不老不死と拾われ弟子

シーカピ

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出会い

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流血の描写があるので苦手な方はお控えください。


 白い長髪を揺らしながらカミラ・フローレスは森を歩いていた。木々の隙間から漏れ出す光に目を細め、時々小鳥のさえずりに足を止める。これがカミラにとっての日常だった。しかしこの日はいつもとは違っていた。
 ちょうど見上げると視線の先に小枝に小鳥がとまろうとしている。気配を消して足を止めると小鳥のものではない小さい声が聞こえた。普通だったら特に気にもせず通り過ぎるのだが、聞こえてきたのは残された力を絞り出すようなとても苦しそうな声だった。毎日長時間も森の中を歩き回るくらい暇な彼女はその時間を紛らわせるために声のした方へと歩いていく。その声の主に近づくにつれ芝生はまだ新しい血が付着して周りの木には血の手形がベットリと付いている。他の人が見たら恐ろしい事件現場に遭遇してしまったと足がすくむだろう。そんな状況も彼女はお構いなしと血の跡を辿っていくと、頭部も腹部も血だらけでもう息しかできそうもない少年が木にもたれかかっていた。ただジーッと見ていると少年は息絶え絶えに言葉を発するが何を言っているか分からない。
 カミラは気を失った少年の前にしゃがみ、傷の様子をみる。頭の怪我は鈍器で殴られたような凹みがあり腹には5つ並んだ傷からおそらくフォークと呼ばれる農具で刺されたのだろう。あまりに残酷すぎる。この少年と同じ人間とは思えない。普通なら助からない状況なのだが、カミラは左手の人差し指に力を流して頭部、それから腹部へとチョンと触れる。すると先程のひどい怪我が嘘のように治った。血と同じくらいの赤髪をもった彼を見て何を考えたのか指をパチンと鳴らし意識がない少年を浮かせ家へと連れて帰った。
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