟子なんですから、時間がかかってもやり遂げます!」
「そうか…急ぐ必要はない。自分のペースで頑張れ」
「はい!」
それからノアの闇魔法の修行が始まった。
今私はノアが火の魔法を完全に習得したので褒めている。まぁ要するに撫でてるのだが…最近ふと思う。私はノアを常に撫でている気がする。気が付けば撫でているし、他にも無意識にノアの髪を触っている。ノアはずっと髪を伸ばしており腰よりも少し上辺りまで伸びたその髪を、赤い紐で括っている。そんな長い髪を私は指ですいたりいじったりするが、何でそんなことをするのか?それは触り心地が良すぎるからだ。柔らかく指の通りがとてもいい、私はすでにこの髪の虜だ。それにしてもノアは撫でられるのは飽きないのだろうか。特に褒める気がなくても何かをやり遂げた時は少し頭を下げてチラッと私の目を見る。この5年間でノアは私よりも背が高くなった。私の身長は170cmぐらいだがノアはおそらく185cm行くか行かないかだろう。大きくなったものだ。難しい魔法なんかは成長期に教えたほうが扱いやすくなると言われている。だから早めに次を教えたほうがいいだろう。撫でるのをやめてジーッとノアを見ていると少し頬が赤い…暑いのだろうか?
「ど、どうかされましたか?」
「ん?いや早めに次の魔法も教えなければなと思っていたんだ」
「そうなんですね、次は闇魔法でしたっけ?」
「あぁ、でも暑いなら少し休んだらどうだ?」
そう提案すると両手を頬に当てて氷属性の魔法を発動させる。
そんなことをするくらい闇魔法がしたいのだろうか?
「これは気にしないでください…。それより私にできるでしょうか?白いオーラの人は闇魔法を使うのが難しいんですよね」
「そうだな…今までのよりも難しいだろうがお前なら出来るよ。」
「あ、ありがとうございます!」
ノアは少し照れながらそう言った。
この魔法を教えなければよかったとこのときは思わなかった。
次の日、闇魔法を教えるために昔から変わらないいつもの平野に来ていた。習得するまでの過程は他の魔法とあまり違わないが、かかる時間が圧倒的に違う。他の魔法が1年で使えるようになってもこの魔法は早くても7年はかかるだろう。その上大量の魔力と集中力がいる。そして一番恐ろしい事は闇魔法に染まってしまうことだ。白いオーラと闇の持つ黒や黒に近い紫のオーラは対立する。その中で完全に混ざってしまえば自我を失い化け物のようになってしまう。本当は水なんかの比較的扱いやすい魔法でもなってしまうことがあるがそれは気を失う程度、つまり格が違うのだ。闇魔法は周りに大きな被害を与えるうえに自身にも死の危険がある。そのことをノアに伝えたがそれでも本人はしたいとのことだった。なので教えることになったのだが今まで教えていたペースよりもうんと遅くしなければならない。そうしなければ危険過ぎる。白のオーラを持つ者は闇魔法を使うのが難しい。なので今までの白のオーラの持ち主で闇魔法を使えた者は一人もいない。理論が分かっているだけ、ただそれだけの理由で教えていいものだろうか?しかし、本人がしたいと言っているのだ。ここまで強く望まれたらその期待に答えるしかない。
「俺なら大丈夫です。だって俺は師匠の弟子なんですから、時間がかかってもやり遂げます!」
「そうか…急ぐ必要はない。自分のペースで頑張れ」
「はい!」
それからノアの闇魔法の修行が始まった。
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