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Season3
戦士ーMachinaー2
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ポラリスは自身の体がどの様な状態になっているのか理解することができなかった。体のほとんどの感覚が無くなっていたし体を起こそうにも胸より下部に力を込めることすら出来なかった。何とか腕だけを動かして自分の体を探る。
ポラリスの体は腹部で切断され、その半身同士は言葉通り皮一枚で辛うじて繋がっていた。
「おや、完全に切断したつもりだったのだがな。……その槍、“暁”か」
ポラリスは目前からメルセデスが消えた瞬間、槍での防御に無意識的に集中していた。そのおかげで自身を両断するメルセデスの刃を皮一枚ぎりぎりの所で押さえ込むことができた。
腕の力で上半身を移動させ、下半身と接地、癒着を試みる。魔力の輝きと共に肉同士が結びつき合い、次第にポラリスの体は元通りになっていく。その回復力にはポラリス自身、驚愕していた。
「あいつまさか……黒尸菌を完全に克服したのか……」
回復の様子を見たカーネルが呟く。
黒尸菌はこちらの世界で“回復”の素質を持つエレナに感染した際にその能力を取り込み、変異していた。さらに研究、改良される中で黒尸菌は自身で魔力を扱う様になり宿主に絶大な回復力を付与する。だが実際にはその回復力を発揮することができたのは黒尸菌を完全に支配した教皇デネブと理性を失くし、改良型黒尸菌に感染した生物のみであった。
「……いくらお前が化け物だろうと関係ない。次は首を撥ね、形が残らぬまで切り刻む」
メルセデスの鎧の隙間が解放され、蒸気が排出されると再び魔力が心臓部に集まる。
“魔力駆動式内燃機関”。戦士ギルドマスター、戦神ダイムラーの素質であり、自身の魔力を心臓で物理的なエネルギーに変換することができ魔力を扱うことが出来なくなる代わりに絶大な身体能力を得ることができる。恐らく息子のメルセデスもその能力を受け継いだのだろう。ポラリスは伝聞でこの能力を知るのみであったが想像した数倍、速く強力であった。
ポラリスの眼前から再びメルセデスが消え去る。ポラリスは防御に集中し、次々と襲いかかる剣撃を捌く。流石は神殺しの逸話を持つ槍、神の子とも呼ばれるメルセデスの猛攻にも折れることはなかった。
しかし、いくら折れぬ槍で防御をするにしても見えぬ速さの攻撃を全て防ぐことなど出来ず、その体は次第に切り裂かれていく。常人ならば数十回は死んでいるだろう。
しかし、体がいくら裂かれようとも、骨が何本砕かれようともすぐさま回復し、必ずくる反撃の時まで耐え抜く。
数分間の猛撃の嵐の後、メルセデスは突如攻撃を止め、後ろに下がり距離を取る。
ポラリスはその隙を見逃さず距離を詰める。魔力駆動式内燃機関は性質上、使用後は魔力が底を尽きてしまう。しかも体に熱が溜まるため排気に動きを止める必要がある。好機があるとすれば排気の時間で
「排気の時間なら勝てるとでも」
否、ポラリスの渾身の突きはメルセデスの堅牢な盾に易々と阻まれる。
驚愕。ただそれだけがポラリスの抱く感想であった。メルセデスの魔力はエネルギーへの変換によりほとんど底を尽きており、自身の体のみの力しか出せないはずである。対して自分は黒尸菌により腕力、魔力量ともに一流の戦士レベルにはある。その一撃がただ腕力のみで止められた。
固まるポラリスをメルセデスの大剣が吹き飛ばす。
「お前らとは生まれた時からの体の出来が違うんだよ」
戦神の息子、神の子メルセデスは素の腕力だけならば七英傑すべてを遥かに凌ぐ。
自身との圧倒的な差。ポラリスは吹き飛ばされて着いた腰を持ち上げられなかった。
「ポラリス!!」
エストレアが叫ぶ。
「諦めないで。奴がリスクのある魔力駆動式内燃機関を使ったのはあなたを脅威と判断したから。落ち着いてよく魔力を練って。」
エストレアの助言を聞き、今度はカーネルが叫ぶ。
「お前が黒尸菌を本当に克服したのなら今度はそいつらを支配しろ!!そうすれば菌共は主のお前に力を貸すはずだ!!」
二人の言葉を聞くとポラリスは再び立ち上がり目蓋を閉じて集中する。今まで読んできた教本、行ってきた訓練、エストレアやシリウスの戦う様子。魔力捻出のために今まで学んだことを全て思い出した。
体の内側から末端まで力強い何かが流れていくのを感じる。
ポラリスの体を宿主とする黒尸菌の一つ一つはその何かに共鳴し、魔力を生み出していく。
自身の細胞一つ一つから湧き出る力にポラリスは全能感を覚えた。
「……ほう……」
ポラリスの突然の変化にメルセデスは感嘆の声を漏らす。
「今のお前の力は七英傑にも数えられるだろう。……俺は七英傑の誰にも負けるつもりはないがね」
そう言うとメルセデスは鎧の胸部のプレートを強引に破ると手術痕のような傷跡と突出し拍動している心臓が露わになった。
「親父は俺を抑え込んできた。だが感謝はしているよ」
全身の魔力が胸に集まっていく。
「親父は俺に力と技術、それにこの心臓をくれたからな。……魔力駆動式内燃機関=二重奏……起動!!」
地響きと共に砂煙が舞うとポラリスとの距離を一瞬で詰める。
速さも威力も先程の二倍どころではない。移動の際、音の壁を越える衝撃が付近の戦士を吹き飛ばす。剣が振るわれる度に風圧による突風が吹き荒れた。
しかし、ポラリスの顔に焦りは無い。
メルセデスの雨のように降り注ぐ剣撃のほとんどを槍で弾き、体にはかすり傷しかつかない。剣と槍のぶつかる衝撃で二人の周りの砂は完全に消し飛んでいた。
数分の猛撃の後、活動限界に達したメルセデスは距離を取る。その顔には焦りの色が浮かびあがっていた。
ポラリスは今まで練り上げた魔力を“暁”に込めるとその柄は伸張し、刀身は巨大になり魔力を帯びて蒼く輝いた。
メルセデスはその絶大な魔力量を前に盾を渾身の力で盾を構える他なかった。
「いっけぇぇぇ!!」
ポラリスは強く踏み込むとその長大な槍を盾に叩き込む。
衝突の衝撃が辺りの地を抉る。メルセデスは全身を強張らせ、吹き飛ばされまいと必死に踏ん張る。
しかし、世界最硬の鉱石、オリハルコン製の盾に徐々にヒビが入ると粉々に砕け散り、“暁”は神の子の体を切り裂いた。
衝撃によって巻き上げられた砂埃が晴れると地に背をつき動かないメルセデスが現れた。
「お、おい……メルセデス様がやられたのか……」
「俺たち、やばく無いか……」
自分たちの頭領が倒れた動揺が戦士達に広がっていく。その隙をエストレアは見逃さず自身達を取り囲む戦士を魔力の刃を生成して片付け、縛りつける縄を切り裂いた。残った戦士は狼狽し、戦意を喪失して逃げる者がほとんどであった。
「エストレアさん!!みんな!!」
「ポラリス!!」
ポラリスが駆け寄るとエストレアは抱きつくように飛びつき、その勢いでポラリスは倒れ込んでしまった。
「ちょ、エストレアさん重いです!!……いやっ全然重く無いけど!!」
他の者達もポラリスの下に集まり、その再会を喜んだ。その時、メルセデスの指先がわずかに動いたことに気づくものは誰一人いなかった。
ポラリスの体は腹部で切断され、その半身同士は言葉通り皮一枚で辛うじて繋がっていた。
「おや、完全に切断したつもりだったのだがな。……その槍、“暁”か」
ポラリスは目前からメルセデスが消えた瞬間、槍での防御に無意識的に集中していた。そのおかげで自身を両断するメルセデスの刃を皮一枚ぎりぎりの所で押さえ込むことができた。
腕の力で上半身を移動させ、下半身と接地、癒着を試みる。魔力の輝きと共に肉同士が結びつき合い、次第にポラリスの体は元通りになっていく。その回復力にはポラリス自身、驚愕していた。
「あいつまさか……黒尸菌を完全に克服したのか……」
回復の様子を見たカーネルが呟く。
黒尸菌はこちらの世界で“回復”の素質を持つエレナに感染した際にその能力を取り込み、変異していた。さらに研究、改良される中で黒尸菌は自身で魔力を扱う様になり宿主に絶大な回復力を付与する。だが実際にはその回復力を発揮することができたのは黒尸菌を完全に支配した教皇デネブと理性を失くし、改良型黒尸菌に感染した生物のみであった。
「……いくらお前が化け物だろうと関係ない。次は首を撥ね、形が残らぬまで切り刻む」
メルセデスの鎧の隙間が解放され、蒸気が排出されると再び魔力が心臓部に集まる。
“魔力駆動式内燃機関”。戦士ギルドマスター、戦神ダイムラーの素質であり、自身の魔力を心臓で物理的なエネルギーに変換することができ魔力を扱うことが出来なくなる代わりに絶大な身体能力を得ることができる。恐らく息子のメルセデスもその能力を受け継いだのだろう。ポラリスは伝聞でこの能力を知るのみであったが想像した数倍、速く強力であった。
ポラリスの眼前から再びメルセデスが消え去る。ポラリスは防御に集中し、次々と襲いかかる剣撃を捌く。流石は神殺しの逸話を持つ槍、神の子とも呼ばれるメルセデスの猛攻にも折れることはなかった。
しかし、いくら折れぬ槍で防御をするにしても見えぬ速さの攻撃を全て防ぐことなど出来ず、その体は次第に切り裂かれていく。常人ならば数十回は死んでいるだろう。
しかし、体がいくら裂かれようとも、骨が何本砕かれようともすぐさま回復し、必ずくる反撃の時まで耐え抜く。
数分間の猛撃の嵐の後、メルセデスは突如攻撃を止め、後ろに下がり距離を取る。
ポラリスはその隙を見逃さず距離を詰める。魔力駆動式内燃機関は性質上、使用後は魔力が底を尽きてしまう。しかも体に熱が溜まるため排気に動きを止める必要がある。好機があるとすれば排気の時間で
「排気の時間なら勝てるとでも」
否、ポラリスの渾身の突きはメルセデスの堅牢な盾に易々と阻まれる。
驚愕。ただそれだけがポラリスの抱く感想であった。メルセデスの魔力はエネルギーへの変換によりほとんど底を尽きており、自身の体のみの力しか出せないはずである。対して自分は黒尸菌により腕力、魔力量ともに一流の戦士レベルにはある。その一撃がただ腕力のみで止められた。
固まるポラリスをメルセデスの大剣が吹き飛ばす。
「お前らとは生まれた時からの体の出来が違うんだよ」
戦神の息子、神の子メルセデスは素の腕力だけならば七英傑すべてを遥かに凌ぐ。
自身との圧倒的な差。ポラリスは吹き飛ばされて着いた腰を持ち上げられなかった。
「ポラリス!!」
エストレアが叫ぶ。
「諦めないで。奴がリスクのある魔力駆動式内燃機関を使ったのはあなたを脅威と判断したから。落ち着いてよく魔力を練って。」
エストレアの助言を聞き、今度はカーネルが叫ぶ。
「お前が黒尸菌を本当に克服したのなら今度はそいつらを支配しろ!!そうすれば菌共は主のお前に力を貸すはずだ!!」
二人の言葉を聞くとポラリスは再び立ち上がり目蓋を閉じて集中する。今まで読んできた教本、行ってきた訓練、エストレアやシリウスの戦う様子。魔力捻出のために今まで学んだことを全て思い出した。
体の内側から末端まで力強い何かが流れていくのを感じる。
ポラリスの体を宿主とする黒尸菌の一つ一つはその何かに共鳴し、魔力を生み出していく。
自身の細胞一つ一つから湧き出る力にポラリスは全能感を覚えた。
「……ほう……」
ポラリスの突然の変化にメルセデスは感嘆の声を漏らす。
「今のお前の力は七英傑にも数えられるだろう。……俺は七英傑の誰にも負けるつもりはないがね」
そう言うとメルセデスは鎧の胸部のプレートを強引に破ると手術痕のような傷跡と突出し拍動している心臓が露わになった。
「親父は俺を抑え込んできた。だが感謝はしているよ」
全身の魔力が胸に集まっていく。
「親父は俺に力と技術、それにこの心臓をくれたからな。……魔力駆動式内燃機関=二重奏……起動!!」
地響きと共に砂煙が舞うとポラリスとの距離を一瞬で詰める。
速さも威力も先程の二倍どころではない。移動の際、音の壁を越える衝撃が付近の戦士を吹き飛ばす。剣が振るわれる度に風圧による突風が吹き荒れた。
しかし、ポラリスの顔に焦りは無い。
メルセデスの雨のように降り注ぐ剣撃のほとんどを槍で弾き、体にはかすり傷しかつかない。剣と槍のぶつかる衝撃で二人の周りの砂は完全に消し飛んでいた。
数分の猛撃の後、活動限界に達したメルセデスは距離を取る。その顔には焦りの色が浮かびあがっていた。
ポラリスは今まで練り上げた魔力を“暁”に込めるとその柄は伸張し、刀身は巨大になり魔力を帯びて蒼く輝いた。
メルセデスはその絶大な魔力量を前に盾を渾身の力で盾を構える他なかった。
「いっけぇぇぇ!!」
ポラリスは強く踏み込むとその長大な槍を盾に叩き込む。
衝突の衝撃が辺りの地を抉る。メルセデスは全身を強張らせ、吹き飛ばされまいと必死に踏ん張る。
しかし、世界最硬の鉱石、オリハルコン製の盾に徐々にヒビが入ると粉々に砕け散り、“暁”は神の子の体を切り裂いた。
衝撃によって巻き上げられた砂埃が晴れると地に背をつき動かないメルセデスが現れた。
「お、おい……メルセデス様がやられたのか……」
「俺たち、やばく無いか……」
自分たちの頭領が倒れた動揺が戦士達に広がっていく。その隙をエストレアは見逃さず自身達を取り囲む戦士を魔力の刃を生成して片付け、縛りつける縄を切り裂いた。残った戦士は狼狽し、戦意を喪失して逃げる者がほとんどであった。
「エストレアさん!!みんな!!」
「ポラリス!!」
ポラリスが駆け寄るとエストレアは抱きつくように飛びつき、その勢いでポラリスは倒れ込んでしまった。
「ちょ、エストレアさん重いです!!……いやっ全然重く無いけど!!」
他の者達もポラリスの下に集まり、その再会を喜んだ。その時、メルセデスの指先がわずかに動いたことに気づくものは誰一人いなかった。
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