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第六節 〜似非魔王と魔物、女王と兵隊〜
065 造っていく
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何時の間にか、お仕事系にジョブチェンジです。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です
―――――――――
まあ、此処で生成した“モノ”たちの組立や縫製、最終調整はガッツリベテランさん達四人組中心でお願いするんだけど……。それはそれで憂鬱。
「で、私達は何をすればいいのかな? 何してほしいの?」と、潤んだ熱い目線で僕の両手を握るハツラツ娘? 系が。
「く、ころせ」クール娘、お前はクッコロ系でもあったのか。と、左上腕二頭筋に意外なほど柔らかく大きなモノを変形させ押し付け。
「…………」不思議ちゃんはピタッと僕の背中に全身を。
「アンなこと、しておいて。逃さないんだから」最年少ムンムン娘が年齢にあったマナ板を右上腕二頭筋に。うん、痛いだけ。でもそのギャップが。
四人は同時に額に衝撃を受け、「うッ!」
四つの悲鳴未満の短い声、仰け反り一歩僕から離れる。
僕の頭の上から放たれた蜘蛛の“デコピン”糸攻撃だ。
『下郎が、下がりおろう! 旦那さまからお情けを頂けるのはお妃い様と妾だけじゃ』
「えーイイじゃん。ケチ!」と五人一斉に。
『黙れクソガキ共が』
「うっさい、ビッチ蜘蛛が偉そうに」
と、ルルは“デコピン”糸攻撃。魔女っ娘は猫パンチと下手スキップキック。ややルル優勢。そして魔女っ娘のパンチとキックは全て僕に当たってるし。
もういいじゃん。仕事しようよ。
あと、これロ○じゃね、○リは禁則事項じゃねって言ってるあなた。僕って実年齢十七歳で身体的に十三歳で未精通(?)だからね。合法だから。ジョブナイル小説な甘酸っぺーちょっとHなほのぼのシーンだからね。そこ、間違えんなよ。
でも以外と猫パンチと下手スキップキックが痛え。魔女っ娘たちったら止めてくれない。すごく楽しそう。
あー仕事してー。
あと、ルルよ、『でチュ』語尾が無くなって蜘蛛女王になってるぞ。そのキャラ設定、最初から無理あったんじゃね。
魔女っ娘が蜘蛛と会話が成立しているのはアラクネの生粋スキルだから。ああそうですか。めんどくさいですね。
パンチとキックが地味にイテー。
額を赤く腫らしながらそれでも彼女達はキックもパンチも止めない。何時の間にか表情が堅くびっくりするほど真剣。目尻に涙を溜めながら。ああ、ソウユウことなのね。あらまあ、しょうがないか。
まだ十代の女の子だしね。猫パンチと下手スキップキックって後からじわじわ系? やっぱり地味に芯に効くのかー。
早く仕事に戻りたいけど、身から出た錆的な。
現状の“投網”は直径九センチ、長さ六十センチ程の円筒に単純な形の引き金と銃把、中折式単発装填の、見た目そのままのシンプルと言うよりチープ寄りな魔道武装具だ。“ドーラのちっさい大砲”的な。
それ程ではないが、特徴って言えるのが銃身後部にコイン投入のスリットがあるぐらいだ。“投網”を射出するには普通の銃器の火薬に代わるエネルギー源として魔晶石制の硬貨が必要となる。
燃費は非常に悪く、百園硬貨三枚が必要。
打ち終わると銃身を折って弾を込め、戻して、百園玉を三枚も入れる。とっても面倒くさい。
ただ、秀逸なのは“弾”が投網状に広がるタイミングは射手の任意で可能だ。魔法的な電波が出て“弾”の中心の魔晶石が反応し、そのエネルギーを使って開く。実に魔法的で画期的だ。ただ、撃った“弾”はずっと見てなくちゃならないんだけど……。
もっと効率よく、実戦向きな(例えば連射できるとか、燃費向上とか)武器を新たに造りたかったがそんな時間もなく、不可能だった。だから今あるものを魔改造していくしか無い。同時にどうしても必要な道具や“ゴテゴテ鎧”の代わりの防具はどうしても必要になる。
それを此処で造っていく。或いはその素材を。
◇
「もー蜘蛛さんたら動かないで、お尻に上手くチューブ刺せないよ。暴れると余計痛いよ」
「くっ、次はなんだ、何をすればいい、熱調整のバルブは開けた。イヤ締めるのか? 分からん。クッ、ころせ」
「…………」
「さあ。お尻も慣れればそれなりに。ようこそ新たな世界へ」
まあ、元気で何より。
“魔女っ娘”ギャルズ四人組はギャーギャー騒ぎながら楽しそうに作業を進めている。オデコを盛大に赤く腫らしながら。青痣にならなければいいけど。痛々しくて治してあげようと近づくと何故かササッと逃げる。何で?
僕の治療魔法はパスが通じてるハナ以外(あ、ルルもね、ああそうだね剣鉈ナイフもね、忘れてないよ)直接触れないと効果を発揮しない。一メートル以内ならある程度は治せるが、一定時間は効果範囲以内に留まる必要がある。それなのに僕が近づくとササッと逃げる。あからさまに。
治療魔法はもう秘密じゃなから「治してあげる」と提案すると「イイからイイから」とやっぱり逃げる。
「触れないから。一メートル以内にいてよ」と言うと、
「バッカじゃないの! 変態!」と僕を罵倒する。
“変態”って……すごく傷つくんですけど。部分的に合ってるから余計。
それだけじゃない、彼女達との会話の随所、十文字に一回は間に入る棘の一言一言がツンツンで、僕、辛いっす。って、もうズタズタっす。
そのくせ「こっちはもうクリアーしそうだから次の魔法陣章を用意してよゲスなマスターちゃん、グズグズしないでクズ」とかの指示を仰ぐ時? 罵詈雑言を吐く時? とかはさっと近づきボディータッチとは言えないぐらいの短い時間僕に触れ、再びさっと離れるを繰り返している、ホントなんだよ。
最初は撓わなのやら薄っぺらいのをグイグイ押し付けてきていたくせに。と、真横から殺気。咄嗟に頭をずらす。その僕の眉間があった空間に鋭い後ろ回しハイキックからの踵が通り過ぎる。なんだその必殺ワザは! 何すんだ危ねーじゃんか「不思議ちゃん」
「……私も、アネカも有るから。ぽっこりと」
何が! なんの話し? と、不思議ちゃんが自らの胸に両手を当てて頬をポッと染める。ああ、そうなの。ほんと……疲れた。
それにしてもさっきのハイキック、まじビビった。下手スキップキックとの性能のギャップが凄すぎるんですけど。なんだって? 『女子中高校生モード』と『正規ギルド兵モード』の違いだって?
ほんと、十代の女子の考えてることは分からない。
『主様、十代女子は複雑なのでちゅ。主様も(フッとそこで笑い。笑った? 笑ったの?)マダマダですね。でチュね」
言い直すヤツに言われたくない。
「この箱と蛇腹のホースと大きな籠はどう使うの? ゲスなマスターちゃん」と“魔女っ娘”ギャルズ一号ハツラツ娘。
「これは“投網”の弾と射出の為の魔力の供給装置だよ」
“投網”の弱点は魔法陣章の複雑さからの脆さの他に、決定的な物理的煩雑さがある。“投網”は中折式単発装填型であり、一発打つ度に以下の造作がいる。
1、留め金を解除。2、銃身を折り、銃身底部口を顕にする。3、大きな銃弾を込める。4及び5、スリットに小さな百園硬貨三枚を順番に押し込む。6、折れた銃身を戻す。7、留め金をロックする。8、狙いそ定めトリガーを引く。9、弾の行き先を目で追い、タイミングを図り網を広げる送信を送る。と、非常に手間隙掛かり、その間にたぶん射手は死んでる。それを解決する道具です。
大きな問題は二つ。野球のボール代の大きな弾を装填する行為と小さなコインを三枚も狭いスリットに投入する作業。弾は大きく携帯に不向きで数を持ち運ぶことは不可能。野球のノック時もボールを渡してくれる補助が必ずいる。うちは深刻な人手不足。
小さいコインは携帯は容易だが取り出しにくく扱いにくい。コンビニのレジで小さい財布から硬貨で支払いするような物だ。そんな時って必ず百円玉が手から滑り落ちちゃう。後ろの客はイライラしてるし、百円は転がってどっか行っちゃうし、自分もキィーってなっちゃう。やっぱりキャッシュレスが一番。
てな訳で背中に運動会の『玉入れ競技』ポイ籠を背負い、その底部と蛇腹ホースで“投網”の薬室とを直接繋ぐ。形はアレだけど、弾の自動供給機能だ。
中折式は止めて供給孔を開ける訳だが、圧力隔壁は手動式(自動化はガス圧利用が面倒くさかったのでパス)の遊底スライド式にする。
加えて籠には貯金箱的な箱も併設し、蜘蛛の糸のコードでコイン投入スリットにUSB端子バリに突っ込んで通魔させている。スマホに接続するモバイルバッテリー的な。だから改造後の一発打つまでの時間はもの凄く速い。
1、遊底を前後動作。2、引き金を引く。それだけ。
弾の供給は空気圧を採用している。その他の必要魔法は元々“投網”の複雑な魔法陣の一部抽出で全て事足りた。まるでその為に誂えてあったように。まるで全てが既定路線の機能拡張のように。
なんかムカつく。
視認式の網の展開システムはセンサー的な何かで検知式自動展開型とした。魔法陣的章の改良で事足りた。ビバ魔法! やっぱ俺スゲーと言いたいが、元の魔法陣回路から切り離されていただけで、やっぱり在った。
改めて“遷”とはなんだろうと思う。古い文献の通り唯の“猟”なのだろうか。委員長系ギル長は言っていた。嘗ては“豊穣”の祭りなのだと、人が集まり街が出来た時から背負った“業”であると。
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
毎日更新しています。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です
―――――――――
まあ、此処で生成した“モノ”たちの組立や縫製、最終調整はガッツリベテランさん達四人組中心でお願いするんだけど……。それはそれで憂鬱。
「で、私達は何をすればいいのかな? 何してほしいの?」と、潤んだ熱い目線で僕の両手を握るハツラツ娘? 系が。
「く、ころせ」クール娘、お前はクッコロ系でもあったのか。と、左上腕二頭筋に意外なほど柔らかく大きなモノを変形させ押し付け。
「…………」不思議ちゃんはピタッと僕の背中に全身を。
「アンなこと、しておいて。逃さないんだから」最年少ムンムン娘が年齢にあったマナ板を右上腕二頭筋に。うん、痛いだけ。でもそのギャップが。
四人は同時に額に衝撃を受け、「うッ!」
四つの悲鳴未満の短い声、仰け反り一歩僕から離れる。
僕の頭の上から放たれた蜘蛛の“デコピン”糸攻撃だ。
『下郎が、下がりおろう! 旦那さまからお情けを頂けるのはお妃い様と妾だけじゃ』
「えーイイじゃん。ケチ!」と五人一斉に。
『黙れクソガキ共が』
「うっさい、ビッチ蜘蛛が偉そうに」
と、ルルは“デコピン”糸攻撃。魔女っ娘は猫パンチと下手スキップキック。ややルル優勢。そして魔女っ娘のパンチとキックは全て僕に当たってるし。
もういいじゃん。仕事しようよ。
あと、これロ○じゃね、○リは禁則事項じゃねって言ってるあなた。僕って実年齢十七歳で身体的に十三歳で未精通(?)だからね。合法だから。ジョブナイル小説な甘酸っぺーちょっとHなほのぼのシーンだからね。そこ、間違えんなよ。
でも以外と猫パンチと下手スキップキックが痛え。魔女っ娘たちったら止めてくれない。すごく楽しそう。
あー仕事してー。
あと、ルルよ、『でチュ』語尾が無くなって蜘蛛女王になってるぞ。そのキャラ設定、最初から無理あったんじゃね。
魔女っ娘が蜘蛛と会話が成立しているのはアラクネの生粋スキルだから。ああそうですか。めんどくさいですね。
パンチとキックが地味にイテー。
額を赤く腫らしながらそれでも彼女達はキックもパンチも止めない。何時の間にか表情が堅くびっくりするほど真剣。目尻に涙を溜めながら。ああ、ソウユウことなのね。あらまあ、しょうがないか。
まだ十代の女の子だしね。猫パンチと下手スキップキックって後からじわじわ系? やっぱり地味に芯に効くのかー。
早く仕事に戻りたいけど、身から出た錆的な。
現状の“投網”は直径九センチ、長さ六十センチ程の円筒に単純な形の引き金と銃把、中折式単発装填の、見た目そのままのシンプルと言うよりチープ寄りな魔道武装具だ。“ドーラのちっさい大砲”的な。
それ程ではないが、特徴って言えるのが銃身後部にコイン投入のスリットがあるぐらいだ。“投網”を射出するには普通の銃器の火薬に代わるエネルギー源として魔晶石制の硬貨が必要となる。
燃費は非常に悪く、百園硬貨三枚が必要。
打ち終わると銃身を折って弾を込め、戻して、百園玉を三枚も入れる。とっても面倒くさい。
ただ、秀逸なのは“弾”が投網状に広がるタイミングは射手の任意で可能だ。魔法的な電波が出て“弾”の中心の魔晶石が反応し、そのエネルギーを使って開く。実に魔法的で画期的だ。ただ、撃った“弾”はずっと見てなくちゃならないんだけど……。
もっと効率よく、実戦向きな(例えば連射できるとか、燃費向上とか)武器を新たに造りたかったがそんな時間もなく、不可能だった。だから今あるものを魔改造していくしか無い。同時にどうしても必要な道具や“ゴテゴテ鎧”の代わりの防具はどうしても必要になる。
それを此処で造っていく。或いはその素材を。
◇
「もー蜘蛛さんたら動かないで、お尻に上手くチューブ刺せないよ。暴れると余計痛いよ」
「くっ、次はなんだ、何をすればいい、熱調整のバルブは開けた。イヤ締めるのか? 分からん。クッ、ころせ」
「…………」
「さあ。お尻も慣れればそれなりに。ようこそ新たな世界へ」
まあ、元気で何より。
“魔女っ娘”ギャルズ四人組はギャーギャー騒ぎながら楽しそうに作業を進めている。オデコを盛大に赤く腫らしながら。青痣にならなければいいけど。痛々しくて治してあげようと近づくと何故かササッと逃げる。何で?
僕の治療魔法はパスが通じてるハナ以外(あ、ルルもね、ああそうだね剣鉈ナイフもね、忘れてないよ)直接触れないと効果を発揮しない。一メートル以内ならある程度は治せるが、一定時間は効果範囲以内に留まる必要がある。それなのに僕が近づくとササッと逃げる。あからさまに。
治療魔法はもう秘密じゃなから「治してあげる」と提案すると「イイからイイから」とやっぱり逃げる。
「触れないから。一メートル以内にいてよ」と言うと、
「バッカじゃないの! 変態!」と僕を罵倒する。
“変態”って……すごく傷つくんですけど。部分的に合ってるから余計。
それだけじゃない、彼女達との会話の随所、十文字に一回は間に入る棘の一言一言がツンツンで、僕、辛いっす。って、もうズタズタっす。
そのくせ「こっちはもうクリアーしそうだから次の魔法陣章を用意してよゲスなマスターちゃん、グズグズしないでクズ」とかの指示を仰ぐ時? 罵詈雑言を吐く時? とかはさっと近づきボディータッチとは言えないぐらいの短い時間僕に触れ、再びさっと離れるを繰り返している、ホントなんだよ。
最初は撓わなのやら薄っぺらいのをグイグイ押し付けてきていたくせに。と、真横から殺気。咄嗟に頭をずらす。その僕の眉間があった空間に鋭い後ろ回しハイキックからの踵が通り過ぎる。なんだその必殺ワザは! 何すんだ危ねーじゃんか「不思議ちゃん」
「……私も、アネカも有るから。ぽっこりと」
何が! なんの話し? と、不思議ちゃんが自らの胸に両手を当てて頬をポッと染める。ああ、そうなの。ほんと……疲れた。
それにしてもさっきのハイキック、まじビビった。下手スキップキックとの性能のギャップが凄すぎるんですけど。なんだって? 『女子中高校生モード』と『正規ギルド兵モード』の違いだって?
ほんと、十代の女子の考えてることは分からない。
『主様、十代女子は複雑なのでちゅ。主様も(フッとそこで笑い。笑った? 笑ったの?)マダマダですね。でチュね」
言い直すヤツに言われたくない。
「この箱と蛇腹のホースと大きな籠はどう使うの? ゲスなマスターちゃん」と“魔女っ娘”ギャルズ一号ハツラツ娘。
「これは“投網”の弾と射出の為の魔力の供給装置だよ」
“投網”の弱点は魔法陣章の複雑さからの脆さの他に、決定的な物理的煩雑さがある。“投網”は中折式単発装填型であり、一発打つ度に以下の造作がいる。
1、留め金を解除。2、銃身を折り、銃身底部口を顕にする。3、大きな銃弾を込める。4及び5、スリットに小さな百園硬貨三枚を順番に押し込む。6、折れた銃身を戻す。7、留め金をロックする。8、狙いそ定めトリガーを引く。9、弾の行き先を目で追い、タイミングを図り網を広げる送信を送る。と、非常に手間隙掛かり、その間にたぶん射手は死んでる。それを解決する道具です。
大きな問題は二つ。野球のボール代の大きな弾を装填する行為と小さなコインを三枚も狭いスリットに投入する作業。弾は大きく携帯に不向きで数を持ち運ぶことは不可能。野球のノック時もボールを渡してくれる補助が必ずいる。うちは深刻な人手不足。
小さいコインは携帯は容易だが取り出しにくく扱いにくい。コンビニのレジで小さい財布から硬貨で支払いするような物だ。そんな時って必ず百円玉が手から滑り落ちちゃう。後ろの客はイライラしてるし、百円は転がってどっか行っちゃうし、自分もキィーってなっちゃう。やっぱりキャッシュレスが一番。
てな訳で背中に運動会の『玉入れ競技』ポイ籠を背負い、その底部と蛇腹ホースで“投網”の薬室とを直接繋ぐ。形はアレだけど、弾の自動供給機能だ。
中折式は止めて供給孔を開ける訳だが、圧力隔壁は手動式(自動化はガス圧利用が面倒くさかったのでパス)の遊底スライド式にする。
加えて籠には貯金箱的な箱も併設し、蜘蛛の糸のコードでコイン投入スリットにUSB端子バリに突っ込んで通魔させている。スマホに接続するモバイルバッテリー的な。だから改造後の一発打つまでの時間はもの凄く速い。
1、遊底を前後動作。2、引き金を引く。それだけ。
弾の供給は空気圧を採用している。その他の必要魔法は元々“投網”の複雑な魔法陣の一部抽出で全て事足りた。まるでその為に誂えてあったように。まるで全てが既定路線の機能拡張のように。
なんかムカつく。
視認式の網の展開システムはセンサー的な何かで検知式自動展開型とした。魔法陣的章の改良で事足りた。ビバ魔法! やっぱ俺スゲーと言いたいが、元の魔法陣回路から切り離されていただけで、やっぱり在った。
改めて“遷”とはなんだろうと思う。古い文献の通り唯の“猟”なのだろうか。委員長系ギル長は言っていた。嘗ては“豊穣”の祭りなのだと、人が集まり街が出来た時から背負った“業”であると。
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