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コンビニ 堅揚げポテト編

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我が家の近くのコンビニに、夜遅く散歩がてらやってきた。深夜11時に1人で歩きは不安になるが、歩いて3分もかからない。それに大きい車道があるもんだし、住宅が並んでいるもんだから叫べばすぐ気づかれる。だから犯罪は今まで無いと市長が誇っていたものだ。
コンビニの中に入ると、とりあえずカゴを手に色々見て回る。深夜だから、スパゲティだのガッツリしたものは食べてしまっては明日の胃に響く…食べれるけど。うろちょろとしていて、結局導かれるように入ったのはお菓子コーナーだった。

「…あれ、」

つい、体を隠してお菓子コーナーに佇む人影を見つめた。松本先生じゃん。今日学校で見かけた学校のまま、松本先生は考えるような素振りしながら目に映るお菓子をぽいぽいとカゴに放り込んでいく。どうしてだ。堅揚げポテトだけがただひたすらに積まれていく。目に映るお菓子を無造作に入れていると思いきや、目に映るだけを入れていた。
(そう言えば堅揚げポテトが好きだって言ってたなぁ…)
ふと少し前の記憶を思い出した。
それにしてもその堅揚げポテトの量はやばい。
並んでいる堅揚げポテトの全てが松本先生のカゴの中。すっからかんすぎて棚を見ている見てるこちらが風邪をひきそう。

「…今全部食べたら太るかなぁ…」

「今ァ!?!?!?」

ひっそりと見つめていたが、あまりの発言に
びっくりして叫んでしまった。
目を丸くした松本先生と目が合う。幸い深夜なだけあり客は私と松本先生だけだった。

「…聞いてた?」

「…聞いてました…」

「やっぱり?…恥ずかしいわぁ…」

少し眉を下げ、松本先生は恥ずかしそうに頭をかいた。そして自信満々な顔になると

「いやぁお腹が空いて…今なら食べれそうな気がするんだ」

「わかります…私もスパゲティ食べれそう…」

「食べちゃお食べちゃお」

松本先生にそう促されると、いつの間にかカゴの中にはスパゲティと唐揚げが入っていた。
レジで会計を済ませ、外に出ると松本先生が待っていた。

「罪悪感…すごいね…」

「やばいですね…」

レジ袋に入る各自の商品を見つめて呟く。
こんな深夜に歩きは不安だと、松本先生は車で私を家の前まで送ってくれた。車のおかげで1分もかからない。

「…よし!じゃあ、また明日!」

「はい!体重計乗って絶望しませんように!」

「きゃ~!怖いねー!じゃあ!」

車が発進し、遠くに消えるのを見届けてから家に入る。母が「おかえり、遅かったね」と出迎えてくれたので「松本先生と会っちゃった!2人で罪悪感を感じます!」とレジ袋を見せつけて笑った。
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