とあるクラスの消失

倉箸🥢

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剛と夏花

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「とりあえず、雄星小学校に電話してみたら、取材おっけーだって!」

「行動が早いな花火先生…」

次の日、私達はすぐ様に我が母校の
雄星小学校に向かった。ダメ元で頼んでみたらあっさりとOKして頂けたから、早くも小学校へと向かう。有難いことに私達は地元を離れていなかったし、何なら住んでるところもそこそこ近い。小学校には10分ぐらいでついた。車から降り、学校を見上げた。

「…なっつかし…」

「こんな感じだったなぁ…」

もう秋も終わる直前で、格段と冷え込み始めたこの季節。落ち葉がおどるように聞こえる乾いた音も、改装したのか、少し新しくなった学校も、見上げる視点が少し変わってしまったけど、「確かに私達はここにいたんだ」という当たり前の気持ちが感情を高ぶらせた。玄関のドアを開け、様子を伺いつつ入ると、一人の男性が待ち構えているるかのごとく立っていた。

「うぉっ、びっくりした…取材させて頂きます漫画家の花乃です」

「小説書いてます夏樹と申します…」

とりあえず挨拶をすると、目の前の男性は笑った。

「知ってる知ってる、久しぶり、花火と夏目」

「…え、剛!?」

「おう、剛だよ」

男性__剛は頭をかくと「先生になったんだよ」と照れくさそうに言った。
剛も元6の2の生徒で、その時から志していた夢だった。

「なんだよも~!夢叶えたのか~!」

「お前だって叶えてんじゃん~!」

まさかの遭遇に私はテンションを上げ、迷惑にならない程度に声を上げると、剛も昔のようなノリで明るくツッコんだ。

「…剛ってさ、元6の2だよね?」

夏目は顔を覗き込み、心配げに聞くと
剛は当たり前だと言うように「…?そうだな」と答えた。 

「よっしゃ剛今時間ある?」

「んにゃ…授業出ないとならんし…休み時間か放課後なら…」

「じゃあ時間ある時に…!話がありまして…」

授業の始まりを告げるチャイムが大きく響いた。剛は1度時計を見上げると目を点にして遅刻した子供のように足を動かした。

「やっべもう行くわ、図書室とかなんなら授業風景も見に来ていいからさ、自由に見て回って!」

「う、うん!頑張れ!」

剛は勢いよく走り出し、職員室に入ると、瞬きをする間も無く荷物を持ち、職員室を出て階段を駆け上っていった。

「変わんないなあの人」

「本当それ…」
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