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ローリアの過去の巻
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夏芽は女性の顔をまじまじと見つめた。二重の大きな瞳。引き締まった頬。
耳よりも高い位置に結ばれたポニーテールは、黒く美しいロングヘアをより際立たていた。
「ローリア、本当に生きているのね?」
その女性は、夏芽の手を握り、顎の前まで持ち上げながら聞いた。
「ろ、ローリア?だ、だれ?」
夏芽は、いきなりローリアと呼ばれて戸惑ってしまい、目をそらしてしまった。
それなのに、女性は目をキラキラさせて夏芽に話しかける。
「ローリアは、ローリアじゃない!みんなあなたのことを死んだと思っていたけど、死んでなかったんじゃない!今からお母様たちに会いに行くよ!」
女性は、夏芽の手にキスをして、手を引いて、夏芽を立たせようとした。
「大丈夫?足怪我してない?」
女性は夏芽を心配したが、夏芽は何事もなくすんなりと立ち上がった。
「あ、あなた、体大丈夫なの?」
「え、あ、はい!」
「なら本当に良かった、、、けど、なんかおかしくない?」
夏芽が、緊張ガチガチでいたことに女性は違和感を感じていた。
「ローリア、なんで、そんなに他人行儀なの?私のこと、、、覚えていないの?さっきから変なんだけど?」
「そ、そんなこと、、、ないよ!あはは。ほら、げんきげんきー」
夏芽は、なんとか愛想笑いで、その場を切り抜けようとした。
この女性は、ローリアと再開できたことを喜んでいるのに、自分が夢を壊すなんてできないと思ったからだ。
「じゃあ、私の名前、分かる?」
究極の質問である。
いや、夏芽からしたら、絶望しかない。
「あ、あ、あ、」
夏芽の頭の中では、素直に名前を知らないことを伝えるか、一か八かに賭けて名前を当てるかの二択が頭の中でぐるぐると駆け巡っていた
それでも、流石に名前を当てられる気がしないので、素直に名前を認めるしかないのだろうか。
夏芽が、挙動不審に陥っていると、先程まで眉間にシワを寄せていた女性が、夏芽を抱きながらの頭を撫でた。
「いいんだよ。あの戦いの反動で記憶を失くしちゃったんだね。でもいいよ。あなたが戻ってきてくれたことが嬉しいから。思い出は、また作っていけばいいよ。本当にありがとう」
夏芽は、ローリアという人が軍人だったこと。そして、ローリアは、戦死してしまったと気づいた。
この女性が、そのローリアとともに戦ってきた戦友だったということも。
「まあ、とりあえずお母さんに会いに行こう!」
女性は、夏芽の手を取って階段降りると、一階はホールのようなところになっていた。
大きな階段は、ホールの真ん中にあり、前を見ると、大きな玄関があり、左右を見ると、小さなドアの個室があり、階段の裏側に行くと、居間に繋がっているような構造になっていた。
いかにも西洋の高級住宅という感じで、近未来的かと言われると全くそういう風ではなく、どちらかと言われると、古風であった。
そして、階段を降り、後ろ側に案内され、真っ直ぐに行くと、正面に他のドアよりも大きな両開きの扉があった。
女性は、結んだ髪をを揺らしながら扉を両手で押して開いた。
するとそこには、一面が窓ガラスで、自然光が浴びられるようになっている部屋で、ソファー、木のテーブルがあり、テーブルの上には、ティーセットと、とある女性の写真があった。
ソファーの上には、30代後半くらいのショートヘアの女性が、二人に背中を向けてティーカップを片手に座っていた。
その女性は、ドアに開いたことに気づくと、振り向かずに
「おはよう。フリーニャ」
と言った。
どうやら、先程から話している女性は、フリーニャというようだ。
すると、フリーニャが
「おはようございます!お母様!」
と返した。
「フリーニャ、あの子へのお参りは、もうすんだかい?明日あの子は火葬されるんだ。出来れば体が腐敗しない内にあってあげておくれ」
「お母様、朗報でございます。後ろを向いて下さい」
お母様と呼ばれる女性は、そう言われると後ろを振り返った。
そして、夏芽を見ると、持っていたティーカップが、床に落ちた。
ガッシャーーーン!!!!
大きな音がなって夏芽は、驚いたが、お母様は、ティーカップが割れたことを全く気にせず夏芽に近づいて頬を触ったり、揉んだりした。
「ロ、ローリア、本物じゃない!」
お母様は、口をあんぐり開けて夏芽をジロジロと見ていた。
「ローリア、あなた、戦死したんじゃなかったの?本当に生きてる?夢じゃない?私の可愛い娘ちゃん……」
「あ、はい!めっちゃ、元気です!」
「あなた、、、口調が、全然違うじゃない、戦いで変になっちゃったのね、」
お母様が、驚いていると、フリーニャが補足した。
「ローリアは、記憶喪失になっているようです。私の名前を覚えていないようでした。」
「そ、そうか、それはちょっと残念だけど、生き返ってくれたことが、とても嬉しい。もう一度あなたと話すことが出来るなんて……」
そうか、戦死だから、お母様と死に際に話せなかったのか。それだったら、再開できたことを喜ぶのは当然かと夏芽は思った。
よくよく考えると、夏芽自身は記憶喪失という設定なので、これを機にいろいろと聞いてみることにした。
「わ、私って、今まで何をしてきたの?」
すると、フリーニャが、腕を組んで目をつぶりながら語りだした。
「あなたは、、、最強の剣豪だったの。あなたが剣を一振りすると、周囲に波動が生まれ、周りの邪鬼を一掃してしまうほどに強力だった。私も一緒に戦ってきたけど、あなたの剣術にはいつも助けられていたわ。そして、邪鬼の長、邪帝を倒すために最後の城に向かっている途中、私たちは奇襲を仕掛けられた。そこで、私は邪鬼の魔弾を被弾しそうになった瞬間、あなたが身代わりになって守ってくれた。でも、不運なことに、それが急所に当たってあなたは死んでしまった。あなたが殺られたことで、状況は一変、私たちの軍は、邪鬼にされるがままになっていた。それでも、優秀なあなたの死体だけは持ち帰るという仲間の意志であなたを連れてなんとか逃げ出してきて、あなたが復活した。っていう訳」
邪鬼ってなんだ?邪帝ってなんだ?と夏芽には、よく分からなかったことも多かったが、予想通りローリアは一度死んでいた。いや、殺されていたのだ。
自分が最強の剣豪だったんだと思ってなんとなく喜んでいると、お腹がぐ~~と鳴った。
夏芽は赤面して、恥ずかしがっていると、お母様が、笑った。
「うふふ。本当にずーっと何も食べてないからお腹が空いているんだわ。きっと、いいわよ、今からシェフにとびきり美味しい料理を作っていただきますから。それまでにお手洗いを済ませておいてね」
フリーニャに手洗い場に案内してもらい、部屋の洗面台で手を洗った。
そして、横にかけてあったタオルで手を拭こうとすると、洗面台の鏡で自分の顔が見えた。
その鏡の中には、ショートヘアの丸くて可愛い女の子が映っていた。
「これが、私、、、!」
初めて自分の顔を見たが、驚いた。
前世でも見たことのないようだ可愛さだったからだ。
前世の女優さんのような顔つきで、リアルではこんなに可愛い人にあったことは無かった。
「どうしたの?そんなに自分の顔を見つめちゃって。そんなに自分の顔に惚れたの?アハハ、記憶が、無いにしてもそれは自意識過剰だぞっ!」
フリーニャが、友達ノリで話しかけてきた。
フリーニャは、ローリアのことを記憶を失くしただけだと思っているのに、本当に黙ったままでよいのだろうか?いや、二人きりの今なら本当のことを話してもいいんじゃないか?と夏芽は思い、
「あ、あの…」
と勇気を出して話しかけたが、その瞬間に食事に呼ばれた。
「ん?どうしたの?あ、食事呼ばれちゃったから食事中に話そうよ!」
話すチャンスを失ってしまった。
耳よりも高い位置に結ばれたポニーテールは、黒く美しいロングヘアをより際立たていた。
「ローリア、本当に生きているのね?」
その女性は、夏芽の手を握り、顎の前まで持ち上げながら聞いた。
「ろ、ローリア?だ、だれ?」
夏芽は、いきなりローリアと呼ばれて戸惑ってしまい、目をそらしてしまった。
それなのに、女性は目をキラキラさせて夏芽に話しかける。
「ローリアは、ローリアじゃない!みんなあなたのことを死んだと思っていたけど、死んでなかったんじゃない!今からお母様たちに会いに行くよ!」
女性は、夏芽の手にキスをして、手を引いて、夏芽を立たせようとした。
「大丈夫?足怪我してない?」
女性は夏芽を心配したが、夏芽は何事もなくすんなりと立ち上がった。
「あ、あなた、体大丈夫なの?」
「え、あ、はい!」
「なら本当に良かった、、、けど、なんかおかしくない?」
夏芽が、緊張ガチガチでいたことに女性は違和感を感じていた。
「ローリア、なんで、そんなに他人行儀なの?私のこと、、、覚えていないの?さっきから変なんだけど?」
「そ、そんなこと、、、ないよ!あはは。ほら、げんきげんきー」
夏芽は、なんとか愛想笑いで、その場を切り抜けようとした。
この女性は、ローリアと再開できたことを喜んでいるのに、自分が夢を壊すなんてできないと思ったからだ。
「じゃあ、私の名前、分かる?」
究極の質問である。
いや、夏芽からしたら、絶望しかない。
「あ、あ、あ、」
夏芽の頭の中では、素直に名前を知らないことを伝えるか、一か八かに賭けて名前を当てるかの二択が頭の中でぐるぐると駆け巡っていた
それでも、流石に名前を当てられる気がしないので、素直に名前を認めるしかないのだろうか。
夏芽が、挙動不審に陥っていると、先程まで眉間にシワを寄せていた女性が、夏芽を抱きながらの頭を撫でた。
「いいんだよ。あの戦いの反動で記憶を失くしちゃったんだね。でもいいよ。あなたが戻ってきてくれたことが嬉しいから。思い出は、また作っていけばいいよ。本当にありがとう」
夏芽は、ローリアという人が軍人だったこと。そして、ローリアは、戦死してしまったと気づいた。
この女性が、そのローリアとともに戦ってきた戦友だったということも。
「まあ、とりあえずお母さんに会いに行こう!」
女性は、夏芽の手を取って階段降りると、一階はホールのようなところになっていた。
大きな階段は、ホールの真ん中にあり、前を見ると、大きな玄関があり、左右を見ると、小さなドアの個室があり、階段の裏側に行くと、居間に繋がっているような構造になっていた。
いかにも西洋の高級住宅という感じで、近未来的かと言われると全くそういう風ではなく、どちらかと言われると、古風であった。
そして、階段を降り、後ろ側に案内され、真っ直ぐに行くと、正面に他のドアよりも大きな両開きの扉があった。
女性は、結んだ髪をを揺らしながら扉を両手で押して開いた。
するとそこには、一面が窓ガラスで、自然光が浴びられるようになっている部屋で、ソファー、木のテーブルがあり、テーブルの上には、ティーセットと、とある女性の写真があった。
ソファーの上には、30代後半くらいのショートヘアの女性が、二人に背中を向けてティーカップを片手に座っていた。
その女性は、ドアに開いたことに気づくと、振り向かずに
「おはよう。フリーニャ」
と言った。
どうやら、先程から話している女性は、フリーニャというようだ。
すると、フリーニャが
「おはようございます!お母様!」
と返した。
「フリーニャ、あの子へのお参りは、もうすんだかい?明日あの子は火葬されるんだ。出来れば体が腐敗しない内にあってあげておくれ」
「お母様、朗報でございます。後ろを向いて下さい」
お母様と呼ばれる女性は、そう言われると後ろを振り返った。
そして、夏芽を見ると、持っていたティーカップが、床に落ちた。
ガッシャーーーン!!!!
大きな音がなって夏芽は、驚いたが、お母様は、ティーカップが割れたことを全く気にせず夏芽に近づいて頬を触ったり、揉んだりした。
「ロ、ローリア、本物じゃない!」
お母様は、口をあんぐり開けて夏芽をジロジロと見ていた。
「ローリア、あなた、戦死したんじゃなかったの?本当に生きてる?夢じゃない?私の可愛い娘ちゃん……」
「あ、はい!めっちゃ、元気です!」
「あなた、、、口調が、全然違うじゃない、戦いで変になっちゃったのね、」
お母様が、驚いていると、フリーニャが補足した。
「ローリアは、記憶喪失になっているようです。私の名前を覚えていないようでした。」
「そ、そうか、それはちょっと残念だけど、生き返ってくれたことが、とても嬉しい。もう一度あなたと話すことが出来るなんて……」
そうか、戦死だから、お母様と死に際に話せなかったのか。それだったら、再開できたことを喜ぶのは当然かと夏芽は思った。
よくよく考えると、夏芽自身は記憶喪失という設定なので、これを機にいろいろと聞いてみることにした。
「わ、私って、今まで何をしてきたの?」
すると、フリーニャが、腕を組んで目をつぶりながら語りだした。
「あなたは、、、最強の剣豪だったの。あなたが剣を一振りすると、周囲に波動が生まれ、周りの邪鬼を一掃してしまうほどに強力だった。私も一緒に戦ってきたけど、あなたの剣術にはいつも助けられていたわ。そして、邪鬼の長、邪帝を倒すために最後の城に向かっている途中、私たちは奇襲を仕掛けられた。そこで、私は邪鬼の魔弾を被弾しそうになった瞬間、あなたが身代わりになって守ってくれた。でも、不運なことに、それが急所に当たってあなたは死んでしまった。あなたが殺られたことで、状況は一変、私たちの軍は、邪鬼にされるがままになっていた。それでも、優秀なあなたの死体だけは持ち帰るという仲間の意志であなたを連れてなんとか逃げ出してきて、あなたが復活した。っていう訳」
邪鬼ってなんだ?邪帝ってなんだ?と夏芽には、よく分からなかったことも多かったが、予想通りローリアは一度死んでいた。いや、殺されていたのだ。
自分が最強の剣豪だったんだと思ってなんとなく喜んでいると、お腹がぐ~~と鳴った。
夏芽は赤面して、恥ずかしがっていると、お母様が、笑った。
「うふふ。本当にずーっと何も食べてないからお腹が空いているんだわ。きっと、いいわよ、今からシェフにとびきり美味しい料理を作っていただきますから。それまでにお手洗いを済ませておいてね」
フリーニャに手洗い場に案内してもらい、部屋の洗面台で手を洗った。
そして、横にかけてあったタオルで手を拭こうとすると、洗面台の鏡で自分の顔が見えた。
その鏡の中には、ショートヘアの丸くて可愛い女の子が映っていた。
「これが、私、、、!」
初めて自分の顔を見たが、驚いた。
前世でも見たことのないようだ可愛さだったからだ。
前世の女優さんのような顔つきで、リアルではこんなに可愛い人にあったことは無かった。
「どうしたの?そんなに自分の顔を見つめちゃって。そんなに自分の顔に惚れたの?アハハ、記憶が、無いにしてもそれは自意識過剰だぞっ!」
フリーニャが、友達ノリで話しかけてきた。
フリーニャは、ローリアのことを記憶を失くしただけだと思っているのに、本当に黙ったままでよいのだろうか?いや、二人きりの今なら本当のことを話してもいいんじゃないか?と夏芽は思い、
「あ、あの…」
と勇気を出して話しかけたが、その瞬間に食事に呼ばれた。
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