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第五節 〜ギルド、さまざまないろ〜
053 ああ、こうやって争いは拡大していくんだなと思った。
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ご領主サマって。……て、そんなお話し。
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
黒い◆が人物の視点の変更の印です。
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
僕らの歩みは街並みを眺め初めた位置からちょうど半周した反対の、“溜まりの深森”側、高架高速鉄軌道側へと至る。
高架軌道の高さは丁度、僕らが歩くギルドの隔壁と同じだ。水平の距離も三十メートルと離れていない。有り体に言って酷く近い。顔の表情だってわかるし、大声なら話もできるだろう。
高架軌道の上にはピッカピカの重装備な、でも僕からしたらひどくクラシカルな鎧を身につけた兵士? 騎士? が等間隔二メートルで一列に並んでいた。でもだらっと。
「“遷”から高架軌道を警護する」
と、そこで一旦止め、眉間に皺を寄せ「領兵様達だ」と吐き捨てるように。
その彼ら全てが剣や槍ではなく、小脇に六十センチ程の筒を抱えているのが見えた。そして簡単 な銃把と引き金が付いている事も。
「筒様保持式実包射出魔導兵装一型”と“擬神兵装”を此れ見よがしに身に着けて、我々を挑発しているつもりなのだろう。忌々しい」
忌々しいって、乗ってんじゃん挑発に。
高架軌道の向こう、“溜まりの深森”と接する境界地域からだろう、重い激突音と人の叫び声、耳障りな、たぶん魔物の咆哮が僅かに伝え聞こえる。
僕らが“溜まりの深森”を抜け、街にたどり着いた時も大勢の傭兵が魔物を狩っていた。“遷”を迎え、深森から出てくる魔物の数も更に多くなり、力も強くなっているらしい。傭兵さんたち皆、疲れた顔してたもんなぁ。ガンバ!
それにしては、先程の委員長系ギル長の話しに出てきた“遷”の時期限定の出稼ぎ傭兵さん達なんだろうけど、お祭り騒ぎって感じじゃなかったな。皆疲れ切っていて、取っ払いウハウハふぃーばーって感じじゃなかった。まるで先のみえない某ブラック企業のデスマーチ戦士のよう。
そういえば、僕らを睨んでいた目に刺さる系ソリッドレッドなフルプレート君は今も魔物に突っ込んで居るのだろうか? 彼だけは領主所属の騎士らしかったけど。
そんな眼下の喧騒も、仲間の騎士の健闘も関係ないとばかりに高架軌道上のピッカピカ超重装な領兵様達は、所在無げに片足に体重を乗せダラっと立ち欠伸をしていた(高所での守備って下界からは見えないからやっぱりダラけちゃうよね的な)。
時たま此方を見ては片方の口角を上げる“ザ・嘲る”ような笑みを浮かべていた。
あんまり見ていて気持ちいいものじゃないなぁなんて思っていると、突然に領兵様たちがザワつきはじめ、こちらを指差し何か怒鳴っている。知らねど大変ご立腹な様子。
なんだ?
と、横を見るとハナが顔をふんぬと斜めに反り返らせ、握った拳を前に突き出すと親指一本のみを立て、ゆっくり地面に刺し向けていく。そう、例のアレですね。オレオレで煽ってる“潰す”のジェスチャー。まあ、○指を〇っ○○て舌を出す迄はしていないけれども、下品だから止めてください。
「だって、なんとなく、舐められたら負けみたいな」
ああ、こうやって争いは拡大していくんだなと思った。でもこの手のサインって、悪口の時も思ったけど異世界含め万国共通なんだなと、なんとなく感心する。だから流れるように親指で喉を掻き切るジェスチャーに移行するのは止めて、それは挑発し過ぎるから。お願いします。
こっち陣営からバカ笑いが起こる。隣。委員長系ギル長だった。
「すまないな、領主に喧嘩売るつもりはないし。直ぐに止めさせるから」と、僕は少し焦って謝る。
それを委員長系ギル長は「フンっ」と鼻の穴をおっぴろげ
「マジメか? 案外つまらんな小僧。領主への不敬は気にする必要はない。互いの信頼関係などは既にない。それに」
と、高架軌道の方からパフンと空気の抜ける様な音と共に白い物体が飛んできた。
軌道は山形。丁度野球のボール程の大きさで、こちらにもう少しで届くと言う処で急激にお辞儀をし始め、大きく蜘蛛の巣状に広がり、急速にその速度を落とすと、此方に届く前にそのままフワフワと落下していった。ふと、甘い香りがした。
壁の端から身を乗り出して見ると隔壁の下の下、地面とギリ接する箇所でべチャリとアメーバー状に張り付いていた。よく見るとその他にも吐き捨てたチューインガムの残骸が如き不定物が幾つも張り付いていた。サイズ感は極大だけど、一昔前の駅の階段の如き不衛生な嫌悪感を覚える。嗅いだ覚えがある甘い香り(バナナ味だ。でももっと熟れた腐臭直前って感じだったけど)も含めそのまま超巨大チューインガムだ。
顔を上げて改めて高架軌道上を見ると、筒の口を此方に水平に向けて小脇に抱えた領兵はニヤニヤ笑いから○指を〇っ○○て舌を出しコチラを威嚇していた。ああ、やっちゃったよ。それ放送コード逸脱してるから詳細は語れないよ。しかし、返しに工夫が見られないな。5点。残念。
そんな事より緊急事態!
ハナが“火縄銃モドキ”を素早く構え、反撃体制に入る。のを、銃身を掴み上に向ける。マジかー。
「大丈夫なのに、当てないよ、ちょっと脅すだけだから」
嘘つけ。ハナが組んだ魔法陣は例の、アレだった。
それ今打ったら色々崩壊するから。始まる前に無かった事になっちゃうヤツだから。怖い子ハナ。
「そのまま打ってもらっても構わなかったがな」と、委員長系ギル長。イヤイヤ、アンタ知らないだろ。まあいいや、未遂だから。
「の如く、我々と領主との間は既に崩壊している。おまけに昨日のクレーム対応の訪問時に決定的な協定破棄を言い渡してきている」
「おい、それって……いいのか?」と赤鬼ゲート。
「もう、決めたの。貴方は如何するの? できれば……」
「決まってるじゃないか。俺は、おまえの側を離れる事はない」
「もう……ばか」
もう……ばか。馬鹿ですか?
何気に領主との偽りといえども共生関係が崩壊した事よりも、委員長系ギル長の身を気遣う赤鬼の口調にニヤニヤしちゃうけど。ってか、ムズムズ居た堪れないけど。ブルーなスプリングか? いい歳して。ズムズム。
ケッ! とハナ。
いいかも。とサチ。
死んじゃうの? と僕。
「領兵が今撃った“弾”も、“筒様保持式実包射出魔導兵装一型”自体も我がギルドに古来より伝わる対“遷”用決戦兵装を貸与えた。嫌、正直に言おう、無理矢理に奪われたモノだ。擬神兵装もだがな」
ギルドの隔壁を一周して元の位置に戻ってきた。最初は気づかなかったが、街並みの向こう、外周街壁(“溜まりの深森”側は高架軌道が街壁代わりで、反対側は随分と低いが石造の堅固な壁が半円形に形成され、守るように囲んでいる)の外側、草原の小高い丘の上、星型の台座の上に何と言うか、ホントにメランコリックでファンシーな数多くの尖塔が綺麗に配置された小ぶりなお城が聳えていた。
ちょっとマジで赤面しそうな、何て言うか、高額料金摂取のランド&シーならいざ知らず、個人邸でそれは……な、手で顔を覆い隠したくなるような、言うならばズムズムする“お城”が建っていた。
「男爵の館だ。悔しいが、実に美しい。そして要塞としても秀逸だ」
え? どう見ても二昔前のラ○ホテルじゃん。今どきどんなインターチェンジにだって建って無いぜ。
「古すぎ。違うし。ハム君、遠目だとそう見えるかもしれないけど、有り体に言えば地方都市の『今時のカワイイ萌えなバエる結婚式場』だよ」
それは結局一緒って事じゃないのか? そんな事より委員長系ギル長が最後に要塞って言ってなかったか?
〈 ∮ 検索及び検証考察結果を報告。
無意味且つ下らないお悩みのところ失礼します。
論点がずれております。ギルド長が最後に仰った“要塞”について御説明致します。
星型の台座はファンシー係数増量の為ではなく、稜堡式城郭と呼ばれ、15世紀イタリアで発生した築城方式です。現代戦でも敵陣地侵攻の際の橋頭堡としては優秀とされています。大阪夏の陣の真田丸が簡易的ではありますが同系機能を備えた出島であったとの考察もあります。
それと敷地内には計画的で的確な塹壕が張り巡らされています。塔には狭間も見えますね。随分と攻撃的な城郭です。
と結論 ∮ 〉
そ、そうなの? ゴリゴリの上にドリーミーって、男爵さんとはお友達になれるかも。ならないけど。
あと、失礼だぞ。下らないって。その下らなさが人の真髄だ。わかってないな、所詮は機械か。
……真面目な話し、橋頭堡なんだろうな、アレ。
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
毎日更新しています。
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
黒い◆が人物の視点の変更の印です。
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
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僕らの歩みは街並みを眺め初めた位置からちょうど半周した反対の、“溜まりの深森”側、高架高速鉄軌道側へと至る。
高架軌道の高さは丁度、僕らが歩くギルドの隔壁と同じだ。水平の距離も三十メートルと離れていない。有り体に言って酷く近い。顔の表情だってわかるし、大声なら話もできるだろう。
高架軌道の上にはピッカピカの重装備な、でも僕からしたらひどくクラシカルな鎧を身につけた兵士? 騎士? が等間隔二メートルで一列に並んでいた。でもだらっと。
「“遷”から高架軌道を警護する」
と、そこで一旦止め、眉間に皺を寄せ「領兵様達だ」と吐き捨てるように。
その彼ら全てが剣や槍ではなく、小脇に六十センチ程の筒を抱えているのが見えた。そして簡単 な銃把と引き金が付いている事も。
「筒様保持式実包射出魔導兵装一型”と“擬神兵装”を此れ見よがしに身に着けて、我々を挑発しているつもりなのだろう。忌々しい」
忌々しいって、乗ってんじゃん挑発に。
高架軌道の向こう、“溜まりの深森”と接する境界地域からだろう、重い激突音と人の叫び声、耳障りな、たぶん魔物の咆哮が僅かに伝え聞こえる。
僕らが“溜まりの深森”を抜け、街にたどり着いた時も大勢の傭兵が魔物を狩っていた。“遷”を迎え、深森から出てくる魔物の数も更に多くなり、力も強くなっているらしい。傭兵さんたち皆、疲れた顔してたもんなぁ。ガンバ!
それにしては、先程の委員長系ギル長の話しに出てきた“遷”の時期限定の出稼ぎ傭兵さん達なんだろうけど、お祭り騒ぎって感じじゃなかったな。皆疲れ切っていて、取っ払いウハウハふぃーばーって感じじゃなかった。まるで先のみえない某ブラック企業のデスマーチ戦士のよう。
そういえば、僕らを睨んでいた目に刺さる系ソリッドレッドなフルプレート君は今も魔物に突っ込んで居るのだろうか? 彼だけは領主所属の騎士らしかったけど。
そんな眼下の喧騒も、仲間の騎士の健闘も関係ないとばかりに高架軌道上のピッカピカ超重装な領兵様達は、所在無げに片足に体重を乗せダラっと立ち欠伸をしていた(高所での守備って下界からは見えないからやっぱりダラけちゃうよね的な)。
時たま此方を見ては片方の口角を上げる“ザ・嘲る”ような笑みを浮かべていた。
あんまり見ていて気持ちいいものじゃないなぁなんて思っていると、突然に領兵様たちがザワつきはじめ、こちらを指差し何か怒鳴っている。知らねど大変ご立腹な様子。
なんだ?
と、横を見るとハナが顔をふんぬと斜めに反り返らせ、握った拳を前に突き出すと親指一本のみを立て、ゆっくり地面に刺し向けていく。そう、例のアレですね。オレオレで煽ってる“潰す”のジェスチャー。まあ、○指を〇っ○○て舌を出す迄はしていないけれども、下品だから止めてください。
「だって、なんとなく、舐められたら負けみたいな」
ああ、こうやって争いは拡大していくんだなと思った。でもこの手のサインって、悪口の時も思ったけど異世界含め万国共通なんだなと、なんとなく感心する。だから流れるように親指で喉を掻き切るジェスチャーに移行するのは止めて、それは挑発し過ぎるから。お願いします。
こっち陣営からバカ笑いが起こる。隣。委員長系ギル長だった。
「すまないな、領主に喧嘩売るつもりはないし。直ぐに止めさせるから」と、僕は少し焦って謝る。
それを委員長系ギル長は「フンっ」と鼻の穴をおっぴろげ
「マジメか? 案外つまらんな小僧。領主への不敬は気にする必要はない。互いの信頼関係などは既にない。それに」
と、高架軌道の方からパフンと空気の抜ける様な音と共に白い物体が飛んできた。
軌道は山形。丁度野球のボール程の大きさで、こちらにもう少しで届くと言う処で急激にお辞儀をし始め、大きく蜘蛛の巣状に広がり、急速にその速度を落とすと、此方に届く前にそのままフワフワと落下していった。ふと、甘い香りがした。
壁の端から身を乗り出して見ると隔壁の下の下、地面とギリ接する箇所でべチャリとアメーバー状に張り付いていた。よく見るとその他にも吐き捨てたチューインガムの残骸が如き不定物が幾つも張り付いていた。サイズ感は極大だけど、一昔前の駅の階段の如き不衛生な嫌悪感を覚える。嗅いだ覚えがある甘い香り(バナナ味だ。でももっと熟れた腐臭直前って感じだったけど)も含めそのまま超巨大チューインガムだ。
顔を上げて改めて高架軌道上を見ると、筒の口を此方に水平に向けて小脇に抱えた領兵はニヤニヤ笑いから○指を〇っ○○て舌を出しコチラを威嚇していた。ああ、やっちゃったよ。それ放送コード逸脱してるから詳細は語れないよ。しかし、返しに工夫が見られないな。5点。残念。
そんな事より緊急事態!
ハナが“火縄銃モドキ”を素早く構え、反撃体制に入る。のを、銃身を掴み上に向ける。マジかー。
「大丈夫なのに、当てないよ、ちょっと脅すだけだから」
嘘つけ。ハナが組んだ魔法陣は例の、アレだった。
それ今打ったら色々崩壊するから。始まる前に無かった事になっちゃうヤツだから。怖い子ハナ。
「そのまま打ってもらっても構わなかったがな」と、委員長系ギル長。イヤイヤ、アンタ知らないだろ。まあいいや、未遂だから。
「の如く、我々と領主との間は既に崩壊している。おまけに昨日のクレーム対応の訪問時に決定的な協定破棄を言い渡してきている」
「おい、それって……いいのか?」と赤鬼ゲート。
「もう、決めたの。貴方は如何するの? できれば……」
「決まってるじゃないか。俺は、おまえの側を離れる事はない」
「もう……ばか」
もう……ばか。馬鹿ですか?
何気に領主との偽りといえども共生関係が崩壊した事よりも、委員長系ギル長の身を気遣う赤鬼の口調にニヤニヤしちゃうけど。ってか、ムズムズ居た堪れないけど。ブルーなスプリングか? いい歳して。ズムズム。
ケッ! とハナ。
いいかも。とサチ。
死んじゃうの? と僕。
「領兵が今撃った“弾”も、“筒様保持式実包射出魔導兵装一型”自体も我がギルドに古来より伝わる対“遷”用決戦兵装を貸与えた。嫌、正直に言おう、無理矢理に奪われたモノだ。擬神兵装もだがな」
ギルドの隔壁を一周して元の位置に戻ってきた。最初は気づかなかったが、街並みの向こう、外周街壁(“溜まりの深森”側は高架軌道が街壁代わりで、反対側は随分と低いが石造の堅固な壁が半円形に形成され、守るように囲んでいる)の外側、草原の小高い丘の上、星型の台座の上に何と言うか、ホントにメランコリックでファンシーな数多くの尖塔が綺麗に配置された小ぶりなお城が聳えていた。
ちょっとマジで赤面しそうな、何て言うか、高額料金摂取のランド&シーならいざ知らず、個人邸でそれは……な、手で顔を覆い隠したくなるような、言うならばズムズムする“お城”が建っていた。
「男爵の館だ。悔しいが、実に美しい。そして要塞としても秀逸だ」
え? どう見ても二昔前のラ○ホテルじゃん。今どきどんなインターチェンジにだって建って無いぜ。
「古すぎ。違うし。ハム君、遠目だとそう見えるかもしれないけど、有り体に言えば地方都市の『今時のカワイイ萌えなバエる結婚式場』だよ」
それは結局一緒って事じゃないのか? そんな事より委員長系ギル長が最後に要塞って言ってなかったか?
〈 ∮ 検索及び検証考察結果を報告。
無意味且つ下らないお悩みのところ失礼します。
論点がずれております。ギルド長が最後に仰った“要塞”について御説明致します。
星型の台座はファンシー係数増量の為ではなく、稜堡式城郭と呼ばれ、15世紀イタリアで発生した築城方式です。現代戦でも敵陣地侵攻の際の橋頭堡としては優秀とされています。大阪夏の陣の真田丸が簡易的ではありますが同系機能を備えた出島であったとの考察もあります。
それと敷地内には計画的で的確な塹壕が張り巡らされています。塔には狭間も見えますね。随分と攻撃的な城郭です。
と結論 ∮ 〉
そ、そうなの? ゴリゴリの上にドリーミーって、男爵さんとはお友達になれるかも。ならないけど。
あと、失礼だぞ。下らないって。その下らなさが人の真髄だ。わかってないな、所詮は機械か。
……真面目な話し、橋頭堡なんだろうな、アレ。
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お読み頂き、誠にありがとうございます。
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