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潮道進向編
試練
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進向は、その三人の一番後ろについて歩いてきた。そして、先頭のロングヘアの女性が、部屋の中心に止まり、三人は、地下にいる人たちの方を見た。軍服を見て泣き喚く子どもや、安心して胸をなでおろしている老人、自分もしたいと、敬礼をしている人もいる。(多分この人たち、全員モブキャラなんだろうな…)高生たちは、その三人を見ていると、進向と目があった。
「す、すすむ…」
絶対に誰にも聞こえないほどの小声で呟いたつもりだったが、
「おにいちゃん…あの人、しってるの?」
と、のりかが聞いてきた。
「ま、まあな。あいつは友達だ」
「?」
のりかはよく分かっていなかったっぽいが、まあ、いっか。と思っていると、ロングヘア美人の女性が、地下にいる人たち全員に聞こえるように、
「諸君、もう大丈夫だ!我々が来た」
と言った。「確かに、先頭の二人は強そうに見えるよ。でもね、進向は弱そうにしか見えない」と心の中で高生は思った。いや、多分みんな思っているだろう。あんなにガリガリなのに……。
「私たちは、今から二次元コミュを荒らす者たちとの戦闘をする。もしかしたら、ここにいる全員が生きれないかもしれない…。私たちも全員生き残れるように努力するが、助からないことがあることだけは承知してくれ」
そう言って、三人は礼をした。
「あと30分、15時に結界が破られ、奴らはここに侵入してくるだろう。それまでに我々も準備があるからな。失礼する」
そう言い残して、三人は出て行った。
三人が出ていったあとも、地下は静まり返っていた。話すときは皆、こそこそ話をしている。そんな空気に飲まれたのか、義志斗もひそひそと高生に話していた。
「進向、、、どうしたんだろう…スズコさんがついていくから大丈夫だと思っていたのに…どうして…」
「自分で選んだのか、誰かに強要されたのかも分からないな…。でも自主的に選んだとしたら、どうしてアイツが軍隊なんかに入ろうと…。」
高生と義志斗は、考えていたが、最適解は見つからず、結局検討もつかずに30分が経とうとしていた。
「なあ、俺たちに出来ることってなんか無いかな?アイツ一人で戦わせたら、アイツ多分死ぬべ」
「そーだよなあ。でも、軍隊に俺たちは関われないよな。別に今から入隊するわけにはいかないしなあ……。」
「でも、これって推しに近づく一歩なんじゃないか?」
義志斗が何を言っているのか高生には分からなかった。
「どういうことだ?」
「スズコさんが言っていたじゃないか!全員で協力して結びつく。ってことを!」
「これが、試練の一つ……なのか??」
「そうに違いないだろ!期間も迫ってきているのにそんな試練が遅くにくるわけがない。早くからその試練を提示して、長期期間で解決させるに決まってるよ」
「そうか、そうだよな!」
三人が去ってから30分が経った瞬間だった。僕たちはこれから進向を助けに行く。
「まあ、やることは決まってるよな!」
「フッ。まかせろ!」
義志斗が胸を叩いて言った。その顔は、やる気と自信でみなぎっていた。
「さあ、行くぞ!」
高生が義志斗の手を取った。それと同時に公輔が口を挟んだ。
「お前たち、何か忘れてないか???」
「???」
あ、やべ、忘れてた………。
「す、すすむ…」
絶対に誰にも聞こえないほどの小声で呟いたつもりだったが、
「おにいちゃん…あの人、しってるの?」
と、のりかが聞いてきた。
「ま、まあな。あいつは友達だ」
「?」
のりかはよく分かっていなかったっぽいが、まあ、いっか。と思っていると、ロングヘア美人の女性が、地下にいる人たち全員に聞こえるように、
「諸君、もう大丈夫だ!我々が来た」
と言った。「確かに、先頭の二人は強そうに見えるよ。でもね、進向は弱そうにしか見えない」と心の中で高生は思った。いや、多分みんな思っているだろう。あんなにガリガリなのに……。
「私たちは、今から二次元コミュを荒らす者たちとの戦闘をする。もしかしたら、ここにいる全員が生きれないかもしれない…。私たちも全員生き残れるように努力するが、助からないことがあることだけは承知してくれ」
そう言って、三人は礼をした。
「あと30分、15時に結界が破られ、奴らはここに侵入してくるだろう。それまでに我々も準備があるからな。失礼する」
そう言い残して、三人は出て行った。
三人が出ていったあとも、地下は静まり返っていた。話すときは皆、こそこそ話をしている。そんな空気に飲まれたのか、義志斗もひそひそと高生に話していた。
「進向、、、どうしたんだろう…スズコさんがついていくから大丈夫だと思っていたのに…どうして…」
「自分で選んだのか、誰かに強要されたのかも分からないな…。でも自主的に選んだとしたら、どうしてアイツが軍隊なんかに入ろうと…。」
高生と義志斗は、考えていたが、最適解は見つからず、結局検討もつかずに30分が経とうとしていた。
「なあ、俺たちに出来ることってなんか無いかな?アイツ一人で戦わせたら、アイツ多分死ぬべ」
「そーだよなあ。でも、軍隊に俺たちは関われないよな。別に今から入隊するわけにはいかないしなあ……。」
「でも、これって推しに近づく一歩なんじゃないか?」
義志斗が何を言っているのか高生には分からなかった。
「どういうことだ?」
「スズコさんが言っていたじゃないか!全員で協力して結びつく。ってことを!」
「これが、試練の一つ……なのか??」
「そうに違いないだろ!期間も迫ってきているのにそんな試練が遅くにくるわけがない。早くからその試練を提示して、長期期間で解決させるに決まってるよ」
「そうか、そうだよな!」
三人が去ってから30分が経った瞬間だった。僕たちはこれから進向を助けに行く。
「まあ、やることは決まってるよな!」
「フッ。まかせろ!」
義志斗が胸を叩いて言った。その顔は、やる気と自信でみなぎっていた。
「さあ、行くぞ!」
高生が義志斗の手を取った。それと同時に公輔が口を挟んだ。
「お前たち、何か忘れてないか???」
「???」
あ、やべ、忘れてた………。
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