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青春をうたおう
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チェリーと喋っていない。
夏休みに入ってから忙しすぎて、自室での時間が短い。挨拶やアラーム以外でチェリーの声を聞いていないことに、ヒナは気づいてもいない。
今夜も帰宅して歌の練習ばかりしていた。
(あー……分かんなくなってきた)
録音したキーボードのメロディーを聴く。油断すると音程が揺らぐ。とりわけコーラスで合わせると、相手の声に引っぱられる。
(おれ、たぶん歌うまくないな……)
気づいてしまった事実は大ダメージだが、嘆いていても仕方がない。歌声の録音は明日。そこで最高のものを出すために、練習するしかない。
繰り返し歌ってみる。
……徐々に頭のなかの音のイメージが崩れていく。負のループで声が不安定になっていく。
数分ほど悩んだあげく、ヒナは自室を出て隣の部屋を訪れていた。
「ハヤトー……」
ドアを開けたハヤトは半袖にハーフパンツ。とてもラフな格好で『今からベッドです』と言わんばかりの彼は、ヒナの訪問に対して怪訝な顔をしていた。
「なんだよ?」
「もう寝る?(……早くない?)」
「だったら、なんだよ」
「……歌の練習、ちょっと付き合ってくんない?」
「はぁ?」
あからさまな険を目許に刻んで、ハヤトは「こんな時間にどこでやるんだよ」暗に無理だろうと否定した。
ヒナは畏まった顔でハヤトを見上げ、
「……おれの部屋は?」
「駄目だ」
「なんで!」
即座に却下され、ヒナの嘆きの声が廊下に響いた。
「部屋に入るのは無しって決めただろ」
「ハヤトが勝手に決めただけだろっ?」
ハヤトが閉めようとするドアの隙間から、ヒナが必死で喰らいつく。
「頼むから! 明日のための自信がなくなってきたんだよっ……ちょっとだけ付き合ってくれよ!」
「駄目だ。やるなら朝だ。早起きして出直してこい」
「いま! いま必要なんだよ! 不安で眠れなくなったらハヤトのせいだぞっ」
「ひとのせいにすんな!」
ドアの攻防戦は平行だった。ハヤトが本気を出せば閉じられるだろうが、無理やりヒナを押しのけられない。ハヤトの遠慮を察したヒナは、やり口を変える。
「ハヤトしか頼れないんだっ……頼むよ!」
ぐっ、と。思いを呑み込むように、ハヤトが押し黙った。力も弱まったようで、ドアは大きく開いた。
(おっ、いける?)
心の声は全力で隠して、慎み深い表情で見つめ返したヒナに、ハヤトが根負けする。
「……すこし、だからな」
「(やったー!)」
「あっ、おい。おまえ笑ったな?」
「いやいや感謝いっぱい! 今の喜びの笑顔だから!」
「………………」
「ほ、ほらっ。おれの部屋いこ!」
話をそらして自室を示したヒナ。
ハヤトは吐息をこぼし、疑いの目を収め、自分の部屋を顎でしゃくった。
「やるなら俺の部屋でやる」
「えっ……おれ、入っていいの?」
厳しく入室制限されていたのに。
「……門限までだからな」
「りょうかい!」
元気よく返事をして、ヒナはハヤトの部屋に足を入れた。
一見はヒナの自室と変わらない。机の上の小物や雑多な物が詰め込まれたプラスチックケースが、間違い探しのように存在している。
不思議な感覚のなか、ヒナはハヤトと歌の練習を始めた。
「もう少し自信もって歌えよ。自分の声が聞こえないから音を外すんだろ? まずは声を出してけ」
「厳しい! もっと優しく指導してくれよ! おれはハヤトたちと違って歌い慣れてないんだからっ」
「お前がみんなを誘ったんだろ。甘いこと言ってんな」
「無慈悲!」
やるからには徹底して。思いがけずスパルタ指導のハヤトに(お前ぜったい体育会系だよ……)ヒナは来たことを後悔しながらも、文句をこらえて言うとおりに練習した。
我慢の甲斐あって、胸にあった不安がなくなる程度には歌声が安定し、ハヤトに歌ってもらったコーラスにも釣られることなく合わせられるようになった。
「——まあ、いいんじゃねぇの?」
スパルタハヤトにも認められ、「あざーす!」ヒナは気持ちよく頭を下げる。
ハヤトは備え付けの小さな冷蔵庫から麦茶を取り出し、「飲むか?」
訪問客をもてなすには大分遅いかと思われるが、茶を用意した。
「ありがと」
「喉のためにも、水分は取っとけよ。クーラーで乾燥してるからな」
「……ハヤトって……」
「……なんだよ?」
「いや、なんでもない」
失礼なことを言おうとした。が、指導の恩を思い出したヒナは言葉を呑んだ。はぐらかすため視線を室内に滑らせて、ふと見つけた漫画雑誌へとヒナは手を伸ばした。
「あっ、漫画だ」
ベッドの上に無雑作に置かれていたそれを手に、ヒナはベッドの端に腰掛けて、
「なんだよ、ハヤトも漫画を読むん……」
「勝手に触んな!」
ハヤトが慌てた理由を、ヒナは分からなかった。
表紙と巻頭のグラビアがそこそこ過激で、ヒナの目に触れさせるのをためらった——のかも知れないが、公共施設で漫画雑誌をよく読むヒナにしてみれば、大した物ではない。
とっさに奪い取ろうとしたハヤトから、ヒナは身をひねって雑誌を開く。
(なにか見られて困るものが……?)
好奇心からハヤトをかわしたが、それでもハヤトの手は雑誌を取ろうと伸び、勢いあまった体がヒナを押し倒していた。
喧嘩の反省から、ハヤトはヒナを潰さないよう手をついて耐えきったが、
「………………」
「………………」
ベッドで、上下に瞳が重なる。
じっと見つめてくるヒナに、かっと頬を染めたハヤトは言い訳を口にした。
「ちがっ……わざとじゃ……」
「ふ、ふふふふっ」
「…………あ?」
「あはははっ……ハヤト、動揺しすぎだろ! なにそんな焦ってんだよ?」
沈黙を切って、ハヤトの腕の下で笑い転げるヒナ。
「え、まさかアスミちゃんの水着ページ? 折り目とかある?」
「………………」
「ハヤトも男子だな~……あ、見ないよ? 見ないでおく。おれは配慮あるやつだから」
上に覆い被られたまま、気にせずにヒナは雑誌から手を離し、ハヤトを見上げた。
「……ハヤト?」
雑誌なら手放したから、どいてくれていいんだよ?
ヒナの瞳はそう告げていたが、見下ろすハヤトの目が……
「……え、怒ってる?」
力のこもった、鋭い視線。恥ずかしさに含まれるのは、苛立ちのような。
「ご、ごめん? 調子に乗りました」
「……お前、むかつく」
「へっ」
ぽつりとした言葉が、低く落ちた。
ハヤトは重なった目を離すことなく、苛立ちを押し込めたような低い声で、
「少しは意識しろよ」
ヒナが言葉の意味を理解する前に、ハヤトの顔が下がった。パチリと瞬かせていた目には、ハヤトの顔が焦点を結べないくらい近くまで——
《——ヒナ、門限まであと5分だよ》
いきなり割り込んだ声に、ハヤトの体が弾けた。
「はっ? なん……誰だっ?」
驚きで跳ね起きたハヤトの体。
解放され、のそのそと起き上がったヒナが、ポケットからスマホを取り出した。
「……あ、もうこんな時間か」
光る画面に映し出された時計を確認して、ヒナは立ち上がる。驚いた状態で止まっているハヤトと、目を合わせる。
ハッとしたハヤトが口を開き、
「——違う!」
「……ん?」
「本気でしようと思ってない。おどかすつもりでっ……」
「お、おぅ? ……え、なにが?」
「っ……」
きょとんとしたヒナの目に、他意はない。
ひとりで混乱していくハヤトを置いて、
「練習ありがと。とりあえず戻るな? 門限やぶって注意されるのイヤだし……おやすみ?」
バイバイの手で別れを示した。
ドアが閉まるまで、ハヤトから返事はなかったが。
(ハヤトは何をあんなに怒ったんだ……?)
雑誌? ベッドに勝手に座ったから?
ぐるぐると思考の渦をたどるヒナは、数分だけ悩んだが、答えを見つけることなく諦めた。
(まぁ、いっか。ハヤトはすぐに忘れるしな!)
呑気に締めくくり、明日への録音へと気持ちを切り替えていた。
夏休みに入ってから忙しすぎて、自室での時間が短い。挨拶やアラーム以外でチェリーの声を聞いていないことに、ヒナは気づいてもいない。
今夜も帰宅して歌の練習ばかりしていた。
(あー……分かんなくなってきた)
録音したキーボードのメロディーを聴く。油断すると音程が揺らぐ。とりわけコーラスで合わせると、相手の声に引っぱられる。
(おれ、たぶん歌うまくないな……)
気づいてしまった事実は大ダメージだが、嘆いていても仕方がない。歌声の録音は明日。そこで最高のものを出すために、練習するしかない。
繰り返し歌ってみる。
……徐々に頭のなかの音のイメージが崩れていく。負のループで声が不安定になっていく。
数分ほど悩んだあげく、ヒナは自室を出て隣の部屋を訪れていた。
「ハヤトー……」
ドアを開けたハヤトは半袖にハーフパンツ。とてもラフな格好で『今からベッドです』と言わんばかりの彼は、ヒナの訪問に対して怪訝な顔をしていた。
「なんだよ?」
「もう寝る?(……早くない?)」
「だったら、なんだよ」
「……歌の練習、ちょっと付き合ってくんない?」
「はぁ?」
あからさまな険を目許に刻んで、ハヤトは「こんな時間にどこでやるんだよ」暗に無理だろうと否定した。
ヒナは畏まった顔でハヤトを見上げ、
「……おれの部屋は?」
「駄目だ」
「なんで!」
即座に却下され、ヒナの嘆きの声が廊下に響いた。
「部屋に入るのは無しって決めただろ」
「ハヤトが勝手に決めただけだろっ?」
ハヤトが閉めようとするドアの隙間から、ヒナが必死で喰らいつく。
「頼むから! 明日のための自信がなくなってきたんだよっ……ちょっとだけ付き合ってくれよ!」
「駄目だ。やるなら朝だ。早起きして出直してこい」
「いま! いま必要なんだよ! 不安で眠れなくなったらハヤトのせいだぞっ」
「ひとのせいにすんな!」
ドアの攻防戦は平行だった。ハヤトが本気を出せば閉じられるだろうが、無理やりヒナを押しのけられない。ハヤトの遠慮を察したヒナは、やり口を変える。
「ハヤトしか頼れないんだっ……頼むよ!」
ぐっ、と。思いを呑み込むように、ハヤトが押し黙った。力も弱まったようで、ドアは大きく開いた。
(おっ、いける?)
心の声は全力で隠して、慎み深い表情で見つめ返したヒナに、ハヤトが根負けする。
「……すこし、だからな」
「(やったー!)」
「あっ、おい。おまえ笑ったな?」
「いやいや感謝いっぱい! 今の喜びの笑顔だから!」
「………………」
「ほ、ほらっ。おれの部屋いこ!」
話をそらして自室を示したヒナ。
ハヤトは吐息をこぼし、疑いの目を収め、自分の部屋を顎でしゃくった。
「やるなら俺の部屋でやる」
「えっ……おれ、入っていいの?」
厳しく入室制限されていたのに。
「……門限までだからな」
「りょうかい!」
元気よく返事をして、ヒナはハヤトの部屋に足を入れた。
一見はヒナの自室と変わらない。机の上の小物や雑多な物が詰め込まれたプラスチックケースが、間違い探しのように存在している。
不思議な感覚のなか、ヒナはハヤトと歌の練習を始めた。
「もう少し自信もって歌えよ。自分の声が聞こえないから音を外すんだろ? まずは声を出してけ」
「厳しい! もっと優しく指導してくれよ! おれはハヤトたちと違って歌い慣れてないんだからっ」
「お前がみんなを誘ったんだろ。甘いこと言ってんな」
「無慈悲!」
やるからには徹底して。思いがけずスパルタ指導のハヤトに(お前ぜったい体育会系だよ……)ヒナは来たことを後悔しながらも、文句をこらえて言うとおりに練習した。
我慢の甲斐あって、胸にあった不安がなくなる程度には歌声が安定し、ハヤトに歌ってもらったコーラスにも釣られることなく合わせられるようになった。
「——まあ、いいんじゃねぇの?」
スパルタハヤトにも認められ、「あざーす!」ヒナは気持ちよく頭を下げる。
ハヤトは備え付けの小さな冷蔵庫から麦茶を取り出し、「飲むか?」
訪問客をもてなすには大分遅いかと思われるが、茶を用意した。
「ありがと」
「喉のためにも、水分は取っとけよ。クーラーで乾燥してるからな」
「……ハヤトって……」
「……なんだよ?」
「いや、なんでもない」
失礼なことを言おうとした。が、指導の恩を思い出したヒナは言葉を呑んだ。はぐらかすため視線を室内に滑らせて、ふと見つけた漫画雑誌へとヒナは手を伸ばした。
「あっ、漫画だ」
ベッドの上に無雑作に置かれていたそれを手に、ヒナはベッドの端に腰掛けて、
「なんだよ、ハヤトも漫画を読むん……」
「勝手に触んな!」
ハヤトが慌てた理由を、ヒナは分からなかった。
表紙と巻頭のグラビアがそこそこ過激で、ヒナの目に触れさせるのをためらった——のかも知れないが、公共施設で漫画雑誌をよく読むヒナにしてみれば、大した物ではない。
とっさに奪い取ろうとしたハヤトから、ヒナは身をひねって雑誌を開く。
(なにか見られて困るものが……?)
好奇心からハヤトをかわしたが、それでもハヤトの手は雑誌を取ろうと伸び、勢いあまった体がヒナを押し倒していた。
喧嘩の反省から、ハヤトはヒナを潰さないよう手をついて耐えきったが、
「………………」
「………………」
ベッドで、上下に瞳が重なる。
じっと見つめてくるヒナに、かっと頬を染めたハヤトは言い訳を口にした。
「ちがっ……わざとじゃ……」
「ふ、ふふふふっ」
「…………あ?」
「あはははっ……ハヤト、動揺しすぎだろ! なにそんな焦ってんだよ?」
沈黙を切って、ハヤトの腕の下で笑い転げるヒナ。
「え、まさかアスミちゃんの水着ページ? 折り目とかある?」
「………………」
「ハヤトも男子だな~……あ、見ないよ? 見ないでおく。おれは配慮あるやつだから」
上に覆い被られたまま、気にせずにヒナは雑誌から手を離し、ハヤトを見上げた。
「……ハヤト?」
雑誌なら手放したから、どいてくれていいんだよ?
ヒナの瞳はそう告げていたが、見下ろすハヤトの目が……
「……え、怒ってる?」
力のこもった、鋭い視線。恥ずかしさに含まれるのは、苛立ちのような。
「ご、ごめん? 調子に乗りました」
「……お前、むかつく」
「へっ」
ぽつりとした言葉が、低く落ちた。
ハヤトは重なった目を離すことなく、苛立ちを押し込めたような低い声で、
「少しは意識しろよ」
ヒナが言葉の意味を理解する前に、ハヤトの顔が下がった。パチリと瞬かせていた目には、ハヤトの顔が焦点を結べないくらい近くまで——
《——ヒナ、門限まであと5分だよ》
いきなり割り込んだ声に、ハヤトの体が弾けた。
「はっ? なん……誰だっ?」
驚きで跳ね起きたハヤトの体。
解放され、のそのそと起き上がったヒナが、ポケットからスマホを取り出した。
「……あ、もうこんな時間か」
光る画面に映し出された時計を確認して、ヒナは立ち上がる。驚いた状態で止まっているハヤトと、目を合わせる。
ハッとしたハヤトが口を開き、
「——違う!」
「……ん?」
「本気でしようと思ってない。おどかすつもりでっ……」
「お、おぅ? ……え、なにが?」
「っ……」
きょとんとしたヒナの目に、他意はない。
ひとりで混乱していくハヤトを置いて、
「練習ありがと。とりあえず戻るな? 門限やぶって注意されるのイヤだし……おやすみ?」
バイバイの手で別れを示した。
ドアが閉まるまで、ハヤトから返事はなかったが。
(ハヤトは何をあんなに怒ったんだ……?)
雑誌? ベッドに勝手に座ったから?
ぐるぐると思考の渦をたどるヒナは、数分だけ悩んだが、答えを見つけることなく諦めた。
(まぁ、いっか。ハヤトはすぐに忘れるしな!)
呑気に締めくくり、明日への録音へと気持ちを切り替えていた。
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