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真実が終わりを告げる
Chap.6 Sec.6
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コレット・メルシエは大きくため息をついた。
箒を持つ手は止めることなく、さっさかさっさかと動かして屋敷の敷地周りの小道を掃除してはいるが、胸のモヤモヤを吐き出したくて口の中だけで唱えていた。
「毎日毎日ひやかしのようにやって来て皆さんお暇ですか。うちに罪人は居ないと言っているのにいちいち探りを入れて……だいたいお嬢様に罪はないでしょうに。知らなかったお嬢様だって被害者です。なんでお嬢様が責められるんですか……」
箒の先が、ガサリと大きな音を立てた。これでは箒を傷めてしまう。力が入りすぎていた手を緩めて、落ち葉をせっせと集めていく。
新聞が出た直後よりは減ったが、屋敷に好奇心でやって来る者は未だにいた。一人娘の存在は新聞には載っていなかった(誰が手を回したのか分からない)が、一部では知られていて、この町でも当然有名だった。裁かれるべきだと主張する者は一体なんなのか。貴族の恩恵をどうこう語るけれども、この家は国からの恩恵は受けていない。革命で取り上げられた土地が返されたときは、すでにその土地を買い戻したあとだった。事業を頼りに栄華を取り戻しつつあっただけで……それでも慎ましく生活していた。
使用人の者たちは知っている。
前の主人を怨んでいいのは、現在の主人ひとりだけだ。外の者がどうこう言うのは……間違っている。
「……お嬢様」
屋敷の方に目を向け、尖塔を見つめた。
彼女が小部屋に入って一週間がたつ。その間コレットは一度も目にしていない。元気にされているのだろうか……。
(ルネ様も、なんであんな仕打ちを……)
囚われ人のような扱いではなく、せめて陽の入る部屋で。
使用人の誰もがそう進言したいはずだが、何も言えずにいる。現主人の心のうちが分からない。……本当ならば、
(ん?)
近づいてくる馬車の音を察して、思考を止めた。主人の帰宅には早すぎる。来客だろうかと思い、とりあえず頭を下げた。
カ、コ、カ、コ。音が緩くなっていく馬車はてっきり自分を過ぎて屋敷の方へ行くかと思ったのに、ちょうど目の前で御者によって止められた。
なんだろう。そろりと顔を上げかけた先で、馬車のドアが開いたかと思うと——
にゅっと伸びてきた腕に、体を捕らわれた。悲鳴を出すことなく口を塞がれ、馬車へと引き込まれる。
(ひっ、ひとさらい!)
暴れようとした手を左右から押さえ込む顔ぶれに、コレットは抵抗する力が抜けていた。なんだか見たことがある……いや、激しく見たことがある。
「あなた、あの家のメイドね? ちょっと証言してほしいことがあるの。口を離すけれど、叫んではダメよ。いーい?」
くりくりのブラウンの眼。真剣な表情の彼女はたしか——エレアノール・クール。お嬢様のご友人。
「……驚かせてごめんなさいね? 私たち、少し協力してほしいだけなの」
エレアノール嬢の奥に座る柔らかな金髪の女性は……ジョゼフィーヌ・フーシェ。こちらもご友人。
最後のもうひとり、こちらをがっしりと押さえ込んだ男性は……
「離すけど……逃げようとしたら許さないぞ」
お嬢様の元婚約者、フィリップ・ド・タレラン=ペリゴール。雲の上のひと。
高級馬車の中に集まったそうそうたるメンバーに、コレットは目を丸くしていた。解放された口はぽかっと開いていて状況を追えていない。
エレアノールが、ずいっと顔を寄せた。
「彼女は今、尖塔の小部屋に閉じこめられているわね? そうね? そうと言いなさい」
「え……?」
「おい、無理やり証言させるな」
コレットが首をかしげると、フィリップが口を挟んだ。
エレアノールがフィリップを横目で睨む。
「真実なのだからいいでしょ! 親族の人たちにも聞いて回ったけれど、屋敷で彼女の姿を見た者は誰もいないのよ。閉じこめられているのよ、ぜったいに!」
「……本当か? あの使用人がそんなことするか?」
「今のルネさんはなんでもするわよ! とっても怖い顔してるんだからっ」
「……父親のことは分かるけど、娘まで怨むとは……思えないけどな」
「あなた今のルネさんを見てないから言えるのよ! あたしのことなんて嘘つき扱いして! ひどいわ!」
「それはあんたが裏表ありすぎるからじゃ……」
「あたしのどこが裏表あるというの!」
「いや、あんた社交の場と今じゃ別人だぞ?」
「——二人とも、メイドの子が困惑してるから落ち着いて……話を戻してちょうだい」
エレアノールとフィリップの会話を、ジョゼフィーヌが割った。注意を受けた小犬のように、二人がちょこんと大人しくなる。
コレットはよく分からないままにジョゼフィーヌの方へと目を向けた。
「……あのね、私たち、彼女を捜しているのよ。お宅にも訪問したのだけど、接客のメイドに取りついでもらえなくて……ルネ様に頼んでも追い返されてしまうの。屋敷の皆さん、彼女はいないと言うけれど……本当はいるのよね? 尖塔の小部屋なら、隠すのに最適だものね?」
「……いえ、前のお嬢様でしたら、出ていかれました。屋敷にはおりません」
彼らの目的をようやく理解した。
コレットは表情をととのえて否定する。
すると、フィリップが「そんなわけないだろ」と強い口調で口を開いた。
「放り出したなら、とっくに町の人間に見つかって処刑じみたことになってる。いくら町の人間に好かれていても、罰を与えたい奴らだっているんだ……安全じゃない。元貴族の娘として悪用したい人間だっている。それなのに追い出すはずがない。あの使用人は……そんなことはしない」
横から「あなたにルネさんの何が分かるのよ」との突っこみがあったが、今のフィリップの言葉に、コレットは小さな共感を覚えていた。
(——そう、ルネ様は絶対にそんなことはしない)
フィリップの目が、コレットを見る。
コレットもまたその目を見つめ返し、見定めていた。このひとに、話してもいいものかどうか。
「使用人……いや、あんたの現主人は、あいつを閉じこめてるのか? 隠してるだけで、ちゃんと面倒みてやってるんじゃないのか? ……ほんとはちゃんと生活できてるんだろ? もしかしたら、案外あいつは幸せにやってるんじゃ……」
「——いいえ」
フィリップの瞳に宿る、案じるような優しさに、コレットは思わず答えてしまった。
ハッとしたが言葉を取り消すことなく、逆に彼らへと問いかけた。
「……お嬢様が閉じこめられているのなら、どうされるのです?」
「本当に閉じこめられてるなら助け出す。どこか安全な場所に連れてく」
「それではダメです! そんなことをしたら……お嬢様とルネ様は離ればなれではないですかっ」
「? ……そのルネが閉じこめてるならの話だろ?」
「閉じこめてるのは、何か理由があるのかも知れないではないですか! あたしなんかが想像もつかない理由で、ルネ様も仕方なく閉じこめてるのかもっ……」
「どんな理由があれば閉じこめていいことになるんだ? 本人が望んでるのか?」
「それはっ……でも、お嬢様とルネ様を引き離すなど、あたしは反対です。もっと違う案をくださいませ! 二人が一緒にいられる未来でなければ、あたしは協力できませんっ……」
コレットの目に浮かんだ涙に、フィリップだけでなくあとの二人も動揺し、互いに目を合わせた。
ジョゼフィーヌが、そっと優しく声をかける。
「彼女がルネさんを好きなこと……あなたは知っているのね? だから協力を拒むの? 彼女がルネさんのそばに居たいと思うから?」
「……違います」
ジョゼフィーヌの問いに、コレットは首を振った。
涙まじりの、小さな声で、
「お嬢様だけではございません……。ルネ様も、お嬢様を想っておられるのです……屋敷に長く仕える先輩方は、みな言っておりました。『ルネ様が、どこかの貴族の隠し子であったならよかったのに。そうすれば二人は、誰にも咎められることなく結ばれたのに』……使用人は誰もが知っております。ルネ様がお嬢様に向ける優しい目を。大切に大切に慈しみ、護り続けてきた愛情を……知らぬ者はおりませんっ……」
ほろりと、コレットの目から雫が流れた。
それを皮切りに、まだ幼さの残るコレットの顔がくしゃりと歪み、ぽろぽろと涙がこぼれ始める。
「あたしたちは何もできずにいるのです……ゲラン様も二人が想い合っているのを知っているのに……なぜか何も言わずに従っていて……きっと何か、あたしたちの知らない理由があるのです……お嬢様やルネ様にお会いして話を聞きたくとも、あたしには話す資格がございません……」
化粧のない顔から涙をぬぐうことなく、コレットは深々と頭を下げた。
「どうぞお助けください……お嬢様とルネ様のお二人が結ばれる道を、どうかご教示くださいっ……あたしたち使用人は、ただお二人に幸せになってほしいだけなのです……」
下げられた頭に、三人は戸惑いからしばらく何も返せなかった。
コレットの話が、彼らの胸に衝撃を与えていた。
——ルネ様も、お嬢様を想っておられるのです。
彼と彼女の真実を、彼らは初めて知った。
箒を持つ手は止めることなく、さっさかさっさかと動かして屋敷の敷地周りの小道を掃除してはいるが、胸のモヤモヤを吐き出したくて口の中だけで唱えていた。
「毎日毎日ひやかしのようにやって来て皆さんお暇ですか。うちに罪人は居ないと言っているのにいちいち探りを入れて……だいたいお嬢様に罪はないでしょうに。知らなかったお嬢様だって被害者です。なんでお嬢様が責められるんですか……」
箒の先が、ガサリと大きな音を立てた。これでは箒を傷めてしまう。力が入りすぎていた手を緩めて、落ち葉をせっせと集めていく。
新聞が出た直後よりは減ったが、屋敷に好奇心でやって来る者は未だにいた。一人娘の存在は新聞には載っていなかった(誰が手を回したのか分からない)が、一部では知られていて、この町でも当然有名だった。裁かれるべきだと主張する者は一体なんなのか。貴族の恩恵をどうこう語るけれども、この家は国からの恩恵は受けていない。革命で取り上げられた土地が返されたときは、すでにその土地を買い戻したあとだった。事業を頼りに栄華を取り戻しつつあっただけで……それでも慎ましく生活していた。
使用人の者たちは知っている。
前の主人を怨んでいいのは、現在の主人ひとりだけだ。外の者がどうこう言うのは……間違っている。
「……お嬢様」
屋敷の方に目を向け、尖塔を見つめた。
彼女が小部屋に入って一週間がたつ。その間コレットは一度も目にしていない。元気にされているのだろうか……。
(ルネ様も、なんであんな仕打ちを……)
囚われ人のような扱いではなく、せめて陽の入る部屋で。
使用人の誰もがそう進言したいはずだが、何も言えずにいる。現主人の心のうちが分からない。……本当ならば、
(ん?)
近づいてくる馬車の音を察して、思考を止めた。主人の帰宅には早すぎる。来客だろうかと思い、とりあえず頭を下げた。
カ、コ、カ、コ。音が緩くなっていく馬車はてっきり自分を過ぎて屋敷の方へ行くかと思ったのに、ちょうど目の前で御者によって止められた。
なんだろう。そろりと顔を上げかけた先で、馬車のドアが開いたかと思うと——
にゅっと伸びてきた腕に、体を捕らわれた。悲鳴を出すことなく口を塞がれ、馬車へと引き込まれる。
(ひっ、ひとさらい!)
暴れようとした手を左右から押さえ込む顔ぶれに、コレットは抵抗する力が抜けていた。なんだか見たことがある……いや、激しく見たことがある。
「あなた、あの家のメイドね? ちょっと証言してほしいことがあるの。口を離すけれど、叫んではダメよ。いーい?」
くりくりのブラウンの眼。真剣な表情の彼女はたしか——エレアノール・クール。お嬢様のご友人。
「……驚かせてごめんなさいね? 私たち、少し協力してほしいだけなの」
エレアノール嬢の奥に座る柔らかな金髪の女性は……ジョゼフィーヌ・フーシェ。こちらもご友人。
最後のもうひとり、こちらをがっしりと押さえ込んだ男性は……
「離すけど……逃げようとしたら許さないぞ」
お嬢様の元婚約者、フィリップ・ド・タレラン=ペリゴール。雲の上のひと。
高級馬車の中に集まったそうそうたるメンバーに、コレットは目を丸くしていた。解放された口はぽかっと開いていて状況を追えていない。
エレアノールが、ずいっと顔を寄せた。
「彼女は今、尖塔の小部屋に閉じこめられているわね? そうね? そうと言いなさい」
「え……?」
「おい、無理やり証言させるな」
コレットが首をかしげると、フィリップが口を挟んだ。
エレアノールがフィリップを横目で睨む。
「真実なのだからいいでしょ! 親族の人たちにも聞いて回ったけれど、屋敷で彼女の姿を見た者は誰もいないのよ。閉じこめられているのよ、ぜったいに!」
「……本当か? あの使用人がそんなことするか?」
「今のルネさんはなんでもするわよ! とっても怖い顔してるんだからっ」
「……父親のことは分かるけど、娘まで怨むとは……思えないけどな」
「あなた今のルネさんを見てないから言えるのよ! あたしのことなんて嘘つき扱いして! ひどいわ!」
「それはあんたが裏表ありすぎるからじゃ……」
「あたしのどこが裏表あるというの!」
「いや、あんた社交の場と今じゃ別人だぞ?」
「——二人とも、メイドの子が困惑してるから落ち着いて……話を戻してちょうだい」
エレアノールとフィリップの会話を、ジョゼフィーヌが割った。注意を受けた小犬のように、二人がちょこんと大人しくなる。
コレットはよく分からないままにジョゼフィーヌの方へと目を向けた。
「……あのね、私たち、彼女を捜しているのよ。お宅にも訪問したのだけど、接客のメイドに取りついでもらえなくて……ルネ様に頼んでも追い返されてしまうの。屋敷の皆さん、彼女はいないと言うけれど……本当はいるのよね? 尖塔の小部屋なら、隠すのに最適だものね?」
「……いえ、前のお嬢様でしたら、出ていかれました。屋敷にはおりません」
彼らの目的をようやく理解した。
コレットは表情をととのえて否定する。
すると、フィリップが「そんなわけないだろ」と強い口調で口を開いた。
「放り出したなら、とっくに町の人間に見つかって処刑じみたことになってる。いくら町の人間に好かれていても、罰を与えたい奴らだっているんだ……安全じゃない。元貴族の娘として悪用したい人間だっている。それなのに追い出すはずがない。あの使用人は……そんなことはしない」
横から「あなたにルネさんの何が分かるのよ」との突っこみがあったが、今のフィリップの言葉に、コレットは小さな共感を覚えていた。
(——そう、ルネ様は絶対にそんなことはしない)
フィリップの目が、コレットを見る。
コレットもまたその目を見つめ返し、見定めていた。このひとに、話してもいいものかどうか。
「使用人……いや、あんたの現主人は、あいつを閉じこめてるのか? 隠してるだけで、ちゃんと面倒みてやってるんじゃないのか? ……ほんとはちゃんと生活できてるんだろ? もしかしたら、案外あいつは幸せにやってるんじゃ……」
「——いいえ」
フィリップの瞳に宿る、案じるような優しさに、コレットは思わず答えてしまった。
ハッとしたが言葉を取り消すことなく、逆に彼らへと問いかけた。
「……お嬢様が閉じこめられているのなら、どうされるのです?」
「本当に閉じこめられてるなら助け出す。どこか安全な場所に連れてく」
「それではダメです! そんなことをしたら……お嬢様とルネ様は離ればなれではないですかっ」
「? ……そのルネが閉じこめてるならの話だろ?」
「閉じこめてるのは、何か理由があるのかも知れないではないですか! あたしなんかが想像もつかない理由で、ルネ様も仕方なく閉じこめてるのかもっ……」
「どんな理由があれば閉じこめていいことになるんだ? 本人が望んでるのか?」
「それはっ……でも、お嬢様とルネ様を引き離すなど、あたしは反対です。もっと違う案をくださいませ! 二人が一緒にいられる未来でなければ、あたしは協力できませんっ……」
コレットの目に浮かんだ涙に、フィリップだけでなくあとの二人も動揺し、互いに目を合わせた。
ジョゼフィーヌが、そっと優しく声をかける。
「彼女がルネさんを好きなこと……あなたは知っているのね? だから協力を拒むの? 彼女がルネさんのそばに居たいと思うから?」
「……違います」
ジョゼフィーヌの問いに、コレットは首を振った。
涙まじりの、小さな声で、
「お嬢様だけではございません……。ルネ様も、お嬢様を想っておられるのです……屋敷に長く仕える先輩方は、みな言っておりました。『ルネ様が、どこかの貴族の隠し子であったならよかったのに。そうすれば二人は、誰にも咎められることなく結ばれたのに』……使用人は誰もが知っております。ルネ様がお嬢様に向ける優しい目を。大切に大切に慈しみ、護り続けてきた愛情を……知らぬ者はおりませんっ……」
ほろりと、コレットの目から雫が流れた。
それを皮切りに、まだ幼さの残るコレットの顔がくしゃりと歪み、ぽろぽろと涙がこぼれ始める。
「あたしたちは何もできずにいるのです……ゲラン様も二人が想い合っているのを知っているのに……なぜか何も言わずに従っていて……きっと何か、あたしたちの知らない理由があるのです……お嬢様やルネ様にお会いして話を聞きたくとも、あたしには話す資格がございません……」
化粧のない顔から涙をぬぐうことなく、コレットは深々と頭を下げた。
「どうぞお助けください……お嬢様とルネ様のお二人が結ばれる道を、どうかご教示くださいっ……あたしたち使用人は、ただお二人に幸せになってほしいだけなのです……」
下げられた頭に、三人は戸惑いからしばらく何も返せなかった。
コレットの話が、彼らの胸に衝撃を与えていた。
——ルネ様も、お嬢様を想っておられるのです。
彼と彼女の真実を、彼らは初めて知った。
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