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7. 先王
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ユーミアは次は、先王が住んでいる邸宅で話をする事になった。父から先王と話せるよう、取り持ってもらったのだ。
「何か私に話があると。…貴女の父から聞いた。王妃を辞めると」
と、バルコニーの王の父である先王は言った。
「ええ」
と、ユーミアは先王に言う。すると、先王はため息をついた。
「何故だ。ユーミア王妃。貴女が居なくなれば、私とて困るのだ。私はユーミア王妃は大層優秀な人物だと思っている。だから、やはり考えてはくれないか?」
「…では、先王様。今のバルコニー王を見てどう思われますか?」
と、ユーミアが聞くと先王は複雑そうな表情だった。
「…今は只の気の迷いだと思っている」
「…そうでしょうか?私はもうバルコニーの心はもう他の方にあると思いますわ」
「…そうだな。確かにこの状況は、もうユーミア王妃を追い詰めるものになってしまっているんだな」
先王は、そう言った。
「ええ。バルコニー王と話し合ったけれど、もうこれ以上の説得は無理だと思いましたわ。…これはきっと、王妃としての役目を放棄することに繋がるでしょう。となると、やはり自分でも王妃を向いているとは思えませんし、だから、役目を降り、バルコニー王に、寵愛を受けている方が正妃になるべきだと私は思うのですよ。私はこれからの時代、愛人というものが王室に必要不可欠なものだとは思えませんので。このような、目指すべき志が違う者同士番になっても何れ国が、われますわ」
「…成る程な」
と、ユーミアは先王に正直な思いを伝えた。すると、
『シリス・クラウン兄王様です。入っても宜しいでしょうか』
と言う、兵士の声がドアの奥から聞こえた。
「おお。来てくれたのか。シリス。入りなさい」
と、先王が言うと、失礼します。という声が聞こえ、バルコニーの兄であり、王兄ーシリス・クラウンが入ってきた。
「何か私に話があると。…貴女の父から聞いた。王妃を辞めると」
と、バルコニーの王の父である先王は言った。
「ええ」
と、ユーミアは先王に言う。すると、先王はため息をついた。
「何故だ。ユーミア王妃。貴女が居なくなれば、私とて困るのだ。私はユーミア王妃は大層優秀な人物だと思っている。だから、やはり考えてはくれないか?」
「…では、先王様。今のバルコニー王を見てどう思われますか?」
と、ユーミアが聞くと先王は複雑そうな表情だった。
「…今は只の気の迷いだと思っている」
「…そうでしょうか?私はもうバルコニーの心はもう他の方にあると思いますわ」
「…そうだな。確かにこの状況は、もうユーミア王妃を追い詰めるものになってしまっているんだな」
先王は、そう言った。
「ええ。バルコニー王と話し合ったけれど、もうこれ以上の説得は無理だと思いましたわ。…これはきっと、王妃としての役目を放棄することに繋がるでしょう。となると、やはり自分でも王妃を向いているとは思えませんし、だから、役目を降り、バルコニー王に、寵愛を受けている方が正妃になるべきだと私は思うのですよ。私はこれからの時代、愛人というものが王室に必要不可欠なものだとは思えませんので。このような、目指すべき志が違う者同士番になっても何れ国が、われますわ」
「…成る程な」
と、ユーミアは先王に正直な思いを伝えた。すると、
『シリス・クラウン兄王様です。入っても宜しいでしょうか』
と言う、兵士の声がドアの奥から聞こえた。
「おお。来てくれたのか。シリス。入りなさい」
と、先王が言うと、失礼します。という声が聞こえ、バルコニーの兄であり、王兄ーシリス・クラウンが入ってきた。
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