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41.さよならは言わない
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バーバラの罪状が決まってからしばらくして、私とレオとカーラ、それにユージーンはラッシュブルックの東側にある港町にいた。ここは前の扉の中でエマとユージーンが付き合っている時に来ていた場所だ。私たちの対面にはバーバラが立っていて手には大きなトランク。そしてその背後には今から航海に出る大きな客船。船の行き先はラッシュブルックと海を挟んだ場所にある交易国だ。
「どうしても行ってしまうの、姉さん?」
「ごめんね、カーラ。やっぱり私は一度皆の元を離れて自分を見つめ直す必要があると思うの。イグレシアスの王……叔父様が最大限の恩情を掛けてくださったのも、きっとそうするためだと思うから」
「姉さん……」
最後まで一緒に暮らすことを望んでいたカーラだけど、堪えきれなくなったのかバーバラに駆け寄って抱き付き、泣き始めてしまった。
「絶対に戻ってきて!」
「ええ、約束するわ。ほら、もう泣き止んで。ユージーン王子の前よ」
「うん……」
カーラの頭を撫でながら諭す彼女は穏やかな表情で、もうイグレシアス王家に対する恨みはない……と信じたい。
「ユージーン王子、今後とも妹を宜しくお願い致します」
「ああ」
「姫様、わざわざ見送りにまで来て頂いて……」
恐縮している彼女に近づき無言でハグすると、少し驚きながら彼女も応じてくれた。手を握るとそれはバーバラの手で、企みはあったとは言えずっと私の傍にいてくれた人の手だった。エマの記憶を辿りつつ、懐かしさが込み上げてくる。
「バーバラ……いえ、アマンダお姉様、私たちもあなたが戻ってくるのを待っています。だから、さよならは言いません。お元気で」
「有り難うございます、姫様」
もうメイドではないのだから『エマ』と呼んでと言うと、照れくさそうに
「有り難う、エマ」
と、言い直したアマンダお姉様。お姉様……いいな、『お姉様』。前世では兄弟・姉妹がいなかったから、お姉ちゃんや妹にはちょっと憧れがあった。カーラもお姉さんではあるんだけど、ずっとアカデミーで一緒に過ごしてきたから友達って感じなのよね。
ボォーーッ! と船の出港を知らせる合図。アマンダお姉様はトランクを持つと、スッと背を向けて船に乗り込んでいく。それを見計らった様に私たちの背後から男性が歩いてきて、ちらっと私を見てから船に乗り込んでいった。彼はそう、イグレシアスの諜報部にいた、当初色々と調査をお願いした男性だ。ここに来る際、イグレシアスを発つ前に彼は私の部屋に挨拶に来たんだ。
「姫様、私はこの度、イグレシアスを離れることになりましたのでご挨拶に」
「そうなの? 他国での任務かしら?」
「はい。ラッシュブルックの先にある某国に赴くこととなりました」
それを聞いてピンとくる。バーバラの行き先と同じだ。しかし、バーバラがラッシュブルックを離れることは誰にも言ってないはずなんだけど。
「まさかバーバラを消そうと!?」
「いえ、そんな物騒な。王家に準ずるお方ですので、守ることはあっても害することはありません」
どうやら諜報部はバーバラの能力、暗示のイーサクルに目を付けた様だ。他国での諜報活動には有効な能力ですものね。
「使えるものは王族でも使うってことかしら?」
「もちろん、アマンダ様のご意志を尊重致します。そして可能であれば姫様の許可を頂きたいと」
「分かったわ。じゃあ、これを持っていって。これを見せれば、あなたが本当にイグレシアスの諜報部の人だって分かるでしょうから」
王宮にいる時に良く付けていたイヤリング。シンプルなデザインだけどエマが昔から良く付けているもので、王都の宝石店でオーダーメイドしたもの。着替えの際はバーバラが用意してくれていたから、彼女も見慣れたものだろう。
「これをバーバラ……いえ、アマンダお姉様に片方だけ差し上げるわ。もう片方はお姉様が戻られてからお渡しすると伝えてちょうだい」
「はっ、かしこまりました」
諜報部員の男性はなかなかのイケメンで、しかも未婚らしい。まあ、お姉様と結婚するかどうかは分からないけれど、彼は優秀だから少なくともお姉様を守ってはくれることだろう。
出向して水平線の彼方へ去りゆく船を四人で暫く見送っていた。カーラはユージーンに寄りかかっていて、ユージーンは彼女の肩なんか抱いちゃったりしてる。もう、早く結婚しちゃえよ! 一方の私はいつもの町娘スタイルでレオも同じ。私の視線に気がついたのか、ユージーンがちょっと恥ずかしそうにしている。
「な、何だよ」
「いーえ、二人はラブラブだなあと思って」
「!! べ、別にいいだろう! つ、付き合ってるんだし」
そう、カーラがイグレシアスの王族と分かってユージーンも踏ん切りが付いたのか、程なく正式に交際を申し込んだらしい。ってことはもう婚約者じゃん。
「お前はどうなんだよ! ……って、なんでそんな格好なんだ? ずっと聞こうと思ってたんだけど」
「だって、イグレシアスの王女がこんな所をウロウロしてたら、それはそれで目立っちゃうでしょう。ラブラブなあなたたちだけでも結構目立ってるのに」
「もう! エマの意地悪!」
と、言いながらもしっかりユージーンに寄り添っているカーラ。からかってはいるけど、二人はお似合いよ、うんうん。末永くお幸せにって思ってるんだから。
「お前もレオと付き合えばいいじゃないか。離宮でお前が飛び降りた時、レオに抱きしめられてただろう?」
「おい! こっちに話を振るんじゃねーよ!」
そう言えば抱きしめられてたな。現状、レオに対して恋愛感情は薄いんだけどエマの幼馴染だし、付き合えばカーラとユージーンの様になるかもなあ。
「じゃあ、付き合ってみましょうか、レオ!」
「ば、バカ言ってんじゃねーよ! 俺はお前の護衛なの! あの時はその……気が動転してたんだよ!」
「えーっ、いいじゃない。私と結婚すれば将来の王配よ、王配!」
「うるさい! ほら、もう行くぞ!」
照れ隠しなのか、スタスタと先を歩いていってしまうレオ。おいおい、いきなり護衛の仕事忘れてないかい? 呆れている私を見ながらカーラとユージーンはクスクスと笑っていた
「どうしても行ってしまうの、姉さん?」
「ごめんね、カーラ。やっぱり私は一度皆の元を離れて自分を見つめ直す必要があると思うの。イグレシアスの王……叔父様が最大限の恩情を掛けてくださったのも、きっとそうするためだと思うから」
「姉さん……」
最後まで一緒に暮らすことを望んでいたカーラだけど、堪えきれなくなったのかバーバラに駆け寄って抱き付き、泣き始めてしまった。
「絶対に戻ってきて!」
「ええ、約束するわ。ほら、もう泣き止んで。ユージーン王子の前よ」
「うん……」
カーラの頭を撫でながら諭す彼女は穏やかな表情で、もうイグレシアス王家に対する恨みはない……と信じたい。
「ユージーン王子、今後とも妹を宜しくお願い致します」
「ああ」
「姫様、わざわざ見送りにまで来て頂いて……」
恐縮している彼女に近づき無言でハグすると、少し驚きながら彼女も応じてくれた。手を握るとそれはバーバラの手で、企みはあったとは言えずっと私の傍にいてくれた人の手だった。エマの記憶を辿りつつ、懐かしさが込み上げてくる。
「バーバラ……いえ、アマンダお姉様、私たちもあなたが戻ってくるのを待っています。だから、さよならは言いません。お元気で」
「有り難うございます、姫様」
もうメイドではないのだから『エマ』と呼んでと言うと、照れくさそうに
「有り難う、エマ」
と、言い直したアマンダお姉様。お姉様……いいな、『お姉様』。前世では兄弟・姉妹がいなかったから、お姉ちゃんや妹にはちょっと憧れがあった。カーラもお姉さんではあるんだけど、ずっとアカデミーで一緒に過ごしてきたから友達って感じなのよね。
ボォーーッ! と船の出港を知らせる合図。アマンダお姉様はトランクを持つと、スッと背を向けて船に乗り込んでいく。それを見計らった様に私たちの背後から男性が歩いてきて、ちらっと私を見てから船に乗り込んでいった。彼はそう、イグレシアスの諜報部にいた、当初色々と調査をお願いした男性だ。ここに来る際、イグレシアスを発つ前に彼は私の部屋に挨拶に来たんだ。
「姫様、私はこの度、イグレシアスを離れることになりましたのでご挨拶に」
「そうなの? 他国での任務かしら?」
「はい。ラッシュブルックの先にある某国に赴くこととなりました」
それを聞いてピンとくる。バーバラの行き先と同じだ。しかし、バーバラがラッシュブルックを離れることは誰にも言ってないはずなんだけど。
「まさかバーバラを消そうと!?」
「いえ、そんな物騒な。王家に準ずるお方ですので、守ることはあっても害することはありません」
どうやら諜報部はバーバラの能力、暗示のイーサクルに目を付けた様だ。他国での諜報活動には有効な能力ですものね。
「使えるものは王族でも使うってことかしら?」
「もちろん、アマンダ様のご意志を尊重致します。そして可能であれば姫様の許可を頂きたいと」
「分かったわ。じゃあ、これを持っていって。これを見せれば、あなたが本当にイグレシアスの諜報部の人だって分かるでしょうから」
王宮にいる時に良く付けていたイヤリング。シンプルなデザインだけどエマが昔から良く付けているもので、王都の宝石店でオーダーメイドしたもの。着替えの際はバーバラが用意してくれていたから、彼女も見慣れたものだろう。
「これをバーバラ……いえ、アマンダお姉様に片方だけ差し上げるわ。もう片方はお姉様が戻られてからお渡しすると伝えてちょうだい」
「はっ、かしこまりました」
諜報部員の男性はなかなかのイケメンで、しかも未婚らしい。まあ、お姉様と結婚するかどうかは分からないけれど、彼は優秀だから少なくともお姉様を守ってはくれることだろう。
出向して水平線の彼方へ去りゆく船を四人で暫く見送っていた。カーラはユージーンに寄りかかっていて、ユージーンは彼女の肩なんか抱いちゃったりしてる。もう、早く結婚しちゃえよ! 一方の私はいつもの町娘スタイルでレオも同じ。私の視線に気がついたのか、ユージーンがちょっと恥ずかしそうにしている。
「な、何だよ」
「いーえ、二人はラブラブだなあと思って」
「!! べ、別にいいだろう! つ、付き合ってるんだし」
そう、カーラがイグレシアスの王族と分かってユージーンも踏ん切りが付いたのか、程なく正式に交際を申し込んだらしい。ってことはもう婚約者じゃん。
「お前はどうなんだよ! ……って、なんでそんな格好なんだ? ずっと聞こうと思ってたんだけど」
「だって、イグレシアスの王女がこんな所をウロウロしてたら、それはそれで目立っちゃうでしょう。ラブラブなあなたたちだけでも結構目立ってるのに」
「もう! エマの意地悪!」
と、言いながらもしっかりユージーンに寄り添っているカーラ。からかってはいるけど、二人はお似合いよ、うんうん。末永くお幸せにって思ってるんだから。
「お前もレオと付き合えばいいじゃないか。離宮でお前が飛び降りた時、レオに抱きしめられてただろう?」
「おい! こっちに話を振るんじゃねーよ!」
そう言えば抱きしめられてたな。現状、レオに対して恋愛感情は薄いんだけどエマの幼馴染だし、付き合えばカーラとユージーンの様になるかもなあ。
「じゃあ、付き合ってみましょうか、レオ!」
「ば、バカ言ってんじゃねーよ! 俺はお前の護衛なの! あの時はその……気が動転してたんだよ!」
「えーっ、いいじゃない。私と結婚すれば将来の王配よ、王配!」
「うるさい! ほら、もう行くぞ!」
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