【完結】致死量の愛を飲みほして【続編完結】

藤香いつき

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Chap.5 溺れる涙

Chap.5 Sec.2

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 まだ早朝といっていいこの時間に自分が起きているなんて貴重だな、とティアは思った。ひょっとすると早朝に全員そろっているのが貴重なのか。——つまりこれは、わりと異常事態なのかも。

 キッチンを背にしてイスに座っていたティアは、仮眠から覚めたばかりの瞳で漠然と、尋常じゃない朝の風景を眺めていた。

「おかえり~……え、どうかしたの……?」

 モーターホームに入ってきたセトたちの姿は予想をこえて惨憺さんたんたるありさまで、(朝帰りだね)とからかう気持ちが吹き飛んだ。率直に言って何か事件に巻き込まれたとしか思えない。彼女は脚中に細かなすり傷を作っているし、セトは切り傷だらけで服も破れ、太ももは流血の跡が黒々と残っている。
 運転席から立ち上がってセトに近寄ったイシャンも、深刻な顔をして傷を見ていた。

「……何か、あったのか?」
「あー……ちょっとな。強引に窓から入ったせいで切った。対人じゃねぇよ」

 セトはさらりと何事もないかのように答えている。なぜ窓から強引に入る必要があったのかと、イシャンは状況説明を求める目でセトを見たが、「入り口を見つけるのが面倒だったんだよ。大したことねぇって」セトはそれ以上は訊くなと言ったようすで顔をそらし、ソファに座っていたサクラの方へと向かう。
 そのあいだ、セトの後ろで身を縮めていた彼女と目が合い、ひらっと手を振ってみたが視線を下に向けられてしまった。

「おかえり、セト」

 目の前に立ったセトを見上げて、サクラは唇の縁に微笑を乗せた。その顔には叱責は見られない。それを見たセトの横顔は戸惑いに満ちていて、どこまで話すべきか思案しているようだった。

「……迷惑かけて、悪かった」
「迷惑とは思っていない。皆、心配していただけだよ」
「……ごめん」
「お前の過失は、端末を切ったことだな。連絡が取れないせいで私たちがどう思うか、考えられなかったか?」
「……それは、ほんとに……悪かった」
「今後こういうことは、ないようにしてくれ」
「……ああ」
「……それで?」
「……ん?」
「その傷の説明は、しないつもりか」

 サクラの厳しい声音に、セトがぐっと押し黙る。話せないことでもやらかしたのだろうかとティアは疑問に思ったが、セトの意識が入り口付近でたたずんでいる彼女の方へと向いたので、合点がいった。やらかしたのは彼女のほうか。

「……窓に飛び込んで、切ったんだよ」
「何故それをする必要があったのか、説明してもらいたいのだが?」
「……変なトラップがあってよ。感染者だらけの建物に閉じめられちまって、……窓しかなかったんだよ」
「えっ!?」

 うっかり声をあげてしまった。セトの話し方から、すべてを正直に話している感じではないなと適当に聞き流していたのだが、感染者のくだりはさすがにスルーできなかった。

「なにそれっ? トラップってことは、わざと? 他人に感染させようとしてるひとがいるってこと?」

 問いかけると、セトは横目でティアを振り返った。

「まあそうなるよな……」
「え、それちょっとショックなんだけど……ちなみに感染者だらけって、どれくらいいたの?」
「数えてねぇけど……50はいたか?」
「ごじゅうっ!?」

 思わず声が高くなった。数が大きすぎて想像できない。サクラも眉をひそめている。セトはそれに気づいて、余計なことを言ったと苦い表情をした。セトを目だけで見上げて、サクラが口を開く。

「トラップの詳細は?」
「装置のスイッチが入ると……建物内に閉じ籠められて、隠れてた感染者が出てくる——のか? 一応、装置だけは持ってきた」

 無意識に目線を泳がせたセトは、バッグから小ぶりの滅菌密閉袋を取り出し、サクラに渡した。シルバーの機械部品みたいな物が、袋越しにサクラの目にさらされる。ティアからは、おちゃらけた道化師クラウンの立体画像がちらりと見えた。サクラがそれを見ているあいだ、気になってセトを呼び、

「ね、それ、発信機になってない? 持って帰って大丈夫なの?」
「電波遮断の袋に入ってるし、問題ねぇと思うけど」
「えっ、その袋ってそんな機能あったんだ」
「今頃なに言ってんだよ……」

 セトにうんざりした目を向けられたが、説明を受けた記憶はない。これはぜったい自分に非はないと思う。
 袋を見終えたサクラの視線が、またセトに戻った。

「これはどこに?」
「あー……確か、食料容器の中に」
「そんな物を拾ったのか? しかも、わざわざそれを開封した、と」
「いや……まぁ、そうなる……な」
「随分と軽率なことをしたな——とでも言うと思っているのか?」

 空気が、張りつめる。
 ロイヤルブルーの眼が冷ややかにセトを捉えた。

「くだらないことを言うのも大概にしろ。私がに問い詰めればいいのか?」

 セトの身体に緊張が走った。ティアは心のなかで嘆息たんそくしている。セトがサクラに嘘をつくのは10年早い。いや、10年後でもバレそうだが。
 セトが諦念の混じった息を吐いた。

「……俺も、詳細は知らない。あいつを見つけたのは、トラップが発動した後だ。あいつを捜してたら、すぐそばの建物からサイレンが聞こえて。入り口は頑丈に塞がれてたから、周囲の窓をバトンのカメラで確認していったんだよ。それで、見つけたから……その窓から、飛び込んで」

 (飛び込んで!)口を挟めない雰囲気だったので、胸中だけで復唱する。セト君やるね! と称賛したかったが、ティアといえども空気を読んでおいた。

「あいつがいた部屋に、ちょうど感染者たちが入って来ようとしてたから……うじゃうじゃ居たからよ、逃げるより全部倒すしかねぇなって。そう思って、……倒した」
「倒した! 全部!?」

 だめだ、衝撃すぎて口に出ていた。
 セトは、お前うるせぇよと言いたげに一瞥いちべつを寄こしたが、すぐにサクラへと向いた。

「俺が着いてからの状況は、バトンに記録した。帰ったらその装置と一緒に分析する。……だから、あいつに訊くのはとりあえず後回しにしてやってくれ。先に治療と、……感染してねぇか、検査したい」

 セトの言葉に、目からうろこが落ちた。自分たちと違い、普通の人間が例のウィルスに感染するのはもちろん知っている。
 そうか、彼女も普通の人間ではないか。年齢的にはかかりにくいとはいえ、なぜかすっかり失念していた。
 そんなにも大勢の感染者と室内で遭遇して、しかもセトがすべて倒したのなら、体液の飛沫ひまつによって感染確率も跳ね上がったのではないか。……存外に深刻な状況になっている。

 サクラは彼女の方に視線を投げた。戻ってから彼女は一度も口を開いていない。先ほどから、彼女のそばに立つイシャンがわずかに動くたび、その気配を感じておびえている。何をされたのかは、おおかた分かる。想像すると嫌悪感が湧くので、意識から外した。
 さてサクラは、どこまで把握しているだろうか。

「検査をする必要は無い」
「……なんでだよ。要るだろ」

 サクラのきっぱりとした物言いに、セトが食い下がった。なるほど、これがイシャンが警戒していた反抗期か。見ている分にはおもしろいが、たのしんでいる場合でもない。
 セトの訴えを受けて、サクラは目でイシャンを指した。

「一昨日の夜、抗体を打ったらしい。試作品とはいえ、まだ効いているだろう。感染確認は要らないが、経過のほうは調べておいてくれ」

 ティアの知らない事実だった。どうりでサクラとイシャンは動揺しないわけだと納得がいった。
 サクラがソファから立ち上がる。この件については関心をなくしたようで、寝室へと向かうのだろう。彼もイシャンも昨夜は寝ていない。
 サクラを避けるために体を斜めに下げたセトは、まだ納得がいっていないらしく、サクラを引き留めている。

「それ、あいつに説明してねぇだろ。副作用だってあるかも知んねぇのに……人体実験じゃねぇか」
「臨床試験——だろう? 感染者と接触したのなら、結果としては良かったな。イシャンに感謝したらどうだ?」
「結果論で片付けんのかよ」

 語尾が強まったセトに対して、サクラは瞳をとがらせ、

「身勝手に行動したお前は、不平を言える立場ではないな? イシャンは一睡もしていない。謝罪もしておけ」

 強い視線でセトを黙らせると、そのままリビングを出ていった。伏し目がちに虚空をにらむセトは、不服があるのだろう。感情がくすぶっているのが見てとれる沈黙だった。
 ティアはそっと息を吐いて、立ち上がる。

「はい、じゃあ……まずは、治療から? アリスちゃん、こっちおいで。イシャン君は、セト君のほう、みてあげてよ」
「いや、イシャンは寝てくれ。俺は自分でやれる。……心配かけて、悪かった」

 ティアの提案を、セトは素早く拒否した。いろいろ思うところはあるのだろうが、口にした謝罪に偽りは感じられない。イシャンもセトの意図をんだのか、いくつか言葉を交わしてあっさりとリビングを出ていった。こちらとしても、いないほうが気楽ではある。

 それはさておき、呼んだはずの彼女が小揺るぎもしないのだが、どうしたものか。

「アリスちゃん、僕の声は届いてないかな~?」

 寄って行こうとしたが、先にセトが彼女へと近づいて、「そこ、座れよ」背に手を回し軽く押すようにしてソファまで連れて来てくれた。ソファに座ると、うつむいていた顔がそろりとティアに向けられる。何をされるか分かっていないようで、不安げに視点がゆれている。

「大丈夫だよ。怪我けがをね、見るだけだから。……どれもすり傷みたいだし、きれいに治りそうだね」

 ソファの横に備えつけられた棚へと行き、治療セットを取り出してテーブルの上で開いた。隣に座って、彼女の脚を自分の膝上にのせる。洗浄器で傷口を清潔にしてから、細い治癒フィルムを傷に合わせて丁寧に貼っていった。
 なぜかセトはテーブルのイスに座ったまま、治療に取りかかることなくこちらを眺めている。

「……アリガトウ、てぃあ」
「どういたしまして。これ、そのまま皮膚に吸収されるから、取らないでね? そっとしておいて。……いいかな?」
「……はい」
「うん、よろしくね。…………で、セト君は何してるのかな?」

 頬杖をついたその顔は傾いている。目は無感動に彼女を観察したまま、

「ティア、お前、ウサギと普通に会話してるな」
「え?……ああ、まぁ、そうだね。ジェスチャーしてあげれば、簡単なことは伝わるね」
「ならさ、こいつの腕もちょっと見てやってくれよ」
「えっ腕も怪我してるの?」

 痛そうなそぶりもなかったので気づかなかった。腕を取って、袖をまくる。今にして思えば、こんな服1枚で逃げ出したのか、可哀相かわいそうに。そんなことを刹那せつな考え、あらわれた腕を見て絶句した。
 皮膚の上に走る、薄赤い筋状の痕。いく筋もあるのを認識したのと同時に、彼女が手を引いた。袖をおろして隠したかと思うと、今にも泣きそうな目で見返される。その双眸には、強い恐怖と警戒の色がともっていた。

「て、いや……て、いや」

 〈手〉と〈NO〉か。
 たどたどしいふたつの単語が、彼女の拒絶を伝えた。顔は血の気を失っている。セトは一度経験しているのか、黙って見ているだけだ。

 触れたら砕けてしまう、鋭くももろいガラス細工のような瞳に。ティアの胸は、罪悪感で締めつけられた。

——最中に手を縛っておけば、攻撃されても大して危険ではないと思う。
——わ。過激な発言だね。
——過激……?どちらかと言えば、慎重ではないか……?

(あのとき、僕は、なんて言った?)

——うん、イシャン君らしくていいね。

 記憶のなかの自分に、ぞっとする。あまりにも無関心な応えが、こんなかたちで跳ね返ってくるなんて。

 彼女が逃げ出した原因が何か、推測していたはずなのに。輪郭が明確になった途端、足下がぐらつくような寒気を覚えた。

 逃げ出したことで、ティアは彼女に失望していた。あのとき、自分は彼女に優しくしていたつもりだったのに——などと、どうして思えたのだろう。
 ティアは、彼女のことを心の底から心配したことなんて、ただの一度もない。

 ふいに自責の念に駆られたが、ティアはその負い目を出すことなく、慎重に笑顔の仮面をかぶり、声のトーンをやわらげるよう集中した。

「……大丈夫、なにもしないよ?」

 声が、震えそうだ。
 彼女の心に、共感しかけている。うまく笑えているのかも、よくわからない。

「ごめんね? ……びっくりさせたね?」

 のぞき込むように顔を傾けると、彼女の目許に浮かんでいた警戒がゆるんだ。心の葛藤が手に取るように分かる。
 ——ティアは、どちら側の人間か。
 薄氷の上に置かれた天秤てんびんが、たえず揺れ動いている。

「ね、アリスちゃん。……お茶でも、飲もうか」

 何度もくり返してきたこの言葉が、はかりに魔法をかけ、いっときだけ、その精度を狂わす。
 彼女の顔に走っていた恐れが消え、戸惑いがうっすらと浮かび、ためらうような間があってから——

「…………はい」

 秤が、そっと傾いた。
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