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小犬のワルツ
Chap.3 Sec.6
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晩餐会のあとは、男女が別れてコーヒーやらワインやらを楽しむのが一般的である。男女それぞれの時間を楽しんでから、再び全員で——というパターンが多い。
しかし、今回は異なった。
「せっかくですから、若い者は若い者たちで」
あらかじめ周知されていたのか、夫人の言葉に異を唱える者もおらず、若い者たち——つまり、未婚の者たちだけが別室へと移動することになった。
彼女が覚悟していた〈血祭り〉は、今のところ何もない。てっきり食卓の場で槍玉に挙げられ、婚約者としてふさわしくないと言われて、家ごと貶められるのだと思っていた。しかし、誰からも悪口めいたことは言われていない。むしろ温かな目で見られていたように思う。
拍子抜けしながらも、彼女は別室の長ソファに座っていた。背後にはルネがいるが、少しばかり距離がある。なぜか当然のように隣にいるフィリップが近いので、攻撃を受けた場合ルネが止められるかどうか……無理だと思うが、さすがに暴力はないと信じたい。
左隣を警戒しつつ、招かれていた演奏家のピアノに耳を傾ける。シューベルトの最近出たばかりの曲なので、ルネの頭のリストにはない。
広い室内には彼女を含め6人の若者がいた。それぞれ男女で座っているうち、ピアノからもっとも遠いところに座る男女の距離はだいぶ近く、たぶん音楽は聴いていない。
「もう、フランソワ様ったら……」
「ほんとだよ? 君ほど素敵な女性は初めてだ」
うふふ、と可愛い声がもれている。女性のほうの目付けらしき使用人が一応いるのだが、口を挟むようすはない。むしろ目を閉じている。比喩ではなく、文字どおり。見えざるで通す気らしい。
「……あんたはまだ食うのか」
最上級のモカコーヒーの香りに包まれながら、先ほどの食卓にあった、美しい工芸菓子の一部であるドーム状の菓子をすくって口に運んだところ、隣からため息が聞こえた。ちらりと横を見る。ソファに肘をつきながら、あきれた目がこちらに向いていた。
無視してもぐもぐと食べる。お腹はかなりいっぱいであるが、今後もう食べる機会がないと思うと、がんばりたくなる。工芸菓子は見たことがあるが、全部が食べられる物で作られたのは初めてだった。感動しすぎたわたしに、夫人が「そんなに気になるのなら、食べてもいいのよ」と笑いながら小菓子として用意してくれた。思っていたよりも、いいひとだ。すこし誤解していた気持ちを反省して、脳内評価を訂正しようと思う。二度と会うことはないだろうが。
「おい、無視するな」
返事のない彼女に、フィリップの声音が強くなる。ダンジュー家の令息であるフランソワではなく、もうひとりの青年が反応してこちらを気にしていた。彼女は、ごくんと嚥下してから、
「音楽を聴いているのよ」
「嘘つけ。あんたはずっともぐもぐしてるだけだろ」
「あなたが『食べられる』って教えてくれたんでしょう?」
「食べろ、とは言ってない」
「別にいいでしょ、あなたに関係ないのだから、わたしのことなんて放っておいて」
「関係あるだろ、あんたは俺の婚約者みたいなもんなんだぞ」
「そんな建前、どうせもう終わるのに……」
吐息を交えてつぶやくと、フィリップのほうは何か考えるように黙した。その顔に冷たい横目を送りつつ、
「いっそ謝るわ。先日は失礼いたしました、どうぞご容赦くださいまし」
「それが謝るやつの態度か」
「どうしろと言うの? ひっぱたきたいのなら、頬を差し出しますけれど?」
「…………そんなことはしない」
「しようとしてらしたのに?」
「していない。本気で女を殴るわけないだろ」
「………………」
「なんだその目は」
「……咬みついてきたことは、お忘れなのかしら? と思って」
「咬みつく?」
きょとんとした丸い目を、細く睨んだ。
「……身に覚えがないのなら、お気になさらず」
「いや気になるぞ、なんの話だ」
「どうでもいいことだわ。……ところで、いつまでこの茶番をなさるのでしょう? わたしに仕返しをするなら、早くしないと……幸せいっぱいで攻撃にならないのだけど?」
せめて夫人たちの目がないところで。
最小限のダメージで食い止めようと、手にしていた皿の上の菓子を見せびらかすように掲げ、軽く挑発してみる。
しかし、あまり伝わっていないのか、それとも別の意図があるのか、フィリップは挑発に乗ることなく口を閉ざした。
(……なんなの、何を企んでいるの?)
思うに、先ほどからチラチラとこちらを気にしている男があやしい。何かのタイミングで、わたしの失態をねらっているような。いわゆる血祭りの匂いを感じる。
最初、ピアノの演奏が始まったおりにも、
——この曲はご存知ないでしょう?
——シューベルトですわね? 初めて聴きますけれど、物語の始まりのようで素敵な曲だわ……わたくし、ベートーヴェンの曲を愛しておりますの。この始まりは、よく似ておりますわね?
田舎娘。馬鹿にしようとしているのが透けて見える顔だったので、うやうやしく返してみせた。これでもルネによって令嬢教育されている。新曲として聴いていなくとも、シューベルトと推測くらいはできる。
ほら——また振り返った。やはりあの男が非常にあやしい。フィリップから何か命じられている。ぜったいにそう。女の勘が反応している。
じっとりと疑いの目を男に向けながら、サイドテーブルに手許のお皿を置いた。血祭りに備えたのもあるが、考えながら口に運び続けていたため、食べ過ぎてもいた。
手放された皿を見て、フィリップが、
「やっと食べ終える気になったか」
「いいえ。食べたい気持ちはあるのだけど……ちょっとお腹が……」
限界に近い。コルセットの締めつけが、間違いなくきつくなっている。
「そんな食べるからだろ」
「……まだ食べようと思えばいけるのよ。……コルセットが痛いだけ」
可能なだけ姿勢をまっすぐにしてみるが、締めつけは変わらない。やはりこれ以上は無理かもしれない。
もぞもぞと小さく動くわたしを眺めていたフィリップは、おもむろに提案した。
「そんなに苦しいなら、緩めたらいいだろ」
「何も知らないくせに、簡単に言わないで」
「……簡単じゃないのか?」
「簡単な物もあるけれど、これはきちんとした物だから。身につけるのだって、ひとに手伝ってもらわないとできないのよ。背中で留めてあるの」
「ふーん」
興味があるような無いような感じで、フィリップは彼女の背をのぞきこむ。ソファとのあいだ、背面のドレスはリボンで留められている。簡単にほどけそうなそれを見て、
「……外してやろうか?」
ことも無げな申し出に、彼女のほうが目を見開いて大げさに身を引いた。
「何を言ってるのっ?」
「なにって……うしろ、外してやってもいいぞ……?」
「あなた、簡単に思って言ってるでしょう! これは簡単じゃないのよ! 話を聞いてなかったの?」
「ひとに手伝ってもらえばいいんだろ? だから、俺が外してやろうかって言ってるんだ」
「あなたは馬鹿なの!?」
「あぁ?」
——ほんとうに、何を言っているのか。
簡単じゃないうえに、コルセットの下は裸だ。仮に彼がとてつもなく器用だとしても、ドレスの隙間から手を入れただけで、まったく見ずにやるなんてできないはず。
「無理よ、どうあっても無理よ!」
「馬鹿にするな、ほどいて直せばいいだけのことだろ。俺がわざわざ言ってやってるんだから、感謝して大人しくしてろ」
詰め寄るフィリップから下がろうとしたが、ソファの上であっさりと距離を詰められる。伸ばされた手が、彼女の背に触れて、
「——手を、」
鋭い声が、二人のあいだを裂いた。
しかし、今回は異なった。
「せっかくですから、若い者は若い者たちで」
あらかじめ周知されていたのか、夫人の言葉に異を唱える者もおらず、若い者たち——つまり、未婚の者たちだけが別室へと移動することになった。
彼女が覚悟していた〈血祭り〉は、今のところ何もない。てっきり食卓の場で槍玉に挙げられ、婚約者としてふさわしくないと言われて、家ごと貶められるのだと思っていた。しかし、誰からも悪口めいたことは言われていない。むしろ温かな目で見られていたように思う。
拍子抜けしながらも、彼女は別室の長ソファに座っていた。背後にはルネがいるが、少しばかり距離がある。なぜか当然のように隣にいるフィリップが近いので、攻撃を受けた場合ルネが止められるかどうか……無理だと思うが、さすがに暴力はないと信じたい。
左隣を警戒しつつ、招かれていた演奏家のピアノに耳を傾ける。シューベルトの最近出たばかりの曲なので、ルネの頭のリストにはない。
広い室内には彼女を含め6人の若者がいた。それぞれ男女で座っているうち、ピアノからもっとも遠いところに座る男女の距離はだいぶ近く、たぶん音楽は聴いていない。
「もう、フランソワ様ったら……」
「ほんとだよ? 君ほど素敵な女性は初めてだ」
うふふ、と可愛い声がもれている。女性のほうの目付けらしき使用人が一応いるのだが、口を挟むようすはない。むしろ目を閉じている。比喩ではなく、文字どおり。見えざるで通す気らしい。
「……あんたはまだ食うのか」
最上級のモカコーヒーの香りに包まれながら、先ほどの食卓にあった、美しい工芸菓子の一部であるドーム状の菓子をすくって口に運んだところ、隣からため息が聞こえた。ちらりと横を見る。ソファに肘をつきながら、あきれた目がこちらに向いていた。
無視してもぐもぐと食べる。お腹はかなりいっぱいであるが、今後もう食べる機会がないと思うと、がんばりたくなる。工芸菓子は見たことがあるが、全部が食べられる物で作られたのは初めてだった。感動しすぎたわたしに、夫人が「そんなに気になるのなら、食べてもいいのよ」と笑いながら小菓子として用意してくれた。思っていたよりも、いいひとだ。すこし誤解していた気持ちを反省して、脳内評価を訂正しようと思う。二度と会うことはないだろうが。
「おい、無視するな」
返事のない彼女に、フィリップの声音が強くなる。ダンジュー家の令息であるフランソワではなく、もうひとりの青年が反応してこちらを気にしていた。彼女は、ごくんと嚥下してから、
「音楽を聴いているのよ」
「嘘つけ。あんたはずっともぐもぐしてるだけだろ」
「あなたが『食べられる』って教えてくれたんでしょう?」
「食べろ、とは言ってない」
「別にいいでしょ、あなたに関係ないのだから、わたしのことなんて放っておいて」
「関係あるだろ、あんたは俺の婚約者みたいなもんなんだぞ」
「そんな建前、どうせもう終わるのに……」
吐息を交えてつぶやくと、フィリップのほうは何か考えるように黙した。その顔に冷たい横目を送りつつ、
「いっそ謝るわ。先日は失礼いたしました、どうぞご容赦くださいまし」
「それが謝るやつの態度か」
「どうしろと言うの? ひっぱたきたいのなら、頬を差し出しますけれど?」
「…………そんなことはしない」
「しようとしてらしたのに?」
「していない。本気で女を殴るわけないだろ」
「………………」
「なんだその目は」
「……咬みついてきたことは、お忘れなのかしら? と思って」
「咬みつく?」
きょとんとした丸い目を、細く睨んだ。
「……身に覚えがないのなら、お気になさらず」
「いや気になるぞ、なんの話だ」
「どうでもいいことだわ。……ところで、いつまでこの茶番をなさるのでしょう? わたしに仕返しをするなら、早くしないと……幸せいっぱいで攻撃にならないのだけど?」
せめて夫人たちの目がないところで。
最小限のダメージで食い止めようと、手にしていた皿の上の菓子を見せびらかすように掲げ、軽く挑発してみる。
しかし、あまり伝わっていないのか、それとも別の意図があるのか、フィリップは挑発に乗ることなく口を閉ざした。
(……なんなの、何を企んでいるの?)
思うに、先ほどからチラチラとこちらを気にしている男があやしい。何かのタイミングで、わたしの失態をねらっているような。いわゆる血祭りの匂いを感じる。
最初、ピアノの演奏が始まったおりにも、
——この曲はご存知ないでしょう?
——シューベルトですわね? 初めて聴きますけれど、物語の始まりのようで素敵な曲だわ……わたくし、ベートーヴェンの曲を愛しておりますの。この始まりは、よく似ておりますわね?
田舎娘。馬鹿にしようとしているのが透けて見える顔だったので、うやうやしく返してみせた。これでもルネによって令嬢教育されている。新曲として聴いていなくとも、シューベルトと推測くらいはできる。
ほら——また振り返った。やはりあの男が非常にあやしい。フィリップから何か命じられている。ぜったいにそう。女の勘が反応している。
じっとりと疑いの目を男に向けながら、サイドテーブルに手許のお皿を置いた。血祭りに備えたのもあるが、考えながら口に運び続けていたため、食べ過ぎてもいた。
手放された皿を見て、フィリップが、
「やっと食べ終える気になったか」
「いいえ。食べたい気持ちはあるのだけど……ちょっとお腹が……」
限界に近い。コルセットの締めつけが、間違いなくきつくなっている。
「そんな食べるからだろ」
「……まだ食べようと思えばいけるのよ。……コルセットが痛いだけ」
可能なだけ姿勢をまっすぐにしてみるが、締めつけは変わらない。やはりこれ以上は無理かもしれない。
もぞもぞと小さく動くわたしを眺めていたフィリップは、おもむろに提案した。
「そんなに苦しいなら、緩めたらいいだろ」
「何も知らないくせに、簡単に言わないで」
「……簡単じゃないのか?」
「簡単な物もあるけれど、これはきちんとした物だから。身につけるのだって、ひとに手伝ってもらわないとできないのよ。背中で留めてあるの」
「ふーん」
興味があるような無いような感じで、フィリップは彼女の背をのぞきこむ。ソファとのあいだ、背面のドレスはリボンで留められている。簡単にほどけそうなそれを見て、
「……外してやろうか?」
ことも無げな申し出に、彼女のほうが目を見開いて大げさに身を引いた。
「何を言ってるのっ?」
「なにって……うしろ、外してやってもいいぞ……?」
「あなた、簡単に思って言ってるでしょう! これは簡単じゃないのよ! 話を聞いてなかったの?」
「ひとに手伝ってもらえばいいんだろ? だから、俺が外してやろうかって言ってるんだ」
「あなたは馬鹿なの!?」
「あぁ?」
——ほんとうに、何を言っているのか。
簡単じゃないうえに、コルセットの下は裸だ。仮に彼がとてつもなく器用だとしても、ドレスの隙間から手を入れただけで、まったく見ずにやるなんてできないはず。
「無理よ、どうあっても無理よ!」
「馬鹿にするな、ほどいて直せばいいだけのことだろ。俺がわざわざ言ってやってるんだから、感謝して大人しくしてろ」
詰め寄るフィリップから下がろうとしたが、ソファの上であっさりと距離を詰められる。伸ばされた手が、彼女の背に触れて、
「——手を、」
鋭い声が、二人のあいだを裂いた。
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