ゾンビ転生〜パンデミック〜

不死隊見習い

文字の大きさ
上 下
69 / 106
Season3

愚者ーFoolー

しおりを挟む
翌日からジョージも参加した。


レコードから楽譜を起こす作業から開始する。元々楽譜もあるのだがアレンジもしたい。全部の楽器用の楽譜が揃ったら合わせて調整をしていく。

楽器は音出しから入る。声楽は発声から。

キャサリンは元々の声が良いから発声をもっとやった方が良いな。

身体が楽器の私達はストレッチなども行う。

「王子、発声練習お願いしまーす」

ドレミの音階を1音ずつ上げて声を出す基本練習

「キャサリン喉開いて」

まだ硬いなあ。

「ちょっと失礼」

キャサリンのお腹に手を当てる。腹筋はぼちぼちだな。

クライスとカインが羨ましそうに見るのでサービスでガン飛ばしといた。嬉しそうなのが気持ち悪い。


「王子、ロングトーンもお願いしやーす」

「はいはい」

王子嬉しそうだなあ。


なるほどファからソ辺りがブレるね。丁度裏声との境目なんだな。

「キャサリンはファからソ辺りを家で自主発声ね。アルトはその辺の音階多いから」

「解ったわ!歌うの楽しい!」

嬉しそうで良かった。アルトはこのくらいの年齢ではなかなか大人っぽい声がいない。キャサリンは良い声だ。


「それから!カイン!クライス!何時に起きた?」

不服そうな顔をするとすまなさそうな顔をしながらも嬉しそう。

「声が起きてない」

睨むとやはり嬉しそう。キャサリンは横で苦笑している。

「やっぱドMって本当なのね」

と耳打ちして来た。私は困り顔で頷いた。


エミリアは出だしが他の管楽器が居ないのでほぼソロに近い。一生懸命練習している。上手いよなあ。


一方でジョージとルイスの弦楽器コンビ!上手い!

攻略対象者ハイスペック。ピアノ以外も行けるのか。

眺めて居るとルイスが不快そうにガン飛ばして来た。此奴は庶民が嫌いなんだろうか?私もついつい睨み返してしまう。


火花散りそうなのでこの辺で止めとこう。


今日の練習は1回合わせて終わった。何だかんだで途中休憩もしたけど6時間くらい学校に居た。

前世はアレだっただけど今世の歌を歌う生活も楽しい


帰りはお金持ち達はクラシックカー(この時代のこの世界では最先端)で御帰宅だ。

お迎えが来ている。

ルイスがふらっと車と逆方向へ歩いて行った。

ん?!んんんんん!!?

「単車だぁ!!」

テンションが一気に駆け上がる


「凄い凄い凄い!」

ルイスの方へ猛ダッシュ!

皆もどうした?と着いて来ている


「ルイス、買ったんだ?」

クライスが珍しそうにモーターサイクル(日本語ではオートバイ)を眺めている。

「乗りたい!乗りたい!お願いしやす!」

私はルイスに頭を下げる


「流石に女性には危ないですよ」

カインが宥めてくる。いやいや乗れるんだよ!


「ルナリー、これ高いですわよ」

キャサリンは気持ちは解ってくれているのだろうが確かに高いんだよなあ


「因みにおいくらくらい?」

単車をペタペタ触りながらルイスの方を見ると少し嫌そうな顔をしていた。

「ウェールズ家の年収くらい?か、それ以上?」

さらっと言いやがる。クソ!買えねえ!


「お願いします。乗せて下さい。ルイス様」

懇願してみる。


「乗せてあげれば?」

王子がルイスに声をかける。


「後ろになら。事故起こされても困るから」

ルイスは不服そうに言った。

「いいの?!それでも嬉しい!」

「学校の周り1周だけな」


ヘルメットをポンと渡される。この世界で乗れると思わなかったなあ。単車ぁぁ!

ルイスの後ろに乗る。テンションが上がり過ぎる。ワクワク。

エンジンがかかるとこの感覚!懐かしい!

「しっかり捕まってろ!」

ルイスに言われて、慌てて腰に手を回す。


風が気持ち良い!この流れる感覚!

「ひゃっほー」

声が漏れる!

「たーのしーい!」

身体が覚えてるなあ。カーブ曲がる感触。


「お前さあ!、、、」

ルイスが何か言った

「何ー?聞こえない!」

大声で叫ぶ

結局、何を言ったか解らず学校1周はあっという間に終わってしまう。

ルイスの背中が何だか懐かしい感じがした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

半神の守護者

ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。 超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。 〜概要〜 臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。 実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。 そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。 ■注記 本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。 他サイトにも投稿中

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

妻を蔑ろにしていた結果。

下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。 主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。 小説家になろう様でも投稿しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...