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12.バルコニー王視点 ラビアとミセス

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「ラビアいいか?入るぞ」
バルコニー王がラビア宰相の部屋に行くと、ミセスとラビアが二人で椅子に座り恋人のように寄り添っていた。
「え?」
 と、バルコニー王は、その様子を見て戸惑った。
「!」
「えっ!?」
 すると、ミセスとラビア宰相が長いソファーの上で恋人のような繋ぎ方をし、お互い寄り添っていた。
「ど、どうして二人が…」
「え、あ、あの…」
 バルコニー王が驚いているとミセスはしどろもどろとしていた。
「ラビア宰相に用があったの!」
「ラビアに?」
 バルコニー王は、怪訝な顔をするが、ミセスはそうよ。と言う。すると、
「本当ですよ。バルコニー王」
 と、ラビア宰相が言った。
「ミセス様は正妃になられるので、その相談を私の所にされにきたのですよ」
「そ、そうよ!」
 と、ラビアとミセスは言った。バルコニー王は半信半疑だったが、
「…そうか」
 と、言った。
「もしかして、バルコニー王もラビア宰相とお仕事かしら?」
 すると、ミセスはバルコニー王に聞いた。そして、ああ。とバルコニー王は言った。
「そうなんだ。なら、私出ていくわね!そうそう!バルコニー王。私、何にもわからないんだから、しっかりしてね!王様!」
 というと、ミセスは出ていった。
 そして、部屋にはバルコニー王とラビア宰相、二人きりになる。そして、ラビア宰相はため息をついた。
「突然ドアを開けるなんて非常識ですよ」
 と、ラビアは、言った。それはすまない。バルコニー王が、言った。
「どういうことだ。ラビア。まさかミセスと逢引きしていたのか?」
「まさか。ミセス様は距離感が分からない方なんで、只話すだけなのに引っ付かれていただけですよ」
と、ラビア宰相は言った。
本当にそうなのか?と、バルコニー王はモヤモヤした。が、
「やれやれ。ユーミア王妃に出ていかれてるんですから、しっかりしてくださいよ。バルコニー王様」
「…」
「貴方一人では何も出来ないのですから。私まで居なくなってしまうのは困るでしょう?」
バルコニー王は、手を握りしめた。確かに、ラビア宰相はかなり優秀で、バルコニー王の分まで仕事をする。
其れ故バルコニー王はラビア宰相に異存をして居る所があった。
(…そうだ。これ以上、何か言うと皆俺から離れて行ってしまう…)
 バルコニー王はそのことが怖かった。
 だからいつも強く何か言えなかった。
「で?何の用か説明して貰いますか」
と、ラビア宰相が言ったので、バルコニー王はああ。と言い、ラビア宰相に説明した。
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