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休日。学校にて。
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今日は休日。いつもなら先生にばったり出会う話なのだが、今日はこちらから会いに行こうと思う。
事の始まりは昨日の事で、英検を申し込もうとしたが、つい申込用紙を提出するのを忘れてしまい、英語の先生にメールで「まだ間に合うか」と聞いてみると
次の日に「今日中に持ってきて!待ってる!」と半ば強制的に持ってこいと言われたからである。
「…待ってるって……行ってくるか」
ジャージに着替え、申込用紙と試験料金の入った袋をファイルに入れて、鍵を持つ。
「行ってきまーすー」
「行ってらーさーいー」
自転車の鍵を外し、ファイルを自転車のカゴに放り込む。すこしカゴのサイズが小さくて、ファイルがくしゃりと曲がってしまったが、まぁ良いだろう…
ペダルを踏み込み、自転車で走り出す。
おお、久しぶりに自転車に乗った。あれ!もう足が痛いぞ!運動不足を感じる瞬間だった。
*
学校についた。運動不足を本当に感じてしまう。自転車を泊め、汗を脱ぐいつつ、ファイルを手に取った。
少し折れ曲がってしまったな。まぁいっか!
「あれ、先生だ、先生ー!先生ーー!」
「ん?お、おぉ!どうした」
担任の佐藤先生がちょうど良いタイミングで外に出てきた。
「英検を申し込もうと」
「おぉ!何級?」
「3級です」
「おー!すごいじゃん、頑張れ!」
先生はそういうと、車の方へと歩いていった。
私は教員、または来賓の方用の玄関から校内に入った。こういう時、玄関の隣にあるチャイムを鳴らすものなんだろうかと一瞬考えたが、私が来ることは前提になっていたから良いだろう。
「…あ~…静か…」
怖いぐらい静かだ。生徒がいないと静かだな…靴を脱いで、上靴にはきかえる。正直靴下だけで行きたいぐらいだ。職員室まで行くこの瞬間が緊張でいっぱいになる。緊張する事でもないけど…
「失礼します、国木田先生いますか?」
沢山の先生方が振り返る。あれ、国木田先生いなさそう
「おお、英検の話かい?」
「そうです」
他の英語科の月島先生が、立ち上がった。
そういえば国木田先生がいなかったら月島先生に、って書いてあったな
「お金もある?」
「はい、お願いしまーす」
「はーい」
よし、これで申込用紙は届けれた!
「失礼しました」と職員室を出る瞬間に、改めて軽く職員室の中を覗いて見た。
なんか…いつも以上にほんわかとのんびりしていた。
要件は済んだので、上靴を脱いで外靴にはきかえていると、遠くから声が聞こえてきた。まさか、と思い少し待ってみる。
「国木田先生!」
「お!来たね!持ってきた!?」
「月島先生に渡しました!」
「そうか!頑張れよ!」
国木田先生は親指を挙げて、サムズアップしながら職員室に入って行った。
事の始まりは昨日の事で、英検を申し込もうとしたが、つい申込用紙を提出するのを忘れてしまい、英語の先生にメールで「まだ間に合うか」と聞いてみると
次の日に「今日中に持ってきて!待ってる!」と半ば強制的に持ってこいと言われたからである。
「…待ってるって……行ってくるか」
ジャージに着替え、申込用紙と試験料金の入った袋をファイルに入れて、鍵を持つ。
「行ってきまーすー」
「行ってらーさーいー」
自転車の鍵を外し、ファイルを自転車のカゴに放り込む。すこしカゴのサイズが小さくて、ファイルがくしゃりと曲がってしまったが、まぁ良いだろう…
ペダルを踏み込み、自転車で走り出す。
おお、久しぶりに自転車に乗った。あれ!もう足が痛いぞ!運動不足を感じる瞬間だった。
*
学校についた。運動不足を本当に感じてしまう。自転車を泊め、汗を脱ぐいつつ、ファイルを手に取った。
少し折れ曲がってしまったな。まぁいっか!
「あれ、先生だ、先生ー!先生ーー!」
「ん?お、おぉ!どうした」
担任の佐藤先生がちょうど良いタイミングで外に出てきた。
「英検を申し込もうと」
「おぉ!何級?」
「3級です」
「おー!すごいじゃん、頑張れ!」
先生はそういうと、車の方へと歩いていった。
私は教員、または来賓の方用の玄関から校内に入った。こういう時、玄関の隣にあるチャイムを鳴らすものなんだろうかと一瞬考えたが、私が来ることは前提になっていたから良いだろう。
「…あ~…静か…」
怖いぐらい静かだ。生徒がいないと静かだな…靴を脱いで、上靴にはきかえる。正直靴下だけで行きたいぐらいだ。職員室まで行くこの瞬間が緊張でいっぱいになる。緊張する事でもないけど…
「失礼します、国木田先生いますか?」
沢山の先生方が振り返る。あれ、国木田先生いなさそう
「おお、英検の話かい?」
「そうです」
他の英語科の月島先生が、立ち上がった。
そういえば国木田先生がいなかったら月島先生に、って書いてあったな
「お金もある?」
「はい、お願いしまーす」
「はーい」
よし、これで申込用紙は届けれた!
「失礼しました」と職員室を出る瞬間に、改めて軽く職員室の中を覗いて見た。
なんか…いつも以上にほんわかとのんびりしていた。
要件は済んだので、上靴を脱いで外靴にはきかえていると、遠くから声が聞こえてきた。まさか、と思い少し待ってみる。
「国木田先生!」
「お!来たね!持ってきた!?」
「月島先生に渡しました!」
「そうか!頑張れよ!」
国木田先生は親指を挙げて、サムズアップしながら職員室に入って行った。
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